平成20年3月7日更新
平成18年4月1日から新たな保険契約者等の保護の施策として少額短期保険業制度が導入されています。平成20年3月末で同制度についての移行期間が終了することに伴い、現状における保険事業者の位置づけと、少額短期保険業者や特定保険業者等と保険契約を行う場合に注意すべきポイントなどについてとりまとめました。

〜特定保険業者・根拠法のない共済団体と契約する場合の主な注意点について〜
○平成18年4月1日以降、引き続き新規の保険契約(共済契約を含む。以下同じ。)を引き受けている根拠法のない共済団体で保険業法の規制対象となった団体は、保険業法上「特定保険業者」と定義されます。この特定保険業者は、各財務局(又は財務事務所)に届出を行っており、平成20年3月末までに、少額短期保険業者の登録申請又は保険会社の免許の申請、他の保険会社・共済の活用や保有する保険契約の移転などをして特定保険業者として廃業をするなどの今後の対応方法を決定します。その後は原則として、平成21年3月末までに当該対応に沿って移行していくこととなります。
○特定保険業者が平成20年3月末までに少額短期保険業者の登録の申請、保険会社の免許の申請などを行なった場合は、平成20年4月1日以降であっても、その登録などに向けた審査が行われている期間は、引き続き、新規の保険契約の引受けを含めこれまでどおりに事業を行うことができます。
○平成20年3月末までに登録などの申請を行っていない場合は、平成20年4月以降は新規の保険契約の引受けは法令上禁止されます(新規の引受けを行っている場合、保険業法違反[無免許営業]となります。)。
しかし、この場合においても、既存の保険契約については、原則として、平成21年3月末までの間、分割払いの保険料(掛け金)の受取りや保険金支払いなどの管理業務を行うことは可能です。各特定保険業者は、この期間内に保有している保険契約の移転などの対応が求められます。
○また、少額短期保険業制度の導入に伴い、保険業法の規制対象外となる適用除外団体が定められています(法2条、施行令1条の3に列挙)。具体的には、「一の会社内共済」、「一の労働組合の共済」、「一の学校内の共済」、「小規模(契約者が1000人以下)共済」といった団体が保険業法の規制対象外となっています。これらの団体の保険(共済)事業の運営については、保険業法に定めるルールに基づいて行われているものではなく、団体ごとの独自のルールに基づき運営されているものと考えられます(下記Q8参照)。
○以上のような制度の変更がありましたので、今後、「○○共済」、「○○互助会」といった名称のもとで人の死亡・疾病・傷害などが発生したときに給付金を支払うことや偶然の事故によって生じた損害を補償することを約束し、保険料(掛け金)を収受する保険(共済)事業を行っている事業者(団体)から保険(共済)契約の募集を受けた場合は、保険業法上の対応(適用除外であるか否かも含む。)をどのように採っているのかをその団体に確認し、事業運営内容(預かった保険料[掛け金]をどのように管理しているかなど)をしっかり確認したうえでご契約の判断をするようにしてください。
以下、根拠法のない共済及び少額短期保険業に関するよくある質問をQ&Aで記載しております。
なお、主な事例についてのみ記載している場合もありますので、ご不明な点は下記窓口(Q13)にお問い合せ下さい。
根拠法のない共済に規制が導入されたそうですが、その目的は何ですか?
近年、共済の実施団体が増加し、事業形態も多様化する中で、情報開示の欠如、募集時の説明不足などの契約者保護上の問題が指摘されていました。このため、根拠法のない共済について、保険契約者等の保護を図るため、その目的や対象を問わず、広く保険業法の規制の対象とし、財務や業務に関するルールの下で事業を行うよう、保険業法が改正され、平成18年4月から施行されました。その際、これまで共済を実施してきた団体に配慮し、「少額短期保険業制度」がスタートしました。
少額短期保険業とはなんですか?
保険業法上の保険業のうち、一定事業規模の範囲内において、少額かつ短期の保険の引受けのみを行う事業をいいます。
少額短期保険業を行う事業者は本部等の所在する財務局で登録を受ける必要がありますが、一定の基準を満たしていないと登録を拒否されます。また、業務内容については、保険契約者等の保護の観点から、事業開始にあたって一定の保証金の供託や、資産運用、保険募集、情報開示などについて各種のルールを遵守することが必要となります。
【最低資本金等】
【保険期間、保険金額の上限】
| 疾病による重度障害・死亡 | 300万円【経過措置 1500万円】 |
|---|---|
| 疾病・傷害による入院給付金等 | 80万円【経過措置 240万円】 |
| 傷害による重度障害・死亡 | 600万円【経過措置 3000万円】 |
| 損害保険 | 1000万円【経過措置 5000万円】 |
| ※経過措置はいずれも施行日から7年間 | |
特定保険業者とはなんですか?
