麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成29年12月22日(金)10時47分~10時57分)

【冒頭発言】

 平成30年度の予算と平成29年度の補正予算が、本日の閣議において、その概算を決定しております。まず、平成30年度予算につきましては、総額97兆7,000億円、税収59兆1,000億円、新規国債発行額は約7,000億円減って33兆7,000億円となっております。この中で、「人づくり革命」、「生産性革命」をはじめ、現下の重要課題に重点化する一方、一般歳出は、58兆9,000億円となって、「経済・財政再生計画」の「目安」を達成いたしております。平成30年度予算も、経済再生と財政健全化を両立する予算ができたというふうに考えております。平成29年度補正予算は、「生産性革命」、「人づくり革命」等の政策的経費の追加で2兆7,000億円を計上いたしております。この財源については、既定経費の減額と税外収入の活用、また建設公債の発行によって賄うことにしております。平成30年度税制改正の大綱は、これも今日の閣議で決定をしております。平成30年度の税制改正におきましては、働き方が多様化しているような昨今の現状を踏まえて個人所得課税の見直しを行い、賃上げ・生産性向上のための税制上の措置等を行っておりますし、中小企業の世代交代等を促進するために事業承継税制を拡充、また観光促進のための税の創設、たばこ税の見直し等を行うこととしております。これを来年の通常国会に提出するべく、予算・税制ともに速やかに作業を進めていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)

本日、平成30年度の予算案が閣議決定されましたが、今回の予算案に込める大臣の思いというものを聞かせてもらいたいのと、あと新規国債額は減らせましたが、基礎的財政収支はいまだに10兆円を超える高い水準でして、今後の財政健全化に向けてどのように進めていくかをお聞かせください。

答)

平成30年度の予算というのは少なくとも、6年に一度と5年に一度ですから30年に一度になりましたけれども、診療報酬改定、薬価改定と介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定、生活保護の見直し、全部、惑星直列みたいに5つ、30年に一度の大改正が一遍に来たというので、ここのところが一番我々としては課題として取り組んだところですけれども、そこそこのところでおさまることができた結果、目安としておりました社会保障関係費の伸び5,000億円以下というのは、3年連続で達成できたということで財政健全化が着実に進んできていると思いますし、そのほか人づくりとかAIとか研究開発とか、いろいろなところがあるのですけれども、そういったところの生産性革命等についても予算としてはメリハリがついたような形の予算になったのではないかと思っております。基礎的財政収支の話については、確かに消費税の使い道の見直し等で予定より、2020年度の黒字化というのはなかなか難しいとは思いますけれども、この点については来年のなるべく早い時期にこういったものの対応がいつできるかというのをきちんとさせないといけないと思っています。今のところで大まかな計算で言っても意味がありませんけれども、少なくともプライマリーバランス、基礎的財政収支に関しましては引き続き縮めていく、事実縮まってきていますから、まだ10兆円を超えていることは確かですけれども、少なくとも今まで6.3%ぐらいだったものが3%になっていますから、そういった意味ではその方向に確実に進んでいるということは確かですし、今回の新規国債発行が約7,000億円減っていますから、そういった意味では全体として方向としては、財政をきちんとするという姿勢は維持していると思っていますので、着実に財政健全化を進めていきたい、そういうふうに思っております。

問)

平成30年度の当初予算についてお伺いします。今回、政策経費である一般歳出を税収だけで賄えるような形になったかと思いますけれども、ただ、予算全体で見ますと。

答)

それに気がついている人はほとんどいません。そんな具合に大局観で見ている人はほとんどいませんが、なかなか大事なことなのです、これは。ものすごくいいことを聞いているからしつこく言っていますけれど。

問)

ただ、予算全体で見ますと国債費が20兆円以上ありまして、なかなか単年度で改革努力を積み重ねても、そういう国債費なんかがあることによってなかなか予算の自由度が広がっていかないというような現状があると思うのですけれども、こうした点を踏まえて今後の財政運営はどうあるべきか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

国債費の中に占める、借金の利払いの占める比率が極めて高いところが問題なのです。プライマリーバランス、基礎的財政収支を黒字にする、そこの額を減らしていくというのが今後とも非常に大事なところで、幸いにして税収が伸びたりしていますので、そういったところがきちんといけるようにするためにはさらに財政というものの健全化を図るために経済を成長させ、少なくともGDPが増えるとか、結果として税収が増えるとか、法人税が入ってくるとか、いろいろな形でそういったものを維持していくということを考えなければいけないところなので、我々としてはGDPというものを引き続き伸ばすということを考えますし、いろいろな意味で私共としてはそれが伸びるために、生産性が上がらない限りは増えませんから、生産性を上げるためには財政投融資等、低金利の今の状況を使って、いわゆる道路、港湾等、生産性が上がるインフラをきちんとやっていかないといけない。そうしないと生産性拡大につながりませんから、そういったことを考えております。

問)

日本政策金融公庫の次期総裁に元財務次官の田中一穂氏という報道がありました。その事実確認と。

答)

それは今の閣議で決まりました。今月25日の取締役会で決まることになっていますから。

問)

商工中金等では経産省OBが歴代代表を務めていて批判等が上がっていますが、今回2代続けて財務次官の経験者ということで、田中一穂氏の起用の、どこがいいのかというポイントはありますでしょうか。

答)

本人の能力、識見、一番適していると思います。

問)

天下りの批判には当たらないということでよろしいでしょうか。

答)

当たらないと思います。

問)

ペジーコンピューティングの斉藤社長が詐欺容疑で逮捕されましたけれども、麻生大臣は以前、国会ですとか講演で先進的な事例として取り上げていらっしゃいますが、今回の逮捕についての御所見と、今まで斉藤社長と面識があるというようにお伺いしているのですが、どのように知り合われたのかという2点をお願いします。

答)

この人は確かコンピュータを水冷にするというところの画期的なところで、この人の改革によって少なくとも省エネ電力世界一になったのではないですか。それは知っていますか。私はこの人の品物を見にどこか、産総研か何かに行きました。それぐらいです。それからこの人の内容について、結果として省エネ電力、グリーン500に少なくとも2年連続世界一になっていますから、結果としては大きな成果を出していると思います。

(以上)

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