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金融庁では、標記政令案・府令案について、10月6日(月)から10月17日(金)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。御意見をいただいた皆様には、政令案・府令案の検討に御協力いただきありがとうございました。 本件に関して、お寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は下記のとおりです。 |
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コメントの概要とコメントに対する金融庁の考え方
I .意見、要望事項 |
1.登録申請関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 登録更新手数料の引き上げ根拠を明 確にされたい。他業界の登録更新手数料 等と比して15万円は突出している。 (令第2条関係) |
・ 登録更新手数料は、申請に対する審 査事務に要する費用を基準に定めていま す。 登録要件の厳格化に伴い、新たに登録 申請者(役員等を含む。)及び重要な使 用人に係る暴力団員等調査、貸金業務取 扱主任者に係る登録拒否要件調査及び暴 力団員等調査、財産的基礎の確認、営業 所等の所在地確認など審査事務に要する 時間・費用が大幅に増大することから、 更新手数料について引上げを行うもので す。 |
・ 都道府県登録業者に係る標準手数料 政令を15万円に定めることは反対である。 (標準手数料政令関係) |
・ 近年の貸金業者の動向をみると、I T化の進展等による営業形態の多様化か ら、一の都道府県知事が行う登録の効力 は全国にも及ぶこととなっております。 このため、貸金業の登録及び登録の更新 の手数料が都道府県ごとに差があるべき ではないことから、全国的に統一した取 扱いが必要な状況となっています。 こうした状況を踏まえ、地方公共団体 の手数料の標準に関する政令に貸金業者 の登録に関する事務を追加することとし、 また、貸金業規制法による登録要件の厳 格化により、審査事務に要する費用が増 加したことを踏まえ、内閣総理大臣の登 録更新手数料と同額としたものです。 |
・ 本人確認が目的であれば、貸金業の 申請時、更新時の登録及び届出書の添付 書類は「運転免許証、パスポートなどの 書類の写し」だけで充分であり、住民票 抄本は不要ではないか。 (規則第4条第2項関係) |
・ 他人に成りすまして貸金業の登録を 行おうとする申請者の排除等のため、写 真の貼り付けられている運転免許証等の 公的証明書により申請者等の本人確認を 強化するものです。 運転免許証等においては、必ずしも現 時点の住所が記載されていない場合もあ り得ることから、住民票の抄本等による 確認も必要です。 |
・ 改正後の貸金業規制法第6条の「暴 力団員等であったこと」等について施行 日前にも警察に確認する必要があり、1 月1日施行であれば最低限12月1日から 警察が照会に対応できるようにすべき。 (改正政令附則第1条、改正府令附則第 5条関係) |
・ 改正府令附則第5条(案)を見直し、 改正政令附則において、有効期間の満了 の日の2月前に当たる日と改正政令の公 布日との間が30日に満たない場合には、 当該登録の更新の申請期限は、改正政令 の公布日から30日を経過した日までとす るとともに、従前の登録は、その申請に ついて処分がされるまでの間はなお有効 とする経過措置を設けることにより、申 請期間と審査期間を確保することとしま す。 |
2.広告関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 業者の本拠地が不明という点では、 大きな違いはないにもかかわらず、携帯 電話を認めない一方で、ホームページア ドレス、電子メールアドレスを認めてい るのは整合性がとれないのではないか。 (規則第3条の2、第11条関係) |
・ いわゆる「090」金融問題への対策と して、広告、勧誘の際に表示等できる連 絡先として、場所を特定できない携帯電 話の電話番号を除外しました。 ご指摘を踏まえて、広告又は勧誘に際 してホームページアドレス又は電子メー ルアドレスを使用するときには、業者の 場所を特定できる電話番号も併せて表示 しなければならないこととします。 |
・ 法第15条第1項第2号の「内閣府令 で定めるやむを得ない理由」を施行規則 に規定すべきではないか。 (法第15条第1項第2号関係) |
・ 法第15条第1項第2号に規定する貸 付けの利率を表示し、又は説明すること ができないことにやむを得ない理由があ る場合として、現時点においては、同号 に定める「市場金利に一定の利率を加え る方法により算定される利息を用いて貸 付けの利率を算定する場合」(市場金利 連動型貸付)以外は想定されていません。 |
