平成21年12月14日
金融庁

コスモ証券株式会社に対する行政処分について

コスモ証券株式会社(以下「当社」といいます。)に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下のとおり法令違反等の事実が認められたとして、平成21年12月8日、行政処分を求める勧告が行われました。

  • 法令違反その他の不適当な勧誘行為が組織的かつ多数行われ、それが看過されているなど、経営管理態勢及び営業管理態勢に重大な不備が認められる状況

    当社は、投資信託の主力商品として、平成20年11月以降、ブル型・ベア型の投資信託(以下「ブルベア投信」という。)の取扱いを開始し、同21年3月以降は、これに替わり、毎月分配型投資信託の4銘柄(以下「毎月分配型4投信」という。)の販売に注力していたが、当社において、当該主力商品に係る営業に関して、下記のとおり、コンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもと、法令違反その他の不適当な勧誘行為が業務組織を通して多数行われ、それが看過されているなどといった状況が認められた。

    • (1)ブルベア投信について

      • (a)収益を優先した営業推進の状況

        当社において営業を統括している取締役常務執行役員営業本部長(以下「営業本部長」という。)をはじめとする営業本部は、平成20年11月以降、営業本部長自ら各部店長に電話にて指示するなどし、営業員にブルベア投信に係る残高目標を課すとともに、日々、営業員ごとの残高やその推移、ブルベア投信に係る受入手数料を集計・把握するなどし、コンプライアンスよりも優先して収益(手数料等)目標を達成するよう強力に営業推進を行っていた。

      • (b)法令違反その他の不適当な乗換勧誘

        • ア.整合性のない勧誘

          平成20年11月から同21年8月までの間の2,885顧客に係る取引を検証したところ、収益(手数料等)を上げるため、同一の営業員が同一日において、別々の顧客に対して合理的な理由なく異なる相場観等を伝え、ブル型及びベア型双方につき乗換えを勧誘している事例が、183営業員により1,154顧客に対して合計3,111件認められた。当該3,111件によって顧客が負担した手数料は、総額約237百万円となっている。

        • イ.重要な事項につき説明を欠く乗換勧誘

          平成20年11月から同21年8月までの間の取引につき38顧客を抽出 して検証したところ、乗換勧誘時に売却する投資信託の概算損益につき説明されていない取引が30営業員により237件認められ、乗換えに関する重要な事項が説明されていない状況が認められた。これは、当社においては、投資信託の乗換えの勧誘に関して誤った解釈に基づく取扱いがなされていたことによるものであった。

          また、上記38顧客のうち、平成21年2月の乗換え回数が5回以上の顧客は11名であり、当該11顧客については頻繁に乗換えが行われているものと認められた。

      • (c)コンプライアンスに係る内部牽制等が機能していない状況

        当社においては、平成21年4月及び5月に、業務監査部の営業考査課及び検査部がブルベア投信について調査及び特別検査を実施し、月例報告会等において、営業考査課レポート及び特別検査の結果の報告が行われ、ブルベア投信に関する注意喚起がなされるなどした。しかしながら、当該注意喚起等が営業員等に徹底されておらず、その後も上記(b)ア.の整合性のない勧誘は行われており、ブルベア投信に係る不適当な勧誘行為を是正するには不十分な状況となっており、また、下記(2)の毎月分配型4投信に係る不適当な勧誘行為に対する抑止にもなっていない状況が認められた。

    • (2)毎月分配型4投信について

      • (a)収益を優先した営業推進の状況

        当社において営業本部は、平成21年3月以降、毎月分配型4投信についても、ブルベア投信に引き続き、コンプライアンスよりも優先して収益(手数料等)目標を達成するよう営業推進をし、これにより収益優先の営業活動が各営業部店において現に行われていることを承知していながら、これを黙認している状況にあったものと認められる。

      • (b)法令違反その他の不適当な乗換勧誘

        平成21年3月から同年8月までの間の取引につき128顧客を抽出して検証したところ、当社においては、上記(a)の営業本部主導による収益目標を達成するためとして、下記ア.及びイ.の不適当な勧誘行為が行われている事例が、18部店の営業員40名により56顧客に対して合計84件認められた。当該84件によって顧客が負担した手数料は、総額約24百万円となっている。

        • ア.非勧誘を偽装していた点について

          当社コンプライアンスマニュアルは、買付後6か月未満の乗換提案の禁止及び高齢者に対する勧誘制限等の取引規制を定めており、乗換提案を行う場合には、乗換えに係る重要事項等を説明したことを記載する「投資信託乗換提案説明書」を作成して事前に部店長・内部管理責任者の承認を得ることなどを規定している。しかしながら、当該勧誘制限等を回避するために非勧誘を装っていた事例が上記のとおり84件認められ、その際、当該営業員らは、上記「投資信託乗換提案説明書」を作成していなかった。

        • イ.重要な事項につき説明を欠いていた点について

          上記ア.のとおり非勧誘を装っていた結果、上記84件の全取引につき、顧客に対して、矛盾していたり一貫性のない説明あるいは偏った説明により乗換勧誘を繰り返したり、乗換えに係る合理性を含む顧客の投資判断に影響を及ぼす重要な事項について説明をすることなく乗換勧誘をしている状況が認められた。

