平成21年10月23日
金融庁

日本興亜損害保険株式会社に対する行政処分について

  • I .金融庁は、日本興亜損害保険株式会社(以下、「当社」といいます。)に対し、保険業法第128条第1項の規定に基づき、保険金の支払等について報告を求めた。

    当社から提出された報告書を検証したところ、以下の状況が認められた。

    • 1.当社において、以下の事実が認められた。

      • (1)平成20年度内に支払を見込んでいたが、実際には年度内に支払われなかった自動車保険の大口(500万円以上)支払事案の一部(141件、2,219百万円)を検証したところ、以下のように当社の不十分・不適切な対応により保険金支払が遅延している事例が確認された(42件、715百万円)。

        • 保険金支払の相手方の対応を待っている状況(相手方から支払に必要な書類の提出を待っている、保険金支払提示額に対する相手方の見解を待っている等)で、当社から相手方に積極的に連絡をとっていない事例。

        • 当社の手続(必要書類が整った後に支払額算定を行う等)に長時間を要している事例。

        • 支払のために必要な調査(事故状況の調査、既往症の影響に関する調査等)を支払手続の最終段階になって開始しているため、支払が遅延している事例。

        • 職員の懈怠による長期放置、支払のために必要のない手続の実施等の不適切な対応をしているため、支払が遅延している事例。

      • (2)なお、検証を行った事案の中で、正味収支残高目標の達成のために意図的に保険金支払を遅延させた事例は確認されなかった。

    • 2.このような不十分・不適切な対応による保険金支払遅延が発生した原因として、当社の業務運営態勢及び経営管理態勢に次のような問題が認められた。

      • (1)支払相手方の対応待ちの状況における当社の対応(督促等)のルールが不明確。

      • (2)支払手続の標準所要日数の基準が未設定である等、手続遅延に対する認識が希薄。

      • (3)支払のために必要な調査やそのタイミングをまとめたマニュアルの不存在。

      • (4)保険金支払管理者が長期未払事案を適切に把握・是正する等の管理態勢の未構築。

      • (5)上述のように、迅速な保険金支払に向けた業務運営態勢を現在に至るまでの当社経営陣が適切に構築してこなかった、経営管理態勢上の問題。

    • 3.適時・適切な保険金の支払は保険会社の基本的かつ最も重要な機能である。

      当社においては、過去の行政処分(注)を踏まえ、保険金の支払漏れや不適切な不払いの防止に向けた業務改善の取組は進められてきたものの、保険金の迅速な支払については、上記2.のように業務運営態勢及び経営管理態勢上の問題が認められた。

      このため、保険金の迅速な支払を確保し、保険契約者等の保護を図るために、当社は、迅速な保険金支払に向けた支払管理態勢の構築を確実に実施する必要がある。

      (注)平成17年11月25日付及び平成19年3月14日付。

  • II .以上を踏まえ、本日、当社に対し、保険業法第132条第1項の規定に基づき、以下の内容の業務改善命令を発出した。

    • (1)迅速な保険金支払を促進するために、支払手続に係る規程・マニュアル等を検証し、必要な見直し・整備を行うとともに、見直し・整備後の業務を確実に実施すること。

    • (2)保険金支払事務関係者に対する教育・研修の徹底を図ること。

    • (3)保険金支払管理者・管理部門が保険金支払手続の進捗状況を適切に把握し、迅速に支払うことができるよう、未払事案管理態勢の整備を図ること。

    • (4)上記(1)〜(3)を含めた、迅速な保険金支払に向けた保険金支払管理態勢の構築について、経営陣が責任をもって対応すること。

    • (5)上記(1)から(4)について、具体策及び実施時期を明記した業務改善計画を平成21年11月24日(火)までに提出し、以後、業務改善計画の実施完了までの間、計画の進捗及び実施並びに改善状況をとりまとめ、6ヶ月毎に報告すること。

お問い合わせ先

電話:03-3506-6000(代表)
金融庁監督局保険課(内線3772、3773)