平成13年3月5日
金融庁

「保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令」(案)等に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、標記府令案等について、2月6日(火)から2月20日(火)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。御意見を御提出いただいた皆様には、府令案等の検討に御協力いただきありがとうございました。

本件に関して、お寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は下記のとおりです。


I .意見、要望事項

1.対象商品について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 住宅の定義が「居住の用に供する建物(事業の用に供するものを除く。)」とされているが、店舗併用住宅についても一定以上の床面積(例えば50%以上)が居住部分であれば対象としていただきたい。

 また、それ以外の店舗併用住宅やアパートについても、配慮いただきたい。

 今回は、商品としての定型性があり、ニーズの有無及びその額が明確であること等から、契約者保護上問題が少ない居住の用に供する建物の建設等に係るローン関連の保険について対象としております。よって、現時点では事業の用に供する建物に関する商品については対象とはしておりません。

(なお、 II .1を御参照下さい。)

 銀行等が住宅ローン関連の信用生命保険の募集を行う場合、保険者が当該銀行等の子会社、兄弟会社であるものに限るという制限が付いており、現在のところこの制限をクリアーできる銀行等は存在しない。規制緩和の目的は消費者の利便の拡大であり、消費者利益の増大であるが、本件は全く逆行しているといってよく、国民の理解も得られないと考える。  生命保険会社の商品については、年齢や健康状況によって再加入できないというリスクがある等、その商品の性質上事後的な救済になじみにくく、事前に顧客保護ルールをしっかりと作っておくことが必要であることから、現時点では子会社・兄弟会社限定が必要であると判断したものであります。
 顧客ニーズが高い家財のみを保険の目的とする火災保険契約も対象としていただきたい。  住宅ローンに関連する保険という整理ですので、現時点では住宅を一切対象に含まない家財のみを保険の目的とする火災保険契約を対象とするものではありません。

(なお、 II .2を御参照下さい。)

2.特約について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 特約について、「当該保険契約との関連性が高く、かつ、当該特約に係る保険料及び保険金の額が当該保険契約に係る保険料及び保険金の額と比して妥当なもの」の具体的内容について、厳格な指針が示されることを望むとともに、脱法行為がないよう厳正な運用が行われることを期待する。  当該規定は、商品限定について、特約により実質的なその範囲の形骸化を防止する趣旨で設けられております。対象となるか否かは個々の商品ごとに判断されるものであり、一概に指針を示すことは困難ですが、一般論で申し上げますと、主契約の内容からみて合理的と認められるものについては、基本的に対象となります。

(なお、 II .3を御参照下さい。)

3.弊害防止措置について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 非公開情報の保護については、平成9年保険審議会報告においても、「預金・決裁等により得た情報の流用の禁止」が挙げられており、十分な保険契約者保護を図る観点からも、今後厳正な運用が行われることをお願いしたい。  顧客保護の観点から、非公開情報の保護に関しては、その厳正な運用が必要であると考えます。
 顧客同意のあり方について「書面その他の適切な方法」とされているが、「その他適切な方法」について、より具体的な内容を明確にしていただきたい。  「非公開情報保護措置」については、顧客保護の観点から設けられているところですが、その保護の方法については、置かれている状況等によって異なるものであり、顧客同意のあり方に関する「その他適切な方法」については、一概に申し上げることは困難です。

(なお、 II .4を御参照下さい。)

 「非公開保護措置」について、顧客情報の不当な利用のみを排除する規定にしていただきたい。  当該規定は、「顧客情報の不当な利用のみを排除する」ことを目的とした規定です。

4.今後のあり方について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 対象商品の拡大及び子会社・兄弟会社限定の取扱いについて見直しする場合には、生命保険契約の長期性、適切な引受機能が求められること等の特性を踏まえ、保険契約者保護の必要性にも十分に配慮した慎重な検討をお願いしたい。  対象保険商品の拡大及び信用生命保険に係る子会社・兄弟会社限定の取扱いについては、4月以降の実施状況をみながら、更に検討を行い、平成13年度中に改めて結論を得ることとしております。
 対象商品の拡大及び子会社・兄弟会社限定の取扱いについては、引続き前向きな検討を行っていただきたい。
 定額年金・変額年金を含む多様な保険商品を扱う、銀行保険窓販解禁の実現を要望する。
 銀行が既存の資本関係や取引関係にとらわれない商品選択ができるような環境整備を行っていただきたい。また、規制は健全な営業活動と消費者が十分な情報を得たうえでの選択ができるような情報公開の確保の面に注力すべきである。

