五味金融庁長官記者会見の概要

(平成16年9月27日(月)17時04分~17時21分)

【質疑応答】

問)

まず、長官から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

大臣がですね、副大臣を担当された伊藤さんとなりますが、過去2年、竹中大臣の過去2年を振り返って、何かお話いただきたいんですけれども。何が変わったか、何が変わってないか。これからの課題はどうか。

答)

この2年間というのは、金融行政の精力の非常に多くの部分が主要行の不良債権問題の解決、正常化ということに向けられていた2年間であったと思います。そして、それは日本の経済にとって非常に優先度の高い問題であったというふうに思われます。そこで金融再生プログラムというものが策定をされ、竹中大臣により策定をされ、これが実施されてきたということで、この効果もあって、かつまた勿論、各金融機関の皆さんのご努力もあって、不良債権問題は正常化に向けて着実に進んでいるという、こういう現状にあるように思います。この間、言葉を変えて言えば、金融行政が求め続けていたものというのは、金融機関に求め続けていたものというのは、ガバナンスの確立である、と。これを求め続けている、自分でやるしかない話だと、不良債権問題の解決というのは。かつ、その時にきちんと債務者と話し合いをし、かつ、マーケットに評価されるようなやり方で不良債権問題を解決していかなければいけない。そのための体制を作り、経営のトップ自らが音頭を取って、それを実行していかなければならない。当然のことながら、企業文化としてはそうした確立したガバナンスの下でコンプライアンスの面での問題を起こさないようにしながら、しかし経営の正常化を図るという、こういうことでありました。この2年間は、そういう2年間であったと思いますし、就任の記者会見でも、もうだいぶ前になりますが申し上げましたけれども、やはり、こういう「金融再生プログラム」というものを当局が策定し、その実行を各金融機関に要請をし、或いは、自ら実行すべき事柄については、制度の改革を含め、自らこれを着実に実施するということで、行政と金融機関経営者との間の健全な緊張関係というものが形成されたと思いますし、経営者の皆さん自身の経営姿勢というものも緊張感をもったものに変わってきたというふうに考えています。

今後の課題というのは、こうした言わば負の遺産を処理するといった事柄に、その資源、リソースの大部分を投入しなければいけなかった時代というものが過ぎ去りつつあるなかで、今度は利用者の人たちのニーズに応じて質の高いサービスを提供をし、そのことによって、金融機関として高い収益性というものを獲得をする。そして、国際的な競争力も得ることで、将来の発展というものをそういった道を自ら経営者が切り開いていく、そういう時代になってきていると思います。そうした収益性向上のために、リソースを投入することができるようになったわけですし、ここでこそ経営者は、その力量が試される、そういう時代になったんだろうと思います。従って今後の課題ということを申し上げれば、そうした競争力のある金融機関が非常に高い質のサービスを幅広く提供できる、しかも国民のニーズに応じて幅広く提供できる、そういったような仕組みを構築すること、そしてその仕組みのなかで、金融機関利用者を保護するための必要なルールの枠組みというものも整備をしていくということ、これが今後の課題になると思います。勿論当面の課題としては、こうした大きな話のほかに来年の4月を見据えて、地域金融機関を含めて、金融機関の信認というものを確立しておくことで、予定どおりペイオフの解禁拡大を来年4月に実施するということ、これも当面の課題としては極めて重要なことであるとこう考えています。

問)

大臣が変わりましたけれども、そのUFJ銀行に対するですね、関連した告発に関する姿勢に何らかの変化というのはあり得るんでしょうか。

答)

告発を行うかどうかは、いつも申し上げておりますとおり、この検査忌避の悪質性はどうか、今後の検査一般の実効性に与える影響、そして金融行政の目的遂行の確保、更には一般国民、あるいは私企業の処罰を求めるということの重大性、こういったものを総合的に勘案して検討をする必要があるということ。引き続き検討中ということで、これ以上のコメントは、差し控えさせていただきます。法令に則って、しっかり対応させていただきます。

問)

今週末、10月1日ですね、西日本銀行と福岡シティ銀行という福岡県に本店を共に置く銀行が合併して新銀行になるわけですけれども、先程のお話にもございましたけれども、ペイオフ解禁を見据えた地域金融機関の取組みという意味もあるかと思うんですが、このような動きについてですね、長官はどのように評価されますでしょうか。

答)

