平成22年11月30日
金融庁
視覚障がい者等に配慮した取組みに関するアンケート調査の結果について(速報値)
金融庁では、各金融機関に対し、本年9月末時点での視覚障がい者等に配慮した取組み状況についてアンケート調査を行いました。今般のその結果を、(別紙1)(XLS:74KB)にとりまとめ、また、視覚障がい者に対する預金取引に係る代筆規定を策定済み又は11月末までに策定予定と回答のあった金融機関名を
(別紙2)(DOC:54KB)のとおりまとめましたので公表します。
なお、主な調査結果は以下のとおりです。
【参考】アンケート対象金融機関数
◎主要行等 15行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行(以上5行をもって「都市銀行等」という。)、あおぞら銀行、新生銀行、セブン銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、シティバンク銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行、じぶん銀行)
◎信託銀行 6行(オリックス信託銀行、住友信託銀行、中央三井信託銀行、野村信託銀行、みずほ信託銀行、三菱UFJ信託銀行)
◎地方銀行等 64行(地方銀行協会加盟行、埼玉りそな銀行)
◎第二地方銀行 42行(第二地方銀行協会加盟行)
◎信用金庫 272金庫
◎信用組合 158組合
◎労働金庫 13金庫
主なアンケート調査結果
1.視覚障がい者対応ATMの設置率について
ハンドセット方式等の視覚障がい者が自ら操作できる機能がある視覚障がい者対応ATMの設置台数の割合は、全金融機関で約57%です。
【業態ごとの内訳】
主要行等 約83%(うち都市銀行等約81%)、信託銀行 約70%、
地方銀行等 約39%、第二地方銀行 約29% 、信用金庫 約36%、
信用組合 約36%、労働金庫 約42%
また、視覚障がい者対応ATMを設置している営業店(無人店舗を含む)の業態ごとの割合は次のとおりです。
主要行等 約92%(うち都市銀行等約82%)、信託銀行 約75%
地方銀行等 約38%、第二地方銀行 約30% 、信用金庫 約41%
信用組合 約33%、労働金庫 約40%
2.預金取引に係る目や手が不自由な方への代筆に関する内部規定の整備状況について
預金取引に係る代筆規定を「策定済み」又は「11月末までに策定する。」と回答のあった金融機関の業態ごとの割合は、次のとおりです。なお、金融機関名については、(別紙2)(DOC:54KB)をご覧ください。また、代筆規定を策定したすべての金融機関が、規定の内容を職員に周知していると回答しています。
主要行等 ~ 約73%(約70%)
(都市銀行等~100%(100%))
信託銀行 ~ 約83%(100%)
地方銀行等~ 100%(100%)
第二地方銀行~約95%(約86%)
信用金庫 ~ 約95%(約92%)
信用組合 ~ 約87%(約94%)
労働金庫 ~ 100%(約66%)
(注1)( )内の数値は、規定を策定済みの先のうち、職員による代筆規定の整備率
3.その他
金融庁から、各金融機関の団体等に要請した項目への対応状況は以下のとおりです(上記1.2.を除く)。
業態 | 文字拡大機能付 ATM設置率 |
画面のコントラスト調整機能付ATM設置率 | 振込機能付 視覚障がい者 対応ATM設置率 |
|
---|---|---|---|---|
主要行等 | 約11% | 約1% | 0% | |
都市銀行等 | 約1% | 約12% | 0% | |
信託銀行 | 0% | 0% | 0% | |
地方銀行等 | 約18% | 約2% | 約1% | |
第二地方銀行 | 約4% | 0% | 約1% | |
信用金庫 | 約33% | 約3% | 約0% | |
信用組合 | 約17% | 約6% | 約0% | |
労働金庫 | 0% | 0% | 0% |
業態 | 発行済み | 未発行だが、発行検討中 | 未発行かつ未検討 | |
---|---|---|---|---|
主要行等 | 約13% | 約20% | 約66% | |
都市銀行等 | 約20% | 約40% | 約40% | |
信託銀行 | 約75% | 0% | 約25% | |
地方銀行等 | 約7% | 約14% | 約78% | |
第二地方銀行 | 約7% | 約16% | 約76% | |
信用金庫 | 約25% | 約5% | 約69% | |
信用組合 | 約14% | 約4% | 約81% | |
労働金庫 | 約23% | 0% | 約76% |
業態 | 1.内規を定めているか。 | 内規を定めている金融機関のうち | ||
---|---|---|---|---|
2.内規に複数職員の関与を定めているか。 | 3.内規を周知徹底しているか。 | |||
主要行等 | 約53% | 約83% | 100% | |
都市銀行等 | 100% | 約80% | 100% | |
信託銀行 | 約83% | 約25% | 100% | |
地方銀行等 | 約82% | 約93% | 100% | |
第二地方銀行 | 約57% | 約77% | 100% | |
信用金庫 | 約48% | 約77% | 100% | |
信用組合 | 約27% | 約73% | 100% | |
労働金庫 | 約92% | 約83% | 100% |
(注2)「1.内規を定めているか。」は、11月末までに規定を策定すると回答した先を含む。
業態 | 1.内規を定めているか。 | 内規を定めている金融機関のうち | ||
---|---|---|---|---|
2.内規に複数職員の関与を定めているか。 | 3.規定を周知徹底しているか。 | |||
主要行等 | 約46% | 100% | 100% | |
都市銀行等 | 約80% | 100% | 100% | |
信託銀行 | 約33% | 0% | 100% | |
地方銀行等 | 約28% | 約77% | 100% | |
