スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第7回)議事録

1.日時:

平成28年4月26日(火)10時00分〜12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

【池尾座長】

それでは、定刻になりましたので、ただいまよりスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議、第7回会合を開催いたしたいと思います。

皆様には、ご多忙中のところ、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

前回の会合から随分間があいてしまったことをおわびしなければいけないと思います。諸般の事情というか、年度末で忙しかったというようなこともあって、結果的に3月の会合はスキップしてしまったような形になってしまいまして、それから、今回の会合も開催の通知が直前になってしまいましたことでご迷惑をおかけしたと思いますので、その点をまずおわびしておきたいと思います。

本日は、前回に引き続きまして、企業と機関投資家の間の建設的な対話についてご議論いただきたいと思います。前回の会合から、今、申しましたようにやや期間があいておりますが、その間、入念に事務局で準備をしていただいております。今回の議題である企業と機関投資家の間の建設的な対話の重要性ということでご議論をいただきたい事項について整理を事務局でしていただいておりますから、それをまず最初にご説明いただいて、それからあと、東京証券取引所と日本投資顧問業協会からご報告をいただく。その後、自由討議ということにさせていただきたいと思います。

それでは、まず金融庁より本日の論点につきましてご説明をお願いいたします。

【田原企業開示課長】

それでは、お手元の資料1に従いましてご説明をさせていただきます。前回までのご議論の中で、さまざまな論点をご提示いただき、それを2カ月間、整理をさせていただきまして、これにつきましてご議論いただければと考えております。もちろん、もとよりこれに論点は限らないということでございますが、よろしくお願いいたします。

まずもって問題意識でございますけれども、これまでのご議論を整理させていただきますと、コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードの導入により、あるいはフォローアップ会議におけます取締役会のあり方に関する意見書の公表ということをいただきまして、企業のガバナンス改革に向けた枠組というものは整っている状況にあると考えているところでございますが、今後の課題は、投資家の方々が、企業の方々との「建設的な対話」を充実させていくことにより、企業ごとに、企業が実効性あるガバナンス改革を加速させていく、このような流れをつくっていくことが重要ではないかと整理をさせていただいているところでございます。

こういったことを実現させていく上で、課題というものをこれまでいろいろご議論いただきまして、以下の7点に整理ができるのではないかと考えているところでございます。

1点目でございますけれども、機関投資家には、企業側に「気づき」を与える実質的な対話を行うことが求められているということでございますが、他方で、形式的な対話が増加し、機関投資家による経営理念等への理解が不十分なケースが見られるということでございます。また、企業の側においても、対話への姿勢が積極的でないというケースが見られるということでございまして、対話の深度を上げていく、また、その対話の機会を実効的に持っていくようにするということが1つ目の課題であろうかと考えます。

2点目でございますけれども、運用機関のガバナンスがしっかりしていないケースがあるのではないか。特に、運用機関において、親会社の金融機関との利益相反がある場合の対処方法について明確な説明がないケースがあるというご指摘がございました。これは前回、GPIFの水野CIOからもご指摘があったと思いますが、これについても非常に関心の高い問題ではないかと考えております。

3点目でございますけれども、利益相反の懸念を払拭する上で有効な方法の一つは、議決権行使結果の開示ではないかということでございまして、これはスチュワードシップ・コードにも盛り込まれているわけでございますけれども、生損保等におかれては、具体的な議決権行使方針ですとか、議決権行使結果の議案ごとの集計を公表している会社の割合が少ないということでございまして、こういったところで透明性を高めていく必要があるのではないかということが指摘されたと理解をしております。

4点目でございますが、パッシブ運用はアクティブ運用と異なり、株を売却する選択肢がないため、エンゲージメントを通じて中長期的な企業価値を向上させる必要性がより高いということでございます。一方で、パッシブ運用の対象となります全社と対話をすることは困難でありますので、エンゲージメントの方法に工夫が求められるということでございます。パッシブ運用におけるスチュワードシップのあり方、スチュワードシップ責任の果たし方というものも大きな議論として取り上げられたというふうに理解をしております。

5点目でございますけれども、アセットオーナーには、スチュワードシップ・コードの趣旨に沿って、短期的な視点に偏ることなくアセットマネージャーを評価することが期待されるということでございまして、前回、水野CIOからもGPIFの取組みについてご説明をいただきましたけれども、そのほかのアセットオーナーにおかれてどのような取組みをされているかということに関心が集まっているということでございます。

また、6点目もこれに関連いたしますけれども、企業年金基金によるスチュワードシップ・コードの受入れが少なく、受入れを円滑にするための環境整備が必要というようなご指摘も頂戴したということでございます。

7点目でございますが、議決権行使助言会社は形式的な企業の対応を助長する結果につながらないよう、実質的な判断を行うよう努めるべきというご意見があったということでございます。機関投資家の側におかれても、議決権行使助言会社の助言に形式的に依拠するのではなく、その利用に先立って、その質などを具体的に検証するなど、みずから実質的な判断を行う必要があるということであろうかと思います。

以上の論点、あるいは他の論点につきまして、これまでの議論、あるいは前回ご報告させていただきましたスチュワードシップ・コードの遵守状況ですとか、コーポレートガバナンス報告書における対話促進のための取組み方針等の開示状況、あるいは本日、ご紹介いただきます、日本投資顧問業協会様におけるアンケート結果も踏まえて、企業と機関投資家の間の建設的な対話のあり方についてどう考えるかということにつきまして、本日、ご議論をいただければと考えてございます。

また、本フォローアップ会議におきましては、広く意見を募集いたしておりますところ、寄せられた意見のうち、本日の議題に直接関連する意見をご紹介させていただきたいと思います。9つの団体、機関投資家、個人の方からご意見を頂戴しておりまして、1つ目のご意見は、コーポレートガバナンスに関係いたします国際団体から頂戴いたしました。企業がコーポレートガバナンス報告書と有価証券報告書を英文で開示することによって対話の環境を整えるべきであるということで、まだ英文開示が少ないということに関して、海外の団体からご意見が寄せられているということでございます。

2つ目のご意見も、やはりコーポレートガバナンスに関係する国際団体の方からですが、機関投資家の利益相反の問題、それがスチュワードシップ責任を果たす上でどのように影響するかについて、より議論すべきであると。また、企業が長期のコーポレートガバナンスポリシーや経営戦略について公開すべきであるのと同様に、機関投資家においても長期的なスチュワードシップ責任に関する方針や施策を公開すべきであるというご意見を頂戴しております。

3つ目のご意見ですが、これは英国の機関投資家の方から頂戴したご意見です。日本の運用機関はほとんどが有力な銀行や生命保険会社の傘下にあり、親会社の利益は、運用資産の委託者の利益と必ずしも一致していないのではないか。親会社と運用機関の間の「チャイニーズウォール」は現実には極めて脆弱である可能性があり、フォローアップ会議においてこの点に注目すべきである。ステークホルダーの最善の利益のために、運用機関が行動する責任が尊重されることが重要であるというご意見でございます。

4つ目の意見は、米国の金融の専門家団体でございますけれども、企業は株主総会以外でも株主との建設的な対話を行うべく努力をすべきである。企業と株主の効果的な対話を促進するため、アセットオーナーはアセットマネジャーがスチュワードシップ活動を実施するための適切なコストを負担すべきであるというご意見で、アセットオーナーのコスト負担についてのご意見ということでございます。

それから、5つ目のご意見は、イギリスの海外年金基金でございますけれども、スチュワードシップ・コードについてはコーポレートガバナンス報告書のような標準的な報告書様式がない。また、国内のアセットマネジャーは対話を開始しているが、アセットオーナーの対応はおくれている。フォローアップ会議には国内機関投資家が対話の活動や報告について、まだ比較的なじみがないことも踏まえ、投資家にガイダンスを示すことを期待する。

また、企業の一部には機関投資家との面談に消極的なところもあり、取締役との面談機会が少ない。特に、独立社外取締役との面談は有益であると、彼らは考えているということでございます。

6つ目の意見は、国内のガバナンス関係の団体から頂戴したもので、国内のアセットオーナーである年金基金などがスチュワードシップ責任への取組みにおいて、その役割を十分に果たすことが重要である。資産保有者とアセットオーナーの方と運用機関との間でスチュワードシップ責任がどのように実施されているかについて調査すべきであるというご意見でございます。

7つ目以降のご意見は、個人の方からのご意見ですけれども、7つ目のご意見は、公的年金の幹部の方からの個人的な意見ということですけれども、国内のアセットマネジャーの多くが金融機関の系列下にあって、利益相反管理が有効か疑問があるということでございます。

それから、現在の生保・損保の開示内容は議決権行使の結果等の開示がなくて不十分だというご意見でございます。

8つ目のご意見は、国内の投資ファンドの代表者の方ですけれども、経営陣幹部・取締役が合理的な範囲で投資家と面談することを全上場企業に義務づけるべきだというご意見であります。

また、スチュワードシップ・コードを受入れた機関投資家がこれを真摯に実施しているのか疑問に感じる。例えば、昨年、ある会社の種類株式発行が株主総会で承認されたことがあったが、スチュワードシップ責任を負った機関投資家、株主の多くが賛成したということは理解できないというようなご意見でございます。

最後のご意見も国内の個人の方ですが、これまで政府で行われている取組みのほか、有価証券報告書の開示を米国の10−Kのようなエクイティーストーリーを持たせたものにすることや、経営者が自らの言葉で語るIRを行うことなどの努力が重要だというご意見でございます。

以上、寄せられたご意見についてご紹介させていただきました。以上でございます。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、本日の議題に関連し、企業による対話促進のための取組み方針等の開示状況につきまして、東京証券取引所よりご説明をお願いします。

【渡邉東京証券取引所上場部課長】

それでは、お手元の資料の2番に基づきましてご説明をさせていただきます。まず、2ページ目ですけれども、ガバナンス・コードは5つの章に分かれており、第5章が「株主との対話」に当てられております。「株主との建設的な対話に関する方針」と、「経営戦略や経営計画の策定・公表」という2つの原則がございますけれども、これらの原則に関する開示状況を簡単にご紹介させていただきます。

まず、3ページ目が、原則5−1、対話に関する方針でございます。この対話に関する方針につきましては、その下の補充原則の5−1マル2で、方針に最低限含むべき項目が列挙されています。これらの項目についてどういった開示がされているかというのを次のページから順を追ってご紹介させていただきます。

4ページ目が、まず対話全般の統括を行う経営陣、取締役の指定でございます。IRの担当役員の方ですとか、CFOの方とか、総務担当、経営企画担当の役員の方を指定する例が多くなっております。中には、下のほうにございますように、社長さんですとか、あるいはCEOなどの経営トップを指定するような例も出てきているというところでございます。

続きまして、5ページ目が、社内の部門間の有機的な連携のための方策でございます。上のほうにありますように、具体的な部署名を挙げつつも、関連部署間に有機的に連携するというふうに宣言するにとどまるものがあるいっぽうで、下のほうで挙げておりますように、具体的な連携の方策を開示する例も出てきております。例えば、部員間で相互兼務をするだとか、定期的な情報共有をするとか、部門横断的な情報開示委員会をつくるといった例も出てきております。

続きまして6ページ目が、個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組みでございます。例えば株主総会で経営の近況の報告をされるとか、その動画配信をするとか、決算説明会を開催するとか、インターネットでのライブ中継をするとか、英文開示といったものを挙げている例がございます。そのほか、真ん中のK社のように、統合報告型のアニュアルレポートを作成するとか、あとは一番下のL社のように、株主や機関投資家向けに工場見学会をやったりとか、そういったものを紹介する例が出ております。

