平成20年10月1日
金融庁

平和奥田株式会社の有価証券報告書等に係る金融商品取引法違反に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、平和奥田(株)に係る有価証券報告書等の虚偽記載の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成20年9月12日に審判手続開始の決定(平成20事務年度(判)第3号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「法」という。)第178条第1項第1号及び第2号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、以下のとおり決定を行いました。

1 決定の内容

納付すべき課徴金の額及び納付期限

金1266万円  平成20年12月2日

2 事実及び理由

  • (1)課徴金に係る法第178条第1項第1号及び第2号に掲げる事実

    被審人平和奥田(株)は、

    • 有価証券報告書等について

      • 平成17年12月21日、売上の過大計上、減損損失の不計上等により、連結経常損益が943百万円(百万円未満切捨て。以下、連結経常損益額、連結当期純損益額、連結中間純損失額及び連結純資産額について同じ。)の損失であったにもかかわらず、これを581百万円の損失と、連結当期純損益が2,026百万円の損失であったにもかかわらず、これを350百万円の損失と記載するなどした連結損益計算書を掲載した平成17年9月期有価証券報告書を、

      • 平成18年6月23日、売上原価の過少計上等により、連結経常損益が1,126百万円の損失であったにもかかわらず、これを226百万円の利益と、連結中間純損益が1,581百万円の損失であったにもかかわらず、これを307百万円の損失と記載するなどした中間連結損益計算書を掲載した平成18年3月中間期半期報告書を、

      • 平成18年12月20日、売上の過大計上、貸倒引当金繰入額の過少計上等により、連結経常損益が1,825百万円の損失であったにもかかわらず、これを528百万円の利益と、連結当期純損益が2,263百万円の損失であったにもかかわらず、これを7百万円の利益と記載するなどした連結損益計算書を掲載した平成18年9月期有価証券報告書を、

      • 平成19年6月27日、売上債権及び棚卸資産の過大計上等により、連結純資産額が485百万円の債務超過であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に1,804百万円と記載するなどした中間連結貸借対照表を掲載した平成19年3月中間期半期報告書を

      • 各々近畿財務局長に対して提出した。

        被審人が行った上記の各行為は、法第172条の2第1項又は第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出した行為に該当すると認められる。

    • 有価証券届出書について、

      近畿財務局長に対し、平成18年12月12日、平成17年9月期有価証券報告書及び平成18年3月中間期半期報告書を組込情報とする有価証券届出書、並びに同月20日、平成18年9月期有価証券報告書を組込情報とする同有価証券届出書の訂正届出書を提出し、同有価証券届出書及び同訂正届出書に基づく募集により、同月28日、770,000株の株券を308,000,000円で取得させた。

      被審人が行った上記の行為は、法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。

  • (2)課徴金の計算の基礎

    • 法第172条の2第1項及び平成17年法律第76号附則第5条第2項の規定により、平成17年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

      • 被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の2を乗じて得た額(68,139円)

      • 2,000,000円

      を超えないことから、2,000,000円となる。

    • 平成18年3月中間期半期報告書及び同年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、

      法第172条の2第2項及び平成17年法律第76号附則第5条第2項の規定により、同半期報告書に係る個別決定ごとの算出額は、

      • 被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の2を乗じて得た額(77,396円)

      • 2,000,000円

      を超えないことから、2,000,000円の2分の1に相当する額である1,000,000円となり、

    • 法第172条の2第1項の規定により、同有価証券報告書に係る個別決定ごとの算出額は、

      • 被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(116,094円)

      • 3,000,000円

      を超えないことから、3,000,000円となる。

      ここで、法第185条の7第2項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、次のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

      • 平成18年3月中間期半期報告書に係る課徴金の額は

        3,000,000 × 1,000,000 (1,000,000+3,000,000)
        (半期報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計)
        =750,000円
      • 平成18年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

        3,000,000 × 3,000,000 (1,000,000+3,000,000)
        (有価証券報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計)
        =2,250,000円
    • 法第172条の2第2項の規定により、平成19年3月中間期半期報告書に係る課徴金の額は、

      • 被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(75,250円)

      • 3,000,000円

      を超えないことから、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円となる。

    • 法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

      • 平成18年12月12日提出の有価証券届出書及び同月20日提出の同有価証券届出書の訂正届出書に係る課徴金の額は、

      • 308,000,000×2/100=6,160,000円

      となる。

      以上より、課徴金の額は次のとおりである。

    2,000,000円+750,000円+2,250,000円+1,500,000円+6,160,000円
    =12,660,000円

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金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2404)

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