平成21年6月18日
金融庁

ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社に対する行政処分について

  • 1.ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社(以下、「同社」といいます。)は、平成20年6月6日に関東財務局長から、法令等遵守態勢、内部管理態勢及び経営管理態勢を充実・強化すること等を求める業務改善命令を受けましたが、その後、同社から関東財務局長宛に提出された不祥事件届出書及び同社公表資料等により、新たに以下の法令違反行為等が判明しました。

    • (1)同社は、信託勘定から広告宣伝費の目的で融資した資金を同社の固有勘定の返済資金等に充てることを企図し、広告宣伝費支払いに関する支払代行契約を締結した上で、当該資金を支払代行者としての同社の管理下に移し、上記返済等に使用した。

    • (2)同社は、信託勘定から受益者等の同意や法令及び契約上の根拠なく信託報酬の前払いと称して資金を引き出し、同社の固有勘定の返済資金等として流用した。

    • (3)同社は、平成18年3月期及び平成18年9月期について、循環取引等により、重要な事項につき虚偽の記載のある有価証券報告書等を提出していた。

    • (4)同社前代表取締役は、代表取締役就任から解任されるまでの間、当局の承認なく他の会社の代表取締役の常務に従事していた。

    • (5)同社においては、上記(1)ないし(4)の法令違反行為等を防止できておらず、適切な法令等遵守態勢、内部管理態勢が構築されていない。また、信託業務を的確に遂行するに足りる人的構成を有していない。

    • (6)平成21年3月末における同社の純資産額は、信託業法上の最低資本金額である1億円を下回る額(47百万円)となった。

  • 2.このような状況は、信託業法第44条第1項第1号(純資産額が最低資本金の額に満たない場合)、第3号(信託業務を的確に遂行するに足る人的構成を有しない場合)及び第6号(法令又は内閣総理大臣の処分に違反した場合)に該当するものと認められることから、本日、同社に対し、以下の行政処分を行いました。

    • 業務の一部停止命令

      平成21年6月19日(金)から平成21年9月18日(金)までの間、信託業にかかる業務(平成21年6月18日以前の既存の契約の信託財産の管理・返還にかかる業務、下記業務改善命令の実施に必要な業務及び当庁が個別に承認した業務を除く。)を停止すること。

  • 3.また、同社の状況は、信託業法第43条(信託会社の業務又は財産の状況に照らして、信託業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認められるとき)に該当し、受益者の保護を徹底する必要があることから、関東財務局長から、本日付で以下の行政処分を行いました。

    • 業務改善命令

    • (1)全受益者に対して、本命令及び上記業務の一部停止命令の内容並びに処分の理由を説明した上で、受益者と協議の上、信託契約の解消、受託者の変更その他受益者保護のために必要な対応をすみやかに実施すること。

    • (2)既存の信託財産を保全し、受益者を保護するために必要な業務を適切に行うために必要な内部管理態勢を整備すること(法令等遵守態勢の整備、人的構成の抜本的見直し等)。

    • (3)委託者から受託した信託財産の保全と分別管理を徹底するとともに、会社財産を不当に費消する行為を行わないこと。

    • (4)信託勘定から実行されている融資資金を目的外使用している状況を解消すること。また、本件と類似の事案の発生の有無を確認すること。

    • (5)上記(1)ないし(4)に関する業務改善計画を平成21年6月25日までに提出し、以降、改善計画の実施完了までの間、平成21年7月末を初回として、1ヶ月毎に改善状況等を翌月10日までに報告すること。なお、上記(3)の分別管理状況については、営業日毎に報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3395、3758)

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