3.登録拒否事由関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 「貸金業の廃止について相当の理由 があるもの」及び「合併、解散又は貸金 業の廃止について相当の理由がある法人 」と規定されていますが、その具体的内 容を明らかにされたい。 (規則5条の2関係) |
・ 法第6条第1項第7号は、登録の取 消し処分を逃れることを目的として、廃 業等をしたものも登録拒否事由に該当さ せるために規定されたものです。 廃業等を行う理由は様々であるため、 登録拒否事由に該当しないことを具体的 に定義することは困難ですが、この規定 の趣旨に照らし、個別の事実関係に則し て判断することとなります。 |
・ 財産的基礎については、旅行業等の 異業種で見られる制度であるが、貸金業 に関しては、資金需要者等からの預り金 などが発生せず、制度としてはなじまな いのではないか。 (規則第5条の3関係) |
・ 貸金業者に財産的基礎要件を求める ことは、貸金業の安易な登録を防ぐとの 趣旨から、設けられたものです。 貸金業の健全な運営を確保する観点か らも、必要であると考えます。 |
・ 財産的基礎の金額は全て1000万円以 上にすべき。 (規則第5条の3第1項関係) |
・ 適法な貸金業者にとって過重な負担 とならないように配慮する観点から、個 人・法人等の区分に応じ、財産的基礎の 基準を定めたものです。 |
・ 民事再生手続等により再建中の者に ついて財産的基礎要件は適用除外として いるが、新規登録の場合は「健全な会社 は財産的基礎が必要だが、再建中の会社 は財産的基礎がなくとも新たに貸金業を 営業できる」こととなり、矛盾しないか。 (規則第5条の3第2項関係) |
・ 民事再生手続等により、裁判所の関 与の下で再建が図られていることから、 新規の登録及び登録の更新にかかわらず、 財産的基礎要件を適用除外としたもので す。 |
4.証明書の携帯関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 顧客と対面で交渉等を行わない内勤 者については、証明書の携帯を不要とす るか、又は「従業者の写真貼付」を不要 としてほしい。 ・ ポケットティッシュの配布や社内で の契約書や文書の集配・保管等を外部に 業務委託している場合について、直接顧 客対応をしないことから、これらのケー スは社員証携行義務の対象にならないと 考えてよいか。 (法第13条の2、規則第10条の2関係) |
・ 証明書の携帯義務は、顧客等に対し て貸金業の業務に従事する従業者の身元 等を明らかにするために定められたもの です。 ご指摘を踏まえ、規制の内容を明確化 するため、内閣府令において、法第13条 の2に規定する貸金業の業務には、勧誘 を伴わない広告のみを行う業務及び営業 所等において資金需要者である顧客又は 保証人(これらになろうとする者を含む。 )と対面をすることなく行う業務は含ま ない旨規定することとします。 |
・ 既に社員カードを携帯している場合、 別途、登録番号を記載した書面を併せて 携帯することも、要件を満たすものとす べきである。 ・ 「商号」、「名称又は氏名」、「住 所」、「貸金業に従事する職員の氏名」 が記載され、かつ職員の写真が貼付され た社員証等に、登録番号を記載したシー ルを貼付することで証明書としてよいか。 (規則第10条の2関係) |
・ 証明書については、記載事項を満た している社員証等をもって代替すること は可能です。ただし、登録番号を別途携 帯するなどの方法により補完する措置は、 証明書の要件を満たさないものと考えま す。 ・ 登録番号を記載したシールを貼り付 けることにより証明書の記載に代えるこ とは可能と考えます。 |
5.貸金業務取扱主任者関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 県が研修を行わせるときの手続を規 定すべき。 ・ 貸金業務取扱主任者研修の受講料に ついては、全国統一で実施する必要があ るので、何らかの形で統一を図られたい。 (法第24条の7関係) |
・ 県が実施する貸金業務取扱主任者研 修について、法令上規定のない事項につ いては、基本的には、各都道府県の判断 によります。 ・ 受講料については、法第24条の7第 10項に規定する貸金業務取扱主任者研修 の実施者(都道府県又は金融庁長官が指 定する団体)が、当該研修の実施コスト に見合うよう設定することとなります。 従って、受講料について、統一を図るこ とは考えておりません。 |
