第6回公認会計士制度に関する懇談会議事録

1. 日時:日時:平成22年5月17日(月曜日)18時30分〜20時37分

2. 場所:中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

○岳野審議官

それでは、定刻になりましたので、第6回公認会計士制度に関する懇談会を開催させて頂きます。副大臣、政務官におかれましては所用がございまして、ちょっと遅れて入室させて頂きますことをご了解頂ければと存じます。

本日も開催時間の都合から軽食を用意させて頂いております。まだお済みでない方は、どうぞ引き続きお召し上がり頂きたいと存じます。

本日は、議事進行補佐役は引き続き審議官の岳野が務めさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

それでは、議事に入らせて頂きますので、カメラの方は退室をお願いいたします。

まず、懇談会のメンバーでございますが、全国銀行協会の会長行の交代に伴いまして、小山田さんに替わりまして、車谷さんに当懇談会の委員にご就任を頂いております。また、本日は前回同様、公認会計士・監査審査会からご出席を頂いております。また、今日ご意見を賜る関係から、日本公認会計士協会の山崎副会長、澤田副会長にもお越しを頂いております。また、同じくご意見を承る関係から、会計大学院協会の高田幹事長、柴理事にもご参加を頂いているところでございます。

本来であればお越し頂いた方を個別にご紹介すべきところではございますが、時間の関係もありますので、お手元の配席図でご確認を頂きたいと存じます。

それでは、まず事務方から配付資料の確認をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは配付資料の確認をさせて頂きます。

資料1−1、事務局で用意させて頂きました横長の検討資料でございます。資料1−2、これも事務局で用意させて頂きました参考資料、横長の資料でございます。

資料2−1、公認会計士協会「日本公認会計士試験制度改革に向けた具体的提言」、縦長の紙でございます。資料2−2、日本公認会計士協会「日本公認会計士協会の自主規制機能強化に向けて」、縦長の紙でございます。

資料3−1、島崎委員の「公認会計士制度の在り方について(産業界の視点から) II 」でございます。資料3−2、太田委員からの「公認会計士試験・資格制度(案)」でございます。資料3−3、車谷委員からの「公認会計士制度について」でございます。いずれも縦長の紙でございます。

続きまして資料4−1、会計大学院協会「公認会計士制度改革に対する提言(第1弾)」でございます。縦長の紙でございます。続きまして資料4−2、会計大学院協会「公認会計士制度改革に対する提言(第2弾)」、横長の紙でございます。

最後、これは配付資料だけでございますが、参考資料としまして平成15年の金融審議会の部会ワーキング報告、「専門職大学院における会計教育と公認会計士試験制度との連携について」でございます。以上でございます。

もし資料がない方がございましたら、事務方にお申し付けくださいませ。よろしくお願いいたします。

○岳野審議官

それでは議事に入らせて頂きます。お手元に議事次第を配付させて頂いているかと存じますが、最初に事務局からの説明、次に日本公認会計士協会からのご説明、それから委員の皆様あるいは会計大学院協会からのご説明というふうにさせて頂きまして、とりあえずこの1から4までの説明を通しでさせて頂きたいと思っております。

まず初めに事務局の説明でございますが、この懇談会の議論を整理していくために、前回の懇談会で「試験・資格制度等の検討にあたっての論点」というメモをお配りしてございます。ただ、議論が非常に錯綜し、また言葉が似ていて分かりにくいこともあるということで、論点を明確にビジュアルにするために資料を用意させて頂きましたので、まず事務局から論点の所在の確認といったことの意味合いをもちまして、ご説明を最初にさせて頂きたいと思います。

それではお願いします。

○土本参事官

資料1−1、1−2に基づきまして説明させて頂きます。順番は前後しますが、最初に資料1−2の1ページ目をお開けください。議論に先立ちまして、まず事実関係の復習を兼ねましてご説明させて頂きます。現状の合格者の人物像を把握をしております。

左側にある4分類に書いてございまして、在学中、既卒業者、就業経験者、社会人とございます。在学中というのは、何らかの学校に在学中に論文試験まで合格した方でございます。既卒業者というのは、学校を卒業後、就業経験なしに無職の状態で受験勉強に精進された方でございます。就業経験者というのは、何らかの形で社会人経験があって、その後辞められて無職の状態で受験勉強に専念をされた方でございます。社会人というのは、企業等で働きながら受験をして合格した方でございます。いずれも昨年12月時点での合格者に対するアンケートでございまして、母集団が1,800名弱ということでございます。

まず、人数構成でございますが、一番右から2つ目の人数のところを見て頂きますと、1,768の全体の中で在学中の合格者が約30%、3割。それから卒業して、働かずに受験勉強を続けられたという方が37%、約4割弱。それから、一度社会人になってから受験勉強に無職の状態で邁進されたという方が21%。それから、社会人のままで合格された方が10%という構図になってございます。

