IX. 監督上の評価項目と諸手続(適格機関投資家等特例業務等)

IX-1 適格機関投資家等特例業務等に係る業務の適切性

適格機関投資家等特例業者等(適格機関投資家等特例業者(適格機関投資家等特例業務を行う者をいう。以下同じ。)又は特例投資運用業者(特例投資運用業務を行う者をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の業務の適切性に関しては、III-2(III-2-3-1、III-2-5-2、III-2-5-3、III-2-7からIII-2-10まで及びIII-2-12を除く。)、III-3-3、V-2-1-1、V-2-5((5)を除く。)並びにVI-2-5からVI-2-7までの各規定に準ずるほか、以下の点にも留意して検証することとする。

IX-1-1 勧誘・説明態勢

  • (1)主な着眼点

    • マル1適格機関投資家等特例業務の要件

      適格機関投資家等特例業者は、勧誘する顧客の属性に応じて、出資者の要件に該当することを確認し記録する必要があるため、例えば以下のような点に留意して検証することとする。

      • イ.勧誘する顧客が、金商業等府令第233条の2第3項第1号イに規定する「取引の状況その他の事情から合理的に判断して、その(当該顧客である個人が)保有する資産の合計額が一億円以上であると見込まれる」などに該当する「適格機関投資家等」(金商法第63条第1項第1号に規定する適格機関投資家等をいう。以下IXにおいて同じ。)であることを適切に確認するための措置として、例えば、当該顧客からの自己申告の書面及び当該顧客が任意に提供した資料(取引残高報告書又は通帳の写し等)を活用することにより、全体として「合理的に判断」して、投資性のある金融資産が1億円以上と見込まれることを十分に確認した上で、確認結果及びその根拠を記載した書面(以下マル1において「確認結果記録」という。)を管理・保存するなど、社内記録を適切に作成及び保存しているか。

      • ロ.勧誘する顧客が、「投資に関する事項について知識及び経験を有する者」(金商業等府令第233条の3各号のいずれかに該当する者(金商法施行令第17条の12第1項各号のいずれかに該当する者を除く。)をいう。以下IXにおいて同じ。)のうち、同条第7号に規定する「特に専門的な能力であって当該業務の継続の上で欠くことができないものを発揮して当該業務に従事した者」の要件に該当する場合、当該要件に該当することが外形的に明らかな場合を除き、当該顧客が従事した業務の内容などの当該要件に関する事実を十分に確認(例えば、当該業務に従事した当時に所属していた会社等が作成した職歴証明書の提出を顧客に求めるなど)した上で、確認結果記録を管理・保存するなど、社内記録を適切に作成及び保存しているか。

      • ハ.適格機関投資家以外の投資家(金商法第63条第1項第1号に基づく金商法施行令第17条の12第1項各号のいずれかに該当する者並びに投資に関する事項について知識及び経験を有する者をいう。以下IXにおいて同じ。)が49名を超えていないことを適切に確認し、確認結果についての社内記録を作成及び保存しているか。

      • ニ.出資要件を満たさない顧客に出資をさせるため、顧客に事実と異なる資産状況等の申告を誘導していないか、必要に応じて検証を行うなど、適正な勧誘に努めているか。

    • マル2適合性原則

      適格機関投資家等特例業者等は、金商法第40条の規定に基づき、顧客の知識、経験、財産の状況、投資目的やリスク管理判断能力等に応じた取引内容や取引条件に留意し、顧客属性等に則した適正な投資勧誘の履行を確保する必要がある。

      そのため、顧客の属性等及び取引実態を的確に把握し得る顧客管理態勢を確立することが重要であり、例えば以下のような点に留意して検証することとする。

      • イ.顧客属性等の的確な把握及び顧客情報の管理の徹底

        • a.顧客の投資意向、投資経験等の顧客属性等を適時適切に把握するため、顧客の投資目的・意向を十分確認して顧客管理票等(顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的を記載した書面をいう。以下イにおいて同じ。)を作成し、顧客管理票等に記載された顧客の投資目的・意向を適格機関投資家等特例業者等と顧客の双方で共有しているか(ただし、顧客の資産の状況や投資判断能力が外形的に明らかな場合にまで、一律に顧客管理票等の作成を求めるものではない。)。また、顧客の申出に基づき、顧客の投資目的・意向が変化したことを把握した場合には、顧客管理票等の記載内容の変更を行い、変更後の記載内容を適格機関投資家等特例業者等と顧客の双方で共有するなど、投資勧誘に当たっては、当該顧客属性等に則した適正な勧誘に努めるよう徹底しているか。