続きまして7ページ目が、対話の中で出てきた株主の意見や懸念についてフィードバックするための方策でございます。一番上のまとまりのところの会社にありますように、随時とか、あるいは定期的に経営陣に報告するというふうに述べるにとどまっているものもありますが、真ん中にありますように、報告対象につきまして、経営陣だけではなくて、社外役員の方や全社に共有するというような例や、一番下にありますように、議決権行使状況について分析をして、その結果を取締役会に報告しているというような例も出てきております。

最後は8ページ目になりますけれども、インサイダー情報の管理についての方策でございます。具体的な情報管理の方策といたしまして、例えば社内規則を定めて管理をしているとか、沈黙期間を設定しているとか、定期的に教育を実施しているとか、相互監視の観点から、複数名で対応するという例がございます。また、そもそもインサイダー情報については対話の中で提供しないと明言しているところもございますし、仮に提供する場合でも、秘密保持契約を締結する会社もあるという状況でございます。

最後に9ページ目で、その他としてご紹介をしておりますのは、機関投資家とか個人株主とか、対話の相手の属性に応じて担当部門を分けている例でございます。この会社の場合は、機関投資家についてはIR部門が担当して、できる限り社長や経営陣が参加をすると。個人株主については株式部門が担当して、できる限り経営陣が参加するというようなことを開示されています。

次に、10ページが原則5−2でございます。こちらは、経営戦略や経営計画の策定・公表に当たって、資本政策の基本的な方針とか、収益力・資本効率などに関する目標を提示して、そのために何をするのか株主に説明すべきという原則でございます。ここで取り上げております資本政策の基本的な方針や、収益力・資本効率などに関する目標としてどんな開示がされているのかというのをご紹介します。

まず、資本政策の基本的な方針ですけれども、10ページの下のほうになりますが、Y社の例は、目標とする経営指標としてROEを掲げまして、それを利益成長と株主資本の有効活用といった手段で継続的に10%以上確保することを目指すという方針を掲げておられます。また、株主還元策といたしまして、安定配当を基本に連結配当性向30%を目標として、配当控除後の残った利益につきまして、手元の現金、業績動向、投資案件の有無といったものを踏まえて自社株買いに充当するという方針を開示されておられます。

続きまして11ページ目にあと2社ご紹介しております。Z社は、ROICやROEといったものを考慮した経営を行うということに加えまして、経済環境の急変に備えて高い格付けを維持できるような自己資本比率もしっかり確保していくということを目標として提示をされておられます。加えて、大規模な希釈化をもたらすような資本政策については影響を十分に考慮して行うですとか、あるいは同じように希釈化をもたらす資本調達については、資金使途の内容、回収方法といったものを十分に取締役会で審議をして、株主への説明を行うといった方針を開示されています。

その下のAA社では、まず企業理念に基づいて資本政策を考えているということをお示しいただいており、中長期的なROE経営や、持続的・安定的な株主還元、成長のための投資採択基準といったものを軸に展開をされているということを開示されています。具体的には、中長期的に資本コストを上回るROEを目指していくとか、バランスシートやフリー・キャッシュフロー、シグナリング効果といったものも考慮して株主還元を実施していくとか、企業価値を創造していくために、いわゆるディスカウントキャッシュフロー法やIRR法を用いて、投資を厳選しているといった方針を開示されている例でございます。

次に12ページは、こちらは収益力や資本効率などに関する目標としてどういったものを開示されているかでございます。3つ例を挙げております。一番上の会社は売上高とか経常利益とか、ROEなどの水準を示されている例でございます。

真ん中の会社は、それと少し観点を変えまして、持続的な成長とか株主還元の強化というものを目指して、営業利益の成長率というものを目標として掲げていらっしゃいます。あわせて配当性向についても目標を掲げていらっしゃいます。

一番下のDD社におきましては、売上高利益率を最重要というふうにご認識をされて、数値目標を設定しておられる例でございます。

12ページの一番下に参考といたしまして、収益力や資本効率に関する目標を提示していない会社の例を挙げております。こちらの会社さんは、具体的な目標を公表していないということでございますけれども、その理由として、事業を展開する業界がビジネスモデルや技術、顧客ニーズの移り変わりが早いこと。加えて、その会社自身も事業構造を大胆に変革させる可能性があるということで、具体的な目標は公表していないということを説明されています。

13ページ以降は、ご参考といたしまして、3月末時点のガバナンス・コードのコンプライ・オア・エクスプレインの状況です。12月末時点と比べて、160社が追加の開示をしていますが、全体的な傾向は変わらないという状況です。あと、対話の関連ということで、英語での情報開示についてエクスプレインをしている会社さんのエクスプレインの事例をつけさせていただいております。こちらは後ほど適宜ご参照いただければと思います。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

それでは、メンバーからのご意見をお伺いする討議をするのですが、本日の議題に関連しまして、まず岩間メンバーから、日本投資顧問業協会が行った日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関するアンケート結果についてご説明いただきたいと思います。それから、岩間メンバーからのご説明に関連が深いということで、本日、皆様のお手元には、年金積立金管理運用独立行政法人GPIFより先日、公表されました機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果の公表についてもお配りさせていただいておりますので、あわせてご参照いただきたいと思います。

それでは、まず岩間メンバーからお願いいたします。

【岩間メンバー】

それでは、本日は当協会で実施をしております日本版スチュワードシップ・コードの対応等に関するアンケートを通じまして、当協会員であるアセットマネジャーのコード受入れ状況と、それに伴う体制整備状況などについて、お手元の参考資料の抜粋版とあるものを用いてご報告したいと思います。なお、参考資料としまして詳細版も用意いたしましたので、お時間のあるときにごらんいただければと存じます。

私どもでは、平成14年より会員の議決権行使状況把握を目的として、投資一任契約にかかわる議決権行使指図に関するアンケートを毎年実施しております。その後、平成26年2月に策定されました日本版スチュワードシップ・コードを受けまして、平成26年から日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関するアンケートとタイトルを改めまして、2年連続で実施した次第でございます。結果を一言で申しますと、今後、取組む課題はまだ多くありますが、着実な前進が見られていると認識しております。なお、去る4月7日に、先ほどご紹介がありました、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」が公表されておりまして、世界最大のアセットオーナーであるGPIFが、委託しているアセットマネジャーのスチュワードシップ活動に関する評価と目的を持った対話、エンゲージメントの実態把握を目的として“JPX日経インデックス400採用企業”向けに行ったアンケートでございまして、260社から回答を得られたとご報告されております。GPIFをはじめとするアセットオーナーの皆様と、我々アセットマネジャーが、いろいろご指摘もありますように、力を合わせて日本のコーポレートガバナンスの実効性の向上に向けて努力することが重要であると考えておりまして、企業、アセットマネジャー、アセットオーナーをはじめとした、インベストメントチェーンに連なる関係者が、(コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード)両コードの目的を踏まえて、一層の定着を図ることにより企業の持続的成長、企業価値の向上を促す環境整備で役に立つということで、そういう観点から当協会のアンケート結果のご報告を聞いていただければと存ずる次第でございます。

それでは、資料の1ページをお開けいただけますでしょうか。本日は、ここにお示しする4項目に絞ってご説明いたしたいと存じます。

次の2ページにアンケートの概要が示してございます。平成27年度は合計206社の会員を対象にアンケートを実施いたしまして、ここにございますように184社から回答を得ております。アンケートの内容はその下のほうに書いているとおりでございます。この184社のうち、108社から、約59%の回答率で策定済みあるいは策定中と回答いただきまして、その前の年に比べますと約7%増加しております。この方針を策定済み、あるいは策定中とした回答というのは、回答会社を分母にしますと6割程度でございますけれども、3ページの右側のグラフを見ていただきますと、日本株の投資残高ベースで約98%カバーしておりまして、ほぼ日本株の投資をしている会員会社は策定をしておるということでご理解いただいてよろしいんじゃないかと思います。受入れ予定がないと回答している会員は、まず日本株に投資していないということが主な理由でございまして、そういうことで、基本的に策定する必要がないということでやっていないというぐあいに回答を得ておりまして、それは我々としても確認をしてございます。したがいまして、ほぼ全部、策定しておると。少なくともそういう対応の仕方をするぞということはメッセージとして示しておるということでございます。

次の4ページは、本コードの受入れを表明した機関投資家の数、それと、それに占める当協会の会員の数でございます。これは金融庁さんからもご報告されておりまして、本年2月末時点で受入れ表明者数の合計が205社、そのうちの当協会の会員が109社となっておりまして、ほぼ全体の半数以上を占めております。私どものやりましたアンケートの基準日である平成27年8月末現在では、受入れ表明者数の合計は197社、そのうち当協会の会員が108社となっておりました。

次の5ページは、エンゲージメント活動の一環として行う企業との対話において、会員各社が何を重視するかということを示しております。左側のグラフでは、会員が対話において重視する議題をおのおの3つ選んだ結果でございます。企業戦略、ガバナンス体制、株主還元策を重視するというのが上位となっております。右側のグラフにお示ししたように、実際に企業と議論した結果も同様でございまして、会員によるエンゲージメントは企業の持続的成長を促す狙いで行われているとおおまかに言えると思います。こうした結果から、当然でありますが、日本版スチュワードシップ・コードの目的、すなわち企業の中長期的な成長を促すというコードの目的にかなった行動がなされつつあると言っていいと考えております。

次に6ページをおあけいただけますか。ここでは、会員のエンゲージメント活動において企業側の対応が非常に有益かつ有効であると感じたと判断されるという好事例を紹介してございます。具体的な内容でなくて、やや抽象的でございますが、好事例として取り上げておりますのは、コーポレートガバナンス・コードにおける具体的な取組み方針を開示されている、それから、社外取締役の選任を含めたガバナンス体制を確立されている、それから、投資家との積極的かつ建設的な対話姿勢に加えて、わかりやすく、有機的な統合報告書等の開示資料が用意されているということが非常に投資家にとって好事例と受けとめられており、当然でいえば当然であると思います。すなわち、車の両輪がかみ合いつつあるということが言えるのではないか。ただし、残念ながら、課題に示されたような状況もございまして、さらなる改善が望まれると。これはうまずたゆまず努力しなければいけないと、こういうことだと思います。

次に、7ページから10ページは、コードの原則7で機関投資家に求められている実力の具備に関し、会員がどのような取組みを実施しているか。また、投資先企業との対話において会員自身がどのような自己評価をしているかということを示してございます。コードが作成されて以来、約40%の会員がエンゲージメント活動の実効性を高める努力をしていると回答しております。具体的努力といたしましては、8ページにございますように、建設的な対話を行うために、どういうぐあいに社内プロセスを整備するか。実際に対話の能力を向上させるために研修や社内勉強会を実施するということをかなり精力的にやっておるようでございまして、会員各社は真剣に取組んでおるところはかなりの資源とエネルギーを費やしているということが言えると思います。また、結果についての発信力を高めることもこれから望まれるところだと考えております。

エンゲージメントについての会員の自己評価に関しましては、9ページに示されてございます。エンゲージメントの結果、具体的に企業の資本効率の向上を目指した政策が出されたとか、資本政策の具体化が実現したと評価している会員がいる一方で、10ページに示されているように、先ほど申しましたように、企業側の対話の対応の姿勢とか、内容等についてまだまだ課題があるという認識でいる会員がいることも確認できております。実力の具備に関しましては、双方ともさらなる努力が求められるということであろうと思います。我々としては引き続き辛抱強くやっていくということでございます。

11ページをごらんください。会員から対話を通じてエンゲージメント対象企業への改善要望事項を示しております。コーポレートガバナンス・コードの制定を受けまして、企業側の取組み状況も改善されつつあると認識しておりますが、当該企業の経営陣によるエンゲージメントへの関与や、企業のエンゲージメントに対する意識、情報開示内容の一層の充実がさらに望まれる改善要望点であると示されております。