特定保険業者とは、保険業法上の用語で、平成18年4月1日時点で特定の者を相手に保険の引受けを行っている者で、保険業法の規制対象外となる適用除外団体を除く団体です。この団体は、保険業法のルールの一部が適用されております。特定保険業者は、各財務局(又は財務事務所)に業務内容などの届出を行っています。なお、適用される保険業法のルールの主なものは、業務運営に関する措置(法第100条の2)、業務報告(法第272条の16)、保険募集に関する規制(説明に関する法第294条、禁止行為に関する法第300条第1項)です(一部適用除外あり)。また当局の権限として、報告徴求、立入検査、業務改善命令、廃業命令などがあります。
保険会社・少額短期保険業者・特定保険業者・根拠法のない共済団体の保険業法の規制の違いについて教えて下さい。
主な違いは次の表のとおりです。
| 項目 | 保険会社 | 少額短期 保険業者 |
特定保険業者 | 根拠法のない 共済団体 |
|---|---|---|---|---|
| 監督官庁 | 金融庁 | 金融庁 | 金融庁 | なし |
| 設立時の免許制度 | 免許制 | 登録制 | なし | なし |
| 商品審査制度 | あり | あり | なし | なし |
| 責任準備金制度 | あり | あり | なし | なし |
| 資産運用規制 | あり | あり | なし | なし |
| ディスクロージャー制度 | あり | あり | 一部あり | なし |
| 公的セーフティネット | あり | なし(*) | なし | なし |
| 募集人登録制度 | あり | あり | なし | なし |
| 重要事項説明義務 | あり | あり | あり | なし |
*:保証金の供託制度(事業規模に応じて上乗せ)あり。
特定保険業者と保険(共済)契約をしていますが、移行期間の終了でどのようになるのでしょうか?
特定保険業者は、平成20年3月末までに、保険会社の免許申請又は少額短期保険業者の登録申請、他の保険会社・共済の活用や保有する保険契約の移転などをして特定保険業者として廃業をするなどの今後の対応方法を決定します。その後は原則として、平成21年3月末までに当該対応に沿って移行していくこととなります。それぞれの対応による保険(共済)契約の取扱いは以下のようになります。
※各団体の判断によることになるため、このケースに限定されるものではありません。
@特定保険業者が平成20年3月末までに少額短期保険業者又は保険会社として登録等の申請を行った場合
→登録等に向けた審査が行われている期間は、引き続き、新規の保険契約の引受けを含めこれまでどおりに事業を行うことができます。登録等の完了後は、新設された少額短期保険業者等に保険契約の移転等が行われ、引き続き保障は継続されます。
A特定保険業者が平成20年3月末までに上記@の登録等の申請を行わなかった場合
→平成20年4月以降は、新規の保険の引受けはできなくなります。その後、原則として、平成21年3月末までに他の保険会社・共済の活用や保有する保険契約の移転などをして特定保険業者として廃業をすることになります。
ただし、平成20年3月末までに契約した既存の保険契約については、原則として、平成21年3月末までの間は、分割払いの保険料(掛け金)の受取りや保険金の支払いなどの管理業務を行うことが可能です。
契約先の特定保険業者が今後どのような対応を行う予定であるのかは各団体の判断によることとなりますので、その団体にお問い合わせください。
特定保険業者が廃業する場合、契約者の保障はどうなるのですか?