在学中の方については、論文の合格平均年齢が22歳、昨年12月時点ですが、就職希望者のうち82%の方が内定を取られていると。また、既卒業者につきましては、論文の合格時期が25.4歳で、昨年12月時点で61.4%の方が内定を取られていると。就業経験者の方は、論文の合格が30.1歳で、63.8%の方が内定されている。社会人の方については、合格年齢が29.7歳、内定状況については統計をとっておりません。これが現状でございます。

ちなみに、この方々の年齢別の分布につきましては次ページ以降にございますので、必要であればご参照頂ければと思います。

続きまして、資料1−1でございます。前回の論点の紙を各要素に分解をして検討用に作ってみました。1ページを捲って頂きますと、まず前回までの議論で就職を促して実務経験を持たせる、持つ機会を増やすという点では、早い時期での就職活動が望ましいということでございまして、その観点でここでは、途中段階での何らかの資格というところで一つのパターンを書いてございます。現状の制度では会計士登録という形しかございません。旧制度では、二次試験の合格段階で会計士補という位置付けの資格がございました。他のパターンということで、一段階目の試験の合格時点、望むらくは大学、大学院などの卒業時点ということですが、ここで就職時期を迎えるということで、途中段階の資格というのが合格者の就業選択という点で有意義ではないかということで、一つ書いてございます。

続きまして、2ページ目でございます。試験と実務経験の位置関係についてということで、実務経験をどこで要件にするかという論点でございます。現行の制度では会計士登録の前までに実務経験が必要ということで、登録の前であればいつでもよいということでございます。旧制度では、三次試験の前までに実務経験を得ることと、ある意味、三次試験の受験の条件として実務経験を課していた。他のパターンということで、今回、第一段階目での就職というのを促していくという観点から、ここで実務経験が得られる可能性が高いものですから、一つのパターンとして二段階目の受験の要件として実務経験を課すというのが置いてございます。

このパターンは、この時点での就職を促していくという点では非常に効果的ではありますが、他方でさまざまな副作用といいますか、よく考えなければいけない効果もあるということでございます。例えば、現状でも3割の方は在学中に論文まで合格されているわけですが、そういう機会をある意味奪うということにもなりまして、それ以外の論点も含めて本日ご意見を賜りたいと考えている一つでございます。

続きまして、ではこの実務経験というものの範囲をどう考えるかというのが3ページ目でございます。業務補助というのは監査業界での監査の補助業務ということで、実務従事というのが産業界等における実務経験でございます。適用事例が幾つか書いてございます。所属をされている企業の資本金が5億円以上のケースでも、単なる経理や財務業務以外も今かなり幅広く運用してございます。また、所属する企業の資本金は5億円未満であっても、例えばクライアント企業あるいは財務分析の対象企業が5億円以上であれば、そこに着目して認めているという事例もございます。

論点としましては、まさにこの5億円の資本金要件を維持するのか、引き下げるのかと。それから現在、実務従事として認められていない業務で認めるべきものがあるか。例えば、財務諸表を現状作るだけではなくて読むとか、活用するという業務も認めるようにしているのですが、そこからどこまで離れてよいかということがございます。

それから、合格者あるいは受験生からは、実務従事として認められるかどうかの事前の予見可能性がないというふうに言われていまして、このあたりを事実認定のやり方も含めてどのようにしていくのかというのが論点でございます。

続きまして、4ページをお開けください。登録の仕組みということで、これは実は第1回の懇談会から資格登録と業務登録というアイデアは出ておりましたが、必ずしも今まで深い議論がされておりませんので、本日ご意見を賜りたい点でございます。

現行制度では、公認会計士の登録というのが1種類でございまして、その条件が試験の合格と実務経験と、それから実務補習、座学の研修ですね、この3点セットが揃って初めて登録というものでございます。平成15年に今の制度を金融審議会で議論していた時点で、議論をされたものが中段にございまして、論文試験の合格段階で公認会計士としての登録をし、その後、実務経験と座学研修が終わった段階で、監査証明業務に必要な登録ということで業務登録というのが議論されたわけでございますが、結局採用されませんで現在に至っております。

他のパターンということで、上の2つを合わせたような、中間をとったような形になってございますが、資格登録は二段階目の試験の合格と実務経験、これでもって公認会計士というと。実際に、監査証明業務という監査登録のためには、実務補習と修了考査を終えるということでございます。

ちなみに海外で調べましたところ、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスは、いずれもこの資格登録というのが試験合格と実務経験という形になってございます。

続きまして5ページでございます。仮に資格登録と監査登録というのを組み合わせた場合に、合格者のキャリアパスがどのようになるかということで、今よりはより複線化するようにも思いまして、イメージでございますが一覧を作ってみました。

一番上が、監査業界に就職されて資格を登録されたと。その後、監査のほうに進まれる方は監査登録をすると。監査業界ではアドバイザリー業務等いろいろございますので、そういった方であれば資格登録のままで、更にその後、企業等に、経済界等に転身されるということもあろうかと。

また、下の段は今あまりできていないところでございますが、合格者が経済界等に就職、あるいは経済界の実務家が合格をして資格登録をすると。そのまま企業実務等で活躍をされながら、状況次第で他の業態に転向していくというもの、これが下の流れでございます。

