平成26年10月20日
金融庁

ホクシン株式会社株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、ホクシン(株)株式に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成26年9月9日に審判手続開始の決定(平成26年度(判)第22号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:147KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金4,367万円

  • (2)納付期限平成26年12月18日

課徴金に係る金商法第178条第1項第14号に掲げる事実

被審人(A)は、ホクシン(株)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成24年9月28日午前9時頃から同年10月3日午後1時44分頃までの間、4取引日にわたり、B証券株式会社、C証券株式会社、D証券株式会社、E証券株式会社、F証券株式会社、G証券株式会社、H証券株式会社、I証券株式会社及びJ証券株式会社を介し、直前の約定値より高値の買い注文と売り注文を対当させて株価を引き上げたり、連続して直前の約定値より高指値の買い注文を発注して株価を引き上げるなどの方法により、同株式合計32万4,100株を買い付ける一方、同株式合計92万2,500株を売り付け、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株式の相場を変動させるべき一連の売買をしたものである。

(別表)

違反行為期間 証券会社 売買株数
売付 買付
平成24年9月28日 B証券 76,700株 0株
C証券 0株 8,000株
D証券 0株 5,100株
E証券 700株 32,900株
F証券 0株 0株
G証券 3,000株 24,100株
H証券 0株 0株
I証券 1,800株 0株
J証券 (2,500株) 0株
平成24年10月1日 B証券 187,700株 0株
C証券 0株 900株
D証券 3,000株 6,100株
E証券 0株 39,900株
F証券 0株 0株
G証券 41,500株 45,400株
H証券 5,500株 0株
I証券 2,000株 0株
J証券 (3,000株) 0株
平成24年10月2日 B証券 84,600株 0株
C証券 0株 300株
D証券 2,000株 6,500株
E証券 127,600株 0株
F証券 0株 13,300株
G証券 165,100株 66,100株
H証券 2,800株 0株
I証券 0株 0株
J証券 (16,500株) 0株
平成24年10月3日 B証券 10,200株 0株
C証券 20,000株 100株
D証券 51,000株 0株
E証券 16,600株 0株
F証券 0株 16,500株
G証券 30,000株 58,900株
H証券 67,500株 0株
I証券 0株 0株
J証券 (1,200株) 0株
合計 922,500株 324,100株

※( )は、取引所金融商品市場外(PTS)における株数。

課徴金の計算の基礎

金商法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

  • (1)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • 及び

  • (2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • の合計額として算定。

2の別表に掲げる事実につき

  • (1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、922,500株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量324,100株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(186円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量2,197,300株を加えた2,521,400株である

    ことから、

    • 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(922,500株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (186円×2,000株+186.5円×500株+187円×1,200株

      +188円×1,800株+188.5円×500株+189円×12,900株

      +189.5円×1,000株+190円×64,400株+190.5円×500株

      +191円×23,700株+192円×9,500株+192.5円×500株

      +193円×16,700株+194円×34,800株+195円×42,100株

      +195.5円×1,000株+196円×22,700株+196.5円×500株

      +197円×63,600株+197.5円×500株+198円×62,500株

      +199円×36,400株+199.5円×1,500株+200円×82,700株

      +200.5円×500株+201円×65,800株+201.5円×1,500株

      +202円×59,500株+202.5円×8,500株+203円×51,800株

      +203.5円×2,000株+204円×19,700株+204.5円×1,000株

      +205円×22,200株+205.5円×2,600株+206円×85,000株

      +207円×44,800株+208円×63,600株+208.5円×600株

      +209円×9,600株+210円×300株)

      -(186円×922,500株)

      = 12,762,100円

    • 及び

    • 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(2,521,400株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(922,500株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(208円)に当該超える数量1,598,900株(2,521,400株-922,500株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (208円×1,598,900株)

      -(186円×1,275,100株+187円×2,400株+188円×3,900株

      +189円×2,600株+190円×6,200株+191円×40,900株

      +192円×18,900株+193円×8,100株+194円×4,200株

      +195円×21,700株+196円×25,400株+197円×9,400株

      +198円×16,200株+199円×11,300株+200円×5,500株

      +201円×7,800株+202円×23,200株+203円×21,300株

      +204円×4,000株+205円×4,600株+206円×15,400株

      +207円×37,000株+208円×33,800株)

      = 30,915,500円

    • の合計額43,677,600円となる。

  • (2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切り捨て、43,670,000円となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室
(内線2398、2404)

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