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平成27年12月15日
金融庁

ドイツ証券株式会社に対する行政処分について

ドイツ証券株式会社(以下「当社」という。)に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、法令違反の事実が認められたとして、平成27年12月8日、行政処分を求める勧告が行われました。

当該勧告を受けたことから、本日(12月15日)、当社に対し、金融商品取引法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行いました。

1.勧告の事実関係

  • (1)法人関係情報の管理に不備がある状況

    当社においては、当社に所属するアナリスト(以下「当社アナリスト」という。)が上場会社に関する情報を顧客に提供する場合、

    • 当社所定の形式のレポート(アナリストレポート)として提供しているほか、

    • 当社アナリストから直接又は営業員を介して電子メールや電話等によっても提供している。

    今回検査において、当社アナリストが上場会社から取材等で取得した情報に係る管理の状況について検証したところ、以下の問題が認められた。

    • 当社は、上記ア.を行うに当たり、当該アナリスト自身の判断によって報告等が行われない場合、コンプライアンス担当者等による法人関係情報該当性の検討が必ずしも実施されないこととなっていた。

    • 当社は、上記イ.を行うに当たり、法人関係情報該当性の検討が実施されないこととなっていた。

    その結果、当社アナリストが上場会社に係る非公表の情報を取得した多数の事例(下記(2)の事例を含む)において、法人関係情報該当性の検討が行われないまま、当該情報の内容が顧客に提供されていた。

    当社における上記(1)のような法人関係情報の管理の状況は、法人関係情報に係る不公正な取引の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じていないと認められ、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第5号に該当するものと認められる。

  • (2)法人関係情報を提供した勧誘

    平成26年12月頃、当社株式調査部のAアナリストは、上場会社である甲社に対する取材において、公表前の四半期の業績に関する法人関係情報(以下「本件法人関係情報」という。)を取得した当日に、営業を担当する当社職員21名及び1顧客に対し、電子メール等によって本件法人関係情報を伝達していた。

    そして、本件法人関係情報の伝達を受けた当社職員のうち2営業員が同日中に、少なくとも上記1顧客を含む3顧客に対し、本件法人関係情報を甲社から公表される前に提供して甲社株式の売買の勧誘を行っていた。

    当社における上記(2)のような株式の売買を勧誘する行為は、有価証券の売買その他の取引等につき、顧客に対して法人関係情報を提供して勧誘する行為と認められ、平成26年法律第44号による改正前の金融商品取引法第38条第7号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第14号に該当するものと認められる。

2.行政処分の内容

業務改善命令

  • (1)再発防止策を策定し、これを確実に実施・定着させること。

  • (2)策定した再発防止策に係る実効性の検証を行うこと。

    (注)検証の結果、不十分な項目があった場合には、その理由及びそれに対する改善方針について報告すること。

  • (3)全社的な法令等遵守意識を醸成し、法令等遵守に取り組む経営姿勢を明確化するなど、経営管理態勢・内部管理態勢の充実及び強化を図ること。

  • (4)上記(1)~(3)につき、実施状況及び検証結果の初回報告期限を平成28年1月22日(金)として、書面にて報告すること。以降は、3ヵ月経過毎を期限とするほか、必要に応じて随時報告を行うこと。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

監督局証券課(内線3370、3356)

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