また、企業で働きながら実務補習を経て、また監査登録をされて、監査業界で活躍をされるというのもあろうかということで、この場合、監査業界で活躍される方のキャリアパスのバリエーションが増えるということになります。

続きまして6ページでございます。今のような資格登録と監査登録というふうに仮に分けた場合に何が違うかと申しますと、実務補習と修了考査を終えているか、終えていないかという違いになりまして、そうなりますと実務補習と修了考査とは一体何なのかという議論になります。

左側が概要でございまして、学習内容は監査実務、税実務、会計実務、経営・IT、法規・倫理というので270単位以上。学習方法は現状、講義形式が一番多くて、e−ラーニングがだんだんに増えているということでございます。3年間でございまして、最後の年に修了考査を受けて、現状70%ぐらいの合格率で運用を協会にして頂いております。

論点でございますけれども、金融庁で行いましたアンケートによりましたら、企業等で働く合格者あるいは監査法人で働く合格者双方から、実務補習所は通いにくいという改善を求める意見が出ております。働きながら履修できる実務補習という観点からどうしていくかが大きな課題でございます。

一つは、登録に不可欠な要件と考えたときに、試験や実務経験、CPEでカバーできない分野は何か。例えば監査実務や税実務ということに特化することをどう考えていくか。また、カリキュラムの編成や期間の柔軟性、e−ラーニングの増大をどうするか。

それから、修了考査に移りまして、修了考査の目的でございますが、登録できる者を選抜していく、絞り込むことなのか。働きながらの補習でございますので、どうしても緊張感が緩むということがございますので、緊張感を持たせるための確認の方法か。それから、この修了考査、現状は公認会計士協会のほうで運用して頂いておりますが、これを国家試験にするかどうかも論点でございます。

それから、第1回目から議論になっています国際教育基準で一般教養をどうするかということでございますが、大学等高等教育機関での一般科目の一定程度の履修を実務補習の修了要件とするということで、大学を卒業されている方はいいのですが、卒業されていない方についてはこのような科目の履修を求めるというのが一つのやり方かなと考えております。

続きまして7ページでございます。国家試験としてどこまで、どのようにやるかということでございます。一番上が現状でございまして、2行目が旧制度でございます。他のパターンということで2つ用意してございます。1つが実務補習の前に1つの試験等を行い、さらに実務補習後、現状の修了考査を国家試験として引き上げるというものでございます。他のパターンマル2というのが、一段階目、二段階目の試験。一段階目の段階で就職することを想定しまして、二段階目に受かった段階で望む方は実務補習、その後の修了考査を協会に引き続きお願いするのか、三段階目の国家試験とするのかというものでございます。

8ページでございますが、合格率をどうするかというのがこの懇談会が始まった一つの経緯でございますので、それを目標にしてまいりました。8ページは現状のピラミッドでございまして、左側を見て頂きますと、1万8,000人弱の方が受けられて、短答式で、今、年2回やっておりますが、これは一部推定ですが3,000人強合格されています。前の年、前の前の年の合格者で、その年に論文が合格されなかった方も論文の受験者になりますので、6,000名ぐらいの方が論文試験を受けられて2,000名弱が合格をしている。合格率35.7%で、その後の修了考査で7割ぐらいの合格率で、結果的に1,500人の修了者ということになっております。

このピラミッドを念頭に置きまして、9ページをお開け頂ければと思います。9ページでは議論のために3つの例を作ってみました。いずれも受験者は1万8,000人で、修了考査あるいは三段階目の試験の合格者を1,500人と置いておりまして、その間をどのように絞るかということでございます。

例1は、一段階目で大きく絞るということで、通過率で11%と。通過率という言葉を使いましたのは、前の段階の合格者があるいは免除者がどのぐらい受験者として入ってくるか予測できないものですから、前の段階からどのぐらいの人が次に進むかということで通過率という言葉を使っております。一段階目で厳しく絞ります関係上、二段階目、三段階目はモデレートな絞り方をしてございます。

例2というのは、一段階目は比較的緩やかな選別ということで、4,000人が合格し、通過率22%。二段階目で50%で大きく絞りまして、三段階目は緩やかな絞り込みというものでございます。

例3は、一段階目、二段階目はモデレート、緩やかな絞りで、三段階目で大きく絞るというものでございます。

例1の論点のところでございますが、一段階目がやはり通過するのが難しい試験になるので、この段階での合格年齢が下がってこないのではないか。結果的に就職が進まなくて実務経験が積めない人が出てこないか。また、一段階目は仮に一発合格、科目合格制を採用しないとすれば、社会人にとって不利な試験になるのではないかということでございます。

例2でございますが、これは二段階目で絞ります関係上、二段階目での合格年齢が上がって実務経験が積めないという方が出ることをどうするか。この段階で、二段階目の受験の要件に実務経験を課せばこれが解消するわけですが、これがどうなのか。また、一段階目の合格者を監査業界がまず採用するかなというのが一つ議論でございまして、採用した方がなかなか二段階目合格できないということの問題でございまして、これについては合格者に合格順位というのを通知をして、これがある意味、就職の選別の一つ参考になるというのが案としてございます。

