平成23年2月10日
金融庁

「金融検査結果事例集」の公表について

金融庁は、「金融検査結果事例集(平成22検査事務年度前期版)」を作成しましたので、公表します。

金融庁は、平成17年より、金融行政の透明性・予測可能性を更に向上させるなどの観点から、指摘の内容・頻度等を勘案して金融機関が適切な管理態勢を構築する上で参考となるような事例を取りまとめ、「金融検査指摘事例集」として、毎年7月に公表してきています。

また、平成21検査事務年度には、金融機関の円滑な金融仲介機能の発揮が期待されている状況等を踏まえ、事務年度途中の12月に「金融円滑化に係る金融検査指摘事例集」(43事例)を公表しています。さらに7月には、年次の「金融検査指摘事例集」を公表したところです。

金融庁としては、情報発信の充実・強化を推進する観点から、タイムリーに金融検査結果の事例集を公表することが重要と考えており(注1)、本検査事務年度においても、預金等受入金融機関等について、事務年度途中で6ヶ月分について事例集を公表することとしました。なお、預金等受入金融機関等以外の金融機関については、7月に公表を予定している次回の事例集に掲載することとしています。

今回の事例集においては、22年7月~12月までの間に通知された検査結果を中心に、「金融円滑化編」だけでなく、すべてのリスク・カテゴリーについて、金融検査結果事例を幅広く選定し掲載しています。

また、今回の事例集より、名称を「金融検査指摘事例集」から「金融検査結果事例集」に変更していますが、これは、金融円滑化に係る取組みにおいて、評価事例が数多く認められたこと等を踏まえたものです。掲載事例数は、評定事例26事例、個別事例147事例、全体で173の事例をとりあげています(参考)。

今回の事例集の主な特徴は、以下のとおりです。

  • (1)金融庁では中小企業金融円滑化法(注2)の実効性確保と21年末に改定した金融検査マニュアル「金融円滑化編」の早期定着のため、同法の態勢整備の状況等に関する検査を22年2月より開始し、23年9月頃までの間に、原則として全ての銀行、信用金庫、信用組合について実施することとしています。

    本事例集の「金融円滑化編」においては、指摘事例だけではなく、金融機関のコンサルティング機能の発揮が中小企業等の業況改善につながった評価事例を数多く紹介しています。

  • (2)最近の大手金融グループに対する検査においては、グループ全体として総合的なリスク管理態勢が整備されているかを重点的に検証しています。特に「統合的リスク管理態勢」に関し、統計的なリスク計測手法の限界を認識し、フォワード・ルッキングなシナリオに基づくストレス・テストを実施し、これを経営判断に活用しているか等について検証しています。本事例集の「統合的リスク管理態勢」においては、これらに関する指摘事例を紹介しています。

(注1) 「金融検査におけるベター・レギュレーションに向けた取組み(アクションプラン II )」(21年5月公表)においても、事例集の年2回公表を掲げています。

(注2) 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(21年12月4日施行)


(参考)金融検査結果事例集の構成

預金等受入金融機関及び金融持株会社について

金融検査マニュアルの項目に沿って掲載。掲載事例数は以下のとおり。

項目 評定事例 個別事例
I 経営管理(ガバナンス)態勢
-基本的要素-
10 15
II. 金融円滑化 53 53
III. 法令等遵守態勢 13 18
IV. 顧客保護等管理態勢 11
V. 統合的リスク管理態勢 16 16
VI. 自己資本管理態勢
VII. 信用リスク管理態勢 12 17
VIII. 資産査定管理態勢
IX. 市場リスク管理態勢 14 18
X. 流動性リスク管理態勢
XI. オペレーショナル・リスク管理態勢 13 15
26 147 173

金融検査結果事例集(平成22検査事務年度前期版)(PDF:885KB)

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
検査局審査課(内線2558、2556)

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