      • (c)社内管理態勢の不備

        上記(b)の18部店すべての部店長は、同(b)ア.のような非勧誘を装った乗換勧誘が各営業部店で行われていた状況を承知していながら、収益優先の考えのもとに黙認していたとしており、このうち2支店においては、支店長及び副支店長自らが非勧誘を装った乗換勧誘を行っていた。

        また、当社は、投信アラーム・アテンション制度を定め、顧客に対して過度な投資勧誘が行われていないかをモニタリングするとしているほか、乗換勧誘を行うことに経済合理性があるか等について業務監査部が日々モニタリングを実施することとしているが、いずれにおいても上記(b)の毎月分配型4投信に係る不適当な事例を全く把握できていなかった。

    • (3)なお、当社においては、適切な業務運営を図る責任のある社長をはじめとする経営陣が上記のような法令違反その他の不適当な勧誘行為や内部管理態勢の不備につき、これを是正すべく指導・管理をしたというような事情は、今回検査において把握されていない。

    上記のとおり、当社においては、経営陣の一人である営業本部長をはじめとする営業本部がコンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもとで強力な営業推進を行うなどした結果、投資信託の主力商品に係る営業において、不適当な勧誘行為が営業本部や営業部店等の業務組織を通して多数行われ、顧客に多額の手数料を負担させていた。また、当社においては、そのような不適当な勧誘行為につき、内部管理部門による十分な牽制機能等が果たされず、看過されており、さらに経営陣においてもこれらの不適切な業務運営の把握・管理等ができておらず、当社の経営管理態勢及び営業管理態勢には重大な不備があるものと認められる。

    また、営業本部長は、とりわけ営業に係る適切な業務運営を図るべき立場にあるにもかかわらず、自らの指示等が不適当な勧誘行為につながる可能性があることを認識していながら、コンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもと強力な営業推進をするなどした結果、上記(1)(b)及び(2)(b)の不適当な勧誘行為を多数生じさせており、当該各勧誘行為は当該役員に係る行為と認められる。

    当社及び当社役員に係る上記(1)(b)イ.及び(2)(b)イ.の乗換勧誘の際に重要な事項を説明していない状況は、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第9号の「投資信託受益証券等の乗換えを勧誘するに際し、顧客に対して、当該乗換えに関する重要な事項について説明を行っていない状況」に該当するものと認められる。

    また、当社における上記の業務の運営の状況は、法令違反に該当しない不適当な勧誘行為並びに経営管理態勢及び営業管理態勢に係る重大な不備についても、行政処分によりその業務の改善を求める必要が高いものと認められ、金融商品取引法第51条の「業務の運営の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

    以上のことから、本日、当社に対し、以下の行政処分を行いました。

  • 金融商品取引法第51条に基づく業務改善命令

    • (a)法令違反行為その他不適切な乗換え勧誘を行った顧客に対し、本件行政処分の内容を説明の上、適切な対応を行うこと。

    • (b)本件にかかる経営陣及び営業担当者の責任の所在を明確化すること。

    • (c)取締役会や監査役による経営監視及び相互牽制が適正に機能する経営管理態勢を構築すること。

    • (d)適切な業務運営を確保する観点から、内部管理部門・内部監査部門の体制を整備し、その十全な機能発揮の確保に取り組むこと。

    • (e)本件を踏まえ、投信販売に関する法令等遵守を徹底するため、関連する規程類及び業務手順を根本的に見直した上で、役職員への周知徹底に集中的に取り組むこと。併せて、日常の教育・研修を強化し、関連法令等の内容の周知徹底にも取り組むこと。

    • (f)上記について、その対応・実施状況を平成22年1月15日(金)までに書面で金融庁へ報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局証券課(内線2661、3357)

サイトマップ

金融庁についてページ一覧を開きます
大臣・副大臣・政務官
金融庁について
所管の法人
予算・決算
採用情報
お知らせ・広報ページ一覧を開きます
報道発表資料
記者会見
講演等
月刊広報誌アクセスFSA
パンフレット
談話等
白書・年次報告
アクセス数の多いページ
更新履歴
車座ふるさとトーク
新着情報メール配信サービス
金融庁twitter新しいウィンドウで開きます
政策・審議会等ページ一覧を開きます
全庁を挙げた取り組み
金融制度等
金融研究センター新しいウィンドウで開きます
取引所関連
企業開示関連
国際関係
銀行等預金取扱金融機関関係
証券会社関係
保険会社関係
金融会社関係
法令関係
その他
法令・指針等ページ一覧を開きます
法令等
金融関連法等の英訳
金融検査マニュアル関係
監督指針・事務ガイドライン
Q&A
金融上の行政処分について
公表物ページ一覧を開きます
審議会・研究会等
委託調査・研究等
政策評価
白書・年次報告
金融機関情報ページ一覧を開きます
全金融機関共通
銀行等預金取扱機関
保険会社関連
金融会社関連
店頭デリバティブ取引規制関連
日本版スチュワードシップ・コード関連
国際関係ページ一覧を開きます
国際関係事務の基本的な方針等
グローバル金融連携センター(GLOPAC)
職員による英文講演新しいウィンドウで開きます
職員が務めた国際会議議長等
日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

ページの先頭に戻る