第二地方銀行 | 約38% | 約87% | 100% | |
信用金庫 | 約12% | 約82% | 100% | |
信用組合 | 約34% | 約88% | 100% | |
労働金庫 | 約7% | 100% | 100% |
(5)点字による通知書(残高、取引履歴等)の発行
業態 | 普通預金口座 | 定期預金口座 | |
---|---|---|---|
主要行等 | 約33% | 約33% | |
都市銀行等 | 100% | 100% | |
信託銀行 | 0% | 0% | |
地方銀行等 | 約35% | 約32% | |
第二地方銀行 | 約4% | 約4% | |
信用金庫 | 約0% | 約0% | |
信用組合 | 0% | 0% | |
労働金庫 | 0% | 0% |
業態 | 普通預金口座 | 定期預金口座 | |
---|---|---|---|
主要行等 | 約13% | 約26% | |
都市銀行等 | 約40% | 約80% | |
信託銀行 | 0% | 0% | |
地方銀行等 | 約14% | 約15% | |
第二地方銀行 | 約4% | 約4% | |
信用金庫 | 約0% | 約0% | |
信用組合 | 0% | 0% | |
労働金庫 | 0% | 0% |
業態 | 点字ブロック敷設率 | 音声ガイド設置率 | |
---|---|---|---|
主要行等 | 約34% | 約0% | |
都市銀行等 | 約50% | 約0% | |
信託銀行 | 約2% | 0% | |
地方銀行等 | 約8% | 約0% | |
第二地方銀行 | 約4% | 約0% | |
信用金庫 | 約8% | 約0% | |
信用組合 | 約5% | 約0% | |
労働金庫 | 約8% | 0% |
(注3)音声ガイドは、店舗玄関等に設置し、視覚障がい者が保有する発信器に対応して音声を発する装置
業態 | 音声案内対応率 | 視覚以外で認知可能なパスワード等の提供率 | |
---|---|---|---|
主要行等 | 約40% | 約13% | |
都市銀行等 | 100% | 約20% | |
信託銀行 | 約16% | 0% | |
地方銀行等 | 約10% | 約1% | |
第二地方銀行 | 約4% | 0% | |
信用金庫 | 約1% | 0% | |
信用組合 | 約1% | 0% | |
労働金庫 | 約7% | 0% |
実績及び今後の計画の事例 |
---|
・ATM本体や機能開発の際、視覚障がい者の方にデモ機によるトライアルを依頼し、使用しやすいデザイン・機能をヒアリングしている。この結果を受けて、音声ガイダンスの操作手順・読み上げスピードの改良等を行った。(主要行等) ・ATMメーカーに対して、企画・開発段階から可能な限り、視覚障がい者の方のご意見を伺うよう申し入れ等を行っている。(主要行等) ・ATMメーカーに対し、開発段階において高齢者・障がい者等の意見・要望を聴取のうえ、それらを反映させた仕様とするよう依頼している。(地方銀行等) ・ATMの導入検討にあたり、盲学校の教員および生徒からご意見をお伺いしたうえで、ハンドセット方式ATMの導入を決定した。(地方銀行等) ・上部団体である全信協に対し、全信協と「視覚障がい者団体」との意見交換の実施など、障がい者の意見を収集する仕組みづくりを要望する。(信用金庫) ・視覚障がい者の意見を取り入れたうえで、23年下期に全ATMを視覚障がい者対応ATMとする。(信用組合) |
視覚障がい者に対するCSRを意識した取組み事例 |
---|
・視覚に限らず身体に障がいをお持ちのお客さまから寄せられたご意見・ご要望と当社の対応状況等を定期的に社内で情報共有し、企業の社会的責任を果たす観点からも採るべき施策について協議し、改善に向けた対応を行っている。(主要行等) ・預貯金や口座振替の取扱内容の点字による通知(お取引内容等を点字で表示してお届け)、点字キャッシュカードの発行、商品・サービスのご案内(点字版)の窓口等配備を実施している。(主要行等) ・外部有識者の方々、障がい者の意見を採り入れた独自の接遇マニュアルと研修用ビデオを作成し、全行員へ配布している。その中で、目の不自由なお客さまへの応対のポイントについても徹底している。(主要行等) ・パンフレット等の広報物に「SPコード」を導入している。(地方銀行等) ・県福祉担当部が主催する、視覚障がいのある方との利便性向上に向けた話し合いへの参加を通じて、「どのような配慮が必要なのか」等について検討している。また、支店において実際のATM操作や窓口対応について「実地確認」を実施した。この中であがった改善点の検証を行い、更なる利便性の向上に向けた対応に取り組んでいる。(第二地方銀行) ・普通預金伝票を大きくし氏名・金額欄等を広げ、記入しやすいように改善した。(信用金庫) ・障がい者取引についての認識を深める観点から、各営業店の現在把握できている障がい者との取引状況の調査を実施し、利便性向上の対応を検討している。(信用金庫) ・視覚特別支援学校を訪問し、校長・担当教員2名(視覚障がい者)から意見聴取を行った。現状求められていることが明確化したので、今後の体制に反映させていく方針。(信用金庫) ・窓口での振込手数料をATM振込手数料と同額に減免し、その内容を当組合ホームページに掲載し、視覚障がい者が来店した場合、その旨の声掛けを行っている。(信用組合) ・お客様の希望により、普通預金・定期積金・定期預金の通帳、証書に金融機関名、科目、氏名、口座番号、金額、満期日の点字刻印サービスを行っている。(信用組合) |
(注4)SPコードは、二次元シンボルの一種。専用のSPコード読取機を使うことにより、音声・点字・テキストで出力することができる。
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局 銀行第一課(内線3323、3324)
銀行第二課(内線3697、3394)
総務課 協同組織金融室(内線3381、3386)
総務課 郵便貯金・保険監督参事官室(内線2612、2615)