        • b.顧客属性等の状況及び顧客情報の管理の状況を把握するように努め、必要に応じて、顧客属性等に照らして適切な勧誘が行われているか等についての検証を行うとともに、顧客情報の管理方法の見直しを行う等、その実効性を確保する態勢構築に努めているか。

      • ロ.一般投資家の申出による特定投資家への移行

        金商法第34条の3第1項の規定に基づき、「一般投資家」である顧客より「特定投資家」への移行の申出を受けた際には、顧客の知識、経験、財産の状況、投資目的に照らして「特定投資家」として取り扱うことがふさわしいか否かを考慮した上で、承諾の可否について判断しているか

      • ハ.高齢顧客への勧誘に係る留意事項

        高齢顧客は、過去の投資経験が十分であったとしても、身体的な衰えに加え、短期的に投資判断能力が変化する場合もあることから、高齢顧客に対する投資勧誘においては、適合性の原則に基づいて、慎重な勧誘・販売態勢を確保しているか。また、商品販売後においても、丁寧なフォローアップを行っているか。

    • マル3顧客に対する説明態勢

      • イ.適格機関投資家以外の顧客に対して、出資対象事業の基本的な商品性、リスクの内容、種類や変動要因、適格機関投資家等特例業務が本来適格機関投資家(いわゆるプロ)向けの制度であり、出資できる者が限定されていることなどを分かりやすく説明しているか。

      • ロ.適格機関投資家等特例業者が、金商法第63条第9項に規定する「適格機関投資家等特例業務のうち投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものを行う場合」には、契約の締結までに、出資者に対し、運用財産の80%超を未公開株等に対する投資として運用するものであることなど金商法施行令第17条の12第2項第1号イ及びロ並びに第2号及び第3号に掲げる事項を記載した書面を交付し、当該書面及び交付日時に係る記録を作成及び保存しているか。

      • ハ.報酬が無料又は実際のものよりも著しく低額であるという虚偽の表示・説明をしていないか。

      • ニ.利回りの保証若しくは損失の全部若しくは一部の負担を行う旨の虚偽の表示・説明又はこれを行っているとの虚偽の表示・説明をしていないか。

      • ホ.「元本保証」、「必ず儲かる」など取引による損失の発生やリスク等のデメリットが全くないとの虚偽の表示・説明をしていないか。

      • ヘ.その他商品や取引の内容(基本的な商品性、及びリスクの内容、種類や変動要因等)について虚偽の表示・説明をしていないか。

      • ト.届出を行っていること等により、内閣総理大臣、金融庁長官、その他の公的機関が、適格機関投資家等特例業者等の信頼性を保証し、又は金融商品を推奨し、若しくはその広告等の内容を保証しているかのように誤解されるような表示・説明をしていないか。

  • (2)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握された適格機関投資家等特例業者等の課題については、深度あるヒアリングを行い、必要に応じて金商法第63条の6(金商法第63条の3第2項において準用する場合又は改正法附則第48条第3項、第5項若しくは第7項において適用する場合を含む。以下IXにおいて同じ。)の規定に基づく報告を求める。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第63条の5第1項(金商法第63条の3第2項において準用する場合又は改正法附則第48条第3項、第5項若しくは第7項において適用する場合を含む。以下IXにおいて同じ。)の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令違反行為が認められる等の場合には、金商法第63条の5第2項(金商法第63条の3第2項において準用する場合又は改正法附則第48条第3項、第5項若しくは第7項において適用する場合を含む。以下IXにおいて同じ。)の規定に基づく業務停止命令又は金商法第63条の5第3項(金商法第63条の3第2項において準用する場合又は改正法附則第48条第3項、第5項若しくは第7項において適用する場合を含む。以下IXにおいて同じ。)の規定に基づく業務廃止命令の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

