平成13年3月30日
金融庁

保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令等案に対するパブリック・コメントの結果について

金融庁では、標記府令等案について、2月15日から2月28日にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。御意見を御提出いただいた皆様には、保険業法施行規則及び告示等の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関して、お寄せ頂いた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は以下のとおりです。

【ソルベンシー・マージン基準関係】

コメントの概要 コメントに対する考え方

○ ソルベンシー・マージン基準は、早期是正措置のベースとなる重要な監督指標であり、また、社会的にも注目度が高いことから、実態を反映した指標として常に信頼性が保たれるように検証を行い、今後の環境変化等を踏まえ、必要に応じて見直しを行うことが必要。

○ 会計制度の変更を含めた保険会社を巡る今後の環境変化等を踏まえ、必要に応じてソルベンシー・マージン基準を含む監督手法の見直しを行って参りたい。

○ ソルベンシー・マージン基準については、引き続き不断の見直しを行うことを要望する。とりわけ、劣後債務の取扱いについては、マージンに算入を認められるために求められる劣後性について整理・検証し、また算入限度についても更に検討を行う必要があると考える。

○ 劣後債務については、一般に、保険会社が破綻して破産及び会社更生手続に移行した場合には、保険契約上の債務に劣後すると考えられ、保険金等の支払いに充当することができることから、資本性があると見ることが可能。こうしたことから、預金取扱金融機関の自己資本比率規制(BIS基準)又は海外のソルベンシー・マージン比率規制においても分子に算入されているところ。

○ 今般、日本国債にも価格変動リスクが導入される予定であるが、長期投資を行い、かつ流動性リスクに備える必要のある生保会社にとって、日本国債は重要な投資手段であり、再考をお願いしたい。
 一方で、大口投資家である生保会社の日本国債への投資選好を弱めることにもなるのではないか。

○ 日本国債を含む債券については、これまで、保険会社の投資行動に照らして、償還まで持ち切ることを前提としていたこと等から価格変動リスクの対象から除外していたが、こうした償還まで持ち切ることを前提としたもの以外についてはリスク係数を付すことが適当である。今回、金融商品の時価評価の導入に伴い、償還まで持ち切ることを前提とした債券については、満期保有目的債券に区分されることとなったことから、これ以外についてはリスクの対象とする。

○ ソルベンシー・マージン基準の変更は、保険会社の資本政策に大きく影響を与えるため、年度末から施行する場合には、早いタイミングでの改正が必要ではないか。

○ これまでも年度末施行の法令改正については可能な限り早急に行うよう対応してきたところだが、ご指摘の観点も踏まえ、今後の改正についても早期に行うよう努めて参りたい。

○ 一連の生保破綻等が報じられ、日常の営業活動において、ソルベンシー・マージン基準の信頼性に対する不安感等が指摘され、顧客からさらなる情報開示が求められる中、今般示された見直しについては、同指標の一層の適正化をはかることで、それら不安感等を払拭し、生命保険産業に対する信頼回復につながるものと期待している。

○ ご趣旨の観点も含めて見直しを行うものである。

○ 長期の資産運用を行っている保険会社にとってのリスクとは、資産価額が投資元本つまり取得原価を下回ることであり、価格変動リスクについては時価ではなく取得価額をリスク対象価額とすべき。




 また、価格変動リスクの対象価額を時価評価額とすれば、含み益の多寡とソルベンシー・マージン比率の高低が逆に作用することとなり問題ではないか。

○ 今回の見直しは、ソルベンシー・マージン基準の分母・分子をともに時価ベースで揃えることにより、有価証券の評価益が発生した場合には、この評価益を支払余力として分子で勘案することとする一方、この評価益が減少するリスクについても捉える必要があることから、分母においてリスク対象価額を時価評価額としているものである。

 今回の見直し後の基準において、含み益が増加した場合には、通常、分母のリスク額が増加することとなる一方、分子に算入される額についても分母を上回る額が増加するため、ソルベンシー・マージン比率は一般的に上昇する傾向を有する。いずれにせよ、ソルベンシー・マージン基準の分母・分子の対象価額のベースを揃える必要があると考えている。

○ 保険会社への時価会計の適用に際して導入された責任準備金対応債券については、貸借対照表上時価評価を行う必要がないとされているところであり、分母の価格変動リスクの対象資産からも除外するべき。