続きまして例3でございますが、これは一段階目、二段階目は緩やかで、三段階目でギュッと絞るということで、非常に長い過程の中の最後で絞られることがどのような影響になるか。仮に資格登録、監査登録と分けたときに、そのあたりがどうなるかというところでございます。

10ページは試験科目でございます。もう少し先の議論でございまして、細かいところは省かせて頂きますが、論点のところで一段階目のところですが、現在は論文式に選択科目がございますが、国際教育基準等も考えまして、この選択科目を一般教養と洗い直した上で一段階に持っていくというのがどうかなと。結果的に、一段階目というのはほかの専門科目ということで、会計学、監査論、企業法、法人税法と。二段階目は専門科目に特化しております。

続きまして11ページをお開け頂ければと思いますが、今度は免除制度でございます。左の事項を見て頂きますと、共通の免除制度、それから企業等での実務経験者、会計大学院の修了者、大学教授・博士課程修了者と4つございまして、現状は共通の制度で2年間の短答の合格有効期間、あるいは論文の科目別の2年間ということでございまして、実は企業実務経験者からすると、このあたりが一番効果的である、有効であるというお話もありまして、論点としてこの有効期間を無期限にするかどうかということでございます。

それから、大学院につきましては、後ほどプレゼンテーションを踏まえた上でご議論を頂ければと。ただ、大学教授につきましては、一律の免除制度に少し問題がないかなと思っております。

12ページをお開け頂ければと思います。試験の実施方法ということで、1行目に現状、2行目に旧制度が書いてございます。他のパターンは、これは組み合わせとしていろいろなものがあると思います。例えば一段階目は短答式とした上で、二段階目ですが、論文式が一つ基本として考えられますが、二段階目の受験者が非常に多い場合には一部短答式、この真ん中の行ですが、これを入れまして、短答式で一定の成績以上の者だけ論文の採点をするということで、採点の負荷というのを効率化できないかというのがございます。

13ページ目でございますが、CPEでございます。現状、左側でございますが、会計士に登録できる者というのが会計士として登録した場合には、3年間120単位のCPEの義務がございます。こういった方々が年間数百名、義務を履行されないということにどう対応するかということで、左下のフローチャートはそういった方への対処の方法でございます。まず、協会のほうで認定をして頂きまして、受けていない者などの方に履修勧告をする。例えば20年度ですと、724名の方に協会から勧告をして頂いております。このうち、例えば100単位ぐらいは受けているということで、違反の程度が軽い方を除いて、特に重篤な方について120名ぐらいに絞って氏名公表をして頂いています。

2年間氏名公表してもなお受けない方については、行政処分請求をしまして、金融庁側で審問、聴聞、それから懲戒処分という、非常に長い期間とプロセスを経て、かつ全部の違反者について対応できないということでございます。このあたりに対応する一つの方法として、論点のところに書かせて頂きましたが、一定期間ごとに、例えばCPEが今3年間でということですので、一定期間ごとにCPEの義務履行が協会で確認されない場合には、自動的に登録が停止されて、その後、義務履行された段階でまた自動的に回復するというような、手間と時間がかからないような方法がないだろうかというものでございます。

また、もう一つの論点として、もう少し先の議論かもしれませんが、資格登録、監査登録みたいなものができたときに、CPEの義務の時間数や内容をどう分けるか。14ページは参考まででございますが、現状のCPEの義務の時間数になってございまして、監査と監査以外の業務をされる方で違いがない、また、企業内で監査やコンサル業務などをしない方で名刺に書くだけでもやはり20時間必要だとか、あるいは高齢者になりますと法定監査業務以外の業務であれば全くCPEを受けなくていいとか、こういう現状をどうしていくかという論点でございます。

以上でございます。

○岳野審議官

それでは、続きまして日本公認会計士協会よりご説明をお願いいたします。

○山崎参考人(日本公認会計士協会副会長)

日本公認会計士協会の副会長の山崎でございます。よろしくお願いいたします。

本日は前回、一度プレゼンテーションをいたしましたけれども、再度プレゼンテーションをする機会を与えて頂きまして、大変感謝しております。

資料2−1に、私どもが考える具体的提言というのがございます。いろいろ書いてあるんですが、まずこの議論をするときに最も大事なことは、公認会計士資格というのは国際的な資格でありまして、公認会計士制度それから資本市場というのは国際競争にさらされておるわけでございまして、この議論をする際に忘れてはならないのは、我が国の資本市場及び公認会計士制度の国際競争力を維持していくために、まねをする必要はないのですが、他の国と同等のレベルのものを備えなければならないということであります。それの一つの要件としては国際教育基準というのがございます。

次に、公認会計士試験というのは、資格独占業務である監査証明業務を行う公認会計士を継続的に輩出することを最終目的とするものでなければならない。監査業務を行わない会計士の存在を否定するわけではないのですが、基本的には監査を行う公認会計士をきちんと輩出するものでなければいけないということであります。それに関係してくるのですが、3番目、資格独占業務である監査証明業務を担う者が育成されるためには、監査実務の経験が不可欠であり、公認会計士試験は一定の監査実務経験を経た後に実施される必要があるということでございます。