次に、12ページでございます。議決権等行使判断基準体制の整備状況をまとめております。コードの受入れを表明している会員のうち、86%の会員が議決権等行使判断基準を設け、意思決定プロセスを明確化し、議決権等行使指図に対する体制を整備しております。残りの会員につきましては、日本株残高が少ない、取引先が未上場であるなどの理由によって整備がされていない、正当な理由があるということでございます。制定すべきところは制定しているというのが実態であるということを申したいと思います。

次に13ページでございます。ここは、議決権等行使指図にかかわる集計結果をウエブサイト等で公表しているかということについてまとめてございます。コードの受入れを表明している会員のうち、75%の会員が公表している、あるいは公表していない場合でも、その理由を開示してございます。残りの会員につきましては、先ほど申し上げましたように、日本株に投資残高がない等の正当な理由があるということでございます。

続きまして15ページでございますが、ここは議決権行使の賛否をあらわしてございますが、まず会社提出議案に対する賛否の推移でございます。その次の16ページでは、株主提案議題に対する賛否の推移ということになっております。なお、発行体個社の議案ごとの開示につきましては、投資一任契約元である、すなわち顧客であるアセットオーナーの開示に対する考え方というのをエージェントとしてアセットマネジャーが受けて動いておりますので、一般的には個社の個別議題ごとの開示はなされていない現状でございますが、全体としてどのような種類について、どのような投票結果になっているかということはこれで認識できるということでございます。

次の17ページでございますが、会員各社のコードへの対応方針及び議決権行使に関する顧客への説明状況。これは顧客というのはアセットオーナーでございます。年金基金等のアセットオーナーに対してどういうぐあいに報告をしているかということでございますが、下段の左図に示すように、会員のコードへの対応方針についてアセットオーナーである顧客に対する説明状況については、要請のあった顧客にのみ直接説明しているというのが60%となっております。また、右図にある議決権等行使結果の顧客への説明状況に関する回答におきましても、要請のあった顧客にのみ直接説明しているというのが62%となっております。ともに全ての顧客に直接説明しているという回答した運用会社は、一定数存在しますけれども、1割に満たない状況になっております。どうしてこのようなことになっておるかという背景でございますが、やはりエンゲージメントをしっかりやるということについてのコストの面での制約というものが1つあると考えられるのと、顧客であるアセットオーナーサイドの意識と関心の度合いも非常にばらつきがあるということが挙げられると考えております。今後の課題といたしましては、要請のあった顧客がどの程度こういった点を勘案されておられるかということを把握し、スチュワードシップ活動における報告の質をさらに向上させていきたいと考えている次第でございます。

次に18ページでございますが、ここでは運用コンサルタントからの問い合わせ状況というのをお示ししてございます。まず一般的に言えますのは、コンサルタントからの問い合わせ状況というのはあまり活発でないということでございます。かつ、照会内容についても一般的なものにとどまっているということが言えるようでございまして、運用コンサルタントによる、より積極的かつ実質的な評価というのをこの分野においてもしていただけるとよろしいのではないかというぐあいに考える次第でございます。

次の19ページでございますが、左側のグラフで、エンゲージメント活動が反映されている対象商品を示しております。先ほどパッシブの話が出ておりますが、全アクティブ商品のみ、あるいはアクティブ商品の一部のみといったアクティブ運用のみを対象とした運用会社が過半数をやはり占めておりますが、インデックス運用商品を含む全商品を対象としている、すなわちパッシブ運用にまでエンゲージメント活動の結果を反映しているという運用会社も16社ございます。これはまだ少ないということであると思いますが、ございます。エンゲージメント活動をパッシブ運用における保有銘柄にまで行うかどうかという議論につきましては、先ほどご紹介のありましたGPIFのアンケートの公表結果、あるいは海外では大手のブラックロック、あるいはスタンダードライフ社といったアセットマネジャーやノルジェスバンクといったアセットオーナーがパッシブにおいてもエンゲージメントすべきであるという方向性を示しておりまして、この動きはかなり広まりつつあると認識しておりますので、今後、アセットマネジャー、及びアセットオーナーの両者で前向きに検討していく必要があるのではないかと考えております。

最後に、以上まとめとして申し上げますと、まず、日本版スチュワードシップ・コードにつきまして当協会会員は、緒についたばかりであり、また不十分な点も多々あると思いますが、前向きな姿勢で取組んでいると言えると思います。また、やっているうちに本コードにおける課題も見えてきておりますので、アンケート結果を当協会会員に加えて、他のアセットマネジャー、アセットオーナーとも共有して課題を克服し、日本の実効的なコーポレートガバナンスの実現に向けて、ご当局を含めた関係者と協同していく必要があると考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

私からは以上でございます。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

それでは、岩間メンバーからのご説明も踏まえまして、自由討議というふうにさせていただきたいと思いますが、佃メンバー、発言ご希望ですか。

【佃メンバー】

どうも、佃でございます。

冒頭、事務局から企業と機関投資家の間の建設的な対話についてどのように考えるかというお題をいただきました。私は前回の会議をやむなく欠席したために、前回の議事録をじっくり読ませていただきましたけれども、大変有意義な議論がされたという印象を持っております。本日、建設的な対話を考える上で、そもそも論として3点、問題提起をさせていただきたいと思いました。

まず1つは、インベストメントチェーンそのものに対する我々国民、最終受益者の不信感があると思います。企業と投資家の不信感が前回議論されていましたが、それをなくす方策を議論する前に、そもそも我々最終受益者がインベストメントチェーンそのものに不信感を持っているという全体像を押さえておく必要があると考えます。例えば、国民の年金不安の問題がその代表的なものですけれども、リーテルビジネスを見ますと、日本の資産運用業界は銀行や証券会社等の販社サイドの力が強くて、今まで販社にとってもうかる商品開発に傾斜し過ぎていた嫌いがあります。毎月分配型だとかダブルデッカーだとか。投信の回転売買も問題です。先日、金融庁の森長官がとある雑誌で、銀行と証券会社が保険会社の豪州ドル建ての一時払い保険で6、7%の手数料を取っている事例を取り上げ警鐘を鳴らしておられましたけれども、インベストメントチェーン全体を見たときに、我々国民たる最終受益者は果たして適正なリターンを得られているのかどうかという疑問があります。

この観点に立った際に、前回議論されましたアセットマネジャーのガバナンスを強化したり、あるいは金融機関の子会社としての独立性を向上させることが必要であるという点は、今回まさに事務局でも論点に載せておられますけれども、100%同意いたします。ただし、これらの対策というのは、必要条件だと思いますけれども、十分条件ではないと思います。十分条件になるためには、やはり資産運用会社がみずからの運用力を高めることが大変重要だと思います。

例えば、みずからの金融グループの販社サイドから資産運用会社に運用経験のない社長を送り込まない。ちゃんと投資哲学を持ち、バイサイドアナリストの経験とか、あるいはCIOの経験がある人材を育てて、フィデューシャリー・デューティーとかスチュワードシップ精神というのが体の隅々までしみわたっているような、そういう経営トップを選任することが極めて重要だと考えます。また、ガバナンス強化という観点で資産運用会社で社外取締役を複数名選任したとしてもそれだけで問題の根本が解決できると思いません。アセットマネジャーがインベストメントチェーン全体に対して、その運用力で付加価値を出す体制を構築して、独立性を確実に担保していくことが大変重要だと考えます。

ついては、これは金融庁に対するお願いですが、これらインベストメントチェーン全体をうまく機能させるべく、そもそもの資産運用会社の運用力を強化するという観点を重視しつつ、資産運用会社のガバナンスをきっちり監督していただきたいと思います。資産運用業は日本にとって戦略的に極めて重要な産業です。この資産運用業の健全な発展を支援していただくことを期待したいと思います。これが1点目でございます。

2点目は、前回、皆さんご発言されていますけれども、パッシブマネージャーがエンゲージメントを推進することが本当に必要かという論点でございます。前回の会議の議事録を読んでいて、どうにも腹に落ちないところがございました。パッシブマネージャーがほんとうに企業とのエンゲージメントをすることが可能かと。水野さんは、パッシブの運用者こそこのようなエンゲージメントと長期的なサステーナブルな企業の成長について真剣に考えなければいけないとおっしゃっておられました。私もそのとおりだと思います。しかし、アルファを求めない前提のパッシブ運用者が、いきなり企業の経営者と膝を交えて、企業の経営者に気づきを与えられるような高品質の対話ができるのかというと極めて疑問であります。パッシブ運用者に求められる能力と、エンゲージメントが要求する能力があまりにも乖離し過ぎているという現実は無視できないと思います。前回の会議で、「今、10人の機関投資家に会ったら1人か2人しか役に立たないけれども、10人の機関投資家に会ったら9人は役に立つとなったら、企業と投資家の間の不信感がなくなる」という議論がございましたけれども、確かに理想はそうですが、今、申し上げましたような能力ギャップが極めて大きい中で、それをパッシブ運用機関が目指すことが、ほんとうに戦略的に正しいのかどうか、十分に検討する必要があると思います。

そもそも論を考えますと、資産運用業界では、これは日本に限らずグローバルで、アクティブのパフォーマンスが必ずしも、インデックスに勝っているわけではない、パッシブを上回っていないアクティブが多いという根本的な課題があると思うのですけれども、GPIFさんのアセットアロケーションの中で、パッシブ運用者に多く委託している現実があると思います。そこでパッシブ運用者の方にエンゲージメントを促すのがいいのか、それとも、そもそも論として、エンゲージメント活動そのものをコアコンピテンシーにしているようなパフォーマンスのよいアクティブバリューの運用機関への委託をGPIFさんが増やすほうがよいのかを考える必要があると思います。

最終的には、先ほど1点目で申し上げましたように、やはり最終受益者、つまり国民としては、パッシブ運用機関によるエンゲージメントコスト増というのは、それに見合うリターンが望みにくいのであれば負担したくないと思います。水野さんが前回おっしゃっておられましたように、アクティブがあるからバリューも利益を享受できるという構造がございますので、やはりアクティブによるエンゲージメント強化というのをまず最優先の課題として、そこを充実させた上で、その後にパッシブが追随する形がいいんじゃないかなと考えます。

日本企業でよくありがちな、全部自社で対応するという方向性というのは、現在のアセットマネジメント業界が非常にフラグメントである状況では避けたほうがよいと考えます。じゃあどうすべきかということですが、GPIFの自家運用について、先日、冨山メンバーが大変重要な指摘をされていましたが、インベストメントチェーン全体でコストアップを最小化するという意味でも、ここは是非、GPIFさんが中心になっていただいて、資産運用会社とも連携していただきながら、エンゲージメントコストをインベストメントチェーン全体で十分吸収できるような形で、エンゲージメントを強化する必要があると考えております。GPIFさんが前回、日本株のアクティブを自家運用でとおっしゃっていましたけれども、それをやることが最優先課題だと思いますし、その上でパッシブのエンゲージメントについてはGPIFさんを核とした全体の仕組みを考えていくべきだと考えています。

最後、ごく手短に、3点目に、議決権行使に関して、パッシブ運用機関が、いきなりエンゲージメントのドライブをかけていくというのは難しいかもしれませんけれども、せめて最終受益者のためにもしっかりと議決権行使はしていっていただきたいなと考えております。これはどこの企業とは申し上げませんけれども、例えば創業者でないサラリーマン社長が30年以上、社長の座に居座って、業績が芳しくない状況でROEも3%以下です。それでいてものすごく高額な報酬を享受しています。こういう方は本来、やはり機関投資家が動いて解任されるべきだと思うんですね。その会社は取締役会のガバナンスが効いていないからそうなってしまっているわけで、そのような状況ではしっかりと機関投資家が議決権行使をしていっていただきたいと思います。