○ 責任準備金対応債券は、実務指針上、債券と責任準備金のデュレーションを一定幅の中で一致させてはいるが、資産と負債を時価ベースで厳格に管理することによって、債券と責任準備金の時価剰余を算定し減殺させることまでを意味するものではないと考えられていることから、リスクとしては認識すべきと考えられる。

○ 損害保険業界でも昨年5月に戦後初めての経営破綻会社が発生し、その破綻原因のひとつがいわゆる「逆ざや」問題であった。こうしたことから、今回のソルベンシー・マージン基準の見直しでは、「逆ざや」問題による経営悪化要素を同基準に反映させることによって、保険会社の健全性をより正確に示す指標とする観点からの見直しを行うべきではないのか。

○ 逆ざやのリスクである予定利率リスクについては、一昨年の平成11年3月期に、低金利環境に伴う保険会社の逆ざや負担を適正に反映させる観点から見直しを行ったところであり、現在の環境の下で適切なものと考えている。
 なお、国際的な議論の場においては、保険会社会計に係る負債の時価評価等に関する検討がすすめられているところであり、将来にわたって発生する利益又は損失のソルベンシー・マージン基準への反映については、こうした流れを踏まえて検討されることが適切であると考えている。

○ 価格変動リスク等のリスク対象資産の額が時価評価額となるものについては、含み益の100%を分子に算入すべき。

○ 有価証券含み益の分子への算入については、やむを得ない売却による流動性減価等により、必ずしも含み益の全額を実現できるとは限らないことから、一定の安全率を乗じることによって保守的に考慮しようとするものである。

○ 有価証券含み益の分子への算入に制限を設ける場合には、債券については、分母において1%のリスクがあると考えていることに鑑み、分子への含み益の算入割合は99%とすべき。

○ 有価証券含み益の分子への算入については、やむを得ない売却による流動性減価等により必ずしも含み益の全額を実現できるとは限らないことから、一定の安全率を乗じることによって保守的に考慮しようとするものであり、こうした考え方にもとづいて設定する安全率の水準としては、株式、債券の別にかかわらず、一律としたところである。

○ 外貨建債券のうち、為替予約を付すこと等により決済時における邦貨額が確定しているものについては、為替リスクをヘッジできているため、現行、リスクを0%としている。しかし、金利リスクは存在すると考えられることから、今回の邦貨建債券のリスク係数(1%)の創設に鑑み、今後は同様に1%とすべき

○ 外貨建債券のリスク係数については、概念的には、為替リスク及び金利リスクが対象となっているが、統計的に検証したところ、金利リスクに相当する部分は0%であった。
 このため、為替予約を付すこと等により為替リスクがヘッジされている場合におけるリスクは、これまで同様に0%とすることが適当。

【基礎利益関係】

コメントの概要 コメントに対する考え方

○ 「基礎利益」というフロー面からの新指標を創設し、経営実態を多面的に捉えることは、従来より公表されている諸指標とあわせて、より総合的な判断を可能とするとともに、消費者においても一層自己責任が求められる時代にあって、より適切な情報開示に資するものと考えられる。

○ ご趣旨の観点から創設するものであり、「基礎利益」については、他の指標(ソルベンシー・マージン比率、財務諸表、新規契約・解約高等)と併せて総合的に判断することにより、保険会社の健全性をより的確に把握することが可能。

○ 例えば、チルメル方式を採用している会社が、標準責任準備金に前倒しで到達するために行う積み増しまでもが基礎利益中の費用とされれば、結果的に前向きの積み増し努力によって、会社の健全性に問題ありと捉えられてしまうのではないか。

○ チルメル方式の積立てを採用している会社が標準責任準備金の水準に前倒しで到達するために、当庁に提出している積立計画の額を超えて任意で積立てることとした額については、臨時費用とし、基礎利益を算出する際の費用とはならないこととする。

○ 有配当保険の保険料には、いわゆる配当財源があらかじめ含まれていることから、有配当保険を扱う会社と無配当保険を扱う会社では、前者の基礎利益の額が過大に表示されることとなるため、配当準備金繰入額は基礎利益計算における控除項目として扱うべき。

○ 剰余金の分配として行われる配当準備金繰入額は、有配当保険会社の減配余力を表すものであり、無配当保険会社と比べて利益が過大に表示されていることにはならないと考えている。

○ 金銭信託運用益には、債券のインカムゲインも含まれており、これらは基礎利益として扱うべき。

○ ご指摘を踏まえ、基礎利益の中に「その他収益」、「その他費用」を設けることとし、金銭信託運用益のうち債券のインカムゲインに当たる額を特定できる場合には、当該額を基礎利益中の「その他収益」の項目に含めることとする。