6.帳簿の備付け関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 「債務者等との交渉経過の記録」は 帳簿に記録させることだけでは、ヤミ金 融対策にはならず、全ての金銭授受を含 む取引経過について、借り主若しくはそ の代理人から開示を求められたときは、 一切の取引経過を開示することを義務付 けるべき。 ・ 規則(案)第16条第1項第6号の規 定は削除すべきである。 (規則第16条第1項第6号関係) |
・ 貸金業規制法上、帳簿の開示義務が 定められてないことから施行規則で開示 義務を課すことはできません。なお、事 務ガイドラインでは、貸金業者は「開示 を求められたときに協力すること」と規 定されています。 なお、ご指摘の趣旨も踏まえ、貸金業 者の適切な業務運営により一層資するよ う、債務者、保証人以外の者との貸付け 債権に関する交渉の経過の記録も、帳簿 の記載象事項とすることとします。 ・ 今般の貸金業規制法の改正は、違法 業者を厳しく取締り、貸金業の適正な運 営を確保するための必要な措置を講じる ものであり、帳簿の備付けの内容を充実 することは、法改正の趣旨に合致するも のであると考えます。 |
7.取立て行為規制関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 催告書面に係るシステム対応のため、 準備期間として内閣府令の公布日から6 ヶ月以上の経過措置を設けてほしい。 (規則第19条第3項関係) |
・ ご指摘の支払の催告書面がシステム で対応されている現状を踏まえ、内閣府 令で定める支払の催告書面への記載事項 (規則第19条第3項各号の規定)につい ては、平成16年5月1日から施行するこ ととします。 |
・ 取立てをするに当たり、相手方の請 求があったときに明らかにしなければな らない事項として、法第21条第2項各号 に掲げる支払の催告書面の記載事項を追 加すべき。 (規則第19条第5項関係) |
・ ご指摘を踏まえ、債務者等に取立て をするときに明らかにしなければならな い事項として、法第21条第2項各号に掲 げる事項で不足するものを追加すること とします。 |
II .確認事項 |
1.暴力団員等の使用の禁止関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 従業員が退職するまで、定期的に何 らかの方法(誓約書等を取得する等)に より管理する義務が課されているか。 (法第13条の3関係) |
・ 貸金業者は、暴力団員等をその業務 に従事させることなどのないよう管理す る責務があります。 |
2.広告関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 他の貸金業者の利用者を対象として 勧誘する表示や説明を禁止しているが、 「おまとめローン」や「不動産担保ロー ンでの債務の一本化」などの表現の広告 は禁止されるのか。 (法第16条第2項第2号関係) |
・ 当該規制は、多重債務問題等を踏ま え、他の貸金業者の利用者であることに 乗じて行う広告や勧誘を禁止するもので す。 なお、貸金業者は広告や勧誘を行って いないが、資金需要者の意思に基づき借 り換えや債務をまとめたいとの申し出が あった場合等には、規制の趣旨を踏まえ、 貸金業者は適切に対処する必要があるも のと考えます。 |
・ 電話転送を設定している場合、転送 先の電話番号を登録しなければならない のか。 ・ 届出の電話番号にはIP電話番号、 FAX番号も含まれると解してよいか。 (規則第3条の2第1号関係) |
・ 転送先の電話番号については、当該 転送先の電話番号が法第15条第2項に規 定する書面等による広告又は勧誘に用い られるものでない限り、規則別紙様式第 1号第5面に記載する必要はありません。 ・ IP電話番号は、規則第3条の2第 1項第1号に規定する電話番号に含まれ ません。また、FAX番号は、当該FA X番号が施設設置負担金を負担して取得 したものである場合には、同号の電話番 号に含まれます。 |
3.取立て行為規制関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 法第21条第1項第1号、第2号に定 める「正当な理由」とは、「本人の同意 」又は「約定の遅延」と考えてよいか。 ・ 自宅に固定電話がなく、携帯電話を 自宅連絡先として申告する場合があるが、 携帯電話に電話してよいか。 ・ 債務者等が固定電話以外の携帯電話 に日常連絡しても構わないという同意が あった場合は、電話してよいか。 (法第21条第1項第1号、第2号関係) |
