平成26年5月23日
金融庁

監査法人の処分について

金融庁は、平成26年2月24日、公認会計士・監査審査会から、同審査会が東京中央監査法人に対して行った検査の結果に基づき、公認会計士法第41条の2の規定による当該監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるよう勧告新しいウィンドウで開きますを受けました。

同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり当該監査法人に対して、公認会計士法第34条の21第2項第3号に基づく処分を行いました。

1.処分の概要

  • (1)処分の対象

    東京中央監査法人

  • (2)処分の内容

    • 業務の一部の停止1年(契約の新規の締結に関する業務の停止)
      (平成26年5月27日から平成27年5月26日まで)
    • 業務改善命令(業務管理体制の改善)
  • (3)処分理由

    東京中央監査法人については、別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容

  • (1)監査法人として、組織的な監査を実施する態勢を構築し、品質管理のシステムが有効に機能するよう品質管理態勢を整備すること。

  • (2)監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢を強化すること(実証手続、会計上の見積りの監査手続及び経営者確認書の入手等の監査手続など、検査において指摘された事項の改善を含む。)。

  • (3)監査の基準に準拠した審査手続を実施するための態勢を強化すること(監査の基準の改正に留意した監査計画の審査など、検査において指摘された事項の改善を含む。)。

  • (4)日本公認会計士協会の品質管理レビュー及び定期的な検証の指摘事項の改善を組織的に行うとともに、品質管理のシステムの監視態勢を強化すること。

  • (5)上記(1)から(4)に関する業務の改善計画について、平成26年6月23日までに提出し、直ちに実行すること。また、提出日現在の人員体制の状況について報告すること。

  • (6)上記(5)の報告後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成26年11月末日を第1回目とし、以後、6ヶ月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企業開示課(内線3654、3679)

(別紙)

東京中央監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

  • 当監査法人は、監査契約の解除等により資金繰りが逼迫し、法人代表者からの資金借入れを余儀なくされるなど厳しい環境の中、過度に人件費や経費を抑制した経営を行っている。このため、社員の退任が発生したものの、必要な人材の採用を行わず、実質3名の社員による業務運営を行っている。さらに、社員それぞれの役割分担を明確にしないまま、収益確保のため監査業務の実施に重きを置いたことから、品質管理責任者が実質的に不在となっているなど、監査法人として組織的な監査を実施する態勢ができていない。

    また、業務執行社員は、職員の離職により自ら監査手続を実施せざるを得ない中、監査チームにおける他の業務執行社員等に対する指導・監督を十分に実施しておらず、他の業務執行社員等が作成した監査調書の査閲を行っていない。

    このように、当監査法人は品質管理のシステムが機能しておらず、品質管理態勢は著しく不適切かつ不十分である。

  • 監査業務の実施については、監査計画と実施した監査手続との間に不整合が生じているほか、実証手続や会計上の見積りの監査手続、経営者確認書の入手等の監査手続において、十分かつ適切な監査証拠を入手していないなど、監査計画の適切性並びに収集した監査証拠の十分性及び適切性の評価ができておらず、監査の基準に規定されている基本的な監査手続が実施されていない監査業務が広範に認められる。

  • 監査業務に係る審査については、監査の基準の改正に留意した監査計画の審査を実施しておらず、また、監査チームが十分かつ適切な監査証拠を入手しているかについて批判的な観点から審査を行っていないなど、監査実施上の問題点を審査において指摘できておらず、審査態勢は著しく不十分である。

  • 日本公認会計士協会の品質管理レビュー及び定期的な検証の指摘事項については、リスク・アプローチに基づく監査計画の策定並びに監査実施者に対する指示・監督及び監査調書の査閲等について、改善が不十分な事項や未改善となっている事項が広範に認められており、改善に向けた取組状況は著しく不十分である。

以上