    なお、金融商品取引法の一部を改正する法律(平成27年法律第32号)の施行日より前に、投資者に対して虚偽告知又は損失補てんを行っていると疑われる場合には、金商法第63条の6の規定に基づく報告を求める。その結果、当該業者が当該行為を行っていることが認められた場合には、別紙様式IX-1により文書による警告を行う等必要な対応を行うものとする。また、警告等の措置をとった場合の対応は、II-1-1(7)マル4に準じて行う。

IX-1-2 実態把握

  • (1)実態把握に当たっての留意事項

    届出書類の事後確認及び事業報告書の確認等を通じて行う実態把握に際しては、以下の点に留意する。

    なお、適格機関投資家等特例業務は、基本的には適格機関投資家を相手方とするものであるが、これまでに当局の検査等で把握された問題点や被害の態様等を踏まえれば、適格機関投資家の出資額や出資割合が著しく低い状況その他の事情を考慮して適格機関投資家の実在性が疑われる場合には、特に実態把握の必要性が高い。

    • マル1出資対象事業持分を取得する適格機関投資家や出資対象事業持分を有する適格機関投資家(以下(1)において、これらを総称して「出資適格機関投資家」という。)が、実体のない投資事業有限責任組合や、金商法上必要とされる手続を行わずに募集等又は運用が行われている投資事業有限責任組合(金融商品取引業等の登録や適格機関投資家等特例業務等の届出のない者が募集等又は運用を行う場合)などになっていないか。

    • マル2出資適格機関投資家が、例えば適格機関投資家等特例業者から、ほとんど実体のない業務に対する対価として報酬を受け取ることや、適格機関投資家等特例業者の子会社等又は関係会社等で実体のないものとなっていること等によって、実際には適格機関投資家として取得又は保有していないと評価し得るような状況となっていないか。

    • マル3適格機関投資家等特例業者又は適格機関投資家等特例業者が運用する他のファンドが唯一の出資適格機関投資家であるなど、適格機関投資家等特例業務の要件を充足しない私募又は運用が行われていないか。

    • マル4適格機関投資家等である旨が適切に確認された者以外の者に対するファンド持分の取得勧誘が行われていないか。また、全ての出資適格機関投資家が投資事業有限責任組合である場合において、金商業等府令第234条の2第1項第1号に規定する「投資事業有限責任組合契約の相手方のために運用を行う金銭その他の財産の総額から借入金の額を控除した金額が五億円以上であると見込まれるもの」に該当する投資事業有限責任組合が存在しているか。

    • マル5ファンドの総出資額に占める「密接な関係を有する者」(金商業等府令第233条の2第1項第2号(親会社等を除く。)から第6号に掲げる者(金商法施行令第17条の12第1項各号(第6号を除く。)のいずれかに該当する者を除く。)をいう。以下IXにおいて同じ。)及び「投資に関する事項について知識及び経験を有する者」の出資割合が2分の1以上となっていないか。

    • マル6適格機関投資家以外の投資家が49名を超えていないか。

    • マル7虚偽告知、損失補てん、顧客資産の流用や運用内容に係る虚偽報告などが行われていないか。

  • モニタリング調査、届出書類の事後確認及び事業報告書の確認等を通じて行う実態把握に際しては、以下の点に留意する。

    なお、適格機関投資家等特例業務は、基本的には適格機関投資家を相手方とするものであるが、これまでに当局の検査等で把握された問題点や被害の態様等を踏まえれば、適格機関投資家の出資額や出資割合が著しく低い状況その他の事情を考慮して適格機関投資家の実在性が疑われる場合には、特に実態把握の必要性が高い。

  • (2)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握された適格機関投資家等特例業者等の課題については、深度あるヒアリングを行い、必要に応じて金商法第63条の6の規定に基づく報告を求める。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第63条の5第1項の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令違反行為が認められる等の場合には、金商法第63条の5第2項の規定に基づく業務停止命令又は同条第3項の規定に基づく業務廃止命令の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