今申しましたように、監査業務を行わない、あるいは監査実務の経験がないという公認会計士の存在を否定するわけではございません。ある程度それはいらっしゃっても構わないのですが、例えば公認会計士の半分が監査実務の経験がないとかそういうわけにはいかない。そういう意味で、資格登録あるいは開業登録というのもない議論だと我々は考えます。

前回もその議論があったのですが、例えば、私は公認会計士であります、私は資格登録をしています、私は開業登録をしていますという区分はマーケットでは分からないわけです。その辺のことを考えなければいけないということであります。

試験制度の概要ですが、これは前回もお出ししたものと似たような表が3ページに出ております。若干小さいのですが、私どもはこのように考えております。

予備試験とそれから公認会計士試験。公認会計士試験は国家試験ということになるのだろうと思います。予備試験を通った者は准会計士の資格を与える。それで、予備試験を通った人の中から企業にそのまま行く人もいるでしょうし、監査法人に勤める人もいるでしょう。企業のほうから監査法人というか、監査の実務経験を求めてくる人もいるでしょうが、それはあまり多くはないのではないかというのが我々の考え方であります。実務補習と、業務補助または実務従事という、監査実務の経験に相当するものは3年間あればいいというふうに考えております。その後、公認会計士試験を受けて公認会計士となる。

どういう試験かということなのですが、それはまた1ページに戻って頂きまして、第一段階の「予備試験」、下のほうの8.以降ですが、予備試験には特段の受験要件は要らないのではないか。基本的に短答式試験を主にする。要するに出題者に偏らない、ある程度以上の会計に関する知識、経済に関する知識があれば通るようなことを考えればいいのではないかと考えております。試験時間を多くして、出題数も多くするということで一定のレベルを確保したい。

予備試験の試験科目は会計・監査分野と経済・マネジメント分野でございます。経済についてはいろいろ議論があったのですが、企業に行く場合であっても監査をする場合であっても、企業の置かれている状況というのが理解できなければ会計士とは言えませんので、それは必要であろうと。

それから、会計専門職大学院のお話が後で出てくると思いますが、修了者で一定のレベルに達していることが確認された者には、予備試験において一定の配慮をする。これをどういうふうに免除にするかどうかというのは、またこれからの議論もあると思います。

12.は前に申し上げました。13.ですが、この数字ですが、予備試験の合格者は毎年1,500から2,000名程度がよろしいのではないか。これは前にも申しましたように、監査実務経験を原則とするということでありますから、監査実務経験を得るために監査業界に入らなければならない。その受け入れ可能な規模というのは、現状では1,300から1,600程度であろう。それに若干のプラスアルファを加えて、1,500から2,000名程度が限度でないかというふうに考えております。

次に仮に、一系統、二系統という話はあるのですが、予備試験と公認会計士試験を全く違う概念にする、予備試験の合格者を多く4,000人とかということにする場合は、公認会計士になれない人がかなり増えてきますので、その場合には受験者への試験制度の十分な説明と、その合格者の一般企業等における受け入れの十分な体制整備が必要である。一般企業等でそういう人を受け入れるという保証がないと、この制度はうまくいかないということであります。

参考ですが、また同じく3ページ目に右側に参考2としてグラフを出しました。これは、いずれ大手監査法人あるいは監査業界から一般企業等に出ていく人の圧力が増えるだろうということを予想させる実態を表したものであります。薄い四角、上から2つ目のグラフが、これはいわゆるクライアントを表しております。これは全然増加していません。ところが、その次の三角のグラフ、これは公認会計士の数であります。公認会計士も含めた監査業界の在籍者数というのは一番上ですが、それに比して最後までというか、かなりの程度まで監査業界に残れる人、これをいわゆるパートナー、代表社員・社員ということで想定いたしますと、この数は増えていない。ですから、三角と見るのか、一番上の黒い四角と見るのかとありますが、その差はいずれ市場に出ていかざるを得ないような層ではないかと想定されます。

次に、第二段階の公認会計士試験ですけれども、2ページに戻ります。14.ですけれども、前にも申しましたように、予備試験合格者で3年間の業務補助または実務従事及び1年間の実務補習を得た者は受験できるものとするということであります。業務補助の1年と3年間の実務経験の期間はダブってもいいと考えております。この段階では論文式試験をベースとする。科目は以上のとおりであります。

それから公認会計士の登録ですが、登録をする場合に学士の学位、または文科省が学士の学位と同等と認めるものを習得していることを登録の要件とするというふうにしています。学士であることが試験の受験要件というふうには考えないということであります。

以上でございます。

○澤田参考人(日本公認会計士協会副会長)