・ 約定の遅延のみをもって、「正当な 理由」と解することはできないものと考 えます。 法第21条第1項第1号、第2号に規定 する「正当な理由」については、個別の 事実関係に則して、適切に判断すべきも のですが、事務ガイドラインにおいて、 例えば、債務者等の自発的な承諾がある 場合、債務者等と連絡をとるための合理 的方法が他にない場合等には、「正当な 理由」に該当する可能性が高いと考えら れる旨記載します。 なお、具体的事情によりますが、債務 者不在時の連絡方法、連絡の相手や連絡 内容に関して、事前に債務者等に十分説 明の上、同意を得ておくことが望ましい と考えます。ただし、事前に連絡方法等 について同意を得ていても、具体的事情 により法第21条第1項違反に該当する場 合もあり得るものと考えます。 |
・ 携帯電話の「メール(Eメール、シ ョートメール)送信」については法第21 条第1項第2号に抵触しないか。 (法第21条第1項第2号関係) |
・ 債務者等があらかじめ貸金業者に明 らかにした携帯電話のメールアドレスに メール送信して債権の取立てをする行為 は、法第21条第1項第2号に該当しませ んが、そのメールの内容や頻度が、「人 の私生活若しくは業務を害するような言 動」により、その者を困惑させるような ものである場合には、法第21条第1項の 取立て行為規制に該当するおそれがあり ます。 |
・ 支払期日前(期日当日を含む)に支 払期日の連絡を行う行為は、法第21条第 1項第2号の対象になるのか。 (法第21条第1項第2号関係) |
・ 支払期日前(期日当日を含む)にす る支払期日の連絡行為は、内容が債権の 取立て行為に該当する場合は、取立て行 為規制に該当するものもあり得ると考え ます。 |
・ 家族などから債務の弁済について相 談を受けた場合でも、借入の事実を明ら かに出来ないのか。 (法第21条第1項第3号関係) |
・ 家族などから債務の弁済について相 談を受け借入の事実を明らかにする場合 であっても、具体的な事情により法第21 条第1項第3号に該当する可能性はあり ますが、法第21条第1項違反となるため には、具体的事実関係の下で、当該言動 が「その者を困惑」させるものであるこ とが必要であり、家族などから債務の弁 済について相談を受けて借入れの事実を 明らかにすることが相手方を困惑させる ものでない場合には、法第21条第1項違 反にはならないものと考えております。 |
4.貸金業務取扱主任者関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 貸金業務取扱主任者の転勤や退職を 考慮して、複数名に研修を受講させるこ とは可能か。 ・ 貸金業務取扱主任者研修は資格試験 を課すものなのか。 ・ 事業所に複数の主任者の登録は可能 か。可能な場合、掲示は複数の主任者と なるのか。 ・ 主任者と令第3条の使用人は兼務が 可能か。その場合の届出添付書類は一部 省略可能か。 ・ 研修の受講者が、都道府県をまたが って異動し、異動先で貸金業取扱主任者 として選任された場合、異動前の受講証 明は継続して使用できるか。 ・ ATM/CD等の提携先の登録票に 貸金業務取扱主任者の記載は必要ないの か。 (法第24条の7関係) |
・ 貸金業務取扱主任者に選任された者 以外の者が貸金業務取扱主任者研修を受 講することに制限はありません。 ・ 貸金業務取扱主任者研修は、資格試 験を課すものではありません。 ・ 規則別紙様式第1号第4面の(記載 上の注意)3の規定により、貸金業務取 扱主任者の氏名は、各営業所等毎に1名 記載するものとします。 ・ 貸金業務取扱主任者と令第3条に規 定する使用人(重要な使用人)との兼務 は可能です。添付書類のうち重複するも のは、省略しても差し支えありません。 ・ 貴見のとおりです。ただし、貸金業 務取扱主任者は、法第24条の7第5項及 び第6項の規定により、3年以内に貸金 業務取扱主任者研修を受けた者である必 要があります。 ・ 規則別紙様式第7号の貸金業者登録 票に関する質問であると理解しますが、 当該登録票には、貸金業務取扱主任者の 記載は必要ありません。 |
5.帳簿の備付け関係 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 「債務者等との交渉経過の記録」は 「債務者等とのすべての交渉経過の記録 」を義務付けるものなのか。 ・ 交渉経過の保存期間は法第19条に準 じるのか。 (規則第16条第1項第6号関係) |
・ 「交渉経過の記録」に関しては、記 録の対象となる行為の範囲や具体的記載 事項について事務ガイドラインに規定し、 明確化を図ります。 ・ 貴見のとおりです。 |
6.その他 |
コメントの概要 | コメントに対する考え方 |
・ 109.5%までは有効な金利で支払義務 があるのか。 |
・ 年109.5%までの契約における利息に ついては、従前どおり利息制限法第1条 の規定に基づき判断されることとなりま す。 |
その他、今回の貸金業規制法の一部改正に関してご意見をいただいております。これらのご意見は、今後の制度の企画・立案等の参考にさせていただきます。ご協力ありがとうございました。 |