    なお、金融商品取引法の一部を改正する法律(平成27年法律第32号)の施行日より前に、投資者に対して虚偽告知又は損失補てんを行っていると疑われる場合又は顧客資産の流用など投資者保護上問題のある行為を行っていると疑われる場合には、金商法第63条の6の規定に基づく報告を求める。その結果、当該業者が当該行為を行っていることが認められた場合には、別紙様式IX-1又はIX-2により文書による警告を行う等必要な対応を行うものとする。また、警告等の措置をとった場合の対応は、II-1-1(7)マル4に準じて行う。

IX-2 諸手続

IX-2-1 届出事項の確認

  • (1)主な着眼点

    • マル1届出が必要とされる事項について、記載漏れ等はないか。

    • マル2添付が必要とされる書類について、添付漏れ等はないか。また、届出事項と添付書類の内容との間に齟齬等はないか。

    • マル3 金融商品取引業の登録を取り消された日から5年を経過していないなど、金商法第63条第7項(改正法附則第48条第3項又は第7項において適用する場合を含む。以下IXにおいて同じ。)各号のいずれかに該当していないか。

    • マル4届け出られた適格機関投資家が、定義府令第10条第1項に規定する適格機関投資家に該当するか。また、全ての出資適格機関投資家が投資事業有限責任組合である場合において、金商業等府令第234条の2第1項第1号に規定する「投資事業有限責任組合契約の相手方のために運用を行う金銭その他の財産の総額から借入金の額を控除した金額が五億円以上であると見込まれるもの」に該当する投資事業有限責任組合が存在しているか。

    • マル5届け出られた適格機関投資家が、定義府令第10条第1項に規定する適格機関投資家として実在するものであるか(実在が確認できない場合には、当該適格機関投資家に係る登記事項証明書又はこれに代わる書面の提示を求めるものとする。)。

    • マル6ファンドの総出資額に占める「密接な関係を有する者」及び「投資に関する事項について知識及び経験を有する者」の出資割合が2分の1以上となっていないか。

    • マル7届出者が法人である場合は、当該法人の代表者と連絡が取れる状態にあるか。届出者が外国法人である場合は、当該外国法人の国内における代表者と連絡が取れる状態にあるか。届出者が外国に住所を有する個人である場合は、当該個人の国内における代理人と連絡が取れる状態にあるか。

    • マル8主たる営業所又は事務所及び適格機関投資家等特例業務等を行う営業所又は事務所が、いわゆるバーチャルオフィスとなっていないか(届け出られた営業所等が、例えば短期間の契約によるレンタルオフィスである場合など、当該営業所等以外の場所で適格機関投資家等特例業務等を行っていることが想定される場合には、ヒアリングや関係資料の徴求などにより、実態把握に努めるものとする。)。

    • マル9適格機関投資家等特例業者等から金商法第63条の2第3項第2号の規定に基づく適格機関投資家等特例業務等の廃止の届出があった場合には、当該適格機関投資家等特例業者等による顧客取引の結了並びに顧客から預託を受けた財産及びその計算において自己が占有する財産の返還が行われているか等について確認を行うこととする。

    • マル10適格機関投資家等特例業者が、金商法第63条第9項に規定する「適格機関投資家等特例業務のうち投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものを行う場合」には、以下の事項の確認を行うこととする。

      • イ.運用財産の80%超を未公開株等に対する投資として運用するものであることなど金商法施行令第17条の12第2項第1号イ及びロ並びに第2号及び第3号に掲げる要件を充足するか。

      • ロ.契約の締結までに、出資者に対し、運用財産の80%超を未公開株等に対する投資として運用するものであることなど金商法施行令第17条の12第2項第1号イ及びロ並びに第2号及び第3号に掲げる要件に該当する旨を記載した書面を交付し、当該書面及び交付日時に係る記録を作成及び保存しているか。

      • ハ.金商法第63条第2項の規定に基づく届出が行われた日又は同条第8項の規定による届出に係る変更があった日から3か月以内(金商業等府令第239条の2第4項に規定する届出が行われた場合には6か月以内)に出資対象事業に係る契約書の写しが提出されているか。