公認会計士協会副会長の澤田でございます。時間を頂きましてありがとうございます。

資料2−2をご覧ください、これは公認会計士協会の自主規制機能の強化ということです。たしか前々回にこの場で、CPEの義務不履行者がいるということで、これは問題ではないかというご意見があったと思います。今日もお話があったように、協会は昨年120名の義務不履行者の氏名公表を行いペナルティを科してきました。このように、協会はCPEの義務履行の管理について、多大なコストをかけて実施しております。しかし、この120名のうち90名につきましては、これはなかなか連絡を取ることが困難であり、実質的にコントロールできない状況にあります。本来であればそういう者が確認できれば、協会として適切に対処したいのですが、そのような環境整備をお願いしたいというのがここでの提案でございます。

といいますのは、多分、皆様方の中に勘違いがあるかもしれないのですけれども、例えば監査の不祥事がありましたとか、CPEの義務不履行がありましたとか、協会会員の信用失墜行為などがあったときに、公認会計士協会はどうして適切な対処をしないのだ、どうしてペナルティを科さないんだという議論がございます。しかし、我々日本公認会計士協会ができる懲戒処分といいますのは、そこの大きい2.の(2)に書いてありますように、会員の権利の一定期間の停止という、団体の規律を守りなさいというものでしかございませんで、その会員の公認会計士としての業務を停止する、業務に対する制限を加えるということはできない仕組みになっております。

先ほど、懲戒手続の説明が事務局のほうからありましたけれども、職業会計人である我々の団体が真の自主規制機関として機能するためには、自らがその会員に対する業務に対する処分権限を保有することが本来なければならないと思っております。そして、それをベースにして、そこで足らざるを行政のほうで適切に補完して頂いて、制度の公平、中立あるいは有効な運営を監督して頂くということが非常に有効な制度ではないかと思っております。

そこで、要望の二段階目になりますが、少なくとも公認会計士の資格の得失あるいは業務の制限に関する本会の自主規制の在り方については、すぐに結論が出るものではありませんが、少なくとも法令違反等の外形的事実を客観的、計数的に判定することが可能な行為―例えば、法律に決められている住所や事務所所在地の登録の変更、あるいは前々回指摘されましたようにCPEの履行本来報告の義務違反など、さらに少し難しいと思いますが、会費の滞納という形式的な違反行為もございます。これらについて、我々協会が少なくとも協会内部の資格審査会の議を経た中で、やはり資格に対して一定の範囲で資格を制限するとか、取り消すような制度設計をできないものか。それでないと協会の自己責任はなかなか果たしにくいという環境にあります。

一番最後のページですけれども、(5)のところで、他の職業団体の法律を見ますと、税理士法とか社会保険労務士法においては2年以上継続して所在が確認できないというときには、これは資格審査会の議に基づいて登録を取り消すことができるという例もございますので、その辺も含めましたところで、職業専門家団体の自主規制を強化するという観点からご検討願えればと思います。

以上でございます。ありがとうございました。

○岳野審議官

それでは、続きまして島崎さんからお願いいたします。

○島崎委員

それでは、資料3−1をご覧ください。私はさる2月19日のこの懇談会で、産業界の視点という観点から既に話をしておりますけれども、本日は先ほど事務局からも話がございましたけれども、制度設計に関して具体的な検討に入っていくという段階に来ているということでございますので、改めて先日話した内容につきまして整理させて頂き、補足させて頂きたいと思います。

この資料に、2月19日に配付しましたペーパーの結論の部分をここに引用しておりますが、産業界からの視点としましては、監査資格を目指す人の母集団としての会計プロフェッショナル集団の育成ということを掲げております。そして、使用者側と従業員側双方に、高い会計プロフェッション資格へのニーズがあるということを前回申し上げました。マル1と番号を振っておりますけれども、要すれば名刺に印刷できるような資格があったほうがよいのではないかということでございます。

現在、日本で会計に関して名刺に印刷ができるような公的な資格というものは、公認会計士と税理士のみでありまして、それ以外では簿記の検定ですとか技能検定的なものしかありません。つまり、企業等で活躍することを前提とした有意な資格制度が日本にはないと言ってもよいのではないかと思います。このため、企業で勤める人とか若い人たちは今、アメリカのCPAの試験を受けている、この合格者が増えているという現状があるということであります。

一方で、現在の会計関係業務は、過去に比べまして一段と重要性と専門性が増してきております。前回の公認会計士試験制度の改正のときも、そういう趣旨に立って制度の見直しをしたと理解しております。会計理論と専門知識を体系的に取得した人材に対するニーズが高まっている。したがって、それを証明する資格が何か必要ではないかと、こう思うわけであります。

そして、その資格はマル2に示しましたように、会社に勤めながらでも取得が可能なものが望ましいと思います。平成15年の改正時にさまざまな提案がございましたけれども、現行の公認会計士試験は実務補習などの負担が重くて、実質的には社会人が取得が可能な制度となっていないと思っているわけです。

一方で、世の中には社会人となってから初めて会計のプロを目指したいと考えている方もおられます。また、会計というものはそもそもは実学であります。その業務を経験することによってしか学べないものもある、そういう分野であろうと思います。そういったことを考えますと、通常の新卒者と同じタイミングで一般企業に就職して、その後の実務経験を資格取得に直接結びつけるようなことができる制度設計が望ましいのではないかと思います。