具体的な再編を評価するというのは、当局がコメントしてはいけないと思います。一般的に申し上げれば、金融機関がその経営を安定的なものにする、更にはその効率を高めていくということで、リスクに対応する力を十分に備えること、これは金融機関の利用者にとっても、そしてまた、更に広く国民経済全体にとっても、大変望ましいことだと考えています。そのなかで合併とか再編とかいったものは、異なる当事者同士が高度な経営判断の元にこれを決断をしていくわけでして、そのこと自体が、経営の向上のための強い意志を示しているということになると思いますし、また単独ではなかなか実現が難しいような改革といったものも異なる文化のものが一緒になり、より良いものへ進化していこうという判断のなかで、こうした改革というものが実現をしていくという効果もあろうかと思います。そこに言わば、新たな企業文化といったものが形成されていくことがあると思います。従いまして、その合併・再編そのものが、あらゆるケースにおいてすばらしいことであるというようなことは申し上げられませんが、成功するとすれば、これは金融機関のリスク対応力を強化するということで国民経済に大いに貢献するということになり得るものだというふうに考えています。やはりあの、異なるものが一つになってより良いところ同士を組み合わせようというのはリスク対応力を高めるという意味では、有力な選択肢の一つであるというふうに考えられます。こうしたことが経営の判断で起こり、それが成功してより良質なかつ強力な金融機関が出現をするというのは、メガバンクにおいても地域金融機関においても、これは望ましいことであるというふうに思います。勿論、統合に伴うデメリットのようなものが非常に大きいということがあるようであれば、それは法令に定められた認可基準といったようなものに照らして我々は審査をしていくことになりますが、一般論としては、成功すれば望ましい話であろうというふうに考えています。

問)

新大臣なのですけれど、2年間色々な仕事をしてきて、本当に勝手の知った仲だと思うんですが、改めて新大臣に期待というか、新大臣の決定を受けて金融行政のトップとして何か伺いたいのですが。

答)

大臣の論評をするということはできません。伊藤副大臣は2年間一緒に仕事をしてくださいました。この間伊藤副大臣は、竹中大臣の路線を非常によく理解をなさってそれを政治的な色々な考慮という中に翻訳をして、大変強力な竹中大臣のパートナーとして活躍をなさったというのが私の印象でございます。陰になり日なたになり、竹中大臣を非常に誠実に支えてこられた、非常に強力な副大臣であったと私は思います。この間我々も、折に触れ副大臣には、ずいぶん色々とご相談を持ちかけましたし、副大臣からも様々な指示をいただき、かつその適切な指示によって全体の流れというものを効果的に運べたということを私は感じています。伊藤副大臣が今回担当大臣になられたということ、また、当然のことでありますが、就任の記者会見では、竹中大臣の路線を踏襲するということを明確に述べておられます。事務方と致しましては、この金融構造改革というものをより進展するように適切な選択肢をお示しし、誤りのない政治判断をしていかれるよう補佐をしていきたいと思います。

問)

9月の中間期末が近づいておりますが、不良債権比率の半減目標の半年前倒しの見込みについて、現状どのように認識されていますでしょうか。

答)

確か何回か前の記者会見で、そういうご質問を受けて、「そう質問されるとちょっとコメントしたくなる誘惑に駆られるのだが」と申し上げた記憶がございますが、今回は、更に強い誘惑に駆られているんですけれども、やはり、現時点で各金融機関、これから決算を作成していくという過程でありますので、インテグレ-トした数字であったとしても、当局がそうした見通しを述べるというのは、現時点では早すぎるように思います。大事なのは、目標は、来年の3月期で半減ということが確実に成し遂げられることでありまして、現状は、その目標に向かって正しい道筋を歩んできているように思われることであります。

問)

竹中大臣がトップだった時代を振り返って、バブル崩壊後の大蔵の銀行行政から、銀行証券行政から、そこまで遡ってどんな時代だったか、また、五味さんにとっては、竹中大臣と一緒にやったことがどんな時代だったか、その辺の比喩というか、ご感想めいた話を伺ってもよろしいですか。

答)

バブル崩壊による負の遺産に決定的な処理を迫られた時期というのが、この2年というよりもう少し長かったと思いますが、平成9年秋の危機から始まっていると思いますが、銀行のバランスシートにすべての矛盾が盛り込まれた状態でずっと来てしまった、しかし、日本経済の成長力が失われることで銀行のバランスシートもその負担に必ずしも耐えられると言う状態ではなくなったということ、つまり、間接金融にすべてを委ねてきてしまった戦後の経済の体制というものが今後は通用しないということが明らかになった期間のように思います。この2年間は、そうした負の遺産処理の最後の仕上げを確実に行う期間であったように思います。燃え上がっている火の手をてんやわんやで消していた平成9年、10年の頃に始まって、この2年間は確実に火種を絶つ、そして、その焼け跡にどういう新しい町を作るのか、そういう発想をいつも心の中に持ちながら、最後の火種は確実に絶つんだという仕事に取り組んできた2年間であったように思います。冒頭、ガバナンスを求め続けた2年間であったというのは、そういう気持ちがこもっております。竹中大臣と一緒に仕事をさせていただいた2年間というのは、そういう意味では、私は、日本の金融行政のみならず、金融そのものの、金融の仕組みそのものの大きな転換点であったように考えています。これからは、競争力という時に、外国からお見えになったお客さんにそういうお話をしますと、かつては競争力がありましたねということを仰いました。しかし、私はそのとき申し上げたのは、違うでしょうと、そのときは、非常に高度な成長をしている日本経済の下で、かつその成長を支えるために政府の保護がある形での銀行、それが海外で活躍していたのであって、今後は、そういう環境ではない中で、日本の銀行は海外で競争力を確保していかなければならない、全く状況は違いますと申し上げたわけです。将来日本の金融を勉強する方は、この2年間というのは、絶対にその勉強の中から外すことのできない画期的な2年間であったと思います。或いは、そうなるはずだと思っています。

(以上)

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