平成12年12月12日
金融庁
保険商品の銀行等における窓口販売について
1. 本年5月、保険業法が改正され、来年4月1日以降、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合に限り、銀行等による保険商品の窓口販売が可能となるが、その具体的な内容については、内閣府令で定めることとされている。
2. 来年4月の窓口販売解禁時における取扱いについては、今後、以下の方向で内閣府令の立案を進め、パブリックコメント等の手続きを経て、所要の規定の整備を行うこととする。
(1)対象保険商品については、銀行等が行う業務との関連性が強く、保険契約者等の保護の面で問題が少ないものとして以下の保険商品を販売対象とする。
○住宅ローン関連の長期火災保険・債務返済支援保険・信用生命保険
○海外旅行傷害保険
(2)保険商品の引受元に係るいわゆる子会社・兄弟会社限定については、信用生命保険に係るものを除き、限定を付さない。
(3)解禁にあたっては、抱き合わせ販売の禁止等、所要の弊害防止措置を講じる。
3. なお、対象保険商品の拡大及び信用生命保険に係る子会社・兄弟会社限定の取扱いについては、来年4月以降の実施状況をみながら、更に検討を行い、平成13年度中に改めて結論を得ることとする。
(本件に関する照会先)
総務企画部信用課保険企画室
3506-6000
担当:若原、細田(内線3575、3569)
(参照条文)
保険業法(抄) 平成13年4月1日施行
第二百七十五条(保険募集の制限)
次の各号に掲げる者が当該各号に定める保険募集を行う場合を除くほか、何人も保険募集を行ってはならない。
一次条の登録を受けた生命保険募集人 その所属保険会社のために行う保険契約の締結の代理又は媒介(生命保険募集人である銀行その他の政令で定める金融機関(以下この条において「銀行等」という。)又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)
二損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。以下この編において同じ。)の役員(代表権を有する役員及び監査役を除く。以下この条、第二百八十三条及び第三百二条において同じ。)若しくは使用人又は次条の登録を受けた損害保険代理店若しくはその役員若しくは使用人 その所属保険会社のために行う保険契約の締結の代理又は媒介(損害保険代理店である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)
三第二百八十六条の登録を受けた保険仲立人又はその役員若しくは使用人 保険契約(外国保険会社等以外の外国保険業者が保険者となる保険契約については、政令で定めるものに限る。)の締結の媒介(保険仲立人である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)であって生命保険募集人及び損害保険募集人がその所属保険会社のために行う保険契約の締結の媒介以外のもの
2 (略)
保険業法施行令(抄) 平成13年4月1日施行
(保険募集を行うことのできる金融機関)
第三十八条 法第二百七十五条第一項第一号に規定する政令で定める金融機関は、次に掲げるものとする。
一第二条の二第四項第一号及び第二号に掲げる者 (注:銀行及び長期信用銀行)
二信用金庫及び信用金庫連合会
三労働金庫及び労働金庫連合会
四農林中央金庫
五商工組合中央金庫
六信用協同組合及び中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号(協同組合連合会)の事業を行う協同組合連合会
七農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号(信用事業)の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会
八水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第二号、第八十七条第一項第二号、第九十三条第一項第二号又は第九十七条第一項第二号(信用事業)の事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会
「保険業の在り方の見直しについて」(抜粋)
- 金融システム改革の一環として -
保険審議会報告
平成9年6月13日
IV . 銀行等による保険販売等
1. 銀行等の預金取扱金融機関(以下、銀行等と呼ぶ。)による保険販売については、販売チャネルの多様化、効率化等が図られるとともに、ワンストップ・ショッピングのニーズにも対応し、利用者利便の向上につながると考えられる一方、銀行等がその優越的地位や影響力を行使することにより、顧客保護、競争条件の公平性確保等の観点から弊害が生じるおそれがある、あるいは、預金・決済等により得た情報を流用するおそれがある、との指摘もある。これらを踏まえ、2001年を目処に、銀行等がその子会社又は兄弟会社である保険会社の商品を販売する場合に限定したうえで、利用者利便の向上等のメリットと弊害を比較考量しメリットが大きいと考えられる住宅ローン関連の長期火災保険及び信用生命保険を認めることが適当である。ただし、仮に結果として販売に問題があった場合でも比較的容易に対処策を講じることができると考えられる住宅ローン関連の長期火災保険については、銀行等がその子会社又は兄弟会社である保険会社の商品を販売することに限定しないことも考えられる。
2. 保険会社以外の金融機関による保険販売については、適正な販売を確保し、保険契約者の保護を図るため、保険業法上の規制が適用されるべきである。また、特に、顧客保護、競争条件の公平性確保等の観点から、例えば、影響力を行使した販売の禁止、抱き合わせ販売の禁止、預金・決済等により得た情報の流用の禁止といった実効性ある弊害防止措置を講ずるとともに、適切な商品情報提供義務を課すべきである。また、弊害防止措置については、その遵守のために必要な監督を行うとともに、必要に応じ見直しを行うことにより、常に実効性を確保していく必要がある。
規制緩和推進3か年計画(再改定)(抜粋)
平成12年3月31日
閣議決定
事項名 | 措置内容 | 実施予定時期 | 備考 | 改定計画 との関係 |
所管官庁 | ||
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平成10 年度 |
平成11 年度 |
平成12 年度 |
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(a)住宅ローン関連の長期火災保険及び信用生命保険については、弊害防止措置等を講じた上で、遅くとも平成13年までに銀行等による販売を認める。 | 12年度以降(措置) | 第147回国会に法案提出13年4月1日施行予定 | 7(3) ![]() |
金融監督庁 大蔵省 |
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(b)上記以外の保険商品についても銀行等による販売対象とすること及び銀行等の販売する保険商品はその銀行の子会社又は兄弟会社である保険会社の商品に限定しないことについて引き続き検討を行い、平成12年度中に結論を得る。 | 11年度 (検討) |
12年度 (結論) |
7(3) ![]() |
金融監督庁 大蔵省 |