平成28年3月4日
金融庁

株式会社ディー・ディー・エス株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)ディー・ディー・エス株式に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成28年2月10日に審判手続開始の決定(平成27年度(判)第31号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:164KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金920万円

  • (2)納付期限平成28年5月6日

課徴金に係る金商法第178条第1項第14号に掲げる事実

被審人(株)エボ・インベストメント・アドバイザーズ・リミテッドは、英国領ケイマン諸島(以下「ケイマン」という。)法に基づいて設立され、ケイマンに登記住所を置く会社であり、同社の子会社でありケイマン法に基づく会社型のファンド(以下「フィーダー・ファンド」という。)及びフィーダー・ファンドの子会社でありケイマン法に基づく会社型のファンド(以下「マスター・ファンド」という。)との間で締結したインベストメント・マネジメント契約に基づいて、同ファンドに出資された資産の運用権限を有していたものであるが、被審人のトレーダーとして株式売買業務に従事していたAにおいて、被審人の同ファンドの運用に係る業務として、(株)ディー・ディー・エスの株式につき、私設取引システム(以下「PTS」という。)を利用した同株式の売買を誘引する目的をもって、平成26年5月15日午前8時20分頃から同日午前8時55分頃までの間、(株)東京証券取引所(以下「東証」という。)において、B社、C証券株式会社等を介し、約定させる意思のない大量の成行条件の買い注文を発注して東証における同株式の寄前気配値段を引き上げた上で、D証券株式会社が運営するPTSにおいて、B社、C証券株式会社を介し、売り注文を発注し、その売り注文を自己に有利な価格で約定させるなどの方法により、同株式合計28万6700株の買い注文を発注するとともに、同株式合計2万7500株を売り付け、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、取引所金融商品市場における同株式の相場を変動させるべき一連の買付けの委託及び売付けをしたものである。

(別表)

(単位:円、株)
取引年月日
(平成26年5月15日)
市場等区分 マスター・ファンド名義
売付株数 売付値段 売付金額 買付委託件数
(全て成行条件)
買付委託株数
8時20分26秒
から
8時21分19秒
東京証券取引所
マザーズ市場
3 13,100
3 13,100
3 13,300
3 13,200
3 13,200
3 13,200
2 8,700
3 13,200
3 13,200
3 13,200
3 13,300
3 13,300
3 13,200
3 13,300
3 13,400
3 13,300
3 13,300
3 13,300
3 13,200
3 13,200
3 13,300
3 13,200
小計 0 65 286,700
8時22分35秒
から
8時50分29秒
D証券株式会社
PTS
100 1,399 139,900
1,900 1,400 2,660,000
100 1,420 142,000
2,500 1,440 3,600,000
5,400 1,450 7,830,000
1,000 1,460 1,460,000
3,600 1,480 5,772,060
100 1,480.1 148,010
100 1,480.2 148,020
100 1,480.3 148,030
100 1,490 149,000
1,400 1,500 2,100,000
900 1,530 1,377,000
100 1,540 154,000
100 1,542 154,200
100 1,549.8 154,980
200 1,549.9 309,980
1,300 1,560 2,028,000
200 1,563 312,600
100 1,565 156,500
100 1,566 156,600
100 1,567 156,700
800 1,589.9 1,271,920
100 1,595 159,500
5,500 1,600 8,800,000
600 1,610 966,000
900 1,650 1,485,000
小計 27,500 41,940,000 0 0
合計 27,500 41,940,000 65 286,700

課徴金の計算の基礎

(1)当該違反行為に係る課徴金の額は、金商法第174条の2第1項の規定により

当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

及び

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(注1)が当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える場合は、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券等に係る有価証券の売付け等についての金商法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

(注1)金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反者が違反行為の開始時に当該違反行為に係る有価証券を所有している場合には、上記ア及びイに掲げる課徴金の額の計算において、当該違反者が、当該違反行為の開始時にその時における価格で当該違反行為に係る有価証券の買付け等を自己の計算においてしたものとみなす。

を合計し

金商法第176条第2項の規定により、前記ア及びイの合計額に一万円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる

ことで算出される。

(2)本件では、2の別表に掲げる事実につき

売買対当数量(注2)に係る課徴金の額 8,990,940円(注3)

(注2)当該違反行為に係る売買対当数量は、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量が27,500株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、当該違反行為の開始時に所有しており、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為開始時にその時における価格(1,182円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる27,800株であることから、27,500株となる。

(注3)算定式は次のとおり。

(1,399円×100株+1,400円×1,900株+1,420円×100株

+1,440円×2,500株+1,450円×5,400株+1,460円×1,000株

+1,480円×3,600株+1,480.1円×100株+1,480.2円×100株

+1,480.3円×100株+1,490円×100株+1,500円×1,400株

+1,530円×900株+1,540円×100株+1,542円×100株

+1,549.8円×100株+1,549.9円×200株+1,560円×1,300株

+1,563円×200株+1,565円×100株+1,566円×100株

+1,567円×100株+1,589.9円×800株+1,595円×100株

+1,600円×5,500株+1,610円×600株+1,650円×900株)

−(1,182円×27,500株)

= 8,990,940円

及び

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量(300株)に係る課徴金の額 215,100円(注4)

(注4)当該違反行為が終了してから、1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(1,899円)に当該超える数量(300株(27,800株−27,500株))を乗じて得た額(569,700円)から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額(1,182円×300株=354,600円)を控除することで算出される。

を合計し(9,206,040円)

一万円未満の端数(6,040円)を切り捨てた金額である920万円が課徴金の額となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局総務課審判手続室

(内線2398、2404)

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