貸出条件緩和債権関係Q&A

○総論

  • (問1)監督指針における「貸出条件緩和債権」に係る規定のポイント如何。

  • (問2)中小・地域金融機関にも主要行等と同様の規定を設定するのか。それとも中小・地域金融機関の特性を踏まえた対応を行うこととなるのか。

○各論

  • (問1)「信用リスクに基づく適切かつ精緻な区分を設け、その区分に応じた新規貸出約定平均金利を基準金利とすること。」とはどういう意味か。

  • (問2)「基準金利は経済合理性に従って設定されるべきである」とあるが、その中で、基準金利を、理論値ではなく新規貸出約定平均金利に変更する主旨如何。

  • (問3)基準金利を新規貸出約定平均金利とすると、元本回収リスクをカバーできていない金利であっても、基準金利として認めることとなるのか。

  • (問4)「新規貸出約定平均金利が、その区分において、信用リスク等に見合ったリターンが確保されている旨を合理的・客観的に証明できる方法により求めた金利を著しく下回る場合には、当該方法により求めた金利を基準金利とすること。」とあるが、

    • (1)「信用リスク等に見合ったリターンが確保されている旨を合理的・客観的に証明できる方法により求めた金利」とは何か。

    • (2)「著しく下回る」とは、具体的に何%程度を想定しているのか。

  • (問5)同一金融機関で、信用リスクに基づく区分ごとに基準金利の設定が「新規貸出約定平均金利」を使用したり、「他の方法」を使用したりすることは、許容されるのか。

  • (問6)リスク管理債権は、金融機関の単体ベース及び連結ベースにて開示することが必要であるが、連結ベースで開示する場合には、連結ベースにて基準金利を設定する必要があるのか。また、総合的な採算を勘案するにあたっても金融機関側、債務者側ともに連結ベースで判断するのか。

  • (問7)金融機関によっては未だに信用格付けなどを行っておらず、「基準金利」を算出していないところも見受けられる。そのような場合には、債務者の実態により、貸出条件緩和債権か否かを判断することとなるのか。

  • (問8)過去に条件緩和を行ったが、その時点での基準金利と照らし合わせ、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると認められ、貸出条件緩和債権にならなかった。その後、金融経済情勢等の変化等により基準金利が引き上げられ、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていないと認められるに至った場合、その時点で当該債権は貸出条件緩和債権となるのか。

  • (問9)基準金利は、「当該債務者と同等な信用リスクを有している債務者に対して通常適用される新規貸出実行金利」としているが、同等な信用リスクを有している債務者に対する貸出金について、担保・保証の差異や与信期間の差異等はどのように勘案されるのか。

  • (問10)「債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として」いるかどうかと、「債務者に有利となる取決め」を行っているかどうかは、貸出条件緩和債権の判定上どのような関係にあるのか。

  • (問11)他行よりの借換攻勢に対し、防衛目的での他行提示金利程度までの金利引下げは、「競争上の観点」からの改定として「債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として」いないと認められるのか。

  • (問12)「担保・保証等による信用リスク等の増減、競争上の観点等の当該債務者に対する取引の総合的な採算を勘案して、当該貸出金に対して、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保」されている場合とは、具体的にどのような場合なのか。また、その利回りはどのように算定するのか。

    破綻先については、担保・保証等からの回収結果から、結果的に、その債務者利回りを計算できるが、要注意先について、「担保・保証等による信用リスクの減少により、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されるか否か」をどのように判断するのか。

  • (問13)条件緩和後の貸出金の適用金利が基準金利を上回っているが、当該債務者に対する取引の総合的な採算を勘案した結果、当該貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていないと認められる場合には、貸出条件緩和債権に該当することとなるのか。

  • (問14)「取引の総合的な採算を勘案して、…」とあるが、「総合的な採算」に該当する範囲とは、「債務者企業本体の取引」と「当該債務者企業の従業員全員の取引」と「当該債務者企業の代表者の影響力のある取引」を含めたもので判断してよいのか。

    • 「当該債務者企業の代表者の影響力のある取引」の例としては、代表者の人縁等の影響力により正常な取引が継続されている取引先(商工会、商店街協組等)が想定される。

  • (問15)「当該債務者に対する取引の総合的な採算」に勘案すべき要素とは何か。

    また、個別債務者に関する他の貸出金利息、手数料、配当等の収益、担保・保証等による信用リスク等の増減、競争上の観点以外に、どのようなものが考えられるか。

  • (問16「競争上の観点」とは具体的にはどのようなケースが考えられるのか。

  • (問17)総合的な採算として勘案する要素として、担保・保証等による信用リスク等の増減が規定されているが、根担保や根保証を設定している場合にはどのように勘案すればよいか。

  • (問18)貸出金が、信用保証協会保証などの保証により100%保全されており、信用リスクは極めて低いと考えられる場合で、調達コスト(資金調達コスト+経費コスト)を確保している場合であっても、当該債権が属する区分の基準金利を上回っていなければ貸出条件緩和債権に該当することとなるのか。

  • (問19)「経営支援先に対する債権」について、「追加的支援の蓋然性が高い債務者に対する貸出金」とする主旨如何。

  • (問20)「経営支援先に対する債権」は、「債権放棄やDES(デット・エクイティ・スワップ)などの支援を実施し、今後も再建計画の実施に際し追加的支援の蓋然性が高い」場合と定義されている。このため、債権放棄などの支援を実施したが、追加的支援の蓋然性が高いと認められない場合には、「経営支援先に対する債権」に該当しないことから全額不開示としてよいのか。

