平成13年9月20日
金融庁

「上場等株券の発行者である会社が行う上場等株券の売買等に関する内閣府令(仮称)」(案)の概要に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、標記内閣府令案の概要について、8月15日(水)から8月31日(金)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。ご意見をご提出いただいた皆様には、内閣府令案の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関して、お寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は以下のとおりです。

コメントの概要 コメントに対する考え方
 内閣府令(案)の位置付けを相場操縦のセーフハーバールールであることを明確化すべき。
  1.  相場操縦禁止規定(証券取引法第159条)は、すべての取引態様を対象とする包括的・通則的な規定であり、違反者には刑事罰が課せられることとなっています。これに対し、今回新設された法第162条の2は、特に自己株式の売買について遵守すべき事項を具体的に定め、違反に対しては行政罰(過料)を課すものであり、従来の相場操縦禁止規定とは目的・要件を異にするものです。
  2.  したがって、法第162条の2に基づいて定める内閣府令の要件を形式的に満たしていたとしても、たとえば、仮装取引・通謀取引などの行為があれば、法第159条の相場操縦にあたる場合があり得ます。
  3.  ただし、内閣府令の要件は、相場操縦に関する過去の判例や証券取引審議会における議論も踏まえて、相場操縦とされるおそれの少ない取引態様を類型化して定めるものであり、これを遵守することによって相場操縦的な疑いの強い態様を避けることが可能になると考えられます。
 買付の価格に関する要件について、「買付の委託等に関する注文が指値により行なわれ、かつ、直近価格を上回る価格による注文が反復継続して行われないこと。」とあるが、「反復継続して」とは具体的にどのようなことをいうのか、明確化すべき。  どういう場合が「反復継続」であるかについては、取引の実態に応じて個別に判断する必要があると考えられ、一律にその基準を定めることは制度の運用を硬直的なものとするため、適当でないと考えられます。
 自己株式取得方法の多様化に対応するため、「証券取引所又は証券業協会が適当と認めるもの」については、随時、「取引の公正の観点から適当と認められる方法」として認められる規定とすべきである。  「証券取引所又は証券業協会が適当と認めるもの」については、証券取引所又は証券業協会が規則に定めることを要件とすることは予定しておりません。
 したがって、一定の要件を満たし、かつ、証券取引所又は証券業協会が適当と認めれば、随時、「取引の公正の観点から適当と認められる方法」とすることは可能であると考えられます。
 「取引の公正の観点から適当と認められる取引方法」の内容は、現在行われている、事前公表型の自己株式取得を追認したものであるが、取引の公正の観点から適当と認められる方法は、これに限らないことから、その要件を次のとおり緩和すべき。
  • 証券取引所又は証券業協会が適当と認めたもののほか、一定の要件を満たしたものを「取引の公正の観点から適当と認められる取引方法」とする
 「取引の公正の観点から適当と認められる取引方法」は、一定の要件を満たし、かつ、証券取引所又は証券業協会が適当と認めたものであり、必ずしも、既にある取引形態を前提としたものではなく、それに限られるものでもありません。
 「取引の公正の観点から適当と認められる取引方法」の要件をすべて予め規定することは困難であることから、自主規制機関である証券取引所又は証券業協会の承認を要することとしたものです。
 証券取引所又は証券業協会が適当と認めるものについては、当該買付け日においては当該方法のみで買付けを行うべきことを定めることとしているが、発行会社は、極力多様かつ機動的な方法で自己株買付けを実施したいと考えられることから、これを認めるべき。  買付け価格等を事前公表し裁量性を無くすことによって公正性が確保されるものであり、原則として当該方法のみで買付けを行うことが適切と考えられます。ただし、当該方法により買い付けた株数が事前公表した株数に満たなかった場合は、当該方法以外の買付けを行うことを認めております。

今回、多数のコメントを頂戴いたしました関係上、上記「コメントの概要」は、主だったものについて、同種のコメントをまとめさせて頂いた上で掲載させていただいております。

内容についての照会先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課 佐藤(内線3620)、戸塚(内線3625)

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