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平成23年5月24日
金融庁

経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテストの結果について

今般、金融庁では、全保険会社を対象に経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテストを実施し、結果の概要を取り纏めましたので、公表します。

本件の概要は以下のとおりです。

I.経緯

平成22年6月、「経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテスト」(以下「本試行」)の実施を公表するとともに、試行を依頼。

本試行の対象となりうる全保険会社(生保47社、損保50社)から昨年12月までに回答があり、今般、その集計等がまとまったことから、結果概要を公表するもの。

II.目的

全保険会社を対象に、経済価値ベースの保険負債等の計算の実施を要請し、各社の対応状況や実務上の問題点等を把握すること。

III.結果概要

  • 1.経済価値ベースの保険負債評価について

    • (1) 経済価値ベースの保険負債評価については、多くの社が、資産負債の一体的な管理が可能となり、ALMの促進やリスク管理の高度化に資するため、重要であるとの認識であった。

    • (2) 経済価値ベースの保険負債評価に基づくソルベンシー規制については、自社で進めている経済価値ベースのリスク管理との整合性に加え、IFRS(国際会計基準)や国際的な規制の動向との関係から、導入を是とする意見が多かった。

      但し、長期保険負債に対応した超長期債市場が十分でないこと等から、ALMの効果が不十分となりうるため、規制導入の際には、配慮すべきとの意見もあった。

  • 2.実務的な課題等について

    本試行において、以下の実務的な課題等が明らかとなった。

    • 保険負債計算における将来キャッシュフローの推計(全保有契約を1契約毎に全保険期間にわたり計算)等にあたっては、計算負荷が大きいとの意見も多く、一部の契約を抽出して計算する方法や、基礎率が同一である契約をまとめて計算する方法等、合理的な範囲で一定の簡便な計算手法の検討等が必要である。

    • 内部モデルについては、計測の信頼性向上の途上にあるものの、保険会社内で既に内部モデルによる計測を行っている先も多く、今後、規制の導入にあたっては、承認基準の策定等が必要である。

IV.今後の検討の方向性

  • 1.本試行の結果、様々な課題等が認識されたところであるが、こうした課題のうち、とりわけ、経済価値ベースの保険負債等の計算やリスク測定等における内部モデルの利用といった実務的な課題等については、日本アクチュアリー会や損害保険料率算出機構等の専門組織と連携し、さらに検討を進めていく方針である。

  • 2.国際的にも、IAISにおいて経済価値ベースの基準策定が行われていること、あるいは、2013年1月には欧州において「ソルベンシーII」導入が予定されていることなど、経済価値ベースの保険負債評価を前提とした枠組みに関する議論が進展しているところである。こうした動向を十分に見据えつつ、我が国の保険市場にふさわしいリスク感応度の高い規制内容を構築することが重要である。

  • 3.経済価値ベースの保険負債評価を前提としたソルベンシー規制の導入においては、これまでの保険会社における経営管理手法やリスク管理手法に相応の見直しをも伴うものである。このため、円滑な制度導入に向け、あらかじめロードマップを明らかにする等、十分に予測可能性を高めつつ、関係者との継続的な対話を通じ、新たな枠組みづくりに着実に取り組んでいく方針である。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課(内線3770)

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