金融庁

東日本大震災についての金融庁・財務局・金融機関の対応状況
(平成29年3月31日更新)

1.金融庁・財務局の対応

東日本大震災を受けて、金融庁・財務局においては、以下のような施策を講じることとした(詳細は別紙1参照)

金融機関に対する要請

金融庁・財務局は、被災者の方々に対し、金融上の措置を適切に講ずるよう、金融機関に対して以下のような要請を発出した。

  • 預金通帳や印鑑を紛失した場合であっても、預金者本人であることを確認して払戻しに応じること
  • 大震災の影響を直接・間接に受けている方々からの借入金の返済猶予等やつなぎ資金等の借入の申込みについて、できる限り応じること
  • 災害時における手形の不渡処分について配慮すること
  • 保険金の支払いについて、できる限り迅速に行うこと

(金融庁平成23年3月11日・22日・23日の公表を参照)

検査・監督・規制上の対応

東日本大震災を受け、被災地域の金融機関を中心に、通常どおりの取引先の実態把握に基づく資産査定や、当局宛の必要な報告を期限どおりに行うことが困難な状況となった。一般事業会社においても、有価証券報告書等を期限内に提出できない事態が生じる懸念があった。

こうした状況を踏まえ、金融庁は、平成23年3月31日、以下の措置を公表した。

  • 金融検査マニュアル・監督指針の特例措置及び運用の明確化

    震災の影響により、債務者の実態把握が一時的に困難である場合があること等を踏まえ、

    • (1) 実態把握が困難な債務者への貸出金等はそれまでに把握している情報により査定し、その旨を「注記」することを可能とするなど、資産査定に係る特例措置を設けるとともに、

    • (2) 震災による赤字・延滞を「一過性」のものと判断できる場合には債務者区分の引き下げを行わなくてもよいなど、運用の明確化措置を講じた。

  • 金融機関等の報告の提出期限の弾力化 銀行法等に基づく報告や届出等について、被災地にある金融機関等の事務負担に鑑み、提出期限等に係る特例措置を講じた。
  • 有価証券報告書等の提出期限に係る特例措置の延長

    3月決算企業等が提出する有価証券報告書等については、新たに特例措置を延長するための政令を平成23年6月22日に制定し、平成23年9月末までに提出すればよいこととした。

(金融庁平成23年3月31日・6月22日の公表を参照)

金融機能強化法等の改正

  • (1)東日本大震災により、金融機関に様々な影響が生じうることを踏まえ、地域における面的な金融機能を維持・強化するとともに、預金者に安心していただける、万全の枠組みを設けるため、以下のような措置を講ずる金融機能強化法等の改正案が、平成23年6月22日、成立した。

    • 国の資本参加の適用要件に係る震災の特例を設ける
    • 今後の財務状況の見通しが必ずしもつきにくい協同組織金融機関について、国と中央機関が共同して資本参加を行う特例を設ける
    • 国の資本参加の申請期限を平成29年3月末まで延長する 等
  • (2)金融機能強化法等の改正法及び政令・内閣府令等が平成23年7月26日付で公布された。(平成23年7月27日より適用)
    (金融庁平成23年7月26日の公表を参照)

  • (3)金融機能強化法等の成立を受け、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の一部改正を行った。
    (金融庁平成23年7月26日の公表を参照)

大震災を踏まえたその他の措置

  • 災害の発生に乗じた不適切な取引を防止するため、証券取引等監視委員会や証券取引所等の関係者と連携し、空売り規制等の厳正な執行を含め、相場操縦等の不正行為に係る監視を徹底し、違反行為には厳正に対処することとした。

(金融庁平成23年3月13日の大臣談話を参照)

  • 多くの方々の義援金により被災者支援を行うことや、生活の建て直しを図ろうとする被災者の方々が銀行口座を開設することが円滑にできるよう、本人確認手続きについての特例措置を講じた。

(金融庁平成23年3月24日の大臣談話を参照)

  • 公認会計士・監査審査会は、平成23年公認会計士試験第II回短答式試験において、震災の影響により、受験票の受取りができなかった方について、本人確認の上、受験を認める等の措置を講じた。

(公認会計士・監査審査会平成23年4月14日の公表を参照)

  • 貸金業者から借入れを行おうとする被災者の方が、法令に定める手続き等が問題となって、資金を借りられないという不都合が生じないよう、貸金業法施行規則の一部の改正を行い、特例措置を定めた(平成24年3月末 特例措置終了)。

