平成13年3月23日
金融庁
ソニー株式会社の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について
I .認定計画の概要
ソニー株式会社から平成13年2月28日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、産業活力再生特別措置法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として産業活力再生特別措置法に定める認定要件を満たすと認められたため、3月23日付けで事業再構築計画の認定を行った。
今回認定したソニー株式会社の事業再構築計画では、ITを最大限に利用したインターネット専業銀行を設立し、ソニーグループ内外に決済インフラを提供しネットワーク事業の拡大を支援すると共に、グループ内の他の金融事業会社との連携・相互補完を通じ、インターネットユーザーに的を絞った、利便性が高く、魅力的で、かつ多彩な金融商品・サービスを提供することにより、顧客の新たな需要を開拓し、ソニーの金融サービス事業全体の付加価値を一層向上させていくこととしている。
なお、本件の認定により、ソニー株式会社は、事後設立に係る検査役調査に関する特例および勧告等によってする登記の税率の軽減の特例を受けることが可能となる。
II.事業再構築の実施時期
開始時期 平成12年4月 ~ 終了時期 平成15年3月
III.申請者の概要
ソニー株式会社
資本金 451,550百万円
代表取締役 出井 伸之
本社所在地 東京都品川区北品川六丁目7番35号
問い合わせ先
金融庁 TEL 03-3506-6000(代)
監督局 銀行第一課
香月(内線3395)
様式第三
認定事業再構築計画の内容の公表
1 .認定した年月日
平成13年3月23日
2.認定事業者名
ソニー株式会社
3.認定事業再構築計画の目標
(1) 事業再構築に係る事業の目標
ソニーはオーディオビジュアル、情報・通信などのエレクトロニクス事業、ゲーム、音楽、映画といったエンタテイメント事業に加え、生命保険、損害保険といった、金融事業の展開にも力を入れ、事業の「選択と集中」を図りつつ、ハードウェアの製造・販売からコンテンツの制作、配信までを網羅する、グローバルでユニークな「ネットワーク企業」としての発展を目指している。
こうした方向性のもと、ソニーはITを最大限に利用したインターネット専業銀行を設立することにより、ソニーグループ内外に決済インフラを提供しネットワーク事業の拡大を支援する。同時に、グループ内の他の金融事業会社との連携・相互補完を通じ、インターネットユーザーに的を絞った、利便性が高く、魅力的で、かつ多彩な金融商品・サービスを提供することにより、顧客の新たな需要を開拓し、ソニーの金融サービス事業全体の付加価値を一層向上させていくこととしている。
(2) 生産性の向上を示す数値目標
平成14年度における自己資本当期利益率(ソニー金融グループ連結の合算自己資本当期利益率)を平成11年度に比べ2.7%上昇させる。
4.認定事業再構築計画の内容
(1) 事業再構築に係る事業の内容
○ 中核的事業
インターネットを通じた個人向け銀行業(インターネットバンキング)
○ 選定理由
近年のインターネットの急速な普及、関連技術の発達を背景に、ハードウェアの電子商取引や、音楽、ゲームなどのコンテンツのネットワーク配信が開始され、ソニーにおいては、ネットワーク時代に対応したビジネスモデルの構築が喫緊の課題である。金融サービスは、ネットワーク上で展開するサービスとして個人にとっても魅力的なサービスとなることから、ソニーは、生命保険業、損害保険業を中心とした金融サービス事業をエレクトロニクス、エンタテイメントと並ぶ基幹事業の一つと位置づけている。
銀行業は、預金、貸付、資産の運用・移動、決済といった幅広い金融サービスを顧客に提供するが、特に近時の規制緩和に促されて、金融サービスの分野でも様々な工夫、新機軸が生まれつつある。さらに、ITの発達は、金融サービスの世界に革新的、質的な変化といったものをもたらしている。
また、事業会社が銀行業へ参入することを可能とする制度的基盤が整いつつあるといった事業環境の変化の中で、ソニー株式会社は、インターネット専業銀行の設立により、ソニーグループ及びソニー株式会社の eコマース顧客に対し利便性の高い決済インフラを提供し、ソニーグループ全体のネットワーク戦略を支援することとしている。
さらに、ソニーの金融サービス事業のコアとしてグループ内の他の金融事業会社との連携・相互補完を強化することにより、総合個人金融サービスを一元的に提供することが可能としている。
(2) 事業再構築を行う場所
ソニー株式会社 東京都品川区北品川六丁目7番35号
ソニー銀行株式会社 東京都港区南麻布一丁目6番18号
(3) 関係事業者
ソニー銀行株式会社
ソニー株式会社が平成13年度上期中を目処に設立する銀行子会社で、当社が発行済み株式総数の80%を所有するため関係事業者に該当する。
(4) 事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり
(5) 事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期 平成12年4月
終了時期 平成15年3月
5.事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) 事業再構築の開始時期の従業員数(平成12年3月末)
ソニー(株) : 19,187人
ソニー銀行 : 0人
(2) 事業再構築の終了時期の従業員数(平成15年3月末)
ソニー(株) : 18,200人
ソニー銀行 : 50人
(3) 事業再構築にあてる予定の従業員数
ソニー(株) : 0人
ソニー銀行 : 46人
(4) (3)のうち、新規採用される従業員数
ソニー(株) : 0人
ソニー銀行 : 32人
(5) 事業再構築に伴い出向または解雇される従業員数
ソニー(株)からソニー銀行への転籍予定者は34人、出向予定者は12人。また解雇の予定はない。
措置事項 |
実施する措置の内容及びその実施する時期 |
期待する支援措置 |
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事業構造変更 |
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会社の設立による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上 |
ソニー(株)が80%を出資する銀行子会社を設立し、銀行業を開始し、ソニーグループの金融サービス事業を拡大、強化する。尚、かかる銀行子会社の営業に必要なシステム等の開発についてソニー(株)において着手し、当該子会社設立後に事後設立の契約により譲渡する。
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第8条 現物出資等における検査役調査に関する特例 租税特別措置法第80条 勧告等によってする登記の税率の軽減 |
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事業革新 |
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第2条第2項第2号ハ |
役務の新たな提供の方式の導入による国内新規需要の相当程度の開拓 |