5.その他

コメントの概要 コメントに対する考え方
 保険募集及び保険契約の定義には、中小企業等協同組合法に規定されている火災共済協同組合の共済契約も含まれると解してよいか、また、仮に含まれないとするならば、改正案に火災共済協同組合の共済契約も明記すべきである。  今回の保険業法施行規則等の改正は、昨年の保険業法改正に基づいた措置ですので、火災共済協同組合の共済契約は含まれません。

II .確認事項

1.対象商品(第211条第1項第1号関連)

コメントの概要 コメントに対する考え方
(1) 「住宅(居住の用に供する建物(事業の用に供するするものを除く)をいう)」との定義に関し、住宅の所有者が転勤等のやむを得ない事情により当該住宅を賃貸する場合等は「事業の用に供する建物」に該当するのか。


(2) 上記「住宅」の定義に関し、一部を居住の用に供している所謂「店舗併設住宅」、「賃貸住宅」、「別荘・セカンドハウス」が含まれるのか。


(3) 「住宅(略)の建設、購入又は改良(略)に係る債務」には、「それらを目的とした他の金融機関等からの債務の借り換えのための債務」が含まれるのか。

(1)について
 本事例の場合には、「事業の用に供する建物」には該当しません。


(2)について
 所謂「店舗併設住宅」、「賃貸住宅」については、「事業の用に供する建物」に該当することから、今回の「住宅」の定義には含まれませんが、「別荘・セカンドハウス」については、今回の「住宅」の定義には含まれます。


(3)について
 「住宅(略)の建設、購入又は改良(略)に係る債務」には、「それらを目的とした他の金融機関等からの債務の借り換えのための債務」も含まれます。

2.対象商品(第211条の2第1項第1号関連)

コメントの概要 コメントに対する考え方
(1) 「火災保険契約」に関し、「保険の目的である住宅内に収容されている家財のみを保険の目的とする」ものを含むのか。


(2) 「住宅の建設、購入又は改良(略)のための資金の全部又は一部として銀行等からの借入金が充当されているもの」、「住宅の建設、購入又は改良(略)に係る債務」には、「それらを目的とした他の金融機関等からの債務の借り換え」に係るものが含まれるのか。


(3) 地震保険契約については「保険契約期間が1年を超える」という規制を受けない(主契約である火災保険の保険契約期間が1年超であれば、付帯される地震保険は1年契約の自動更新でも構わない)ことでよいか。


(4) 保険契約期間は、銀行等からの借入期間と同一でなくてもよいのか。また、ローン完済後までをカバーする保険契約期間の設定は不可であるのか。


(5) 「保険契約を締結の代理又は媒介を行う銀行等」と「資金の借入先である銀行等」とが同一である必要はないことでよいか。


(6) 既存の住宅ローンに係る長期火災保険が、5年、10年等一定の期間で更新される場合には、当該長期火災保険に係る更新についても募集可能か。

(1)について
 「家財のみを保険の目的とする」保険については、銀行等が販売できる「火災保険」には含まれません。


(2)について
 「住宅の建設、購入又は改良(略)のための資金の全部又は一部として銀行等からの借入金が充当されているもの」、「住宅の建設、購入又は改良(略)に係る債務」には、「それらを目的とした他の金融機関等からの債務の借り換え」に係るものも含まれます。


(3)について
 主契約である火災保険の保険契約期間が1年超であれば、付帯される地震保険は1年契約でも構いません。


(4)について
 保険契約期間は、必ずしも銀行等からの借入期間と同一である必要はありませんが、商品限定がなされている趣旨に則した対応が求められると考えます。


(5)について
 「保険契約の締結の代理又は媒介を行う銀行等」と「資金の借入先である銀行等」とが同一である必要はありません。


(6)について
 既存の住宅ローンに係る長期火災保険が、5年、10年等一定の期間で更新される場合には、当該長期火災保険に係る更新についても募集可能です。

3.特約について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 「当該保険契約の内容と関連性が高く」とあるが、以下の特約については関連性が高いものに該当するのか。