具体的には、学生時代あるいは会社勤めをしながらでも取得可能な程度の難易度の予備的試験、つまり短答式試験というものになるかもしれませんけれども、その試験合格者であれば、その試験合格前後の一般企業での実務経験がカウントされるような制度設計が望ましいのではないかと思います。また、その予備的試験合格者にも、ここに書いてあるマル1の観点から、何らかの名刺に印刷できるような資格を与えることが有意義であると思います。

そして何よりも大切なことは、マル3に掲げておりますが、監査法人以外で働く会計のプロフェッショナルの底辺を広げることでございます。現行の公認会計士試験は、結果的に監査業務を担うことのみを目的とした資格制度となっているために、入り口の段階で資格取得を目指す人の数を狭めてしまって、それが日本における会計プロフェッショナルの全体の底辺の人口拡大の阻害要因になっているのではないかという懸念があります。私はむしろ、公認会計士試験は必ずしも監査業務を担うことのみを目的とした試験ではないということに改めるべきだと思います。これは、先ほどの山崎さんの説明とは違っているわけですが、位置付けをもっとはっきりさせて、その後の選択肢を豊富にすることのほうが底辺拡大に貢献するのではないかと思っているわけです。

したがいまして、論文試験と一般企業での実務経験を経た段階で公認会計士資格を付与して、監査業務を行わない公認会計士というオプションがあってもよいのではないかと、こう思うわけです。

このような制度設計によって、体系的に会計理論・知識を習得し企業で活躍したという会計プロフェッショナルの底辺の人口拡大を促進して、それは結果としてこの日本の会計のレベルの向上に資すると、こういうことにつながってくるのではないかと思います。

私の説明は以上でございます。ありがとうございました。

○岳野審議官

続きまして、太田さん、お願いいたします。

○太田委員

資料は3−2でございます。1枚の紙です。過去に何回かお話をする機会を頂きましたけれども、それを1枚の紙にまとめてきたということでございます。上から下に流れているわけでありますけれども、まず受験生というところに丸がかかっておりますけれども、学生に限らず社会人からも今以上に広く参加ができるような、そういう制度設計が必要ではないかということを考えております。

短答式試験についてですけれども、その右のほうに検討課題と書いてございますが、今であると短答式試験と論文式試験が、過去の一体的な試験の制度を引きずっていると思われます。したがいまして、短答式試験に受かった人は、特に学生で受かった人は、そのクレジットの期間2年間に論文式試験に何としても受からなければいけないということであります。そこで、就職の機会、今であると例えば新4年生が就職活動をしているわけですけれども、仮に短答式試験に受かっている人はそういうことにわき目も振らずに一生懸命勉強せざるを得ない、そういうふうに追い込まれているというふうに思うわけであります。結果的に試験浪人という人も発生しているように思いますけれども、このクレジットの期間を、無期限というかどうかはなかなか難しいと思っておりまして、ここでは10年と書いてありますけれども、ある程度長期化して、ここ尤度を持たせるということを考えたらどうかということであります。

また、試験の内容としては、先ほど大学卒業資格云々ということはありますけれども、今のこのニーズからすれば企業のグローバル化、非常な勢いでグローバル化が進んでいると思います。また、一方で国際会計基準の流れもありますので、一定の語学ということ、特に英語が必要になってくるのではないかと思っております。これをどういうふうにここにビルトインしていくかというのも一つの課題だろうと思います。

また一方、その左のほうにシャドーがかかっておりまして、実務経験というところに書いてございますけれども、前後しますけど、検討課題の上のほうに「実務経験」という字がございまして、先ほどの実学としての企業における実務経験の対象の業務範囲、これにつきましても事務局からお話がありましたけれども、少し拡大するということも考え得るのではないかと思っております。

例えば財務会計、それから管理会計中心でございますけれども、やはり内部統制であるとか、それから内部監査であるとか、それに類した、特に大企業ではある程度業務が分かれているという傾向もございますので、そうしたことも含んだ業務範囲の拡大ということも課題ではないかと思っております。

併せまして、また論文式試験でございますけれども、これに関しても科目別の合格のクレジット期間の延長ということについても考えていく必要があろうと思います。企業の実務を積みながら、あるいは会計事務所かもしれませんけれども、いろいろな職業の選択がここで図れるような制度設計が必要ではないかと思います。

その結果として、公認会計士ということに合格した場合には、ここで資格登録をするということにしたらどうかと思っております。公認会計士の資格登録の丸の左側に書いてございますけれども、ここで言う公認会計士は会計・監査分野の高度な人材として位置付けまして、それが下に矢印が2本出ておりますけれども、ここで自らコースを選択していくということではないかと思っております。

先ほどご説明の中に、パートナーになれない人が市場に出ていかざるを得ないというお話があったように聞こえましたけれども、必ずしもそういうことではなくて、ここで自ら選択をしていくということが、この段階でのイメージしていることでございます。その中で、監査業務に従事されるということを選択された方は、実務補習ということで、主として税務であるとか、監査の更に高度な教育を受けられるということの結果として、業務登録があると思っております。税理士登録も、やはりこちらの実務補習を経た人が税理士登録もできる、そういうルートかなと思っております。