生命保険さんなどでは、いろいろ法人取引等もあって、なかなか純粋に議決権行使をしにくいというのは理解できますけれども、これはこの機会にしがらみを絶って、機関投資家としての責任を果たしていただきたいと思います。

以上、3点でございます。長くなりました。すみません。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

じゃあ、西山さん。

【西山メンバー】

何点かあるのですけれども、なるべく手短にということで、1点目は前回ちょうど水野CIOが来たときに質問をしたのですが、答えをいただけなかったということで、先ほどもありました企業年金基金のスチュワードシップ・コードの受入れというところに関して、どのように思われているのか。また、最近は、例えば企業年金連合会でスチュワードシップ活動を委託するというような新しい動きなども出てきていますので、そういったこととあわせて、どのように思われているのかということを1点、質問させていただきたいと思います。

それから、その次に、対話というところに関してですが、私、今回、1枚ものの資料を出させていただきました。これは私どもは毎年、お正月には投資家を集めてインベストメントセミナーというのをやるのでありますが、そのときに来ていた機関投資家に対して質問をしたものであります。聞いたのは1月だったので、ちょっと時間がたってしまったので、出すのをどうしようかなと思ったのですが、大きな流れとしては変わっていないんじゃないかなというふうに思いまして、出させていただきました。これは、この左側のほうに4つ選択肢がありますが、ちょうど12月末の段階でガバナンス・コードの開示が終わりましたので、それに対してどのように見ていますかというのをこの4つの選択肢から選んでもらうということで聞いております。回答者数は169ということでございました。結果を見ると幾つか特徴がありまして、1点目としては、まだ読んでいませんという人が、このときは9割近くいらしたということで、これは年末に出て、これを聞いたのが1月の頭ですので、まだ読みきれていませんということであるので、これはある程度、致し方ないのかなというふうに思っているのですが、気になる点の1点目としては、この回答の中で一番多かったのは、読んでいないんだけれどもあまり役に立たないんじゃないのというふうに思っている人が回答割合としては一番高かったということであります。それから、2点目としては、この下のほうの、読んだという人を見ると、この差がもっと広がってしまって、読んだけどあまり役に立たなかったですねという回答割合が、読んで役に立ちましたという回答割合と比べると高くなっているという状況でございました。

これは、個人的に考えると2つほど要因があるかなと思っておりまして、1つは、やはり企業側のほうのコーポレートガバナンス・コードの開示ということが1年目ということはもちろんあったわけではありますけれども、やはりあまり個別企業で独自性が出ているかというと、必ずしもそうではないと。なるべくこのコードにやっぱり対応していく。自社としてどう考えるかという、とにかくこのコードに対して対応しましょうということがどうも主であったような印象があると。それがここの、あまり読んでも役に立たないんじゃないかという回答が多かったということにつながっているのではないかと思います。

それから2点目としては、今度は投資家サイドのほうの問題でありまして、このセミナーに来ている人というのは、ガバナンスをやっている人であるとか、議決権行使を担当している人はもちろんいらっしゃるのですが、普通のポートフォリオマネジャーでありますとか、アナリストの方、この方のほうが数としては多いということであります。ということは、やはりこういった方々にまだ2つのコードの考え方というものが十分浸透しているかというと、そうではないということなのではないかなというふうに思っています。ですから、ガバナンスをやっている方でありますとか、議決権をやっている方にとってはもう当然のことではあるのかもしれませんけれども、そういったポートフォリオマネジャーやアナリストからすると、まだそこまでの認識が十分ではないと。そういう意味からは、これから対話を拡充していきましょうということではあるわけでありますが、少しまだ企業のサイドと投資家のサイドのほうの溝というんですか、ギャップというのは少し大きいのかなという印象を、このアンケートをとったときに受けたところであります。

これに関連して対話ということで、先ほどパッシブのエンゲージメントということがお話にありましたが、これも何回かちょっと申し上げているところでありますけれども、やはり機関投資家サイドで、そうはいってもエンゲージメント活動をしていくということに関しては、やはりかなり限りがあるだろうというふうに思っております。ですから、例えばパッシブでエンゲージメントをしていきましょうということになった場合に、多くはインデックスがトピックスになっているということでありますので、1,800社ぐらいが基本的には対象になるわけであります。そこから何社か選んでいくということになるわけでありますが、その一方で、逆にトピックスに採用されると、例えばGPIFとか、そういった年金の運用対象になるということですので、コーポレートガバナンスの開示というのを一生懸命やっても、あまりやらなくても、そんなに大きな差が出ないということになってしまっているのではないかというふうに思います。ですから、とりあえず一通り開示が終わって、これから対応していきましょうということであっても、逆にその対話はあまりしなかったからといって、どういうデメリットが出てくるのかということに関して、あまり認識されていない部分があるのではないか。ですので、個人的にはやはりインデックスを絞っていくということ、そういった対象を絞っていくことによって、そういった対話をしていくことが、結果としてそういった年金の運用対象でありますとか、インデックスの運用対象になるという、ある意味のリワードと言ったらいいんでしょうか、そういったものがやはり必要なのではないかなというふうにも感じているところでございます。

あと、もう1点だけ。むしろ前回のお話に近いのですけれども、昨今、またCEOの選任等に関していろいろお話が出てきているわけでありますが、これも1回目にお話をしたことでありますが、ぜひ、日本の中で顧問でありますとか、そういった方々がどれぐらいいらっしゃって、どういう役割をしているのかというのは、我々ではとても調査できないので、ぜひ調べていただきたいなと思っています。もちろんいろいろな役割があるので、まずどういった役割をしているのかということを把握するというのはすごく大事だと思っておりますし、また、人事ということに関係した場合、もしも人事に関係するという方がいらっしゃるのであれば、例えばガバナンス・コードの情報開示のところのCEOの選任等の手続のところにそういった方がいらっしゃるとか、そういった開示をしていくとか、そういったことなどがあるとよいのではないかなと考えています。

長くなってしまったのですが、以上です。

【池尾座長】

西山さんの最初の質問に関連したご発言ですか。

【岩間メンバー】

佃さんです。

【池尾座長】

佃さんに関連してですか。どうぞ。

【岩間メンバー】

非常に耳の痛いアドバイスをいただいたというぐあいに思っているのですけれども、1つ、インベストメントチェーンに対する不信感ということについては、やはり我々バイサイドとしてはフィデューシャリーをちゃんとしっかり果たせるかというのが肝でありまして、これはいみじくも既に大きく取り上げられて、これからどうしていったらいいかということを抜本的にご議論いただくということになっていますので、それに我々も積極的に参加していきたいということで考えております。我々の業界というのは純粋にバイサイドでございますので、そういう意味でも中核的に動いていかなければいけないだろうと思っているというのが1つでございます。

それから、パッシブについては、あれは私の理解ではアルファを求めているのではなくて、ベータを上げようという努力であるということですね。したがって、その全部にエンゲージメントするというようなことではなくて、セレクティブにやろうということで、これはインデックスマネジャーであっても、規模の大きなところはやることはできるわけです。ですから、そういう観点ではやるという取組みは進んでおるというぐあいに私は理解しておりまして、それはメークセンスであるというぐあいに思っている次第でございます。

以上です。

【池尾座長】

じゃあ、江良メンバー、お願いします。

【江良メンバー】

ありがとうございます。

このテーマについて発言するのが実は初めてなので、投資家と企業間の対話についてどのように考えているのかということを少しご紹介し、また、今、さまざまな方からご指摘いただいたパッシブ運用についてどのように考えているか、大きく2点をご紹介できればと思っています。

まず対話ですけれども、これは我々としては非常に重要なものだと捉えておりまして、当然、中長期的な観点から企業経営がなされることを期待していますので、そういった期待を、きちんと経営を担う経営者の方々、あるいは現場の方々にお伝えすることで、投資家としてもきちんとそのような姿勢を応援する。そしてさらに、そういった経営が実際にきちんと行われているかどうかを確認するための手段が、対話なのではないかと考えています。

一方で、対話という言葉は定義があるようでない言葉でございまして、先ほど岩間さんのほうからもプレゼンがありましたように、実際の対話の中身というのは非常に多様性があるというのが現状だと思います。そして、状況によって、その中身やアプローチも大きく変わるものであるとも考えています。現状ですと、事業会社の方々からさまざまなご相談、例えばガバナンスだったり資本政策だったり中期経営のあり方、あるいは様々な他のテーマについてご相談いただいたものについて投資家という立場からフィードバックを返していく、すなわちサウンディングボードというような役割を果たすケースが主要なものではありますが、一方で重大な課題があるような場合についてはこちらから、プロアクティブに、企業さんに対して説明や対応を求めるというケースも非常に増えています。

そして、そのようなケースにおいては、中期経営の確認、具体的にはきちんと将来の成長を担保するような投資など、各種経営の施策が実施されているのかどうかということを確認しているということです。また、アプローチについても、経営者や経営戦略を応援するケースも多くありますし、一方で、素朴な質問の投げかけをしたり、あるいはこういった違った考え方もあるのではないか、いわゆる気づきを与えるという点を意識した議論をするケースもあります。

ただ、当然ですが、最終的な経営判断というのは経営者にお任せするというのが、主たるスタンスであると思っておりまして、当然、さまざまな意見は申し上げるのですけれども、そういった意見を踏まえて、最終的にそういった意見とは異なる経営が行われるということについても、それは当然、十分理解はしています。ただ、そういった意見を申し上げることで、違った視点を何かしら経営に生かしていただけるのではないかという思いがあるため、そういったことを申し上げておりまして、その背景には、よりよい企業経営の実現について、役に立てるのではないか、役に立ちたいという思いがあります。

実は、論点のいただいたペーパーの中の1番目にある、形式的な対話をどのように回避するかという点においては、この思いというのが非常に重要ではないかと思っております。個人的には「愛のある対話」と勝手に呼んでおりますが、愛のある対話というのは、投資家側が投資先企業のためを思い、持続的成長や企業価値向上のために役立ちたいという意思がある対話、要は、投資家側も投資先企業の持続的成長を支えるパートナーという意識をもっと持って対話に臨むという姿勢が重要ではないかと考えています。 そのため、まさに本会合において、そのような姿勢やアプローチが大変重要であり、そのような対話の姿勢を奨励するような土壌づくりを是非促進していただきたいなというのが1つです。

さらに実質的な対話においては、当然、企業サイドのご協力というのも不可欠になってくるわけでございまして、対話への積極的な姿勢を示していただける企業様というのも非常に増えておりますが、一方でそうではない企業や経営者も少なくない、というのが個人的な印象でございます。誤解を恐れずに申し上げますと、投資家対応を昔ながらの株主対応と勘違いされているような会社さんも依然としていらっしゃるというのも率直な感覚でございます。一方で株主を持続的成長するためのパートナーとして捉えて、企業経営にうまく活用されている企業や経営者の方々も増えていらっしゃいますので、後者のケースをより奨励するような形で、このあたりの意識改革もさらに推進いただければと思います。実際に、我々の対話の数ということから申し上げると、状況は変わってきておりまして、実は企業様から対話のリクエストを頂戴するケースが非常に増えており、結果的に全体の対話数に占める割合というのも、企業様から対話のお声がけをいただくケースのほうが多い状況ですので、こういったいい流れをより応援していくような雰囲気づくりができるといいなと思っております。

またパッシブについてなのですが、まず当社の取組みとしては、パッシブもアクティブも含めて全ての運用においてスチュワードシップ活動を実践しています。さはさりながら、パッシブ運用の割合というのも非常に大きい投資家ですので、そういった観点も踏まえてパッシブについてどのように考えているかということですが、まずは株を売却するというオプションが原則としてない、そのため対話というのは有効であるということを申し上げております。ただ、一方で、これは佃委員からもご指摘いただいた点かと思うのですけれども、当然、対話を含むスチュワードシップ活動というのは、運用戦略との整合性というのが非常に重要であると思っておりまして、パッシブ運用、あるいはいわゆるメーンストリームと言われている運用会社の運用の特徴を申し上げると、分散投資と低コストであると考えられますが、この点において集中的に企業に対してエンゲージメントをするという活動と相性が必ずしもいいとは限らないケースもあるというのが事実だと思います。ですので、当社は、対話などの活動について積極的にやっていくという責任があり重要な活動であると捉えているのですけれども、そのように捉えない運用会社があったとしても、これは何らおかしくないということをあえて申し上げたいと思います。

