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平成18年4月5日
金融庁

JPモルガン・チェース銀行東京支店に対する行政処分について

I .命令の内容

銀行法第47条第2項、第3項及び第26条第1項に基づく命令

1.JPモルガン・チェース銀行東京支店(以下、「当支店」という。)に独立した監視・牽制機能を有する法令等遵守(コンプライアンス)及び適正な銀行取引審査のための態勢を導入し、市場リスク及びオペレーティング・リスク管理の態勢を整備・強化するため、当支店とJPモルガン証券株式会社(以下、「証券会社」という。)等とを兼職体制によって統括又は兼務する責任者及び担当者の配置を解消し、必要な人員を確保・維持すること。

2.法令等遵守にかかる経営管理(ガバナンス)及び内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む。)を以下の観点から確立すること。

  • (1)法令等遵守を前提とする経営姿勢及び責任体制の明確化

  • (2)JPモルガン・チェース銀行(以下、「当行」という。)本店・地域統括本部及び在日グループ各社等と当支店との業務運営上の統括管理関係において、当支店が明確に責任を有する経営管理及び業務運営のための態勢の整備・強化、並びに、権限委譲の実施及び責任分掌の明確化

  • (3)内部管理(法令等遵守、銀行取引・貸出の調査及び審査・管理、並びに、市場リスク及びオペレーティング・リスク管理)業務の態勢の整備・強化にかかる責任体制の明確化

  • (4)役職員の法令諸規則に対する理解と遵守の徹底、並びに、業務の自主的な改善や見直しが適切かつ迅速に図れない原因及び責任の所在の明確化

  • (5)監査の実施強化及び監査後のフォローアップの徹底

3.下記 II .処分の理由、並びに、検査結果通知及び報告命令に記載された事項にかかる問題等の原因となった役職員の責任の所在の明確化。

4.上記1.2.及び3.並びに、検査結果通知及び報告命令に記載された事項にかかる業務の改善計画(改善計画を着実に実施するための行内の管理態勢の整備及び実効性確保にかかる責任の分担の明確化を含む。)を平成18年5月8日までに提出し、直ちに実行すること。

5.上記4.の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成18年9月末を第一回目とし、以後、3ヶ月毎に計画等の進捗・実施及び改善状況をとりまとめ、翌月15日までに報告すること。

II .処分の理由

1.当庁の今般の立入検査(平成17年9月22日通知)及びその後の報告徴求により、当支店は、平成16年3月、法令違反等により銀行法第26条第1項に基づく業務改善命令を受け、その後、当庁と当該業務の改善やその他の業務の適法性などに関する必要な措置の実施に向けた継続的な協議を行ったが、基本的な業務の改善や見直しが長期間進展せず、適切かつ迅速に自主的な改善が図れない組織上の問題や銀行法等に違反するリスクが認められること。

こうした背景には、当支店では、当支店及びJPモルガン・チェース・グループ内部の業務運営上の都合が優先し、法令等遵守(コンプライアンス)にかかる取り組みを劣後させる経営が行われている問題が認められること。

2.また、証券会社との間の弊害防止措置の適用除外の承認(証券取引法第45条ただし書)を受けた当支店の内部管理(法令等遵守、審査・管理、市場リスク及びオペレーティング・リスク管理)業務には、以下の業務運営上の問題と実務経験者や人員の不足等が認められ、証券会社等との兼職体制の下での問題の発生が認められること。

  • (1)証券会社(不動産ファイナンス部)による不動産の流動化及び証券化の組成に連携する当支店の特定目的会社等向けノンリコース・ローン業務では、審査部門の事前調査や与信判定が適正に機能せず、流動化対象資産(不動産)の瑕疵・違法性、評価の嵩上げ及び会計処理等の問題、組成目的・内容の適切性・妥当性などの重要事項を看過して貸出を実行し、当支店の経営陣による監督や注意義務が適切に履行できない問題が認められていること。

  • (2)不動産を担保とする当支店の貸付債権や不動産を裏付資産とする当支店が引き受けた特定社債を証券会社に媒介させて機関投資家等に譲渡したものの中には、証券会社による法令違反取引も一部確認されているが、法務・コンプライアンス部門では、当支店や証券会社等を含む関係当事者間の取引と当支店の貸付取引が内包する問題点や利益相反を指摘・牽制・是正できない態勢(人的構成と体制)上の問題が認められること。

  • (3)当支店の市場リスク管理態勢については、ミドル部門によるフロント部門の業務の監視や牽制に改善を要する組織・体制上の問題や人員の不足が認められ、前回の当庁の業務改善命令を受けた後も改善への取り組みに徹底を欠き、オペレーショナル・リスク管理上の事故や問題等の発生が認められること。

3.さらに、当支店及び当行本店では、グループ間取引や経費等の会計処理に基本的な問題が継続的に認められ、法令等遵守の観点から管理方法等の見直しと改善の実施の必要性が認められること。

お問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3752)