      • ニ.適格機関投資家等特例業者が提出した契約書の写しには、金商業等府令239条の2第1項各号に掲げる事項が全て記載されているか。

      • ホ.金商業等府令第239条の2第6項に規定する契約を締結することができない旨の届出が行われた権利と同一の権利について、当該届出後においても引き続き「投資に関する事項について知識及び経験を有する者」を相手方とした私募又は運用を行っていないか。

  • (2)監督手法・対応

    適格機関投資家等特例業務については、適格機関投資家等特例業務の届出を受理した場合、届出事項に関して必要な確認を行う。その結果、届出事項に関し、不備や届出内容の疑義等が認められる場合は、必要に応じて金商法第63条の6の規定に基づく報告を求め、是正状況を把握し、状況に応じて業務改善命令や業務停止命令など必要な対応を検討する。

    具体的な是正策が提示されない場合や、金商法第63条第7項各号に規定する欠格事由のいずれかに該当すると認められた場合は、原則として、金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令を発出するものとする。

IX-2-2 届出者リスト等の作成及び公表等

  • (1)届出者リストの作成及び公表等

    投資者が各適格機関投資家等特例業者等に関する情報を把握できるよう、各適格機関投資家等特例業者等の金商法第63条第5項(同法第63条の3第2項において準用する場合又は改正法附則第48条第3項、第5項若しくは第7項において適用する場合を含む。)に基づいて公衆縦覧すべき事項等((4)に規定する事項とし、以下「届出者リスト等記載事項」という。)を掲載したリスト(以下「届出者リスト」という。)を作成し、金融庁ホームページにおいて公表する。

    このため、金融庁は1月ごとに、財務局における届出の受理状況等を確認のうえ、届出者リストを作成・更新し、金融庁ホームページにおいて公表するものとする。

  • (2)業務廃止命令を発出した届出者リストの作成及び公表等

    金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令が発出された適格機関投資家等特例業者等を投資者が把握できるよう、業務廃止命令を発出した届出者リスト(以下「業務廃止命令を発出した届出者リスト」という。)を作成し、金融庁ホームページにおいて公表する。

    このため、金融庁は、適格機関投資家等特例業者等に金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令が発出された場合には、当該適格機関投資家等特例業者等について、届出者リスト又は連絡が取れない届出者リスト((3)において定義されるものをいう。)から届出者リスト等記載事項を削除し、当該届出者リスト等記載事項を業務廃止命令を発出した届出者リストに掲載して、金融庁ホームページにおいて公表することとする。

  • (3)連絡が取れない届出者リストの作成及び公表等

    監督当局から連絡を取ることができず、その営業所又は事務所を確知できない適格機関投資家等特例業者等を投資者が把握できるよう、連絡が取れない届出者リスト(以下「連絡が取れない届出者リスト」という。)を作成し、金融庁ホームページにおいて公表する。

    このため、金融庁は、日常の監督事務等を通じて、監督当局から連絡を取ることができず、その営業所又は事務所を確知できない適格機関投資家等特例業者等が認められた場合には、当該適格機関投資家等特例業者等の届出者リスト等記載事項を届出者リストから削除し、当該届出者リスト等記載事項を連絡が取れない届出者リストに掲載し、金融庁ホームページにおいて公表する。掲載・公表するに当たっては、届出を受けた営業所又は事務所を確知できないこと、確知できない旨を金融庁ホームページに公表した日から30日以内に各管轄財務局等に申出をすること及び当該期間中に申出がないときは、別途、聴聞等の行政手続を行った上で業務廃止命令を発出することがあることを明示する。

    なお、営業所又は事務所を確知できた適格機関投資家等特例業者等については、連絡が取れない届出者リストから削除した上で、届出者リストに掲載することとし、金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令を行った適格機関投資家等特例業者等については、連絡が取れない届出者リストから削除した上で、業務廃止命令を発出した届出者リストに掲載することとする。

  • (4)届出者リスト等記載事項

    • マル1届出者リスト等記載事項については、以下の事項とする(但し、カ.については、連絡が取れない届出者リストに係る届出者リスト等記載事項からは除くものとし、また、ラ.については、連絡が取れない届出者リストに限るものとする。)。

