政策評価に関する有識者会議議事要旨

1.日時

平成14年11月12日(火)14時00分~15時40分

2.場所

中央合同庁舎第4号館 共用第3特別会議室

3.出席者

翁百合 (株)日本総合研究所主席研究員、片田哲也 (株)小松製作所取締役相談役、関哲夫 (株)新日本製鐵代表取締役副社長、田辺国昭 東京大学大学院法学政治学研究科教授、富田俊基 (株)野村総合研究所研究理事、吉野直行 慶応義塾大学経済学部教授

(金融庁側出席者)

高木長官、藤原総務企画局長、増井総務企画局審議官、中江総務企画局総務課長、三井総務企画局総務課管理室長、橋本総務企画局政策課企画官、大藤総務企画局企画課長、佐藤検査局長、谷川検査局総務課長、五味監督局長、木下監督局総務課長、新原証券取引等監視委員会事務局長、厚木証券取引等監視委員会事務局総務検査課長

4.議事

  • (1)長官挨拶

  • (2)メンバー紹介

  • (3)事務局から資料について説明

  • (4)意見交換

5.会議においてメンバーから出された主な意見等

  • 政策はどれだけ実際の効果をもたらしたのかで評価されるべきであり、法律制度や組織をどれだけ作ったかという形式的な事実のみで評価するのは誤りではないか。

  • 採用された政策の効果についての分析手法に今後もっと改善が必要である。もう少し踏み込む分析があった方が、より今後の政策に繋がっていくのではないか。

  • アウトカムベースの部分は去年からどうなったかというところは何らかの形で評価していただきたい。

  • アウトカム重視はまさにそのとおりであるが、政策の決定は政治であり、大きく変化する環境に対応するという問題もあり、政策評価において重視すべきは決定過程における説明責任である。

  • 政策評価は短期的な視点でみるのか、長期的な視点でみるのかによって評価が全く分かれる。短期的に成果が上がっていなくとも、数年後を目指していればそれでいいわけであり、タイムスパンでどのような形でどういうふうに書くのかを分けてほしい。

  • 長期的な課題と短期的な課題は分けて考えていただきたい。

  • 効率性の視点、例えば、破綻処理のところなどについて、どのくらいのコストで破綻処理が行われているのかという視点からの評価が必要。

  • 政策評価はアウトカムベースで見ていく方がよいというのも確かであるが、やはり金融行政は環境との対話であり、柔軟性という視点も入れたほうがよい。

  • 各政策の実績評価における端的な結論について、評価の甘い部分や誤解の生じる部分のないように注意すべきである。

  • 不良債権の発生を定量的に分析できるのであれば、ぜひやってもらいたい。

  • 検査の実施と不良債権処理の推進に関し、自己査定と金融庁検査について、金融庁自身がやれることと、実際に金融機関がやることのギャップを政策評価の中で明らかにするのも一つの捉え方。

  • RCCについては企業再生という目標の評価があれば、今後の企業再生につなげていけると考えられ、そうした分析に踏み込むべきではなかったのか。

  • 銀行等の株式保有制限に関する評価に当たっては、理由・原因の分析と政策手段の有効性の再検証が必要。その際には、銀行にとって利用しやすい仕組みであったかどうかという観点が必要ではないか。

  • 銀行等の株式保有制限に関し、制度を作ったから評価するというのは当然だが、拠出金の額、売却時の拠出金の比率がどうやって決まったのかを説明することが大事。

  • ペイオフ解禁への適切な対応は、適切な対応と書くよりも広報として項目をたてて評価すべき。

  • ペイオフ解禁への適切な対応ということであれば、何故決済性預金の構想がでてきたのかということも含めて評価すべきではないか。

  • 検査について、検査結果と最終的な破綻との関係がどういうふうに数値的にリンクしているのかを分析し、政策評価に活かすべきでは。

  • 検査と監督の連携についても触れたほうがよい。もともと金融庁は市場規律を目指して発足しており、その意味では市場のシグナルの活用をどうしていくのか、オフサイトモニタリングとオンサイトの検査の関係を有機的に政策につなげていくのかという点について、視点を広げて評価していくことも今後必要。

  • 株式の投資単位の引き下げの具体化を実施したとのことであるが、それがどういうふうに流動性への改善に寄与したかが記載され、評価されるべき。空売り規制についての評価についても、その流動性への影響といった尺度が必要。

  • 証券市場の構造改革、個人投資家の呼び込みのための環境整備等のツールの一つとしての証券税制があるが、税制改正の要望に対して法律が成立したという形式的なものではなく、個人投資家の株式市場への呼び込みにどれだけの効果を果たしたのかを分析する必要がある。

(以上)

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