平成25年6月24日
金融庁

株式会社マミーマート株式ほか1銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)マミーマート株式ほか1銘柄に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成25年5月28日に審判手続開始の決定(平成25年度(判)第6号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)178条1項14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおりPDF決定(PDF:152KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金12万円

  • (2)納付期限平成25年8月22日

課徴金に係る金商法178条1項14号に掲げる事実

被審人(A)は、自己資金及び知人のBから預かった資金で株式の売買を行っていたものであるが、株式の売買を誘引する目的をもって、自己名義及びB名義を用いて、

  • (1)大阪証券取引所JASDAQ市場に上場されている(株)マミーマートの株式につき、表1記載のとおり、平成24年2月10日午前9時12分頃から同月23日午後3時9分頃までの間、9取引日にわたり、C証券株式会社及びD証券株式会社を介し、直前約定値より高値で自己名義の買い注文とB名義の売り注文を対当させて株価を引き上げたり、買い最良気配値以下の価格帯に複数の買い注文を発注して下値を支えたりするなどの方法により、同株式合計4,100株を買い付ける一方、同株式合計6,200株を売り付け、そのうち、自己の計算において、同株式合計2,500株を買い付ける一方、同株式合計4,300株を売り付けるなどし、

  • (2)大阪証券取引所市場第二部に上場されている(株)くろがね工作所の株式につき、表2記載のとおり、同年3月30日午後2時19分頃から同年4月10日午後1時23分頃までの間、8取引日にわたり、C証券株式会社、D証券株式会社及びE証券株式会社を介し、直前約定値より高値で自己名義又はB名義の買い注文とB名義の売り注文を対当させて株価を引き上げたり、買い最良気配値以下の価格帯に複数の買い注文を発注して下値を支えたりするなどの方法により、同株式合計10万6,000株を買い付ける一方、同株式合計10万7,000株を売り付け、そのうち、自己の計算において、同株式合計5万7,000株を買い付ける一方、同株式合計5万8,000株を売り付けるなどし、

    もって前記各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記各市場における前記各株式の相場を変動させるべき一連の売買をしたものである。

(表1)

(単位:株)
取引年月日 A名義 B名義 合計
証券会社 買付株数 売付株数 証券会社 買付株数 売付株数 買付株数 売付株数
平成24年2月10日 C証券 200 200 D証券 200 200 400 400
平成24年2月14日 C証券 500 1,100 D証券 300 300 800 1,400
平成24年2月15日 C証券 200 100 D証券 200 0 400 100
平成24年2月16日 C証券 100 800 D証券 100 400 200 1,200
平成24年2月17日 C証券 600 100 D証券 300 100 900 200
平成24年2月20日 C証券 200 1,200 D証券 100 300 300 1,500
平成24年2月21日 C証券 400 400 D証券 100 500 500 900
平成24年2月22日 C証券 200 300 D証券 300 0 500 300
平成24年2月23日 C証券 100 100 D証券 0 100 100 200
合計   2,500 4,300   1,600 1,900 4,100 6,200

(表2)

(単位:株)
取引年月日 A名義 B名義 合計
証券会社 買付株数 売付株数 証券会社 買付株数 売付株数 買付株数 売付株数
平成24年3月30日 C証券 1,000 5,000 D証券 5,000 4,000 8,000 9,000
E証券 2,000 0
平成24年4月2日 C証券 7,000 6,000 D証券 0 3,000 7,000 9,000
E証券 0 0
平成24年4月3日 C証券 12,000 2,000 D証券 8,000 0 23,000 2,000
E証券 3,000 0
平成24年4月4日 C証券 6,000 4,000 D証券 9,000 0 25,000 4,000
E証券 10,000 0
平成24年4月5日 C証券 7,000 2,000 D証券 0 6,000 8,000 8,000
E証券 1,000 0
平成24年4月6日 C証券 9,000 17,000 D証券 0 0 13,000 25,000
E証券 4,000 8,000
平成24年4月9日 C証券 8,000 7,000 D証券 0 0 11,000 10,000
E証券 3,000 3,000
平成24年4月10日 C証券 7,000 15,000 D証券 0 12,000 11,000 40,000
E証券 4,000 13,000
合計   57,000 58,000   49,000 49,000 106,000 107,000

課徴金の計算の基礎

金商法174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

  • (1)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • 及び

  • (2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • の合計額として算定。

    表1に掲げる事実につき

  • (1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、4,300株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量2,500株に、金商法174条の2第8項及び金融商品取引法施行令33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(1,414円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量2,000株を加えた4,500株である

    ことから、

    • 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(4,300株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (1,414円×100株+1,418円×100株+1,419円×300株 +1,420円×700株+1,421円×100株+1,422円×200株 +1,424円×200株+1,425円×900株+1,426円×400株 +1,427円×1,100株+1,429円×100株+1,432円×100株)

      -(1,410円×100株+1,411円×200株+1,412円×100株 +1,414円×2,200株+1,415円×200株+1,418円×100株 +1,419円×200株+1,422円×200株+1,424円×400株 +1,425円×100株+1,427円×100株+1,428円×300株 +1,431円×100株)

      = 28,400円

      及び

    • 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(4,500株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(4,300株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(1,527円)に当該超える数量200株(4,500株-4,300株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (1,527円×200株)-(1,413円×100株+1,422円×100株)

      = 21,900円

      の合計額50,300円となる。

  • (2)金商法176条2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、50,000円となる。

  • 表2に掲げる事実につき

  • (1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、58,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量57,000株に、金商法174条の2第8項及び金融商品取引法施行令33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(76円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量5,000株を加えた62,000株である

    ことから、

    • 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(58,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (73円×2,000株+74円×15,000株+75円×17,000株+76円×23,000株+77円×1,000株)

      -(72円×4,000株+73円×8,000株+74円×8,000株+75円×27,000株+76円×9,000株+77円×2,000株)

      = 29,000円

      及び

    • 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(62,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(58,000株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(88円)に当該超える数量4,000株(62,000株-58,000株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (88円×4,000株)

      -(75円×1,000株+76円×1,000株+77円×2,000株)

      = 47,000円

      の合計額76,000円となる。

  • (2)金商法176条2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、70,000円となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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