平成19年の公認会計士試験の願書提出者の人数は20,926名ですが、このうち2,706名は、平成15年の公認会計士法改正以前の旧2次試験の合格者等の短答式試験みなし合格者の方 などです。これを除いた短答式試験受験者等の人数は18,220名でございますが、この中には、前年度の短答式試験合格者による短答式試験免除者等が含まれております。以前は、短答式試験に合格したものの論文式試験を不合格になった人は、もう一度短答式試験から受けなおさなければならない仕組みでしたが、平成15年の試験制度の改革により、短答式試験に合格すると、それから2年以内に行われる短答式試験については免除となり、論文式試験から受験できることになりました。 平成19年試験の結果は、短答式試験合格者が6,321名、論文式試験受験者が9,026名となり、旧2次試験の合格者を除く論文式試験の合格者は2,695名となりました。この2,695という数字は過去に比べ非常に人数が増えているという印象を受けるでしょうが、これは2年間の短答式試験免除制度が大きく左右したのであろうと思います。また、論文式試験に不合格になっても、一部の科目について論文式試験合格者の平均点以上を獲得すると、その後2年間はその科目が免除となります。そうなると、短答式試験のための対策は行う必要はなく、その上、論文式試験の科目についても絞って勉強できるようになります。このように、試験の仕組みの改革が本年度の合格者の増加につながっているのではないでしょうか。現在、公認会計士の業務は拡大しており、また、社会の公認会計士の果たす役割への期待というのは大変大きいものです。公認会計士の世界により一層多様な人々を迎え入れるということが必要であると思っています。 |