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弱体化した銀行に対する監督上のガイダンス

バーゼル銀行監督委員会

バーゼル

2002年4月

※ なお、原文につきましては、国際決済銀行(BIS)のホームページ(http://www.bis.org新しいウィンドウで開きます)からも入手可能です。

〈本件に関する照会先〉

総務企画局国際課
渉外一係(内線 3162)


仮訳)

要旨

  • 1.  弱体化した銀行は、世界中で見られる。監督当局は、これらに対処する準備を整えておくべきである。本レポートは、問題の把握、是正措置、破綻処理手法、市場からの退出の方策に係る実務的な手引きとなる工具箱(toolkit)を提供するものである。本レポートが想定する読者は、世界中の銀行監督関係者及び、監督当局に助言を行っている国際金融機関である。

  • 2.  弱体化した銀行は様々に定義され得る。本レポートでは、弱体化した銀行の定義は、「流動性ないし支払能力が損われている銀行、もしくは、財務力、リスク・プロファイル、業務戦略の方向性、リスク管理能力、ないし経営陣の質が大幅に改善されない限り、流動性ないし支払能力が損われる惧れのある銀行」とする。こうした状況に陥った銀行があった場合、監督当局は、金融システムに対する信認を維持する必要上、破綻処理費用最小化の原則のもとで、当該銀行の業務の混乱を最低限に抑えて当該銀行の資産価値の維持に努めるべきである。そうした中で、当該銀行の法人格を消滅させる手段がとられる場合もあり得よう。

  • 3.  監督が実効的に行われるためには、規制・会計・法律面において、バーゼル委員会の「実効的な銀行監督のためのコアとなる諸原則(コアプリンシプル)」に示されているような適切な枠組が整っていなければならない。監督当局は、銀行の抱えている問題の症状と原因を明確に区別しなければならない。本レポートでは、こうした症状と原因の分析が行われている。また監督当局は、問題が深刻化する以前の早い段階で問題を把握し、これに対処しなければならない。本レポートは、有用な情報源、および監督当局が利用可能な手段について考察している。

  • 4.  監督当局は広範な是正措置を採り得るが、弱点や問題に対処する第一義的な責任は当該銀行の取締役会および経営陣に存する。監督当局の採る措置はバランスのとれた(proportionate)ものでなければならない。是正措置は、問題の大きさに照らして適切であるべきであり、期限を明確に切って行われるべきである。厳格な早期是正措置と、一般的でより当局の裁量の大きな枠組との間のバランスが必要である。前もって定められた監督上の措置を発動することに関する「自動的」ルールと、個別の状況に応じて柔軟に対応する余地を組み合わせることも有効であろう。銀行の抱える問題がそれほど深刻ではなく、かつ経営陣が協力的である場合に通常採られる非公式な手法と、銀行が遵守しない場合に罰則を適用するような、拘束力のあるより公式な措置との間のバランスも必要になる。銀行の閉鎖と免許の剥奪は究極の罰則である。

  • 5.  監督上の是正措置案は、詳細かつ具体的でなければならず、当該銀行の財務ポジションがどのように回復する見込みであるかが示されていなければならない。監督当局は、満足できる改善がみられるか、あるいは追加的な措置が必要かどうかを評価できなければならない。監督当局はまた、国内外の政府、中央銀行、およびその他の監督当局と協議したり、それらの機関に情報を提供したりするための仕組みについて合意しているべきである。特に、監督当局と中央銀行は、通常、弱体化した銀行に対して何らかの措置を採る前に協議を行うことが必要となるような共通の関心事を持っている。もう一つの重要な分野はディスクロージャーである。弱体化した銀行の処理に際し、ディスクロージャーが監督当局の目的に寄与するか否かが最優先の検討事項である。

  • 6.  支払不能となる見込みが切迫している場合は、複数の対応案が必要になる。これらには、健全な銀行との合併ないし健全な銀行による買収、P&A(資産の買取りと負債の承継)、オープン・バンク・アシスタンス(当該銀行の営業を継続させながら救済支援する方式)、ブリッジバンクといった手法が含まれる。本レポートには、これらの手法の概要が述べられている。当該銀行を引き受けようとする投資家が現れない場合、もしくは、預金の払戻しが他の選択肢より低コストである場合は、預金者に対する払戻し(全額ないし一部)と清算が不可避となる。

  • 7.  流動性支援や、例外的な状況における支払能力支援のために、公的資金が用いられることもある。中央銀行は、個別案件ごとの判断により、流動性不足に陥ってはいるが支払能力はあると思われる銀行に対し、通常のファシリティに加え、緊急流動性支援の裁量的供与を検討する場合もあろう。これに対し、支払能力支援には納税者の資金が用いられるため、意思決定と資金拠出は、中央銀行ではなく常に政府および立法府が行うべきである。しかし、中央銀行と政府の間には緊密な協力と情報交換が必要である。流動性および支払能力支援は、常に、より抜本的な是正措置と結びついているべきである。

  • 8.  弱体化した銀行が大規模な金融グループ又は外国の銀行である場合、監督当局は追加的な問題を検討しなくてはならないことがある。本レポートでは、関連する諸要因やリングフェンシング(資産の流出防止)等のあり得べき選択肢が検討されている。国有銀行の場合は、政治・財務両面で特別な配慮が必要な場合もあり、問題解決の時間軸が長期化する可能性もある。

以上

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