特定保険業者である団体が保険契約に関する事務をすべて中止するにあたっては、あらかじめ、財務局において特定保険業者の廃業の承認を受ける必要があります。財務局では、その団体が保有している契約をどのように取扱う予定であるのかなどを、契約者保護の観点から確認いたします。
なお、特定保険業を廃業した場合でも、その団体を通じて何らかの保障が行われる場合があります。例えば、その団体が保険会社や制度共済の団体契約を締結するケース、保険業法の適用除外となる小規模な保障等を自ら継続するケースなどがあります。
今後の保険(共済)事業のあり方については、各団体ごとに方針が異なりますので、詳細は各団体にお問い合わせください。
今後の特定保険業者との保険(共済)契約についての注意点を教えてください。
契約先の特定保険業者が今後どのような対応を行う予定であるのかは各団体の判断によって異なります(Q5参照)が、特定保険業者への保険業法の規制は、一部のみが適用(Q4参照)となっており、積立金の基準(責任準備金)の適用や破綻した場合の公的セーフティネットの対象とはなっておりません。よって、今後の特定保険業者との保険(共済)契約をどうするかについては、以下の点にご注意下さい。
@契約内容の確認
まず、現在契約している保険(共済)の内容(保障内容、保障額、保障期間、解約返戻金の有無等)を約款(なければ申込書等)でよく確認してください。この内容が特定保険業者との保険(共済)契約の内容となります。
確認を行ったうえで、保険金請求や解約に際して疑義が生じた場合は、約款等に照らして特定保険業者に説明を求めて下さい。
A顧客説明の状況
移行期間終了後の対応について、特定保険業者から明確な説明がない場合は、業者側からの連絡を待つことなく、契約者側から、今後の対応の説明を求めるようにしてください。
○○共済と契約したいのですが、注意すべきことは何でしょうか?
まず、その共済を行っている団体が根拠法のある共済(農協、生協、中小企業等協同組合等の制度共済)であるか否かを、その団体に確認してください。制度共済である場合は、それぞれ監督官庁がありますので、そちらにご相談ください。
その団体が特定保険業者である場合に平成20年4月以降も保険募集を行っている場合は、少額短期保険業者の登録申請等を行っているかどうか当該団体に確認してください。もしそうでない場合は、法令違反となりますのでご注意下さい。
なお、保険業法の適用除外団体である場合は、団体ごとの独自のルールに基づいて運営が行われているものと考えられますが、保険業法等で監督官庁が定められたうえで運営されているものではありません。契約にあたってはその団体の事業運営内容(預かった保険料[掛け金]をどのように管理しているかなど)をよく確認したうえでご契約の判断をするようにしてください。
財団法人や社団法人(民法34条の規定により設立された公益法人、以下同じ)が運営している共済については、保険業法の改正はどのように関係するのですか?
平成18年4月1日時点で保険(共済)を運営している公益法人については、保険業法の改正により、保険募集に関する規制(保険業法283条、300条1項1号から3号まで)のみが適用となっており、それぞれの主務官庁(国か地方公共団体)の監督の下、保険(共済)事業を行うこととなっております。
ただし、いわゆる公益法人改革整備法(平成18年法律50号)に基づく新法人に移行後(遅くとも平成25年11月末まで)には公益法人に対する主務官庁の監督がなくなります。このため、主務官庁による監督がなくなった後には保険業法が全面的に適用されることとなります。
財団法人や社団法人との共済契約は今後どのようになるのですか?
上記のとおり、公益法人の保険(共済)契約については、その法人が平成25年11月末までの公益法人の新制度に移行するまでの間は、それぞれの主務官庁の監督の下で引き続き保険(共済)事業を行うことが可能となっております。なお、契約先の公益法人が新制度に移行する時期、その後の保険(共済)業務をどうするのかについては、各法人ごとに対応が異なることになると思われますので、詳しくは契約先の公益法人に問い合わせください。
少額短期保険業者や特定保険業者、根拠法のない共済などに関する相談などはどこが行っているのですか?
現在、保険会社の業界団体のような相談機関は設立されていませんが、業者の監督上の情報提供については、金融庁に設置されている金融サービス利用者相談室で受け付けています。
なお、当相談室では個別のトラブルについては、あっせん、仲介、調停を行うことはできませんのであらかじめご了承ください。
少額短期保険業として登録されている業者について教えて下さい。
現在、登録されている業者は、当庁のウェブサイト免許・許可・登録等を受けている業者一覧で公開しています。
【お問合せ】
少額短期保険業制度に対する一般的なご意見、ご質問、情報提供については、金融庁に設置されている金融サービス利用者相談室で受け付けています。なお、当相談室では個別のトラブルについては、あっせん、仲介、調停を行うことはできませんのであらかじめご了承ください。
なお、少額短期保険業者や特定保険業者の監督については、本部等の所在する各地域の財務局において行うこととなっておりますので、最寄りの財務局にもご相談ください。
また、上記のほか、国民生活センターや住所地を管轄する消費生活センターにおいても相談を受け付けています。(ただし、制度に関するご相談については、金融サービス利用者相談室又は最寄りの財務局へご相談ください。)
関係先リンク 国民生活センター![]()