第14回金融機能強化審査会 議事要旨

1.日時:

平成24年8月8日(水)9時30分〜12時00分

2.議題:

  • 経営強化計画(みちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行)の審議

3.議事内容

  • 事務局より、みちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行から提出された経営強化計画の概要等について説明が行われた。

  • みちのく銀行の杉本頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 人材育成プログラムの導入や研修体制の見直し等の記載があるが、エリア営業体制等の仕組み作りだけでなく、個々の行員の考え方や仕事の進め方をどう変えていくかが重要。その点については、どのように考えているか。
      • 「お客様第一」との思いが実際に伝わる行動ができるよう、支店長、各エリアの役席以上及び一般行員といった職階ごとに、私(頭取)自身から順次説明している。行員の思いと知識を底上げしていくことが重要と考えており、人事評価や研修も並行しながら進めている。

    • 人材育成や対話を通じて出てきた顧客のニーズ等は、必ずしも単独で対応可能なものばかりではなく、外部との連携が必要なものもあると思うが、具体的にどう対応していくのか。
      • ご指摘の通り、顧客のニーズは顧客ごとに異なるものであり、1つのマニュアルで対応できるものではない。また、行員ごとに得意分野も異なる。そのため、エリアごとにグループミーティングを開催し、対話の難しい顧客や、良い提案が思いつかない案件等を挙げさせ、それらについて経験のある行員が知恵を出し合いながら、全体の底上げに努めている。時間のかかる取組みであり、なかなか教科書通りにはいかないと思うが、行員だけでなく外部の研修等も組み合わせながら、レベルアップを図っていきたい。

    • 国の資本参加を受けたことで、行員の意識はどのように変わったか。また、全員営業の実践による1人当たりの生産性の向上を掲げているが、相談活動等のように短期の生産性にはつながりにくいものもある。具体的にどのような生産性をイメージしているのか。
      • 国の資本参加を受けた当時は心配もあったが、銀行の体力が増強され、地元に還元出来るのだから、何か出来るか真剣に考えようということになった。そして、経営強化計画の目標は、前向きな気持ちでなければ達成できないので、行員のマインドを前向きに転換させる1つのきっかけとなったことは間違いない。

        生産性の向上については、当然すぐに向上するとは思っておらず、今回と次回で6年間の計画期間を見ていくこととしている。次回計画の中で1人当たりの業務粗利益を50%程度増やせればと考えている。

  • きらやか銀行の粟野頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 従来、金融機関といえば金融仲介(資金供給)という認識だったと思うが、今回の計画では顧客の「本業支援」を前面に打ち出している。まさに地域密着型金融の本質だと思うが、この点についての顧客や行員の受け止め方はいかがか。
      • 顧客には、「本業支援」についてのCMやチラシを作成したり、会社説明会等の場で必ず「本業支援」について話をしたりすることで浸透を図ってきた。最近は顧客の方から「本業支援」を受けている旨の話を頂き、非常に嬉しく思っている。また、行員には、銀行の商品の話はせず、とにかく顧客の話を聞いてくること(アクティブリスニング)を徹底している。営業店から上がってくるアクティブリスニングの結果を、本部で仕分けて解決につなげる取組みも実践しており、「本業支援」が徹底される体制になってきたと思う。

    • リテール戦略の1つとしてコールセンターを強化するとのことだが、例えばインターネットの苦手な高齢者を対象にする等、チャネル拡充が目的なのか、それとも全体的なコストの引下げを狙ったものか。また、「本業支援」、「最適提案」といっても、事業承継については、アクティブリスニングでも顧客がなかなか本音を語ってくれず、ソリューションの提供が難しいと思うが、どのように進めていくのか。
      • できるだけ「本業支援」に人材を傾斜配分したいと考えており、リテールについては効率化が最大の課題。また、仙台銀行との経営統合もあり、コールセンターは宮城県の顧客にも役割を発揮できると考えている。

        事業承継については、確かに難しい面がある。現在、各地区で社長の2代目を集めた会(2代目会)を立ち上げて勉強会等を開催するなど、スムーズに話ができる下地作りを進めている。

    • 仙台銀行との経営統合に際し、営業地域をはじめ両行で異なる部分もあると思うが、具体的にどこまで連携していくのか。
      • 「本業支援」については、仙台銀行にもコーディネーターを配置しており、両行で収集した情報のマッチング等をしっかり進めていく。また、両行で知恵を出し合いながら、震災復興に向けた協力を1番目に実施していきたいと考えており、協調融資等の実例も出ている。

