「金融庁の1年(平成24事務年度版)」について

平成25年11月29日
金融庁

1. 趣旨

金融庁は、日本の金融の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るとともに、公正・透明な市場の構築を任務として、透明かつ公正な行政の実施に努めています。

平成24事務年度(24年7月~25年6月)においては、東日本大震災の復興支援に引き続き取り組むとともに、(1)中小企業等に対する円滑な資金供給の確保や経営支援の促進、(2)日本経済のデフレ不況からの脱却と力強い成長の実現に向けた金融面からの取組み、(3)国際的な金融規制の改革の議論などへの積極的な参加・貢献、に取り組んできました。

具体的には、中小企業金融円滑化法の期限到来にあたり、金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきことや、そうした監督・検査の方針が、期限到来後も何ら変わらないことを明確化するとともに、関係省庁と連携して、中小企業・小規模事業者に対する経営支援の強化、個々の借り手への説明・周知等を含む総合的な対策を推進してきました。

また、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」に次ぐ第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」として策定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議決定)や「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)を踏まえ、新規・成長企業へのリスクマネーの供給強化などを図るため、資金調達の多様化、個人保証制度の見直しやコーポレートガバナンスの強化など金融・資本市場の活性化に向けた取組みについて検討を行ってきました。

国際的には、G20財務大臣・中央銀行総裁会議やFSB(金融安定理事会)等において、システム上重要な金融機関(SIFIs)の監督・破綻処理の枠組み、店頭デリバティブ取引の規制やシャドー・バンキングに対する規制・監督のあり方などについて、更なる検討が進められてきました。

本冊子「金融庁の1年」は、こうした金融庁の24事務年度における様々な取組みを、制度の企画立案・検査・監督の各般にわたって取りまとめたものです。本冊子が、国民の皆さんにとって、金融庁並びに金融行政に対する理解を深めていただくきっかけとなれば幸いです。

2. 全体の構成

「金融庁の1年(平成24事務年度版)」は、本編及び資料編から成り立っています。

本編は、

  • 第1部金融庁の組織及び行政運営
  • 第2部金融に関する制度の企画及び立案
  • 第3部金融監督等
  • 第4部金融検査
  • 第5部国際関係の動き

から構成されており、本編に関連する資料(報道発表資料等)を資料編としてまとめています。

3. 概要

第1部 金融庁の組織及び行政運営

第1部は、金融庁の組織とこの1年間の行政運営について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融庁の組織に関しては、所掌事務や組織編成の特徴、25年度の体制整備について記載しています。

  • (2)金融庁の行政運営に関しては、この1年間の行政運営として、職員の任用、研究、研修、報道・広報、情報公開、金融サービス利用者相談室、政策評価への取組み等について記載しています。

第2部 金融に関する制度の企画及び立案

第2部は、金融・資本市場等に関する制度の企画・立案等の取組み、預金取扱金融機関・保険会社その他の金融に関する制度の企画・立案、審議会等の活動状況、政府全体の施策における金融庁の取組み等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融・資本市場等に関する制度の企画・立案等に関しては、以下の事項等について記載しています。

    • 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成22年法律第32号)の一部の施行に伴う関係政令・内閣府令の整備

    • 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成24年9月6日成立)について

    • 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年6月12日成立)について

    • ディスクロージャー制度の充実・運用

    • その他金融・資本市場等に関する各種施策等

  • (2)審議会等の活動状況に関しては、金融庁に置かれた金融審議会、自動車損害賠償責任保険審議会、企業会計審議会等の開催状況・審議内容や官民ラウンドテーブルについて記載しています。

  • (3)政府全体の施策における金融庁の取組みに関しては、政府の経済対策等における金融庁の取組み、政府の成長戦略における金融庁の取組み、金融に関する税制といった政府全体の経済政策において重要な政策として位置づけられている施策の概要や金融庁の具体的施策について記載しています。

第3部 金融監督等

第3部は、業態横断的な監督をめぐる動き、預金取扱金融機関、信託会社、保険会社、証券会社等に関する監督をめぐる動きのほか、法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)、課徴金納付命令等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)業態横断的な監督をめぐる動きに関しては、オフサイト・モニタリング、金融上の行政処分、反社会的勢力への対応、金融コングロマリット監督等について記載しています。

  • (2)預金取扱金融機関の監督をめぐる動きに関しては、監督指針・監督方針、24年度決算の概況や金融機関の再編等の状況、行政処分の内容、自己資本比率規制への対応、資本増強制度の運用状況、地域密着型金融の推進、中小企業金融をはじめとした企業金融等の円滑化、振り込め詐欺への対応等について記載しています。

  • (3)信託会社等の監督をめぐる動きに関しては、監督指針、新規参入、行政処分等について記載しています。

  • (4)保険会社等に関しては、監督指針・監督方針、25年3月期決算状況、再編等の状況、統合的リスク管理態勢の整備・高度化、ソルベンシー・マージン比率の見直し等について記載しています。

  • (5)証券会社等に関しては、監督指針・監督方針、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業、信用格付業者等について記載しています。

  • (6)法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)、一般的な法令解釈に係る書面照会手続に関しては、手続きの概要等について記載しています。

  • (7)課徴金納付命令に関しては、導入の経緯、課徴金納付命令等の状況について記載しています。

第4部 金融検査

第4部は、24検査事務年度の金融検査の実施状況や金融検査の透明性・実効の向上等のための方策等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融検査の実施状況に関しては、24検査事務年度基本方針に基づいた施策のほか、預金取扱金融機関、保険会社等に対する検査の実施状況と検査結果の概要について記載しています。

  • (2)金融検査の透明性・実効性の向上等のための方策に関しては、検査マニュアルの整備、検査評定制度、検査モニター制度、金融検査結果事例集等について記載しています。

第5部 国際関係の動き

第5部は、金融危機再発防止に向けた国際的な取組み、金融監督国際機構等、金融に関するその他の国際的フォーラム、海外の金融当局との関係について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融危機再発防止に向けた国際的な取組みに関しては、首脳・閣僚級の国際会議(金融サミット等)の概要、活動状況及び金融庁の対応のほか、金融安定理事会の概要及び活動状況について記載しています。

  • (2)金融監督国際機構等に関しては、バーゼル銀行監督委員会、証券監督者国際機構、店頭デリバティブ市場改革に係る国際的な枠組み、保険監督者国際機構等の概要及び活動状況について記載しています。

  • (3)金融に関するその他の国際的フォーラムに関しては、国際通貨基金、経済協力開発機構、世界貿易機関、経済連携協定等の概要及び活動状況について記載しています。

  • (4)海外の金融当局との関係に関しては、アジアの金融インフラ整備支援等、金融監督者間の2国間連携強化等について記載しています。

連絡・問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課(内線3710、3231)

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