また、先ほど申し上げた愛のある対話は、非常にコストがかかるということもありまして、これもご指摘いただいた点ではありますが、対話などに関するコストの負担については、インベストメントチェーン全体でどのような形で負担していけばいいのかというのはほんとうに重要な課題であると思います。

長くなりましたけれども、以上でございます。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

じゃあ、小口メンバー、お願いします。

【小口メンバー】

ありがとうございます。

今日何度かフィデューシャリー・デューティーという言葉が出てきていますが、これは前回も申し上げたのですけれども、本日ご欠席の神作メンバーから、スチュワードシップ・コードのスチュワードシップ責任は、法的責任ではないものの、フィデューシャリー・デューティーと親近性のある概念と教えていただいているので、その枠組の中でお話ししたいと思います。そもそもスチュワードシップ受入れ機関は、このスチュワードシップ責任を自ら受入れているわけですよね。手を挙げて受入れ表明をしているのです。スチュワードシップ責任は何かというと、今日、コピーでスチュワードシップ・コードが配られていますけれども、最初の枠の中に「スチュワードシップ責任とは」と定義付けがあります。その最後に「最終受益者を含む顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任」と目的が示されていますが、これはまさに受託者責任、フィデューシャリー・デューティーということになります。法的な議論はいろいろあるのかもしれませんが、少なくともスチュワードシップ・コードを受入れた機関投資家は自らこの責任を負っていると表明しているので、フィデューシャリー宣言は投信等に関係すると聞いているのですけれども、機関投資家がスチュワードシップ・コードを受入れるということは、自らフィデューシャリー宣言をしていると同じような側面もあるのかなと思っています。

フィデューシャリー・デューティーの重要性については今日も指摘されていますけれども、前回、GPIFの水野CIOもおっしゃっていたとおり、機関投資家は自分のお金ではなく、人様のお金を預かるということになると、フィデューシャリー・デューティーは憲法みたいなもので、もう絶対、無視できない極めて重要なものだということになります。ただ、フィデューシャリー・デューティーは具体的に何のことなのかというのはやや漠としているかと思うので、2点ほど内容についてご紹介したいのですけれども、過去の議論の中で2つ義務があると言われていまして、一つは忠実義務、それからもう一つは注意義務です。忠実義務は、とにかく受益者の利益だけしか考えちゃいけません、他人の利益を優先しちゃだめ、いわゆる利益相反をしちゃだめということで、ノーコンフリクト・ルールと言われていて、それから受益者に隠れて利益を得ちゃだめということで、ノープロフィット・ルールと言うのですが、この2つが忠実義務の中核と言われているわけです。

指針の2−1を見ていただくと、「機関投資家は顧客・受益者の利益を第一として行動すべきである」と、受益者責任の忠実義務が書いてあるわけです。しかし、その後に、「スチュワードシップ活動を行うに当たっては、自らが所属する企業グループと顧客・受益者の双方に影響を及ぼす事項について議決権行使を行使する場合など、利益相反の発生が避けられない場合がある」と、現実の世界が書いてあります。先ほどから金融グループに所属しているとか、利益相反についてお話がありますけれども、全ての利益相反から隔離されるには、ほんとうに独立した会社で、極めて限定的な存在しかあり得ないので、利益相反が発生するのは事実としてあると思うのです。ただ、残念ながら、日本の場合はそういう形態が多いので、冒頭、事務局からもご指摘があったのですが、海外から見ると、やはり日本の機関投資家の利益相反というのは極めて特徴的で、一体どういうふうに管理されているのか懸念を持って見られるというのは、これは正直言って否定できない事実としてあるわけです。

それでどうするかということですけれども、そうなると、実は指針2−2の「機関投資家は、こうした認識の下、あらかじめ想定し得る利益相反の主な類型について、これをどのように管理するのかについての明確な方針を策定し、これを公表すべきである」というエクスプレインのほうがもっと大事で、実質的には重要な意味を持っていると思います。本来、利益相反は遮断しなきゃいけないし、極論したら全部独立の運用会社にならなければいけないのかもしれませんが、それは無理だとすると、これをどうするかということです。そのやり方として、例えば海外では、これはある意味、李下に冠を正さずということかもしれませんけれども、外から見て利益相反があるんじゃないかと見られる企業に対して議決権行使とかスチュワードシップ活動をするときには、独立した第三者にアウトソーシングしてしまう、そういったことであらかじめ利益相反の管理を図るようなことが行われているわけですね。これが必要十分かどうかは議論がありますけれども、そういう対応があるわけです。

利益相反の問題は企業においても当然重要な話で、じゃあ、コーポレートガバナンス・コードの中ではどう管理されているかというと、これは、原則4−7(iii)ですが、独立社外取締役に利益相反を監督する役割・責務が期待されているわけですね。ですから、企業にも当然、利益相反があるのだけれども、その監督は独立取締役が中心になるというのがコーポレートガバナンス・コードのたてつけになっています。

一方、スチュワードシップ・コードについては、利益相反があります、その発生は避けられませんと言いながら、じゃあどう対処するかということについての原則は示されていないわけです。ですから、利益相反の話というのはずっと出続けると思うのですけれども、そうすると、コーポレートガバナンス・コードにおける独立取締役が果たすような、対外的に納得性のある対応とエクスプレインを自らが示さない限り、どうしても外から見ると利益相反の懸念というのが残り続けてしまう。

では、さきほどの話ですが、独立した第三者に丸投げして済むかというと、そんなことはないですよね。これは西山メンバーがご指摘した委託の話になるのかもしれませんけれども、インベストメントチェーンは、どこかに委託外注しても、きっちりつながっていて初めて受託者責任が果たされるということだと思います。事務局のペーパーの一番下で、議決権行使助言会社について「機関投資家も、議決権行使助言会社の助言に形式的に依拠するのではなく、助言者の質等を具体的に検証するなど、自ら実質的な判断を行う必要」が書かれていますけれども、これは議決権行使助言会社だけじゃなくて、アセットオーナーがアセットマネジャーに委託するときもそうですし、ほかのサービス提供会社に外注するときも当てはまる考え方です。ここで、フィデューシャリーにおけるもう一つの義務である注意義務が重要になってきます。注意義務というのは、専門家として最善のプロセスを踏む義務ですけれども、慎重で十分な配慮に基づく最善のプロセスをもって、外注するならちゃんと専門家を選ばなければいけないし、きっちりモニタリングしなければいけない。その責任を果たすことでインベストメントチェーンが途切れることなく、利益相反とかいろいろな問題があるので、現実問題として外に出すことが不可避だとしても、出したらそこで責任が切れるということではなくて、フィデューシャリー・デューティーの輪がつながることによって、委託者が実質的な監督を果たしていく。そのようなインベストメントチェーン全体をカバーする仕組みを考えていくというのが、今の日本のアセットマネジャー、アセットオーナーが受託者責任を果たす上での実質的な対応になるのではないかなと思っています。

以上です。

【池尾座長】

高山さん。

【高山メンバー】

私のほうからは、先ほどから話題に出ている投資家と企業の間の対話、特にガバナンスに関する対話について、企業側がどのように見ているのかについて、例を挙げながら説明させていただきます。

海外と国内に分けてお話しします。海外の場合は、先ほど事務局のほうから海外の投資家から出された意見書について説明された内容からわかるように、海外の機関投資家の日本企業のガバナンスの状況に関する関心は依然として非常に高い、現在も高い状況にあります。そういう状況を踏まえて、最近、日本企業の間で少しずつ増えているのが、海外の投資家に対するガバナンス・ロードショーの実施です。通常のIRロードショー、海外IRのミーティングというのは、過去10年、20年にわたって、日本企業はずっとやってきているのですけれども、IRのミーティングの場合は、主として経営戦略であるとか、財務パフォーマンスの話が中心になります。しかし、ガバナンス・ロードショー、ガバナンス・ミーティングの場合は、企業のガバナンスに対する考え方、取締役会の監督機能に対する考え方、それらと中長期的な価値創造のつながり、そういったところにフォーカスするミーティングとなっています。

ミーティングで会う機関投資家は、通常のIRの対象者である中長期運用のメーンストリームの投資家ではあるのですけれども、参加者はガバナンスの担当者が主であり、場合によっては、それに加えて運用担当者も同席するというようなミーティングとなっています。弊社も複数そういうミーティングに立ち合ってきました。そのような会社は、英語でガバナンスの状況についてかなり開示しており、ミーティングの前に投資家はその内容を読み込んでおり、取締役会の実態に関する実質的な議論を、多くの海外投資家、アメリカ、ヨーロッパ、イギリスなどの投資家と行った例が多くあります。これは海外のケースです。

次に日本について、日本の投資家と日本企業の間の対話の実態について話します。ガバナンス・コードをきっかけに、ガバナンスの実効性の向上に真摯に取組んでいる企業は、取締役会のあり方について取締役会でかなり議論しています。それをベースに日本の機関投資家と話したいと考え、実際に多くのミーティングを持っています。ただし、企業から見ると、投資家の対話の質にかなりばらつきがあります。非常に充実した対話ができる投資家と、残念なケースに分かれています。

後者の残念なケースの例を幾つかご紹介します。ある企業の経営陣が、ガバナンス・コードに対する取組み方であるとか、それから、取締役会の構成に対する考え方についてきちんと説明し、その後に投資家に、「何かご質問ありますか」と聞いたところ、プレゼンテーションの内容については全く反応がなく、ただ、「当社の議決権行使の方針について何か質問ありますか」という簡単な返答しかなかった、非常に残念に思った、というケースがございました。

それから、社外取締役の話題も投資家との対話でしばしば出るのですけれども、これはしかたがないところがありますが、人数や独立性といった、重要なポイントではあるものの、やや形式的、外形的な話が中心で、実質的な話にはなかなかならない、ということもありました。

同じく社外取締役に関する議論で、ある投資家は、社外取締役に期待するところはCEOの首を切れるかどうかというところであり、そこに尽きると述べたとのことです。そして、その投資家とのミーティングは、有事の話を中心とした話に終始してしまったそうです。もちろん、CEOの選解任はガバナンス上、非常に重要なところではあるのですけれども、その企業としては、有事も重要ですが、平時において、社外取締役が取締役会での議論を通して自社の企業価値の向上にどういうふうに貢献しているか、そういったところをもっと話したかった、話の内容がかなり偏ったものになって残念であった、というようなケースもございました。

また、議決権行使の基準に関してこのようなことがありました。行使基準の内容は投資家によって異なりますが、多くの投資家は、社外取締役を一定数置くことを求めています。ただ、一部に、ROEの数字が一定以上であれば、社外取締役を特に求めないといった趣旨の基準を持っているところもあるようです。これは、企業側から見ると、昔の議論に戻る、つまり、企業のパフォーマンスがよければガバナンスはあまり問わないといったような話に戻るようにもとれて、少し混乱するところもある、といったような話もございました。

残念なケースばかり挙げてしまいましたが、ガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードができる前は、このような議論も投資家と企業の間でなされることがあまりございませんでした。この2、3年の間に急速に、ガバナンス、取締役会のあり方についての議論が、まだ不十分であるかもしれないけれども、進んでいるのは事実です。この変化のスピードというのは非常に早いということが言えると思います。先ほど、岩間メンバーもおっしゃられたように、ガバナンスの進化、対話というのは、うまずたゆまず努力していくことに尽きると思いますので、今後、企業と投資家の双方の努力により、さらに充実した対話ができるのではないかと期待しています。