【モニタリング関係】

コメントの概要 コメントに対する考え方

○ ソルベンシー・マージン比率の上半期末の徴求については、年度決算を前提とした計数に基づき算出されるリスクがあるため、これらについてどのような取扱いとするか検討する必要があるとともに、算出にあたってのシステム手当等のため一定の準備期間を設けることが必要。

○ ご指摘の観点も含めて、今後さらに検討して参りたい。

○ モニタリングの強化により、早期の経営改善を含め経営の健全性が確保され、将来に向けて生命保険産業・各経営が生々と発展していくための一助となることを期待する。

○ ご趣旨の観点も含めて、モニタリングを強化して参りたい。

○ モニタリングする内部管理指標について、種目毎の損害率の動向、再保険の付保状況、異常危険準備金の積立状況など保険引受リスク関係の内部管理指標も具体的項目として加えるべき。

○ ご指摘を踏まえ、保険引受に伴うリスクについても、今後さらに検討して参りたい。

【第三分野関連ルール整備】

コメントの概要 コメントに対する考え方

○ 今回の第三分野の本体相互参入に伴う省令改正は、第三分野商品の中で標準責任準備金制度の対象となる商品のみに適用することとすべき。




 さらに、認可を受けて法令上積立てている責任準備金について、将来の保険債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合に、追加して責任準備金を積立てる、という規定については、現在、どのような場合に追加の積立てが必要かが不明確であり、また、生保と同様の基準によることもできないことから、損保独自の基準を検討するために一定程度の猶予期間を設けるべき。

○ 今回の規定整備の趣旨は、生命保険会社・損害保険会社が同じように扱うこととなる第三分野商品の特性に応じて、同水準の契約者保護等を図る観点から行うものであり、その対象を標準責任準備金制度の対象となる商品に限定するのは適当ではないと考える。

 また、追加責準については、保険料計算基礎率をロック・インした長期の保険契約のウェイトが高まる中で、標準責任準備金を積み立てていても、環境の変化によっては責任準備金の積立水準が十分ではなくなるおそれがあることから、各社自身が「将来の債務の履行に支障を来すおそれがある」と判断した場合には、追加して責任準備金を積み立てる必要があると考える。
 なお、追加の積立てに関する基準化については、引き続き検討が必要と考える。

○ 今後、損害保険会社が認可取得すると考えられる疾病・介護関係の商品に係る異常危険準備金の取崩しにおける保険種類群(平成10年大蔵省告示第232号に規定)については、その保険期間の長期性やリスクの特性等を勘案し、適切な区分がなされるよう手当て願いたい。

○ 告示に定める異常危険準備金の取崩しにおける保険種類群については、現在認可を受けている既存の保険種類を列挙しており、今後、疾病保険等が新たに認可されれば、保険種類の特性等を勘案して所要の手当てをする所存。

○ 第三分野本体参入に当たっては、生・損保間の募集面におけるルールについて、イコール・フッティングが図られる必要があるにもかかわらず、現状では必ずしも十分なルール整備が行われていない。こうした生・損保の募集ルールの違いは、いわゆる第一分野、第二分野の商品特性の違いから生じたものであることは理解できるが、今回は第三分野という同一市場において生・損保が同一のサービスを提供することになる訳であり、競争政策上の観点からだけでなく、保険契約者等保護の観点からも問題が生じる可能性があることから、ルールの統一化、公平化が図られるべきである。

○ ご指摘のとおり、生損保間の募集面におけるルールの違いの多くは、第一分野、第二分野各々の商品性の違い等に着目して設けられたものであるが、それらのルールの統一については、保険契約者保護の実効を確保するためのあり方等、なお様々な論点が存在すると考えている。
 このため、今回の第三分野相互参入の段階で、これらの募集ルールの統一を図ることは直ちには困難であると考えられ、今回の規定整備では見送ることとした次第である。

今回、多数のコメントを頂戴いたしました関係上、上記「コメントの概要」は、主だったものについて、同種のコメントをまとめさせて頂いた上で掲載させていただいております。その他の事案については、それぞれの項目の「コメントに対する考え方」を踏まえた対応をお願いするものであります。

内容についての照会先

金融庁 TEL 03-3506-6000
監督局保険課
北神、白藤(内線3363)、足立(内線3432)

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