      • イ.商号、名称又は氏名及び法人番号

      • ロ.管轄財務局等

      • ハ.代表者、他の役員及び政令で定める使用人の氏名又は名称及び役職

      • ニ.政令で定める使用人の種別

      • ホ.業務の種別

      • へ.主たる営業所又は事務所の名称、所在地及び電話番号

      • ト.適格機関投資家等特例業務を行う営業所又は事務所の名称、所在地及び電話番号

      • チ.ホームページアドレス

      • リ.他に行っている事業の種類

      • ヌ.資本金の額又は出資の総額

      • ル.金融商品取引業者等としての登録の有無

      • ヲ.金融商品取引法の一部を改正する法律(平成27年法律第32号)の施行日より前の届出の有無

      • ワ.金商法第63条第2項の届出の日又は同条第8項の規定に基づく直近の届出の日

      • カ.行政処分等の状況

      • ヨ.出資対象事業持分の名称

      • タ.出資対象事業持分の種別

      • レ.出資対象事業の内容

      • ソ.適格機関投資家の種別及び数

      • ツ.適格機関投資家以外の出資者の有無

      • ネ.金商業等府令第233条の3各号に掲げる者の有無

      • ナ.公認会計士又は監査法人の氏名又は名称

      • ラ.営業所又は事務所が確知できない旨を公表した日
    • マル2上記①カ.に規定する行政処分等の状況の記載について

      • イ.金商法第63条の5第1項の規定に基づく業務改善命令若しくは同条第2項の規定に基づく業務停止命令を発出した適格機関投資家等特例業者等については、当該行政処分の状況を記載することとする。

      • ロ.この監督指針に基づく警告を行った適格機関投資家等特例業者等や、金商法第63条の6に基づく報告命令に応じない等の問題が認められた適格機関投資家等特例業者等については、当該問題の内容を記載することとする。

IX-2-3 無届業者に関する留意点

投資者からの苦情、捜査当局からの照会、金融商品取引業者・金融商品取引業協会等からの情報提供又は新聞広告等から、金商法第63 条第2項に規定する届出を行うことなく適格機関投資家等特例業務等を行っている業者を発見した場合には、当該業者に対し、かかる行為を直ちに取り止める又は直ちに届出を行うよう文書で警告を行うこととする。

IX-2-4 出資対象事業に係る契約書の写しの提出期限の延長等

  • (1)期間延長の届出

    適格機関投資家等特例業者が、金商法第63条第9項に規定する「適格機関投資家等特例業務のうち投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものを行う場合」には、原則として、同条第2項の規定に基づく届出が行われた日又は同条第8項の規定による届出に係る変更があった日から3か月以内に出資対象事業に係る契約書の写しを提出しなければならない。

    ただし、上記期間内に契約書の写しを提出できない旨の届出があった場合には、契約書の写しの提出期限が3か月間(最大6ヶ月間まで)延長されることに留意する。

  • (2)契約を締結することができない旨の届出

    適格機関投資家等特例業者が、(1)に規定する期間内に出資対象事業に係る契約を締結できないときは、当該期間経過後遅滞なく、その旨及び理由を届け出なければならない。

  • (3)出資対象事業に係る契約書の写し及び契約を締結することができない旨の届出のいずれも提出されない場合

    金商法第63条第2項の規定に基づく届出が行われた日又は同条第8項の規定による届出に係る変更があった日から3か月以内(上記(1)後段の届出が行われた場合には6か月以内)に、出資対象事業に係る契約書の写し及び契約を締結することができない旨の届出のいずれも提出されない場合、たとえ期間経過後に契約書の写し等が提出されたとしても、当該法令違反は治癒できないことを踏まえ、金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令の発出も含め、必要な対応を行うこととする。

IX-2-5 適格機関投資家等特例業者等に対する監督上の処分等に関する留意点

  • (1)適格機関投資家等特例業務等に該当しないことが疑われる場合の留意点

    適格機関投資家等特例業者等が行う業務が、適格機関投資家等特例業務又は特例投資運用業務の要件に該当しない場合(適格機関投資家等特例業務にあっては、例えば、スキームの組成に必要とされる適格機関投資家が、適格機関投資家等特例業者等から、ほとんど実体のない業務に対する報酬を受け取ることによって、実際には適格機関投資家として出資対象事業持分を取得し、又は保有していないと評価し得るような場合を含む。)は、当該業者は金商法第29条に基づく登録を行うことが必要となる旨の周知に努めるものとする。

