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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年12月26日(金) 10時30分~10時48分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。

閣議、閣僚懇で特に私の方からご報告することはございません。

閣僚懇で、総理から、「今年最後の閣議になる。お正月休み、束の間の休息ではあるけれども、英気を養ってまた来年以降頑張りましょう」という話がございました。

1点私の方から申し上げます。

昨日、佐賀銀行の経営に関して、悪質な風評が発生して、佐賀県内の営業店において、預金引き出しのための行列ができたというふうに聞いております。佐賀銀行においては、同日夕刻、松尾頭取が記者会見を行って、悪質なデマであり、そういう事実はない旨発表するとともに、警察に告訴を行ったと承知をしています。

また、同行を所管する福岡財務支局においては、同行頭取が記者会見で言われたように、同行にかかる悪質な電子メール記載のような事実は全くないこと、同行の経営内容、健全性、資金繰りはいずれも問題ないということ、従って預金者には冷静な対応をお願いしたいと、そういった支局長のコメントを発しているところであります。

いずれにしましても、預金者等におかれては、冷静な対応を是非お願いしたいと思っております。

私の方からは以上です。

2.質疑応答

問)

今朝方幾つか重要な経済指標が出ていますけれども、まず労働力調査と消費者物価ですが、労働力調査の方は完全失業率は横ばいです。一方で、有効求人倍率が5カ月連続改善しております。消費者物価ですけれども、全国の生鮮食品を除く総合指数は、10月はプラスだったんですけれども、今月またマイナスに転じておりますが、この2つについて大臣の所感といいますか、見方をお伺いします。

答)

いつも申し上げておりますけれども、統計月次で出る統計に関しましては、その月々の変動も去ることながら、これには季節調整などの若干の技術的要因もありますので、トレンドとして、どのように動いているかということをしっかり見ることが重要であると思っております。そういう意味では、失業、有効求人倍率、更には物価関連の指標、これまでの我々の認識を基本的には裏付けるものであると思っております。経済は、持ち直しの動きの中にある。そうした中で、緩やかなデフレが続いている。雇用環境は依然として厳しい状況の中にある。そういう意味で、月例で報告しております我々の見方を、基本的には裏付ける、確認するものになっているというふうに思っております。

その中で、敢えて目立つものがあるとすれば、有効求人倍率の上昇がここのところ大きいと。これは、まさしく求人は存在しているが、しかし、労働市場における需給のミスマッチがやはり大きいということを示しているわけで、求人が増加しているという良い情報と、労働市場の構造問題を解決していかなければいけないという面と、両方を端的に示しているものであると、そのように認識をしています。

問)

昨日出された2002年度の国民経済計算ですけれども、その中でいわゆる家計の貯蓄率ですけれども、これが統計上比較可能な1980年以来最低水準になったということですが、それについての大臣の見方をお伺いしたいのですが。

答)

昨日の国民経済計算の詳報によって、日本の経済が、本当に急速に変化しているということが示されていると思います。その一つは、貯蓄率が低下していると。貯蓄率が6.2%になっているということで、10年ぐらい前に14%のレベルであって、それが半分になったというふうに去年私は申し上げていたわけですけれども、今年は6.2まで下がったと。これは人口の高齢化、所得の伸び悩み、様々な要因があると思いますので、そこは今後しっかりと分析したいと思いますが、日本の貯蓄投資バランスが非常に大きく変わっているということが示されている。貯蓄に関していうならば、家計部門といわゆる一般法人部門の貯蓄資金余剰が逆転しているというような、これまでにない状況も出ている。更にいえば、その付加価値ベースで占める製造業のウエートが2割を割ったというようなところも、非常に大きな変化であるというふうに思っております。

我々は、経済、目まぐるしく今動いているということを改めて認識した上で、この構造改革路線をしっかりと進めていかなければいけないと、そのように思っています。

問)

昨日、あしぎんフィナンシャルグループが、会社更正法の申請を行って1月の末にも上場を廃止されると。直接金融庁とはもう関係がないということになるのかもしれませんが、多くの株主が資産を失うということについて、大臣のご所見を伺いたいのですが。

答)