以上です。

【池尾座長】

では、冨山メンバー、お願いします。

【冨山メンバー】

岩間さんの出していただいたレポートの5ページ目かな、重視する事項と議論した事項、実は左右比較を見ていてちょっとおもしろいなと思ったのは、アジェンダとして挙げるのは上品じゃないんだけど、実際議論するとわりと増えるというのが全部、人事にかかわるところなんですよね。人事にかかわるところが増えるんですね、議論としては。これ、やっぱりある意味では、ある種の本音としての本質を突いていると思っていて、やっぱり企業は人なりでありまして、これはずっと出ている議論で、CEO及びその後継人事、それから取締役の人事、この議論を外してエンゲージメントはあり得ないんですね。そこはある意味でこれは本音が出てきて、そういう意味では正直にやられているかなと思いました。

最近起きた事件についての私の意見は、昨日の日経新聞に出ておりますので、今日はここでは述べませんが、それはそれとして、これもだからある意味では、このエンゲージメントの議論に置きかえていくと、要は、ちょっと今回の事案で、新聞に出ている事案で言うとちょっと残念だったのは、あの問題についてなぜ国内の機関投資家は問題提起をしなかったのだろうかと。なぜ外資だったんだろうかという点ですね。おそらく、あの会社の中で起きているもろもろのことについて、国内の機関投資家は知っていたはずです。いろいろな議論があったけれども、あの後の記者会見を日経さんがテレビで1時間丸々報道していましたが、あの1時間余りの記者会見を見る限り、やっぱり伊藤邦雄さんの判断は正しかったなと私は思いました。相当、目が点になるような記者会見というか、「大丈夫かな、この人たちは」という記者会見、皆さん、絶対あれ見たほうがいいです。あれはある意味で日本のコーポレートガバナンスの実態を如実に、そのまま生放送という感じがあったので、要は何が言いたいかというと、ちょっと残念だったような気がしています。

その脈絡で、実は佃さんの話につながるのですが、やっぱりインベストメントチェーンに関していまいち感ってやっぱりあるんだと思うんですね。なぜ外資に言われなきゃいけないかということに関して言うと、残念感がやっぱり漂っています。それで、これ、現象面で言うと、日本の株式市場が極めて外人さんの売り買いで、いわゆる外人投資家の売り買いで変動するんですね。でも、その一方で、日本は先進国で圧倒的に海外直投が少ない国なんですよ。海外直投がめちゃめちゃ少ない国なんだけれども、株式市場が外人の売り買いで振り回されるっていう、ある意味非常にゆがんだことが起きている。海外直投も高くて、かつ、株式市場が外国投資家に振り回されるなら、これはわかるんですよ。わかるんですけど、要は、投機的な、ギャンブル場としては関心が持たれているけど、真面目な投資先として関心持たれていないって、この問題ですね。裏返して言っちゃうと、逆に言うと、その一方で国内の家計金融資産が異常に預金に寄っているという問題があります。これは、もともとプロの方がいっぱいいらっしゃるので釈迦に説法ですけれども、本来、エクイティーマーケットというのは、ボンドマーケットと比べるとドメスティックなものなんです。どこの国に行っても。ボンドというのは、極めてコモディティー的な商品ですから国際化しやすくて、むしろエクイティーマーケットというのは本来ドメスティックなので、本来エクイティーマーケットの中心を支えるのは、当然のことながら国内の家計金融資産であるべきで、あるいは国内のアセットオーナーであるべきで、そうすると、そちらにお金が寄っていかないというのはなぜなんだろうかと。これはいろいろな議論がありますけれども、私はその一つには、佃さんが言われたように、やっぱり株式投資っていうのは何か、とにかく先祖代々、小豆相場と同じで手を出すもんじゃないぞと、やっぱりそういうふうな感じって、これは正直やっぱりあるし、結局のところ、これはアセットオーナー及び機関投資家、投資をする側がそういう信任を残念ながら一般家計、平均的なサラリーマン家計と言ったらいいんでしょうか、平均的な庶民から信任を勝ち得てこなかったというのも一つの側面として私は否定できないと思うんですね。

そこを多分、この前、森長官は問題意識を持って提起されたんだと思いますが、私はその点はやっぱり、要は資産運用側の人たちは真摯にみずからを省みて、どうやったら日本の家計金融資産のメーンの流れが預金から、「銀行よ、さようなら。証券よ、こんにちは」でしたっけ、斉藤惇さんが「就職するときにあの言葉に乗せられて、俺、野村行っちゃったんだよな」って言っていましたけど、あれ、昭和40年ぐらいの話ですから、もう50年、60年言われ続けている話をどう実現できるかということがこの根本の議論になるんだろうなと思っています。

その脈絡で資産運用会社の議論なんですが、これ、結論から言っちゃうと、私は、いわゆるサラリーマン型企業の子会社として資産運用会社をやるというモデルはもうそろそろやめたほうがいいと思います。これには2つの問題があって、1つは利益相反の問題がもちろんあります。もう1つの問題は、資産運用の世界、これはベンチャーキャピタリスとからいわゆる機関投資まで、全てのアセット会社にとって共通なんですが、これはプロの世界です。いわゆる日本型正規雇用の正社員のサラリーマンジェネラリストのゲームではありません。もちろん、そういったモデルのほうが、例えば製造業なんかはわりとフィットがいいんですけれども、ただ、製造業なんかでも最近、ITとかAIとかにちょっと疑問があるんですけれども、要は、少なくともこの領域はプロスポーツと同じで、残念ながらサラリーマンジェネラリストと呼ばれている、何でもできるようで、何もできない人たちのゲームじゃないです、これ。結論から言っちゃうと。ですので、今の基本的な業界構造自身をやっぱり抜本的に切りかえる時期に私は来ているように思います。そういう意味合いで言うと、やっぱり金融庁としてその切りかえを促すようないろいろな制度的な規制なのか改革なのかわかりませんけれども、やっぱりそれを促す時期に来ているような気がしています。

その脈絡でもう1点言っちゃうと、これ、今日の資料よりGPIFというのは極めてまともです。誰がどう考えても非常にまともな組織です。そんなまともな組織が直接株を運用することに反対している人たちの、私はやっぱり見識を疑う。ばかじゃなかろうかと思う。もし国家権力云々を言うんであれば、じゃあ、官民ファンド全滅ですよ、これ。私がやっていた産業再生機構以降、これ、もろに国が持っているんですから。議決権持って、議決権行使するんですから。これね、もしあれに反対するんだったら、全ての官民ファンド廃止せよと即、あれに反対している組織は表明すべきです。はっきり言って、言っていることが論理矛盾なわけで、ですから、やっぱりこういった幼稚な議論はもうやめたほうがいい、はっきり言って。もう、だからGPIFの議論、もう一度、大いに蒸し返すべきで、やっぱり直接株を持つことを認めるべきです。かつ、議決権行使をすることを認めるべきだと、私は改めて思いました。今回の一連の資料で。

それから、その脈絡でもう1つ言っちゃうと、パッシブの関連と、今回まだ出ていませんが、議決権行使助言機関、要は現実問題としてパッシブのところからみずからなかなかやれないということになると、やっぱり議決権行使助言機関の役割は大事なんですね。彼らもスチワードシップコードにサインしているらしいです。だけど、以前申し上げたように、一部の助言機関ほど形式基準でやっているところはなかなかないです。ちょっと真面目にやってもらわないと困るわけで、彼らもやっぱり、ちょっと今日はね、資産運用会社が被告席ですけど、次回は議決権行使機関を被告席にやっぱり。これ、だって、順番に。前は企業の側が被告席で、次は資産、最後は議決権行使機関、これ、順番にみんなでちゃんと反省しないと前に進めないので、そこはぜひともやってほしい。

最後に、もう1つ、その脈絡でちょっと発展形になっちゃいますけれども、実は、こういうエンゲージメントの議論の副作用があります。副作用というのは、これはどうしても玉石混交、悪貨良貨、両方混じるのですが、アクティブの中には要するにグリーンメーラー系の人たちがいます。これはやっぱり百害あって一利ない人たちなんですね。便乗するんですよ、こういう流れに対して。おそらく経済界もそれを一番心配しているはずなんですね。そのときに、これは逆に言うと、経済界自身に自己矛盾があるのですが、私は支配株、いわゆるアメリカとかでは一般的に確立している支配株主の株主共通の利益に対するフィデューシャリー・デューティー、信任義務の法理はやっぱりこの国でもちゃんと確立したほうがいいと思います。あの議論についてなぜか経済界が反対しているという話を、私はかかわっていなかったので聞いているんですけれども、あれ、変ですよ、やっぱり。私も一応、経済界の1人なんで、私は反対しておりません。何か言いたいかというと、日本の今までのコーポレートガバナンス強化の歴史というのは、どちらかというと取締役会を強化することが嫌だったせいで、株主総会はどんどん強くなってきているんですね。多分、日本の株主総会もやっている権限というのは世界最強です。それは先進国の中では最強です。そうなってきた経緯があります。その一方で、ですから、株主権が強いんですね。株主提案権も含めて、めちゃめちゃ株主権って日本は強いんです、実は。その一方で、ある程度の株を持った支配的な株主が議決権を行使するに当たって、その他少数株主、要するに株主共通の利益に対する信任義務を負うという法理は日本には事実上、存在しておりません。株主権の乱用の法理がありますか、これは極めて限定的です。これについて、なぜかずっと経済界が反対してきたということになっているんですけれども、私はよくこの理由がわからなくて、要するに、これ、グリーンメーラー、すごくやりやすい状況をつくっているんですよ。なので、グリーンメーラーは日本を狙います。要するに日本が一番安全に勝負ができるんですね。これ、ほんとうかうそか知らないですよ。ほんとうかうそか知らないんだけれども、経済界が反対してきた理由は、いわゆる日本において親子上場が多いので、親会社が上場している子会社に対する議決権行使に際してそういった法理で訴えられたらかなわないという理屈なようです。というふうに私は聞きました。ある有名な法律家から。

これはとんでもない話で、子会社を上場しちゃっているわけですね。となると子会社も独立の公器なわけです。公器である子会社に一般株主がいるときに、親会社の利益に基づいて子会社の議決権行使するとしたら、これはもうとんでもない話で、だったらやめればいいんです、親子上場は。なので、これは私は反対理由にならないと思っているので、やっぱり今日はフィデューシャリー・デューティーという言葉が1つのキーワードになっていますけれども、私はそれは全ての立場においてこの議論は大事な議論なので、これはちょっと金融庁というより法務省なんですかね。だけど、この議論はもう一度やっぱりやるべきだと思います。というのは、環境が変わっているので、今の環境においてどうやったらこういう、要するにここで大事なことは、真面目にエンゲージメントをやる、誠実で、真にフィデューシャリー・デューティーの責任感を持っている投資家を応援することですから、一方でそういうくそみたいなグリーンメーラーはやっぱり排除していかなければいけないので、そのことを考えると、この議論はもう一度やってもらいたいなと思います。