    日常の監督事務等を通じ、適格機関投資家等特例業者等について上記の要件に該当しない疑いが把握された場合には、金商法第63条の6の規定に基づく報告を求め、その結果として必要な場合には、金商法63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令の発出も含め、必要な対応をとるものとする。また、立入検査等において上記の要件に該当しないことが認められた場合にも、同様の対応を行うものとする。

     

  • (2)適格機関投資家等特例業務に該当しなくなった場合の留意点

    適格機関投資家等特例業者が行う業務について、適格機関投資家の投資撤退、又は適格機関投資家以外の投資家の増加等の要因により適格機関投資家等特例業務に該当しなくなった場合(金商法第63条第9項に規定する「適格機関投資家等特例業務のうち投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものを行う場合」の要件を満たさなくなった場合を含む。)には、投資者保護の観点から、以下の対応を行うものとする。

    • マル1金商法第63条第12項の命令

      金商法第63条第12項(金商法第63条の3第2項において準用する場合を含む。)の「特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務として開始した第1項第2号に掲げる行為に係る業務が適格機関投資家等特例業務に該当しなくなつたとき」は、特例業務開始時には適格機関投資家等特例業務に該当していたが、適格機関投資家等特例業者の責に帰さない何らかの理由で適格機関投資家等特例業務に該当しなくなったときを想定しており、この場合は、適格機関投資家等特例業者が行う業務を他の金融商品取引業者に移管させる等の措置を命ずる必要がある。

    • マル2上記マル1以外の場合

      上記マル1以外の場合には、金商法第63条の特例は適用されず、適格機関投資家等特例業者は金商法の登録を受けずに投資運用業を行うことになることから、当該適格機関投資家等特例業者に対しては、金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令の発出を含め、必要な対応を行うこととする。

  • (3)営業所又は事務所を確知できない適格機関投資家等特例業者等への対応についての留意点

    日常の監督事務等を通じて、監督当局から連絡を取ることができず、その営業所又は事務所を確知できない適格機関投資家等特例業者等が認められた場合には、Ⅸ-2-2(3)に基づき、連絡が取れない届出者リストに掲載し、届出を受けた営業所又は事務所を確知できないこと等を明示し、これを金融庁ホームページにおいて公表した上で、当該公表の日から30日を経過しても当該適格機関投資家等特例業者等から申出がないときは、当該適格機関投資家等特例業者等に対しては、金商法第63条の5第3項の規定に基づく業務廃止命令を発出することとする。

  • (4)業務廃止命令を発出する際の留意点

    適格機関投資家等特例業者等の業務の適切性に関する問題について、投資者等に与える影響や行った行為の悪質性などが重大又は深刻であり、金商法第63条の5第1項の規定に基づく業務改善命令又は同条第2項の規定に基づく業務停止命令を行ったとしても当該適格機関投資家等特例業者等に係る問題の改善が期待されない場合においては、同条第3項の規定に基づく業務廃止命令を発出することとする。

    また、金商法第63条の5第3項に規定する「他の方法により監督の目的を達成することができないとき」とは、必ずしも、同項の規定に基づく業務廃止命令に先立って業務改善命令又は業務停止命令を発出することを要求する趣旨ではない。例えば、適格機関投資家等特例業者等について、金融商品取引業者等であれば登録の取消しとなるような重大な法令違反が認められた場合、「他の方法により監督の目的を達成することができないとき」に該当することから、直ちに業務廃止命令を発出することとする。

    なお、適格機関投資家等特例業者等に対して業務廃止命令を発出した場合には、当該適格機関投資家等特例業者等による顧客取引の結了並びに顧客から預託を受けた財産及びその計算において自己が占有する財産の返還を確認した上で、金商法第63条の2第3項第2号に規定する適格機関投資家等特例業務等の廃止の届出を求めることとする。

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