  • (問21)「一部債権放棄を実施した債権」について、債権放棄額を債務者の財務状況等に応じて決定している場合等には、貸出金の回収可能性が債務者に帰属しているため、当該債務者に対する貸出金全体を開示する必要があるのか。

  • (問22)貸出条件緩和債権は、当該債権に係る「当該貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれる場合、又は当該債務者の債務者区分が正常先となった場合」に卒業することとされているが、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されたことによって、一旦、貸出条件緩和債権から卒業したが、その後、基準金利が上昇し、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りを確保できなくなった場合には、どのように考えればよいのか。

  • (問23)「当該債務者の経営状況が改善し信用リスクが減少した結果、当該貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれる場合」とは、信用リスクが減少した時点での基準金利をベースに考えるのか。

  • (問24)「当該債務者の経営状況が改善し信用リスクが減少…」とあるが、

    • マル1経営状況の改善とはどの程度を指すのか。

    • マル2例えば、期間損益の黒字、債務超過の解消等があればよいのか。

  • (問25)貸出条件緩和債権を有する債務者について、基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されない場合であっても、個別貸出金単位では緩和した条件を復元した場合には、貸出条件緩和債権は解除されると考えてよいか。

  • (問26)「特に、実現可能性の高い抜本的な経営再建計画に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合には、当該経営再建計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。」とあるが、

    • マル1ここでいう金融支援とは具体的にどのようなものを指すのか。

    • マル2当該経営再建計画に基づく貸出金とは、当該債務者に対する貸出金のすべてが含まれると考えてよいのか。

    • マル3「当該計画に基づく貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていないと見込まれるようになった場合には、当該計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権に該当することとなる」とあるが、この場合認定されるのは過去貸出条件緩和債権に認定していた貸出金のみが対象か。

    • マル4経営再建の「終了」時点ではなく「開始」時点における当該経営再建計画に基づくすべての貸出金が貸出条件緩和債権ではないと判断してよいのか。

      あるいは「当該経営再建計画に基づく貸出金」というのは、当該計画開始後に新たに実行した貸出金のみを指すと解釈すべきなのか。

  • (問27)「実現可能性の高い」の要件として、

    • (1)「一 計画の実現に必要な関係者との同意が得られていること。」

    • (2)「二 計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと。」

    • (3)「三 計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること。」

    のそれぞれを規定してある主旨如何。

  • (問28)「抜本的な」の要件として、

    • (1)「概ね3年(債務者企業の事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない。)後の当該債務者の債務者区分が正常先となることをいう」

    • (2)「なお、債務者が中小企業である場合の取扱いは、金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」を参照のこと」

    の主旨如何。

  • (問29)平成20年11月7日の「抜本的な」の要件に係る改正は、中小企業の資金繰りを支援するための時限的な措置なのか。

  • (問30)平成20年11月7日の「抜本的な」の要件に係る改正では、「なお、債務者が中小企業である場合の取扱いは、金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」を参照のこと」が加えられたが、大・中堅企業についてもこの考え方を準用できると理解してよいか。

  • (問31)平成20年11月7日の改正で、「抜本的な」の要件から「各金融機関毎に、計画における当該債務者に対する取引の総合的な採算を勘案すると、当該貸出金に対して、計画を踏まえた信用リスクの低下及び計画の不確実性を加味した基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれること。」が削除されたが、この改正は中小企業以外にも適用されるのか。

    また、改正前からの貸出条件緩和債権(平成20年11月7日以前に貸出条件が緩和された場合)についても、実現可能性の高い抜本的な経営再建計画が策定されればよく、金利改定を行う必要がないと考えてよいか。

  • (問32)条件変更の時点では、経営再建計画が策定されていなかったが、その後「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」を策定した場合には、卒業基準を満たすと判断して差し支えないか。また、条件変更の時点では、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」の要件を満たさない計画が策定されており、その後の状況の変化により、要件を満たすようになった場合も、卒業基準を満たすと判断して差し支えないか。

  • (問33)「私的整理に関するガイドライン」項番7「再建計画案の内容」の(2)、(3)及び「私的整理に関するガイドラインQ&A」のQ37との関係はどのように考えればよいか。

    具体的には、実質債務超過解消及び経常損益の黒字化は3年以内を目処に実現可能だが、再建計画が終了し正常先となるまでには概ね3年超を要する場合をどう考えるか。

  • (問34)中小企業再生支援協議会の記述の主旨。

  • (問35)「(注1)及び(注2)の要件を当初全て満たす計画であっても、その後、これらの要件を欠くこととなり、当該計画に基づく貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていないと見込まれるようになった場合には、当該計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権に該当することとなることに留意する。」とあるが、これは、例えば、当該債務者の経営計画の計画期間が5年であったが、その後の業況の悪化により、明らかに5年では計画を達成できないことが明らかになった場合等を想定しており、この場合、計画の達成不可能が明らかになった時点で貸出条件緩和債権に該当することになるとの理解でよいか。

  • (問36)他行が保有していた貸出条件緩和債権を購入した場合には、引き続き貸出条件緩和債権に該当するのか。

  • (問37)コベナンツの変更・猶予を行った場合、貸出条件緩和債権に該当することとなるのか。

  • (問38)21年4月10日に政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議において取りまとめられた「経済危機対策」の趣旨を踏まえ、

    • マル1日本政策投資銀行と協働した形での既存債務の条件緩和(実質的に既存債務の条件緩和として行われる更新融資を含む)を行う場合、又は

    • マル2産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(改正産活法)の認定企業に対して、日本政策投資銀行による出資と協調して既存債務の条件緩和(実質的に既存債務の条件緩和として行われる更新融資を含む)を行う場合、

    これらの債権は貸出条件緩和債権に該当することとなるのか。

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