平成26年6月18日
金融庁

公認会計士の懲戒処分について

株式会社プロデュース(以下「プロデュース」といいます。)が作成した財務書類について、旧証券取引法に基づく監査証明を行った東都監査法人の業務を執行する社員(以下「業務執行社員」といいます。)として監査証明を行った公認会計士に対し、本日、公認会計士法第30条第3項において準用する同条第2項の規定に基づき、下記の懲戒処分を行いました。

1.処分の内容

  • (1) 処分対象
    • 公認会計士(登録番号:住所:
  • (2) 処分内容
    • 業務停止6月(平成26年6月20日から平成26年12月19日まで)
  • (3) 処分理由
    • 同公認会計士は、プロデュースの平成17年6月期及び同18年6月期に係る財務書類の監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。
    • この行為は、公認会計士法第30条第3項において準用する同条第2項に該当すると認められる。

2.事案の概要

プロデュースは、利益金額等を大幅に水増しし、平成17年6月期及び同18年6月期において、重大な虚偽の記載のある財務書類を添付した有価証券報告書等を関東財務局長に対し提出した。

本有価証券報告書等に関し、同公認会計士が行った旧証券取引法に基づく監査証明については、以下の問題が認められた。

  • (1) 平成17年6月期
    • 同公認会計士は、平成17年6月期のプロデュースの監査手続がほぼ完了した後に業務執行社員に就任し、監査意見表明まで2ヶ月足らずしかなかったため、本来、監査基準や監査実務指針に基づき、他の業務執行社員及び監査チームが実施した監査の内容並びに判断の過程及び結果等について十分に協議する必要があったにもかかわらず、その間、他の業務執行社員から提示された監査調書の査閲のみを行い、実際に監査業務を行った他の業務執行社員等と協議を十分に行っていない。
    • また、監査調書の査閲についても、監査計画書や統制リスクの評価調書が編てつされていないことを把握したにもかかわらず、それらの内容や統制リスクの評価結果等をヒアリングしておらず、また、自身の指摘に従って、最終的に編てつされているかどうかも確認しないなど、不十分なものであった。
  • (2) 平成18年6月期
    • i同公認会計士は、業務執行社員であるにもかかわらず、当初依頼された職務が監査調書の査閲のみであることを理由に、監査チームの編成など監査計画の策定から監査業務の実施まで、ほとんど関与することなく、他の業務執行社員に任せきりにし、実際の監査の実施状況や内容をほとんど把握しなかった。
    • ii他の業務執行社員に監査計画書を提示するよう要請しても提示されない中、監査調書に、固有リスクや統制リスク、プロデュースの内部統制の整備・運用状況等、監査計画の内容が記載されていないことなどを査閲で把握し、他の業務執行社員が監査基準や監査実務指針に沿った監査手続を実施していないことを認識していたにもかかわらず、それらの内容を直接確認することはしなかった。
    • iii同公認会計士は、監査計画の策定から監査業務の実施まで、他の業務執行社員に任せきりであったことから、棚卸資産の立会において、プロデュースの棚卸計画の検討をしていない等、他の業務執行社員が監査実務指針に基づいた監査手続を実施していなかったことを看過した。
    • なお、同公認会計士は、監査手続を補充したとしているものの、棚卸資産の立会の状況を十分に確認しないまま、証憑を突合したのみであることから、補充したとしている監査手続も不十分であった。

上記のとおり、同公認会計士は、業務執行社員としての自覚を欠き、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得るために十分かつ適切な監査証拠を入手せず、平成17年6月期及び同18年6月期の監査証明を行った。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3861、2764)

サイトマップ

ページの先頭に戻る