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平成16年2月20日
金融庁

スタンダード・チャータード銀行東京支店に対する行政処分について

  • 1.  銀行法第24条第1項の報告命令に基づくスタンダード・チャータード銀行東京支店(以下「同支店」)からの報告によれば、いわゆるヤミ金融グループと海外の金融機関が平成15年に同支店カストディ部門を介して行った一連の送金取引に関し、同支店は、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律第3条に基づく本人確認義務等及び第4条に基づく本人確認記録の作成義務等、並びに、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第54条に基づく疑わしい取引の届出義務にかかる法令違反を行っていたことが確認された。

    また、当庁の指示により行った行内調査の結果、カストディ部門の他の取引においても、本人確認義務及び疑わしい取引の届出義務にかかる法令違反事例が多数確認された。

    さらに、こうした法令違反行為を是正すべく支店業務の運営を見直す契機があったにもかかわらず内部統制が機能せず、当庁から内部調査を指示されるまで、経営として法令等遵守(コンプライアンス)の観点から、自主的な改善への取組みが行われなかった事実も確認された。

    こうした事態を招いた背景には、(1)役職員の法令・諸規則に対する理解が欠如していること、(2)コンプライアンスの観点から注意を払うべき取引類型毎に実際の取引をチェック・管理する体制が整っていないこと、(3)内部監査が機能していないこと等、同支店の法令等遵守(コンプライアンス)に係る内部管理態勢に重大な問題があることが確認された。

  • 2.  以上を理由として、当庁は本日、同支店に対して金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律第9条並びに銀行法第26条第1項及び第27条の規定に基づき、下記の行政処分を行った。

    • (1)銀行法第27条に基づく命令

      有価証券等の保護預り業務(カストディ業務)の新規取引受託業務(既存顧客との取引の管理・決済業務を除く業務)を平成16年2月27日から停止すること。

      ただし、平成17年2月28日以降、同支店より上記業務の再開について申し出がある場合には、下記(2)の命令に対する業務の是正・改善計画の進捗・実施状況等を踏まえ、上記の命令を見直すことがある。

    • (2)金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律第9条及び銀行法第26条第1項に基づく命令

      法令等遵守(コンプライアンス)を徹底するため、以下の観点から内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む)を強化・確立すること。

      • 金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律第3条に基づく本人確認義務等及び第4条に基づく本人確認記録の作成義務等の違反を是正するため、顧客管理体制にかかる組織・運営面の抜本的な見直し(業務委託の適否、業務委託の内容・範囲、委託業者の選定、業務委託契約内容及び委託業務の運営・監理面の見直しを含む)

      • 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第54条に基づく疑わしい取引の届出義務の履行を確保するため、業務を適正に遂行するための組織・運営面の抜本的な見直し(業務委託の適否、業務委託の内容・範囲、委託業者の選定、業務委託契約内容及び委託業務の運営・監理面の見直しを含む)

      • 有価証券等の保護預り業務(カストディ業務)にかかる役職員の責任の所在の明確化及び責任ある経営体制の確立

      • 役職員の法令・諸規則に対する理解と遵守の徹底

      • 内部監査機能の見直し・強化

        法令・諸規則に則った適正な業務運営・管理を確保するために行う支店業務(業務委託先を含む)の監査方法の抜本的見直し、監査実施の徹底及び監査後のフォローアップの実施・強化

    • (3)上記(2)にかかる業務の是正・改善計画を平成16年3月22日までに提出し、直ちに実行すること。

    • (4)以後、当該業務の是正・改善計画の実施完了までの間、計画の進捗・実施状況を3ヶ月ごとに報告すること。

本件に関する問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3398)

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