(1) 保険の目的である住宅について、火災、落雷、破裂・爆発、風・ひょう・雪災、水漏れ、盗難、水災、破損等、不測かつ突発的な事故による損害が発生した場合において付随する費用を補償の対象とする特約

(2) 保険の目的である住宅内に収容される生活用動産について、(1)で挙げた事故を補償の対象とする特約

(3) 保険契約者の失火によって損害を被った類焼先の住宅および家財を補償する特約

 特約については、 I .2.で述べたとおり、商品限定について、特約により実質的にその範囲が拡大されるという弊害を防止する趣旨で規定が設けられております。主契約の内容からみて合理的と認められるものについては、「関連性が高いもの」と考えられ、基本的に対象とすることが適当であると考えます。
 よって、(1)から(3)の事例については、個々の事例について、主契約の内容と照らし合わせて、上記趣旨を踏まえつつ、「保険料及び保険金の額」の妥当性についても勘案しながら個別に判断されるものと考えますが、基本的には「関連性が高いもの」に該当するものと考えます。

4.弊害防止措置について

コメントの概要 コメントに対する考え方
 「非公開情報保護措置」について、「事前に当該顧客の書面その他適切な方法による同意がある場合」に関し、例えば、以下のような事例は「その他適切な方法」に該当するのか。


(1) 住宅ローンの申込み時点等において、物理的に顧客から書面による同意を徴求することが困難な場合、口頭で顧客の同意を得ること。


(2) 渉外担当者等が住宅ローンの相談に応じている場合に、併せて火災保険等の説明等を行うに当たり、口頭で顧客の同意を得ること。


(3) 住宅ローンの相談等の際に、顧客が自らの意志で火災保険等の商品説明等を求めた場合には、顧客による同意があったものとみなすこと。


(4) 新聞広告等で、自行では住宅ローン借入者に対して火災保険・債務返済支援保険のお勧めが不要な方はローン借入時に申し出るよう、不同意の申し出機会を付与する方法(広告媒体等による一般的な周知徹底による方法)。

 非公開情報保護措置については、 I .3で述べたとおり、適切な方法かどうかはケースバイケースで判断されることとなりますが、例示頂いたものについては、それぞれ以下のようになります。


(1)について
 本事例については、真に「物理的に困難な場合」であれば、「その他適切な方法」に該当します。


(2)について
 本事例は、「その他適切な方法」に該当します。


(3)について
 本事例のように、顧客が自らの意志で保険商品説明等を求めた場合には、顧客による同意があったものとみなされます。


(4)について
 本事例は、「その他適切な方法」には該当しません。


 なお、以上はあくまでも住宅ローンとそれに関連する保険についての同意と考えられますので、預金その他の業務について情報の利用をする際には、別途書面による同意を得る必要があります。

 「当行の住宅ローンを希望するのなら長期火災保険も債務支援保険も当行に一緒に入っていただきたい」と強要する販売手法は、消費者の保険商品選択の自由等を奪うものであり、消費者の利益に反するばかりでなく、今回の弊害防止措置「自らが行う信用供与の条件として保険募集をする行為その他の自己の取引上の優越的な地位を不当に利用して保険募集をする行為」に該当するのか。  住宅ローンを提供する条件として、自社が扱っている保険への加入を強要するような行為は、「自らが行う信用供与の条件として保険募集をする行為その他の自己の取引上の優越的な地位を不当に利用して保険募集をする行為」に該当します。

III .その他(第51条関連)

コメントの概要 コメントに対する考え方
 保険業法上、「保険募集」とは、「保険契約の締結の代理又は媒介を行うこと」と定義されている。この定義をそのままあてはめれば、保険業法施行規則第51条の「保険募集の代理」とは、「保険契約の締結の代理の代理」又は保険契約の締結の媒介の代理」となり、今般の改正の趣旨とは異なる。  御指摘を踏まえ、「保険契約の締結の代理(媒介を含む。)」に修正することとしました。

今回、多数のコメントを頂戴いたしました関係上、上記「コメントの概要」は、主だったものについて、同種のコメントをまとめさせて頂いた上で掲載させていただいております。その他の事案については、それぞれの項目の「コメントに対する考え方」を踏まえた対応をお願いするものであります。

内容についての照会先

金融庁 TEL 03−3506−6000(代)
  総務企画局信用課保険企画室(内線3575又は3569)