これは前から申し上げておりますけれども、足利銀行に対する特別危機管理開始決定によって、同行の株式すべてを預保が無償取得したと。あしぎんフィナンシャルグループと足利銀行とは資本関係がなくなっているということがありますので、このあしぎんフィナンシャルグループというのは、その意味では我々金融庁としてコメントする立場にはないというように思っております。

問)

昨日の佐賀銀行の件ですが、佐賀銀行の自己資本比率が8.6%で健全な銀行だと思われていたかと思うんですけれども、それにもかかわらず風評で、未だにそういうATMに長い列ができてしまうということについて、金融情勢が普通の人はまだ安定していないのではないかと思っているのではないかという印象を受けたんですが、大臣はいかがですか。

答)

基本的に、我々何度も申し上げておりますように、日本の不良債権問題というのは、主要行を中心に目に見えて今改善に向かっていると。このことは、内外から非常に高く評価されていると認識をしています。そうした中で、今回のような悪質な事件が起こったというのは、極めて遺憾であると思います。これは刑法でいう信用棄損罪に抵触するのではないだろうかと思われるような悪質なことをした人がいるわけで、そういう悪質な一人のために我々の社会が振り回されていると、こういう状況は何としても改善をしなければいけないというふうに思います。

繰り返し申し上げますが、日本の金融問題は、この10年間なかなか解決できなかった不良債権問題が、今明確に出口に向けて改善しているということは内外の市場から今評価を得ているわけで、そういう中でこういった悪質な風評で、信用棄損罪に抵触するのではないだろうかと思われるような悪質な行為が出たというのは、極めて遺憾であるというふうに思っています。

問)

金融庁として、そういうメールを流した人というのは判らないかと思うんですけれども、その判らない状態でも何らかの措置を取るというか、調査というか、そういった可能性というのはあるんですか。

答)

これは刑法の問題です。刑法の問題でありますので、捜査当局において、これは重大な問題だと私は思いますので、捜査当局においてきちっとした対応をしていただけるものと思っております。

問)

佐賀銀行も含めてなんですけれども、足銀問題以降、公的資金を入れた地銀株の乱高下が非常に目立つようですけれども、その一部の投資家が第二の足銀を探しているようなことも言われているんですが、足銀の株のように、一部マネーゲームみたいな状況が起こっていて、市場のモラルハザードが見られます。大臣は、こういう状況を含めてどうお考えになっているのか、これがまず1点。

もう一つは、昨年の株価下落の局面でも空売り規制など、金融庁の市場監視能力というのがあったかと思うのですけれども、それはやや不十分なのではないかと。確かに地方銀行の株が1つ、2つ下がったところで日本経済全体にとっては大した問題ではないかもしれませんが、地方発の金融不安をあおりかねないというような行為だと思われるのですが、金融庁の市場監視能力というのは十分なのか、これからどういう態度で臨まれるのか、その辺をお聞かせください。

答)

株価の上昇、下落というのは、これはマーケットの動きでありますし、個別の銘柄等々について、特に私たちはコメントする立場にはないと思っております。しかし、いずれにしてもマーケットへの参加者が節度ある行動をとることによって、マーケットそのものを更に発展させていくという努力をしていただくのは、これは大変重要であると思っております。

それに関連して、市場監視機能の話でありますが、我々としても貯蓄から投資へという非常に大きな流れを作っていく中で、この市場監視機能、つまり広い意味での市場のインフラを整備していくということは、非常に重要な課題であるというふうに政策上も位置付けております。我々は、そのインフラの強化という観点では、証券取引法の改正も行ったし、公認会計士法の改正も行ってきたと。今、金融審でも市場監視機能の強化の課徴金の問題等ご報告を今いただいているところであります。我々は、そういう強い問題意識を持って今対処をしております。

市場監視については、監視委員会等々で、それなりの厳しい機能を行っていると思いますけれども、今後更に新しいダイナミックな市場の変化の中で、どのような強化を行っていくかと、これは我々にとっても最大の関心、政策的な重点を置いて考えていく課題だと思っております。

問)

今年最後の会見だということなので、1年間振り返って伺いたいんですけれども、今年1年間で預金保険法102条が2度発動されるという、まさに金融史上特筆すべき1年だったんじゃないかと思いますし、一方で懸案だった不良債権問題もかなり出口が見えてきたという意味でも色々あったんですが、改めてご自身のご意見を。

答)

