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平成19年2月15日
金融庁

株式会社 三菱東京UFJ銀行に対する行政処分について

1. 命令の内容

銀行法第26条第1項に基づく命令

  • (1)国内に所在する全ての法人向営業拠点における新規顧客(既往取引のない者)に対する与信取引について、平成19年4月9日(月)から平成19年7月9日(月)までの間において、三菱東京UFJ銀行において区分した地域毎に、連続した7日間の期間を定め停止すること。なお、具体的な地域及び期間については、下記(5)の業務の改善計画に記載することにより、あらかじめ当局に提出すること。

  • (2)上記(1)の期間において、地域に所在する法人向営業拠点に所属する全ての役職員に対する研修を実施すること。当該研修においては、下記(5)の業務の改善計画及びそれを踏まえた内部規則、マニュアル等の趣旨・内容を本部の関係部署より直接周知し、その際、各役職員が少なくとも1日通常業務から完全に離れ当該研修に専念することにより、その徹底を図ること。

  • (3)国内における法人向営業拠点の新設は、(2)の施策の定着を確認のうえ行うべきとの観点から、これを平成19年3月1日(木)から平成19年8月31日(金)までの間、行わないこと。

  • (4)経営管理態勢及び内部管理態勢強化等のための組織及びその運営面の抜本的な見直しを以下の観点から行うこと。

    • マル1問題発生時以降現在に至るまでの経営の責任の所在の明確化

    • マル2問題事案への取組み及び法令等遵守に取り組む経営姿勢・態勢の明確化

    • マル3問題事案の再発防止のための実効性ある具体的方策の策定及び全行的な法令等遵守態勢の確立(関連部署における横断的な相互牽制機能の確保及び審査管理態勢の強化を含む)

    • マル4内部監査機能の実効性の確保

    • マル5「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」に基づく「疑わしい取引の届出」等を的確に行うための一元的な管理態勢の確立

    • マル6持株会社による管理機能を通じた態勢整備の確保

  • (5)上記(4)に係る業務の改善計画(所要の内部規則、マニュアル等の策定、整備を含む)を平成19年3月16日(金)までに提出し、当局受理の後、直ちに実行すること。

  • (6)上記(5)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成19年4月末を初回として7月末までは毎月末、以降、3ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月15日までに報告すること。

2. 処分の理由

  • (1)銀行法第24条第1項に基づき発出した報告命令に対する三菱東京UFJ銀行からの報告によれば、法人向営業拠点である淡路支社(当初は旧三和銀行支店)において極めて異例な取引(内部規程に反した与信採上げ、現物預かり、債務者事務所への行員駐在等)を長期に亘り継続してきたと認められること(以下「本事案」という)。旧三和銀行及び旧UFJ銀行においては、以下に示すとおり、歴代経営陣及び本部関係部署が、その実態を把握しつつも問題解決に向けた有効な取組みを行ってこなかったこと。さらに、三菱東京UFJ銀行においても、以下に示すとおり、発足前後を通じ経営陣及び本部関連部署が事案を踏まえた十分な対応を行っていないこと。総じて経営管理(ガバナンス)態勢、内部管理態勢及び法令等遵守(コンプライアンス)態勢に重大な問題が認められること。

    • マル1旧三和銀行及び旧UFJ銀行の歴代経営陣においては、不適切な取引の存在あるいは営業現場の実態を認識しているにもかかわらず、不測の事態も危惧されるなどとして、長年に亘り問題解決に向けた具体的対応を行っておらず、経営としての責任を果たしていないと認められる。

    • マル2旧三和銀行及び旧UFJ銀行の本部関係部署においても、監査担当部署が本事案に係る指摘を行っていないなど、実効性ある組織的対応が行われず、また、相互の牽制機能も働いていなかったと認められる。この背景として、既に経営陣が把握している事案であるとの認識や対応責任部署の不明確さに由来する当事者意識の希薄さがあった。

    • マル3旧UFJ銀行において、「業務監視委員会」(平成16年7月公表の業務改善計画により位置付けが明確化された組織。企業統治・経営管理(コーポレート・ガバナンス)の抜本的強化を目的とし、外部専門家が執行部門から独立した立場で法令等遵守(コンプライアンス)等の状況を把握し経営に解決を求めるもの。)に対する本事案の報告が執行部門の判断で見送られていたため、本事案に関しては同委員会が機能しなかったと認められる。

    • マル4三菱東京UFJ銀行の発足を控えた段階においても、旧UFJ銀行と旧東京三菱銀行の間で相互に情報共有を行わず、旧UFJ銀行側のみで対応策の検討が行われていた。さらに、既に発足していた持株会社に対する報告も行われていない。このように、各組織体が連携せず、牽制機能が発揮されていないと認められる。

    • マル5三菱東京UFJ銀行発足後においても、経営管理(ガバナンス)機能が十分に発揮されていないと認められる。すなわち、本事案への対応はリスク管理・法令等遵守(コンプライアンス)関係部門が主導しておらず、経営トップへの報告も、経営に重大な影響を及ぼし得る事案であるにもかかわらず、暫時行われなかった。また、その後に講じられた再発防止策は、営業現場の実態を本部・経営陣にいち早く伝達するための専担要員の配置等を中心としており、情報把握後の経営陣の適切な対応、本部関連部署の連携強化に向けた具体的方策は講じられてこなかった。

    • マル6旧UFJ銀行、三菱東京UFJ銀行を通じ、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(平成12年2月施行)第54条第1項に基づく届出について、的確な対応が行われてきておらず、管理態勢に不備が認められる。

  • (2)このような事案の再発防止のためには、経営陣、本部関係部署及び営業現場が銀行の高い公共性を踏まえた法令等遵守(コンプライアンス)の重要性を再確認することが重要であること。その上で、取引見直しのための具体的対応策等、具体的かつ実効性ある法令等遵守(コンプライアンス)態勢を構築し、その内容を経営陣から営業現場まで十分に理解し運用していくことが必要であること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3396、3329)

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