平成14年7月10日
金融庁
標記については、本年4月12日に公表した「より強固な金融システムの構築に向けた施策」において「今後の我が国金融システムをより強固なものとするため、その担い手である金融機関について、収益性の改善等により経営基盤を一層強化するとともに中小企業金融の円滑化を図るため、主として地域金融機関を念頭において、合併促進を中心とした施策を早急に検討する」として以来、金融庁として鋭意検討を進め、以下のとおり、素案を取りまとめた。
(1)我が国の金融機関においては、「ペイオフ解禁に伴い、預金者は自らの判断と責任において金融機関を選択することとなる一方、金融機関は、そうした預金者の信頼を得られるよう、緊張感をもって一層真剣に経営に取り組む必要がある(ペイオフ解禁について(平成14年4月1日金融担当大臣談話))」とあるとおり、現在、さまざまな形で経営努力が進められている。
依然として厳しい経済環境の下で、各金融機関においては、預金者の信頼を得るため、中長期的な財務の健全性がより確かなものとなるよう、更なる収益性の向上に対して真摯に取り組むことが重要な経営課題となっている。
(2)以上を踏まえると、今後の数年間は、我が国の金融機関にとって、審査能力やリスク管理能力の向上、魅力的な金融サービスの提供、新たな顧客層の開拓等を通じた収益性・健全性の更なる強化等のための重要な時期と位置づけられる。こうした収益性・健全性の更なる強化は、リスクテイク能力の充実等を通じた中小企業金融等における融資機会の拡大にもつながり得るものであり、ひいては実体経済の活性化に結びついていくことも期待される。
各金融機関においては、それぞれの経営判断に基づき、かかる収益性・健全性の強化の実現に努めることが期待されているが、政府としても、こうした動きを支援する施策を講ずることにより、金融システムをより強固なものとしていくとともに、これを通じて我が国経済の活性化を期することが適切である。
(3)近年進みつつある金融機関の合併等による組織再編は、選択と集中のための経営資源の再配分や、魅力的な金融サービスの提供等を可能とする人材の確保・システムの高度化・最適な経営組織の構築等の契機となり得るものであり、上記の収益性・健全性の更なる強化等を図るための有力な手段である。従って、合併等のメリットを追求し得る余地が大きいと考えられる地域金融機関を中心として、合併等を支援する施策を講ずることとする。
以上のような基本的な認識のもと、各金融機関が将来を展望してそれぞれの経営戦略を定めるに当たって、合併等が一つの有力な選択肢となり、ひいては地域経済の活性化につながるような環境条件を整備するため、以下のような具体的な政策対応を行う。
(注) 合併等とは、合併の他、営業(事業)譲渡、子会社化、持株会社を通じたグループ化等も含むものとする。
−収益性・健全性の更なる強化を目指した自助努力を前提とする。また、そうした自助努力が金融仲介機能の維持強化につながり、地域経済の活性化に資することを期する。
−支援措置の内容に応じ、合併等を行う金融機関が経営状態の向上等に対してコミットメントを行うことを要件とする方向で検討する。
−時限的な特例措置とする(例えば、金融機関を巡る経済環境の持続的な回復に至るまでの間)。
−システム統合など、合併等に際してのコストを軽減するための方策
−経営戦略の実現に必要な自己資本の充実のための方策
以上の素案を基に、今後、関係各方面のご意見を踏まえ、地域金融機関を中心とした合併等を促進する施策についての成案をとりまとめる。
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