以上です。

【池尾座長】

ご都合でちょっと早めに退席されるということなので、先に川村メンバーからご発言をお願いします。

【川村メンバー】

ありがとうございます。

議決権行使に関してちょっとだけ申し上げたいんですけれども、議決権行使で、あれは佃さんがおっしゃったんだと思うんですけど、例えば3年間ROEが3%しか出ない社長さんは首にしなさいという、そういう議決権を行使しろというお話がありましたですね。やっぱり今、日本の中で、日本の生産性がなかなか上がってこないというような話の中で、企業に対するいろいろな意見が的確に届かないというようなところがやっぱり今の中にはあると思うんですね。ですから、今の状況では議決権行使というのはそんなところにはもちろん及んでいませんけど、今までの議決権行使というのは取締役の候補者が利害関係のある会社の候補者に推薦されているとかしないとか、そんな程度しかないんですけれども、しかし、この会社のこの利益の状況じゃ責任を果たしていると言えないというような、そういう厳しいことをやっていけば、日本の今、諸外国に比べて非常に劣っている生産性、具体的に言えば、利益の額とか率とか、そういうようなところを持ち上げるのに貢献できるかなという気もしていまして、したがって、企業側に関してはそういうことを大いにやっていただきたい。そのほうが日本全体のためになると思います。

もう1つは、機関投資家側に対しては、今、冨山さんが言われたように、機関投資家側に対してほんとうに責任を果たしているのか、フィデューシャリー・デューティーがちゃんとなされているのかということに関しても、今まで以上にやっていただきたい。ですから、形式的ないろいろな議決権行使だけじゃなくて、もう少し中身に踏み込んだ議決権行使というのにつながるようにして、日本経済全体の活性化に、あるいは機関投資家に対する一般庶民の不信感を少しでも除く方向に使えるようなところまで行くと本物だなという気はしました。

そういう感想をちょっと申し上げました。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

じゃあ、キャロンさん。

【キャロンメンバー】

西山さんの調査の結果を大変興味深く拝見いたしました。これは愛のある対話になるか分からないのですが、私なりにこの数字の解釈を申し上げさせていただきたいと思います。まずは、ご安心くださいということです。1月時点の投資家へのアンケートで上場企業各社のコーポレートガバナンス報告書をまだ読んでいないという投資家が多くても、それが日本のコーポレートガバナンスが進んでいないという解釈にはなりません。コーポレートガバナンス報告書は、「投資家に読んでもらう」ためのものではなく、むしろ「企業に書いてもらう」、「企業に誓約してもらう」ものであり、それにより企業のコーポレートガバナンスへの意識と行動に変化を与える、行動を促すためのものです。運用会社のスチュワードシップ・コードへの対応と同じです。GPIFのアンケート結果にも、機関投資家のスチュワードシップ活動という行動に変化がもたらされたことが結果として現れています。コードの最も大きな効果は、意識改革。企業側の意思表明とコミットメントです。企業側にとってこのコーポレートガバナンス・コードが行動を起こしたきっかけになっているかということが重要なのです。これはこれから調査や研究結果が出てくると思いますが、明らかに前向きな変革に繋がっていると思います。

日本の改革は着々と進んでいますが、一方、皆さんがおっしゃっておられるように、問題点も残っています。敢えて1点だけ申し上げたいと思いますけれども、本日の資料1の【これまでのフォローアップ会議における意見】の3番目ですが、佃メンバー、冨山メンバーのおっしゃる通り、議決権行使の利益相反の弊害については、市場参加者の誰もが認識している重要な課題です。「株主」というのは、「純株主」と「利害関係株主」に分類できると考えています。「純株主」は株主として経営を見て、議決権行使の判断を行いますが、「利害関係者株主」は発行会社との利益相反関係が根底にありますので、「純株主」のように「株主」として議決権行使を行えるはずがないのです。例えば、生損保が顧客に当たる発行会社に対して反対票を入れることができるでしょうか。議決権行使は最終受益者、すなわち国民のために行われるべきなのですので、この構造問題はむしろ省庁からの何らかの規制やガイドラインがなければ問題解決にならないのではないかと考えています。正しい議決権行使があって初めて、正しい経営を支援できるわけですからで、ぜひその点を皆さんと共有させていただき、省庁にご検討をお願いしたいと思います。

【池尾座長】

上田メンバー、お願いします。

【上田メンバー】

ありがとうございます。

今日はいらっしゃらない方について、そもそもメンバーじゃない方について欠席裁判になってしまうのですけれども、まず岩間様のプレゼンテーションで17ページとか18ページにある顧客というのは、アセットオーナーのことだと思うのですが、及び年金コンサルのことが書かれてありますが、ここは意外と重要かなと思っております。先ほどから、議論に出ておりますインベストメントチェーンのかなめというか、一番重要な存在というのはやはりアセットオーナーだと思っております。受益者と結びつく立場で、資金量も大きいですし、プロのアセットマネジャーを採用できる立場にあるということで、事実上、インベストメントチェーンを動かせるかなめなのだろうなと思っております。

前回、水野さんに相当正直に質問をぶつけて、正面から答えていただいたので、気をよくして今日はその続きをお話しさせていただいています。つまり、やはりアセットオーナーの関与が大事であると。本日の資料1にもそういったことを書いてございます。特に、アセットオーナーは公的年金とともに私的年金、すなわち企業年金にこれを参加をいかに促すかということが大切です。例えば企業年金向けの調査なんかを拝見していますと、3割の企業年金はスチュワードシップ・コードに興味があるとされます。さらに、そのうちの6割、3割の6割で18%ぐらいの企業年金は、議決権行使状況についてアセットマネジャーから報告を受けている。これはおそらく、岩間様の報告の17ページにある顧客への報告について逆に年金側から見た結果になると思うんですね。しかも、この資料1の下から3つ目に書いてある、アセットマネジャー評価にスチュワードシップ・コードを反映させて、長期投資を促そうという点については、スチュワードシップに関心がある3割の企業年金のうちの4割では現在あるいは将来対応するとしていますので、企業年金全体の10%が対応していることになります。この数字を少ないと見るか多いと見るかはいろいろあると思いますが、こういった10%から20%ぐらいの企業年金はスチュワードシップ活動に関心があって近い将来活動に移そうとしているわけです。これを、プロモートするようなことができればいいんじゃないのかなと思っているわけです。

そのためには、我々も反省しなければいけないところなのですが、例えばGPIFが5兆円損失を出したということは煽情的に報道されるわけです。報道ネタとしてはおもしろいんですけれども、百数十兆円のうちの5兆円がこの四半期という短い期間に損失であったということは、長期で評価しなければいけないんですね。我々は長期投資を目指すと言いながら、一方でそういう報道がされているわけです。これは、なかなか難しくて、最終受益者たる国民自身がそういったところをきちんと意識をしているのか、利回りという意識があるのかということにもなります。資産運用において短期では損が出ることがあるのは、当たり前なんですね。プラスが出続けるわけがないのに、長期で見ずに短期のところを取り上げて批判するということを、我々自身も反省しなければいけません。長期の利回りを得るためにはある程度のリスクをとった投資ということが必要になるのですが、我々の意識を変えないと、それができなくなるんじゃないかと思うのです。

これは必ずしもアセットマネジャー、アセットオーナーだけの問題ではなくて、受益者たる国民の問題でもあります。金融庁など行政の皆様あるいは新聞各社さんに期待するほかないんですけれども、変わる必要があるのではないかを思っております。

次に、各論的なところですが、利益相反は、今回の論点の重要なテーマかと思っております。利益相反については、ここの資料1のポイント2、ポイント3については、主に親会社、金融機関グループにおける利益相反なんていうものがあるかと思います。日本版スチュワードシップ・コードの原則2にありますけれども、この問題は日本に限ったことではなくて、1990年代初頭ぐらいにイギリスでも全く同じ問題について論じている論文があったりするんですね。ですので、こういう金融グループ内の機関投資家が抱えている利益相反というもの、これは存在するもので、不可避なのです。その上で、これをいかに管理できるか、実質のところで利益相反による影響が生じないようにするためにはどういう手続が必要なのか、についての議論が重要なのかなと思っています。

どうも聞くところによれば、金融庁さんはフィデューシャリー・デューティーについて今後、力を入れていかれるとか。顧客本位の業務運営ということで、ある意味曖昧で網羅的でいい表現だなと、私が言うのも偉そうなんですが、思っています。今日ではフィデューシャリー・デューティーという概念が広がっていまして、法的な関係だけではなくて、インベストメントチェーン全体でフィデューシャリー・デューティーという概念が連鎖的に結びつくことで、全体が網羅されるわけです。そのなかで、利益相反というものが現実にあらわれる現象として、議論される必要があろうと思っています。

さらに、資料1のポイント2には、親会社の金融機関との利益相反のみが書いてあります。これはグローバルにはそれで十分なのかもしれませんが、日本国内では、1つのエンティティ内に運用部門と企業部門の両方が併存しているという形での利益相反もあるのではないかと思います。信託銀行形態が典型ですが。スチュワードシップ・コードで定める利益相反を管理するために社内にチャイニーズウォールを設けているようなケースです。これは日本独自のもので、海外の事例というのはあまり見出しづらいかもしれません。このような形態についても、実際にGPIFさんとかほかのアセットオーナーがこういう形態の機関投資家に運用委託をされているケースが多いとすれば、利益相反の一事例として少し検討が必要なんじゃないかなと思いました。

最後に、すみません、これはお願いというか、あればいいなということでお尋ねするのですが、投資家向けの意見書というものはお出しになるのでしょうか。出してもらえるといいのではないかなと思った次第です。企業向けには取締役会に関する意見書が公表されて、個別論点についてのガイダンス的に使われるのではないかと思っております。そのため、お手数をかけることになるのですが、投資家についても論点整理、あるいは実際に実務で指針として参考になるような意見書のようなものが出てくればと思います。

その理由ですが、これまでにも金融庁さんがいろいろな論点の説明を海外向けにされておられると思うのですが、それでもなお、実務上で日本にはやりづらいことがあると問いかけを受けることがあります。具体的に言うと集団的エンゲージメントについてです。日本版スチュワードシップ・コードには集団的エンゲージメントについて書いていないというのは、原則として明記されていないだけなのですが、私見では決してこれを禁止はしていないと思っています。それが証拠に投資家がレターを集団で送ったり、会社と面談をしたりということは実務でされていると思います。ところが、このような活動経験が多くあるはずのイギリスの投資家や投資家団体から、日本で集団的エンゲージメントをすると共同行動、アクティング・イン・コンサートに該当して大量保有規制にかかるんじゃないかというような懸念を伝えられることが多いのです。これは、私の個人的な見解では、誤解に基づく日本のガラパゴス化のようなものだと思っているのです。すでに金融庁がスチュワードシップ・コードに関連する法的な論点整理等を作成されているにもかかわらず、なかなかこういう疑念が払拭されないとすれば、別の方法も検討が必要なのかもしれません。例えば、グリーンメーラーの対策は別ですけれども、中長期の投資家が海外でエンゲージメントの一環としてグループで活動していることが、日本では禁止されているわけではないと思います。もしそうであれば、意見書などにおいて明記して懸念を払拭するなど、やや丁寧すぎるかもしれませんが、そういうこともしていただければよろしいのかなと思いました。