(金融庁平成23年4月28日・10月28日の公表を参照)

  • 東日本大震災の被災地域にある金融機関等が、中小企業金融円滑化法の開示・報告について、被災地域の実情に応じた形で行うことで、同法に基づく貸付条件の変更等に、より積極的に取り組むことができるよう、同法に基づく開示・報告義務の弾力化(中小企業金融円滑化内閣府令等の改正)を行った。

(金融庁平成23年5月31日の公表を参照)

  • 二重債務問題への対応として取りまとめられた「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の適用にあたり、被災した債務者がガイドライン運営委員会を利用する際の弁護士費用等を補助するため、平成23年度東日本大震災復旧・復興予備費を使用することとした。

(金融庁平成23年8月19日の公表を参照)

  • 「資本性借入金」の積極的な活用を促進することにより、東日本大震災の影響等から資金不足に直面している企業のバランスシートの改善を図り、経営改善につながるよう、金融検査マニュアルに記載されている「資本性借入金」について、「資本」とみなすことができる条件を明確化し、併せて、今般の措置について、金融機関及び中小企業等に対して周知することとした。

(金融庁平成23年11月22日の公表を参照)

金融上の措置等の周知徹底等

  • (1)金融庁・財務局は、金融上の措置等について、幅広く周知等を図るため、以下のような取組みを行うこととした。

    • 金融庁PC版ウェブサイトに地震関連情報欄を新設する(平成23年3月14日)とともに、携帯版ウェブサイトを立ち上げ(平成23年4月1日)、ツイッターを開始(平成23年4月5日)
    • 被災者の方々からの相談に対応するための窓口を東北財務局及び関東財務局に設置(平成23年3月19日~)
    • 避難所に金融上の措置等に関するポスターを掲示(平成23年3月25日~)
    • 地元新聞社や地域のラジオ局等に対し、金融庁・財務局・金融機関のこれまでの取組みについて報道を依頼(平成23年3月25日~)
  • (2)特に、事業者に対する措置の周知を徹底すべく、東北財務局及び関東財務局において、被災地県の経済団体・金融団体の代表者を対象に「被災企業金融支援緊急対策会議」を開催し、金融上の措置等の周知を図るとともに、各団体から意見・要望を聴取した。
    (宮城県平成23年3月29日、福島県3月30日、青森県・岩手県3月31日、茨城県4月6日、栃木県4月8日、千葉県4月15日)

  • (3)自見金融担当大臣が宮城県仙台市・石巻市を訪問し、地元金融機関と意見交換を実施するとともに、郵便局、石巻信用金庫及び石巻商工信用組合の営業現場を視察した(平成23年4月15日・16日)。

  • (4)和田大臣政務官が岩手県を訪問し、地元行政機関や金融機関等と意見交換を実施した(平成23年5月3日~5日)。

  • (5)金融庁職員を現地に派遣し、金融機関の被害状況及び顧客対応への取組み状況の把握等に努めることとした。

    監督局保険課長:平成23年3月25日~28日(宮城県)

    検査局調査室長:平成23年4月6日~8日(福島県・宮城県・茨城県)

    検査局企画・情報分析室長:平成23年4月6日・7日(岩手県・青森県)

    監督局協同組織金融室長:平成23年4月8日~11日(宮城県・岩手県)

    監督局参事官:平成23年4月15日~18日(宮城県)

    総務企画局総括審議官:平成23年5月3日~5日(岩手県)

    金融庁長官:平成23年5月22日・23日(福島県・宮城県)

    総務企画局政策課長:平成23年5月26日(宮城県)

    検査局調査室長:平成23年5月25日・31日・6月1日(青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県)

    総務企画局審議官:平成23年6月27日(宮城県)

    監督局銀行第二課長:平成23年7月15日(宮城県)

    監督局長・監督局銀行第二課長:平成23年8月23日~25日(福島県・宮城県・岩手県)

    監督局総務課長:平成23年8月30日(岩手県)

    監督局参事官:平成23年8月31日(福島県)

  • (6)自見金融担当大臣が福島県を訪問し、地元行政機関や金融機関と意見交換を実施するとともに、郵便局、あぶくま信用金庫及び相双信用組合の営業現場を視察した(平成23年9月21日)。

  • (7)自見金融担当大臣が岩手県を訪問し、地元行政機関や金融機関等と意見交換を実施するとともに、郵便局及び宮古信用金庫の営業現場を視察した(平成23年10月18日・19日)。

