平成23年3月11日
金融庁

中小企業向け為替デリバティブ取引状況(米ドル/円)に関する調査の結果について(速報値)

金融庁では、平成16年度以降に販売された中小企業向け為替デリバティブ取引契約(米ドル/円)に関して、銀行(121行)に対し、平成22年9月30日時点における状況の聞取り調査を行いました。今般、その結果(速報値)を取りまとめましたので公表します。

1.平成16年度以降の全販売契約数、及び22年9月末現在の残存契約数

販売契約数をみると、平成16〜19年度までは毎年度約12,000件前後で推移し、合計では約6万強の契約が販売されていた。いわゆるリーマンショックが発生した20年度以降、販売契約数は大幅に減少している。その結果、16年度以降の販売契約総数のうち、16〜19年度に販売されたものが全体の約8割に上っている。

年度別の残存契約数(22年9月30日現在)をみると、16年度以降の残存契約合計約4万契約のうち、16〜19年度に販売されたものが約8割となっている。ただし、16〜17年度に販売された契約は概ね半減している一方で、18〜19年度に販売された契約は約7〜8割が残存しているため、残存契約ベースでみると、18〜19年度に販売されたものの比率が高くなっている(約5割)。

22年9月末現在で契約を保有する企業数は、約1万9千社である。

(1)全販売契約数(カッコ内は主要行等(以下同じ))
(単位:件)
年度 16 17 18 19 20 21 22年
4〜9月
輸入業者向け 11,200
(9,600)
12,700
(10,500)
12,200
(9,000)
12,000
(7,600)
5,800
(3,700)
3,700
(2,200)
1,800
(1,100)
59,500
(43,700)
輸出業者向け 800
(700)
800
(700)
600
(500)
500
(400)
700
(600)
600
(400)
300
(200)
4,200
(3,500)
合計 12,000
(10,300)
13,500
(11,200)
12,800
(9,500)
12,500
(8,000)
6,500
(4,200)
4,300
(2,600)
2,100
(1,300)
63,700
(47,100)
約40%
約80%

(注)各項目の百未満(一部は十未満)を四捨五入しています(以下、同じ)。

(2)22年9月末現在の残存契約数
(単位:件)
年度 16 17 18 19 20 21 22年
4〜9月
輸入業者向け 6,800
(6,300)
6,300
(5,300)
8,800
(6,500)
9,700
(5,800)
4,900
(2,900)
2,400
(900)
1,300
(600)
40,200
(28,400)
輸出業者向け 30
(30)
20
(20)
20
(20)
30
(30)
20
(10)
100
(50)
100
(70)
300
(200)
合計 6,800
(6,300)
6,300
(5,300)
8,800
(6,600)
9,700
(5,800)
4,900
(2,900)
2,500
(1,000)
1,400
(700)
40,500
(28,600)
約46%
約79%

2.平成22年1月以降に銀行へ寄せられた苦情件数(契約年度別)

リーマンショックが平成20年9月に発生しているところ、16〜19年度までに販売された契約の合計苦情件数は、全体の約9割を占めている。

このうち、契約残存数が多い18〜19年度の販売分が全体の6割以上を占めている。

銀行へ苦情を寄せた企業数は約300社である。

契約年度 16 17 18 19 20 21 22年
4〜9月
合計
苦情件数 40件 95件 166件 185件 54件 7件 1件 548件
合計に占める割合 7% 17% 30% 34% 10% 1% 0% 100%
約64%
約88%

(参考)22年1月以降に金融庁へ寄せられた為替デリバティブに関する苦情件数は195件である。また、全国銀行協会によれば、22年1月以降、同協会にデリバティブに関する苦情が260件寄せられており、その過半が為替デリバティブに関するものとされている。

3.損益状況

主要行等が中小企業に対して販売した契約のうち、集計可能なもの(主要行等の残存契約数の9割弱相当)を合算すれば以下のとおりです。

(注)輸入業者(代金を外貨で支払う者)の場合の典型的な為替デリバティブ契約では、円安になれば利益が、円高になれば損失が発生することとなります。このため、契約全体の損益状況をみるためには、現下の損益状況だけではなく、過去における損益を通算する必要があると考えられます。

1 通算利益の合計 約3,700億円
2 通算損失の合計 約▲5,100億円
差引(1−2) 約▲1,400億円
1契約当たり 約▲600万円
(残存契約数 約25千件)

(注1)「中小企業」とは、中小企業基本法第2条に定めるもので、例えば、資本金が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社であって、製造業に属する事業を主たる事業として営むものなどが該当します。

(注2)本調査結果は、現時点での概数(速報値)であり、今後の修正等があり得ます。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局 銀行第一課(内線3323、3324)
銀行第二課(内線3320、3393)

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