平成18年7月21日
金融庁

オリックス・アセットマネジメント株式会社に対する行政処分について

オリックス・アセットマネジメント株式会社に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたとして、行政処分を求める勧告新しいウィンドウで開きますが行われた(平成18年6月16日)。

  • (1)投資法人資産運用業に係る善管注意義務違反

    オリックス・アセットマネジメント株式会社は、オリックス不動産投資法人との間で締結した資産の運用に係る委託契約に基づき行っている資産の運用において、平成13年12月から同18年3月までの間において、当該投資法人の運用資産に組み入れる不動産の取得時等に本来行うべき審査等の業務を適切に行っていなかった。

    当社が当該投資法人に対して行った上記行為は、「投資法人に対し、善良な管理者の注意をもって当該投資法人の運用に係る業務を遂行しなければならない」ことを定めた投資信託及び投資法人に関する法律第34条の2第2項に違反するものと認められる。

  • (2)一般事務受託者としての善管注意義務違反

    オリックス・アセットマネジメント株式会社は、一般事務受託者としてオリックス不動産投資法人に対して行っていた機関運営業務において、平成13年9月から同18年2月までの間に開催したとする当該投資法人の役員会130回のうち88回については、役員会構成員である執行役員及び監督役員3名の招集事実がなく、開催の都度、当社役職員が当該投資法人の各役員に対して事前に議事録案の送付又は説明をし、後日、あたかも役員会構成員が参集した上で決議したかのように記載した議事録に捺印を求めるという、いわゆる持ち廻りを行っていた。当社が、こうした機関運営事務を行っていたことから、当該投資法人の執行役員及び監督役員は、法令上役員会の承認が必要とされる事項についても、このような持ち廻り方式により承認を行っていた。

    上記のとおり、当社は、当該投資法人から一般事務受託者として機関運営事務の委託を受けていたにもかかわらず、善良なる管理者として当該業務を行わず、当該投資法人の執行役員及び監督役員がかかる事務運営に漫然と従ったため、投資法人の役員会という重要な意思決定機関が適切に運営されない状態が継続した。

    当社が一般事務受託者として行った上記行為は、「投資法人に対し、善良な管理者の注意をもってその事務を行わなければならない」ことを定めた平成17年法律第87号による改正前の投資信託及び投資法人に関する法律第112条第2項に違反するものと認められる。

以上のことから、本日、同社に対し、以下の行政処分を行った。

  • 業務停止命令:平成18年7月24日から平成18年10月23日(3ヶ月)までの間、新たな資産運用委託契約の締結禁止(投信法第42条第1項第1号イ)

  • 業務改善命令(投信法第40条第1項)

    • (1)投資信託委託業者として、公正かつ適切な業務運営を実現するため、法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、経営陣による責任ある法令等遵守体制及び内部管理体制の構築、並びに、これらを着実に実現するための業務運営方法の見直しを図ること。

    • (2)特に、投資法人の運用資産の取得・運用に際しては、関係法令等の遵守状況を確認するための十分な現物調査の実施や、適切な鑑定評価額に基づいた物件取得を行うための鑑定評価会社への資料提供等が適切に行われているか等についてチェックする体制を構築することを含め、具体的な再発防止策を策定すること。

    • (3)投資法人の機関運営事務受託にあたり、法令等遵守の観点から適切な業務執行体制を構築すること。

    • (4)今般の検査結果を踏まえ、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ること。

    • (5)上記(1)から(4)に関する業務改善計画を平成18年8月21日までに書面で提出し、直ちに実行すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局証券課(内線3353、3724)

サイトマップ

ページの先頭に戻る