すみません、少々長くなりましたが、以上、思うところです。ありがとうございます。

【池尾座長】

今しています企業と機関投資家の間の建設的な対話に関する議論は、それで何らかの形で取りまとめはしたいというふうには思っています。

それで、残り15分切ってきましたので、ちょっとそこを意識してお願いしたいと思いますが、田中メンバー、お願いします。

【田中メンバー】

じゃあ、意識してやります。

もう既に、実は私もこういうことを言おうかなと思ったことがほとんど議論されましたので、あまり長々とやるつもりはないのですけれども、今日のテーマは「建設的な対話」ですよね。そもそもこの概念はどこから出てきた議論かというと、実はここに伊藤レポートがあります。伊藤レポートに対話とは何かというようなことが非常に詳しく書かれておりまして、やはりこういう原点から少し整理をする必要があるんじゃなかろうかと思います。もともと「日本経済が本格的な人口減少社会に直面する中で、国富を維持・形成する」というところからこの「インベストメントチェーンの全体最適化を図る」というのがここで出された概念ですね。その中で、この対話のあり方というものについては、緊張と協調の両側面があるんだとされています。ここでは愛という表現ではないのですけれども、そういうふうに書かれています。この中で機関投資家に求められる対話の姿勢と実力というのについてもしっかりここで1つのハードルがつくられていますよね。このことはまた、3月のハーバードビジネスレビューに伊藤先生がインタビューを受けておられまして、そこにまた詳しく書かれております。そこでは会話と対話は違うんだとされています。ここで対話が求められているのは、「対話というのは価値観が違う人と人が緊張感をはらんだ中で最善の策を模索するプロセスである」からであるとされています。何が違うのか、どこからその違いが生まれるのか、その違いを埋めるにはどうしたらいいのか、それを突きとめていくプロセスであります。さらに踏み込んで「投資家がその会社のことを徹底的に分析し、会社とは異なる目線で提言したり示唆を与えたりすることをエンゲージメントといいます」と、こういうふうに書いておられるんですね。ですから、こういうプロセスがほんとうにでき上がっているのかどうかという観点から我々は評価する必要があるんじゃなかろうかと思います。ただ、このインタビューの中で伊藤先生は、日本人は会話は得意だけど、対話は不得意だということも書いておられまして、これはなかなか我々にとっては厳しいご指摘だというふうに思います。

そういう中で、先ほど岩間さんのほうでおまとめいただいたこのパッケージ、これは非常にすばらしいものだと思いまして、議論のスタート台になると思います。そこで、例えば、冨山さんからもご指摘があった5ページなんですけれども、これを見ますと、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの接点というのは一体どこにあるかといいますと、やっぱりこの5ページの中のガバナンス体制の右側に5つぐらい、会長・CEOのリーダーシップ、取締役・取締役会の資質、取締役報酬、社外取締役の有無及び役割、監査役・監査役会の有無及び役割、この辺って、この会議でずっと議論してきたことですね。ところが、それが実際には、アセットマネジャーと企業との間の議論のトピックスにほとんどなっていないということがここにあらわれています。じゃあ、それは一体どうしてなんだろうということになると、そこには一つの議論としては利益相反の問題であるとか、独立性の問題とか、そういうことがあるのかもしれません。その辺を少し踏み込んでいく必要があるのではなかろうかと思います。といいますのは、インベストメントチェーンというのはチェーンですから、チェーンがどこかで切れているんじゃないかというところについては我々はしっかり見つけて、それに対する議論をする必要があると思うからです。

たまたま、ここのところ、アメリカの年金基金の方々と話をしていますと、彼らが言うには、やっぱりアセットオーナーのポジションというのは非常に大事で、アセットオーナーの後ろに個人がいるわけですよね。その個人がインベストメントチェーンの一番最後にいて、その人たちのために存在するアセットオーナーたちが、フィデューシャル・デューティーという言葉はさんざん出ていますけれども、そのデューティーのために働いているのかどうかということが最も大事ではないかと思われます。一つのやり方として、アメリカの場合には、例えばアセットオーナーである年金基金が35ぐらいのアセットマネジャーを選ぶそうなんですけれども、その選択にあたっては、そもそもアセットマネージャーの独立性というものをまずしっかり確認するということです。それから、その次、彼らの言葉ですとアルゴリズムという言葉を使っていましたが、要するに、ここにある、例えば会長・CEOのリーダーシップであるとか、取締役会の構成だとか、そういうことについて聞きなさいという指示をするんだそうです。要するに、アセットオーナー自身がアセットマネージャーに対してこういうことをやってくれということを、まずしっかり指示する。そして、それをきちんとやっているかどうかということをフォローしていくんだという部分があるそうです。したがいまして、先ほど上田さんがおっしゃったアセットオーナーに焦点を当てた、彼らがどういうふうなビヘービアなのか、特にその後ろにいる個人のためにどのようにしてフィデューシャル・デューティーを履行しているのかということを確認するために、冨山さん流の言葉で言えば、被告席に座っていただくというのは非常に大事なことじゃなかろうかという気がいたします。

それから、同時に、先ほどこれもどなたかがおっしゃったと思うんですけれども、海外投資家の意見についても、先ほど田原さんのほうからご説明がありましたが、そこに指摘された論点についてもきちんと整理して議論する必要があります。それについて我々の意見書を取りまとめるというふうにおっしゃっていましたけれども、そのときに海外投資家から見た意見が反映されるようにしていくということが大事なのではないかと、そういうふうに思います。

以上です。

【池尾座長】

ますます時間が迫っていますが、武井さん、お願いします。

【武井メンバー】

手短にいたします。

まず、対話の実質化ということが今日のテーマですのでその関連で一点目ですが、上場会社側がちょうど今、取締役会評価を行っている時期となります。取締役会評価は上場会社側にとっても大変有益なことでございまして、建設的な対話の対象テーマとなりえる事項も現場で幾つか出てきています。これまで上場会社は、意外なほど、取締役会がどういうふうに機能しているのかということを振り返る機会があまりなかったのです。取締役会評価を経ていろいろな気づきが社内で出てきていますから、ガバナンス報告書という形で外に出ている文言だけでなく、どういった気づきがあったのか、対話の実質化に資する一つの重要なテーマだと思います。これが1点目です。

2点目が、いろいろな方からもご指摘が出ている点ではありますが、インベストメントチェーンをきちんとつなげていくという観点から、今回、ガバナンス・コードで各社が自社なりの中長期の成長戦略をいろいろ外に発信し、ある意味でミクロといいましょうか、個社ごとに自社のことを示して対応しているわけです。こうしたミクロでせっかく一生懸命自社のことを語っているのに、一つ上の聞く側、次のインベストメントチェーンの側が、何かざくっとしたマクロの、個社の特性を無視した”十把一からげ”な基準を頑なに持ってしまっていますと、インベストメントチェーンがきちんとつながらない懸念が強まります。たとえて言うなら、企業側として上の句をミクロで読んでいるのに、聞く側の下の句が頑ななマクロ基準になっているとかみ合わないわけです。論点として指摘されている議決権行使助言機関の点もこの点なのだと思います。ステュワードシップコードの原則5−4をきちんと踏まえ、企業側がせっかく読んだミクロの句に対して噛み合わないマクロな対応が起きないような環境整備をいろいろと進めていく必要があるのだと思います。

この関係で派生して1つ気になりますのが、先ほどから出ています、金融機関の運用機関のガバナンスの話です。利益相反に根ざした問題が論点としてあることは理解できるのですが、他方で、そうした利益相反に対処するために、逆に、議決権行助言機関の助言内容に盲従しなさいなどといった対応に走らせることは、それはそれでおかしいのだと思います。結局それでは問題を別の問題に移し替えているだけなのです。形式的な対応から形式的な対応に移るといった実質化につながらない事態にならないよう、議決権行助言機関の助言内容に盲従しなさいと言った対応に走らせることのないようにすべきだと思います。

最後に四点目としまして、エンゲージメントに関して企業さん側から見た要望点として、機関投資家さん側のIRとSRとの区分けが非効率だという点があります。先ほど高山さんから事例の紹介がありましたが、IRでせっかく話したことがSRに生きていないということを感じている企業が依然として多いと思います。株主総会は年に1回しかないところ、日ごろの年次のIRとかの情報を機関投資家内部でもきちんとシェアしてほしいという要望です。拠点が違うとか担当者が違うとか、そうした形式的な分断もなるべく機関投資家の側でも是正していっていただくほうが良いだろうという点です。

以上です。

【池尾座長】

内田メンバー、お願いします。

【内田メンバー】

どうもありがとうございます。

建設的な対話について述べさせていただきます。岩間メンバーの資料9ページ目の一番下のポツのところで、「ある企業において、短期投資家から内部留保分配について厳しい意見があったところ云々」と書いてある点については、まさに、我々企業が指向している建設的な対話の実例だと思います。この会社が今まで対話に積極的でなかったと言う点は少し問題ですが、いわゆる長期視点に立った経営について相互理解を図ることが、建設的な対話において非常に重要だと考えています。足元で短期の収益をきっちり上げることは当然重要ですけれども、長期的な成長とのバランスをとることも必要であり、建設的な対話を通じて長期的な投資を促すということを我々は非常に重要視しています。

なぜ長期かというと、これは、コーポレートガバナンス・コードの主眼である稼ぐ力、すなわち、中長期的に企業価値を高めるということに関係しています。これを実現しようと思ったら、まさに短期視点での経営ではなくて、イノベーションを興すための長期視点での経営をすることしかあり得ません。イノベーションを興すには大体10年単位で時間がかかるとされていて、アプリケーション・イノベーションにしろ、ビジネスモデル・イノベーションにしろ、10年単位でかかります。ですから、短期と長期のバランスをとってやっていく必要があります。一方、我々がIR活動をしていて感じるのは、投資家の皆さんの期間に対する認識というのは、我々と少しずれているということです。我々企業人より投資期間に対する認識が少し短い。従って、こういう対話をしっかりやらないと、ややもすると投資期間が短い投資家ばかりの株主構成になってしまう可能性があり、これを非常に恐れていまして、我々としても積極的に建設的な対話をやっていくことが必要だと考えています。そのためにも、建設的な対話を行うための情報として、長期的な戦略、場合によっては研究開発の考え方や、経営理念に立ち戻った話などを、対話の中できっちり説明していくということが極めて重要だと思っております。

それから2点目は、既に武井メンバーもおっしゃっていたことですが、我々が実際に投資家と対話を行うと、IRはIR、SRはSRと、別になっています。これでは時間と工数がかかるので、何とかならないのかなというのが正直な希望です。本来、ガバナンスの問題と、いわゆる長期的な投資、戦略の問題というのは一体のはずですので、機関投資家の中でもそれらを一体として受け止めて判断するということが必要なはずです。IRとSRのあり方については、もう少し整理するべきだと思います。以上です。

【池尾座長】

それでは、最後に1分ぐらいでお願いします。

【岩間メンバー】

ありがとうございます。被告に弁明の機会を最後にいただきまして感謝申し上げます。

実は、この簡略版のほうには出していなかったのですけれども、利益相反について我々会員に対してどういうぐあいにアプローチをしているかということについて、詳細版の8ページから10ページに実は記してございます。これはどうしてこういうことをやったのかといいますと、まさにスチュワードシップ・コードの原則2で、投資家の利益に完全にそろえなければいけない。当然ながら、スチュワードシップを発揮するためには利益相反を排除しなければいけないということで、それぞれの会員会社がどういうぐあいに対応しているかということを聞いておるということでございます。これは私は、そもそも、もともとの議決権行使のアンケートのころからあってしかるべきだったというぐあいには思っておりますが、スチュワードシップ・コードが導入されたことによって、まさにこれがクローズアップされてきて、我々業界として真剣に取組まなければいけない、こういうことで考えておりまして、それは後で詳細版をそこだけちょっと見ていただければと思っておる次第でございます。

それから、株主が金融機関の親会社で、資産運用会社が完全に独立性を封殺されているかというと、そんなことはございません。実際に非常に最近はそこら辺のところを経営としてもシリアスに考えておられるところが増えておりまして、ご心配の向きはよくわかりますが、そういった点についても徐々に、着実に前進しておるということを申し添えたいと思います。

ありがとうございました。

【池尾座長】

どうもありがとうございました。

意見は尽きないわけですが、議論は本日で終了、打ち切りということではなくて、いつも申し上げていますが次回以降も議論を続けていきますので、一応、本日の討議はこれで終わらせていただきたいというふうに思います。それでまた、本日の討議の内容につきまして事務局で十分に整理をしていただいて、それを踏まえてさらに議論を続けていくということです。

それでは、最後に事務局からご連絡等ございましたらお願いします。

【田原企業開示課長】

次回の日程につきましては、また再度ご連絡させていただきたいと思います。できるだけ1カ月以内にはやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

【池尾座長】

それでは、以上で本日の会合を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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