    • 前計画期間中に融資先数は減ったようだが、既存顧客向けの取組みを深めることと、新規顧客の開拓とでは、どちらの収益性が高いと考えているのか。また、「本業支援」は時間がかかる取組みであり、金融取引につながる前に担当行員が異動し、果実は全て後任者のものになることも考えられるが、人事評価はどのように工夫されているのか。
      • 収益性は既存顧客のほうが高い傾向にあるが、それだけではどこかで行き詰まるので、常に新規先の開拓も行っていかなければならない。また、人事評価ではアクティブリスニングの件数も業績査定に入れており、最後の果実だけを評価しているわけではない。

  • 第三銀行の岩間頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 地域において金融仲介機能を安定的かつ持続的に発揮するに当たり、当行にとっての「地域」としてはどこをイメージしているのか。三重県南部以外の地域では他の金融機関も多く、それらの地域へ新規に進出することで金利競争になる傾向が強いと思うが、収益性の確保についてはどのように考えているか。また、当行が経営改善支援先割合が1%程度と相対的に低めだが、何か特殊な事情があるのか。
      • 三重県南部が地盤としては大きいが、当行の店舗網は広域であり、古くから各地で営業している。当行の支店のある地域を地元と認識しており、それらの地域でいかに円滑に資金を供給するかが重要と考えている。融資重点推進地域の貸出金のシェアは大きいが、他の地域を決しておろそかにしているわけではなく、必要に応じて経営資源を配分している。また、融資重点推進地域でも低金利競争で取引先を増やすような営業をするつもりは全くなく、従来からの顧客とのリレーションを活用しながら取引の拡大を進めている。採算面でも当該地域で着実に伸ばしており、当行の戦略は間違っていないと考えている。なお、経営改善支援先については、三重県南部を中心に不良債権比率が非常に高かった時期もあり、支援に対して時間を要する取引先が多いとの事情もあるが、この計画に止まらず、より高いレベルを目指していきたい。

    • 当行の特徴は広域地銀だが、三重県内と、県外の大都市圏(大阪、愛知)では、当行がメイン先であるかどうかも含め、当行の立場が若干異なる部分があると思う。そうした中で、大都市圏でコンサルティング機能を発揮していくに当たり、行員のモチベーションが異なることはないのか。
      また、担保・保証に過度に依存しない融資としてコベナンツ付き融資等に取り組んでおり、地元の中堅・中小企業にも活用できるなら良いと思うが、どうしても規模の大きな優良先に限られてしまうのではないか。
      • 県外では当行の知名度も低く、メインとなる顧客の数も少ないため、事業先担当職員の苦労が多いことは事実。他方、古くからの支店も多く、強いモチベーションを持って営業しており、顧客にとって2番手、3番手に位置しながらもソリューションを提案し、採用いただくケースも多い。

        コベナンツ付き融資については、規模の小さな企業も対象に、この3年間で200件以上実行している。コベナンツと言っても、顧客の経営改善意欲を引き出すような形の設定が多く、顧客の実態をきちんと把握し、担保を取らなくとも融資を行い、きちんとお付き合いのできる取組みとして進めている。

    • 融資重点推進地域以外での、地域の活性化の方策等について、もう少し具体的に教えてほしい。
      • 高齢者関連の施設や太陽光発電、あるいは高速道路の延長による町おこし等といった地域の取組みをサポートしている。また、広域地銀のメリットとして、色々な地域の方との取引を紹介するなど、ビジネスマッチングを通じたお客様の取引の拡大にも、非常に力を入れている。

  • 3行の頭取が退室した後、3行の経営強化計画について討議が行われた。その際の主な意見は以下の通り。

    • 各銀行の計画の基本的な方向は正しいと思うが、「地域密着」という考え方についての深堀りの仕方や実施段階のステージは、各行で差があったように思う。公的資金を入れる意味からすると、「地域密着」ということは常に忘れないでいただきたい。また、地域を支えているファミリービジネスの方々の最大の課題は事業承継であり、難しい課題であるので、その辺の取組みが実効性を上げているかどうか、当局でもよく見ていただきたい。
    • 金融機関がこれから生き残っていくには、他の金融機関にない強みをどう発揮するかが重要。収益計画がきちんと策定されているという点で計画は是認できるが、地域における金融機能の強化という観点から、プラスアルファの取組みをお願いしたい。
    • 広域で活動する一方で、公的資本増強行として地元に対する取組みをしっかり行っていくことも必要。昨年5月に改正された監督指針の記載事項を列挙するだけでは選択と集中が不十分でメリハリの利かない計画となってしまう。数値目標の達成だけでなく、地域を支えるという本来の目的とのバランスが崩れることのないよう、当局においても検査・監督を通じてフォローアップをお願いしたい。
  • 以上の討議の後、審査会としてみちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行の経営強化計画について了承することとされた。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

監督局 総務課・銀行第二課(内線3391、3392)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。