  • (8)中塚内閣府副大臣が宮城県を訪問し、地元中小企業団体や地元金融機関と意見交換を実施した(平成23年12月19日)。

  • (9)大串大臣政務官が宮城県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施した(平成24年2月20日)。

  • (10)中塚内閣府副大臣が宮城県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施した(平成24年5月17日)。

  • (11)中塚内閣府副大臣が岩手県、宮城県を訪問し、地元中小企業団体や地元金融機関等と意見交換を実施するとともに、被災企業を視察した(平成24年6月6日~7日)。

  • (12)麻生金融担当大臣が福島県、宮城県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施した(平成25年1月16日)。

  • (13)島尻大臣政務官が宮城県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施するとともに、被災企業を視察した(平成25年1月18日)。

  • (14)寺田内閣府副大臣が宮城県を訪問し、地元中小企業団体や地元金融機関と意見交換を実施した(平成25年2月20日)。

  • (15)福岡大臣政務官が宮城県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施するとともに、被災企業を視察した(平成25年12月17日)。

  • (16)福岡大臣政務官が岩手県を訪問し、地元金融機関等と意見交換を実施するとともに、被災企業を視察した(平成26年1月28日)。

  • (17)麻生金融担当大臣が福島県を訪問し、地元金融機関と意見交換を実施した(平成26年8月7日)。

  • (18)麻生金融担当大臣が宮城県を訪問し、地元金融機関と意見交換を実施した(平成27年9月28日)。

2.金融業界等の対応

東日本大震災を受けて、金融業界等においては、各種の取組みを行うこととした(詳細は別紙2参照)

金融庁・財務局による要請内容の周知徹底

全国銀行協会をはじめ各協会等においては、金融庁・財務局の要請(注2)を踏まえ、必要な金融上の措置を講じ、被災地域における金融の円滑化に万全を期すよう、傘下金融機関に対して当該要請内容の周知徹底を図った。

(注2)(1)預金通帳や印鑑を紛失した場合でも、預金者本人であることを確認して払戻しに応ずること、(2)災害時における手形の不渡処分について配慮すること、(3)災害の影響を直接、間接に受けている事業者から、借入金の返済猶予や、つなぎ資金の供与等の申込みがあった場合には、できる限りこれに応じるよう努めること、など。

義援金口座宛の振込手数料の無料扱い等

義援金の自行宛振込手数料を無料扱いとしている義援金口座(注3)については、他行宛振込手数料についても無料扱いとするよう、傘下金融機関に対して要請を行った。また、「義援金の募集」を装った振り込め詐欺について注意喚起を行った(注4)。

(注3)対象銀行口座については、下記リンク先参照。

http://www.zenginkyo.or.jp/news/2011/04/08140000.html新しいウィンドウで開きます

(注4)詳細については、下記リンク先参照。

http://www.zenginkyo.or.jp/topic/sagijiken_donation/index.html新しいウィンドウで開きます

(全国銀行協会平成23年3月17日・4月8日の公表を参照)

休業手形交換所の手形交換の集約

岩手県、宮城県及び福島県の主要手形交換所において手形交換参加地域を拡大し、休業手形交換所参加金融機関の店舗が支払場所となっている手形を含めて、手形交換を実施することとした。

(全国銀行協会平成23年3月25日の公表を参照)

(注5)最近の状況については、下記リンク先参照。

http://www.zenginkyo.or.jp/topic/clearing/index.html新しいウィンドウで開きます

(全国銀行協会平成23年3月25日の公表を参照)

預金の代理払い

相当数の金融機関(注6)が、自らの預金者が他の地域に避難している場合に、避難先の他の金融機関において預金の払戻しに応じる取扱いを開始した。また、被災地域の6信用金庫及び3信用組合(注6)の預金者が、避難先の銀行においても預金引出しが可能となった。

(注6)東邦銀行、常陽銀行、きらやか銀行、北日本銀行、仙台銀行、福島銀行、大東銀行、荘内銀行、山形銀行、岩手銀行、東北銀行、七十七銀行、宮古信用金庫、杜の都信用金庫、石巻信用金庫、気仙沼信用金庫、ひまわり信用金庫、あぶくま信用金庫、いわき信用組合、相双信用組合、石巻商工信用組合等