日本の経済、バブル崩壊後十数年間、やはり長期に渡って停滞をしてきた。その要因は沢山あると思いますけれども、その中でも特に重要な問題で、どうしても解決していかなければいけない問題というのが私は幾つかあると思います。

その中の、やはりトップに位置付けられるのがバランスシートの調整ということだと思います。このバランスシートの調整というのは、銀行から見ると不良債権問題であるし、企業から見ると過剰債務の問題である。これはなかなか上手く進まないまま10年間引きずってきたわけですけれども、それがやはり目に見えて動きだした1年であったということは申し上げてよいのではないかと思います。

しかし、これは繰り返し言いますが、十数年間できなかった問題を今やっているわけですので、そんなに急速に、簡単に平坦な道であるというふうに私たちは全く思っておりません。今、何とか出口が見え始めているところで、そこに向かって進んでいきたいと思いますが、今後も乗り越えなければいけない問題というのは幾つか出てきます。しかし、この1年間その出口に向かい始めたという点は、我々もしっかり認識をして、更に来年度以降この金融システムの強化・発展に、我々としてもぜひ努力をしていきたいと思っています。

問)

貯蓄率の最低水準になってしまったという件で、経済現象にはプラスの面もマイナスの面もあると。その政府のシナリオとしては企業部門の利益を、家計部門に浸透させていくということで、そういう意味では家計の厚みが減ってきてしまっているという指摘もある中で、貯蓄率の低下というのをどう捉えたらいいのか、政策的にそれを改善するような政策をとるべきなのか。政策的にどう対応していくかという部分はいかがですか。

答)

アメリカの例等々を見るように、貯蓄率そのものに政策が働きかけるというのは、大変難しい問題だと思います。アメリカでもサプライサイドの強化のための貯蓄を優遇するような税制というのをとろうと、80年代にしたわけですけれども、その評価に関してはまだ定まっていない、むしろ分かれていると。我々としては、日本の貯蓄率の低下が基本的には人口要因、人口の高齢化というところで起こっているんだと思いますが、一方で所得が予想ほど伸びなかったという面もあるんだと思います。従って、政策の基本は、やはり経済を活性化させて、所得がしっかりと上がっていくような状況を作っていくことであると。その中で、貯蓄率が極端に低下するということを避けながら、貯蓄投資バランスの観点からも、安定的な経済運営をしていくということが求められていると思います。

一方で、いわゆる一国全体の国民総貯蓄率等々から見ると、日本は非常に極端に低下しているということではないと思っております。その場合、家計の貯蓄率の低下と国民総貯蓄率の動向、総合的に少し見ながら運営するということが必要だと思います。

問)

年末年始のご予定ですけれども、どのような形で予定していらっしゃるのか伺いたいんですが。

答)

年末年始は、基本的にしっかり政策の勉強をしたいと思っております。スタッフ等々とミーティングをやったり、日頃なかなか読めない本を読んだり、そういう形で有効に時間を使いたいと思っております。

問)

基本的にはご自宅。

答)

東京におります。

問)

先程のCPIの話ですが、まだ緩やかなデフレが続いているというふうに仰られていて、今後来年にかけて日銀にどういうことを期待していくのか。それと、今年新総裁が就任されたということで、福井総裁がやられていた今年の政策について、政府との連携も含めて、どういったご評価、ご所見をお持ちなんでしょうか。

答)

恐らく世界中の中央銀行の中で、日本の中央銀行、日本銀行は、最も難しい金融の舵取りを求められていると思います。そういう中で総裁就任されて、まず説明責任をしっかりと果たそうと。更には金融政策の枠組みそのものを根本からしっかりと議論をしていこうということで、就任早々非常に目に見えた活躍をされたと思っております。

その上で、これから「改革と展望」の議論を、更に我々としては煮詰めてまいりますけれども、デフレの克服に向けて、政府は政府として規制改革でありますとか、その他の経済活性化、そして何といっても不良債権問題の一層の処理の促進を行っていかなければいけない。それと協力する形で結果的にマネーサプライが増えて、経済の活性化とマネーの増加が同時に実現してデフレを克服していくと、そのために政府・日銀協力していかなければいけない。来年は今年にも増して我々にとっても中央銀行にとっても重要な年になるだろうと思っております。

(以上)

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