(全国地方銀行協会平成23年3月25日・28日、全国信用金庫協会3月25日・4月5日・18日、全国銀行協会4月1日・5日・7日・18日、第二地方銀行協会4月8日・20日、全国信用組合中央協会4月18日の公表を参照)

親族等預金者本人以外への預金払出し

金融機関は、預金者本人の死亡や行方不明時に、親・子ども・配偶者等から預金の払出しの求めがあった場合には、必要な要件を満たすことを確認のうえで一定金額の払出しに応じるなど、柔軟な対応に努めている。全国銀行協会・全国信用金庫協会・全国信用組合中央協会においては、既にこうした対応を実施している金融機関における取組みの継続を促すとともに、これらの取組みを参考事例として傘下金融機関に周知し、柔軟な取組みを行うよう要請した。

(全国銀行協会平成23年4月7日、全国信用金庫協会4月7日、全国信用組合中央協会4月7日の公表を参照)

預金口座照会制度の構築

全国銀行協会は、死亡者や行方不明者の預金口座に関して、どの金融機関(注7)に口座を有しているのか分からない親族・遺族等のために、協会が窓口となって金融機関に照会するサービスを実施した(平成23年4月28日(木)から平成24年2月29日(水)まで)。

(注7)国内に本支店を有する銀行、農林中央金庫、信用金庫、信用組合、農業協同組合(含む連合会)、漁業協同組合(含む連合会)、商工組合中央金庫

(全国銀行協会平成23年4月26日・5月30日・平成24年1月31日、全国信用金庫協会5月30日・平成24年1月31日、全国信用組合中央協会5月30日・平成24年1月31日の公表を参照)

保険料払込みの猶予

生命保険・損害保険各社において、被災した保険契約者については、申し出があれば保険料の支払い等を猶予する取扱いを実施した。

(生命保険協会平成23年3月14日・4月27日、日本損害保険協会3月17日・4月8日の公表を参照)

契約保険会社の照会制度の構築

日本損害保険協会及び生命保険協会は、被災した保険の契約者等に迅速に保険金を支払うため、保険を契約した保険会社が不明な場合でも、契約の保険会社を確認する体制を導入した。

(日本損害保険協会平成23年3月25日・30日・5月11日、生命保険協会4月1日の公表を参照)

保険金の迅速な支払い

生命保険各社においては、保険契約者からの申し出により手続きに必要となる書類を一部省略したり、営業職員等の契約者訪問活動を通じた請求の案内を実施すること等により、簡易・迅速な支払いを行うこととした。また、先般、市町村において届出人の申述書等により行方不明者に係る死亡届を受理する取扱いが可能となったが、この手続きによる戸籍の除籍を受けた保険金支払いが開始された。

損害保険各社においては、各社が共同で、航空写真・衛星写真を活用し、被災地域の損害状況を、一括で、迅速に認定したり(全損地域については、住所を丁目、番地までホームページに掲載)、軽微な事案及び東京電力福島第一原発の事故に伴う警戒区域から他の区域へ避難している契約者等につき、簡略な調査手続きをもって査定を実施すること等により、地震保険の簡易・迅速な支払いを行うこととした。

(生命保険協会平成23年3月14日、日本損害保険協会3月28日・4月20日・5月2日・8日の公表を参照)

保険金の確実な支払いのための法務省・総務省との連携

迅速・確実な保険金の支払いを行うため、(生命保険・損害保険の)保険金等の受取人の法定相続人を特定することを目的として、支払義務が発生している各保険会社による戸籍謄本・住民票の写しの円滑な請求が可能となるよう、法務省及び総務省から、各地方自治体に対して周知が図られた。

保険金を漏れなく支払うための取組み

日本損害保険協会は、被災した地震保険の加入者に保険金を漏れなく支払うために、被災地の地方テレビ局12局において、保険金の請求手続きを案内するテレビCMを放映した。また、当協会では、新聞、ラジオ、ポスター、チラシを活用した案内も実施した。

(日本損害保険協会平成23年6月10日の公表を参照)

取引所による上場企業等への支援

各金融商品取引所は、被災した企業等につき、上場制度において柔軟な対応を図るとともに、震災復興に向けた資金調達に寄与する商品の上場を推進する旨を公表した。

(東京証券取引所平成23年4月15日、大阪証券取引所4月26日、札幌証券取引所5月13日、名古屋証券取引所5月25日、福岡証券取引所5月25日の公表を参照)

(以上)

(本件に関する照会先)

金融庁03-3506-6000(代表)

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