一方、企業での会計業務、こちらを選択した人に関しては右の矢印になっていくわけであります。しかしながら、そこで実務補習、右のほうに課題のところに書いてありますけれども、あるいはCPEの柔軟性というのでしょうか、これについて前回もお話ししましたけれども、もう少し工夫が必要だと思います。企業に入りますと、例えば今課せられている合宿であるとか、それから今、四半期開示になりましたので四半期決算のときの、特に集中する、たまたま一致するのかもしれませんけれども、そういう業務補習というのはなかなか難しいという現状がありますので、ITツールの活用であるとか、あるいは会計大学院のコースの受講であるとか、そういうことも併せた柔軟性のある制度設計をぜひお願いしたいと思います。

また、CPEに関しては、監査業務を選択する人、あるいは企業の中に入られる人によって、求められるCPEの補習の内容もまた違ってくるのだと思います。ここについても柔軟な制度設計が必要ではないかと思います。

併せて、最後に横に矢印が引っ張ってありますけれども、こうした制度設計によって人材の流動化ということも双方向に起きることを期待していきたいと思います。

私の説明は以上でございます。

○岳野審議官

続きまして、車谷さん、お願いいたします。

○車谷委員

三井住友銀行の車谷でございます。小山田委員から企画委員長を引き継ぎまして、今回から出席させて頂きます。よろしくお願いいたします。

お手元の資料3−3でございます。1枚目が論点整理を踏まえた提案、2枚目が概要ということで書かせて頂いております。すでに島崎委員、太田委員からもご説明ございましたが、要点だけかいつまんでご説明したいと思います。

まず1枚目のところで、ここで申し上げたいところは一つでございまして、要は社会人を含めた幅広い分野に受験生の裾野を広げ、有為な人材を監査業界だけでなく、経済界に幅広く会計のプロフェッショナルを供給していけるような魅力的な試験制度、資格制度というものを作っていくためにはどうすればよいかということでございます。これによりまして、企業の側からいいますと、財務情報の信頼性の確保といったことが格段に向上できるのではないかと考えているところでございます。

受験者の裾野が広がらないという背景には、いろいろ今もご説明がございましたけれども、合格後、なかなか実務補習の問題で資格まで行けないといった点が指摘されております。USCPAを取得する話が典型でございますが、社会人が受験する動機としては、やはり専門性を証明するツールとしての資格の取得もございまして、合格、イコール資格という枠組みが一つは重要なポイントではないかと考えております。すなわち、新たな試験制度につきましては、資格登録と業務登録の二段階に分けるということが望ましいのではないかという視点でございます。

こういった視点から、資格登録制度自身は受験者の裾野の拡大に有効であると同時に、経済界にとりましては会計専門家の裾野の拡大が格段に期待されまして、結果としては財務情報の信頼性確保というものに資するのではないか。監査業務を行わない会計のプロフェッショナルという者を大きく育てていくということも、我が国にとって重要なのではないかということでございます。

それから2ページ目のところでございます。ここは見てのとおりということでございますが、この中で1点、短答から論文に行く中で、受験要件を付すという考え方もあるのではないかということでございます。例えば複数の要件を列挙して、そのうち1要件を充足することで受験可能であるという仕組みもいいのではないかという考えでございます。これは合格してもなかなか就職できないという者が多数発生するという、社会的損失をいかに解決するかという観点からの提案ですけれども、就職を促す効果を期待するならば、実務経験を受験要件とすることが一つアイデアとしてはいいのではないかと思います。

しかしながら、受験要件として実務経験を必須としてしまいますと、現行制度下でも在学中に論文まで合格できるような最優秀の学生が、実務経験のために足踏みをしてしまうという、こちらもまた社会的損失というものが発生するということでございます。そのために例えば、いろいろ意見はあると思いますけれども、短答試験の上位合格者であることなどを複数の要件の一つと考えまして、優秀な学生が不当に排除されることがないような制度設計をする、幾つかの要件の一つを満たせばいいというような考え方もあるのではないかと考えております。

そういった要件の組み合わせによりまして、現行対比、不利益を被る受験者を極力減らしつつ、同時に社会人の受験者も受けやすく、かつ学生の就職も促せるような最適な魅力ある制度設計ができないかと考えている次第でございます。

私からは以上でございます。

○岳野審議官

それでは続きまして、会計大学院協会からご説明をお願いいたします。

○柴参考人(会計大学院協会理事)

本日はお時間を頂きましてありがとうございます。お手元の資料の4−1と4−2、併せてこれらの骨子については、配付しております「会計大学院協会ニュースNo.10」に骨子のみ書いております。更に事務局のほうでご用意して頂きました「専門職大学院における会計教育と公認会計士試験制度との連携について」という、この文書が非常に重要な文書だと理解しております。

我々の立場としては、まずそもそも会計大学院とは何か、どういう存在として求められているのかというところから確認させて頂きたいのですが、時間の関係上、重要な文書のみここで読み上げさせて頂きますと、平成15年11月17日の金融審議会公認会計士制度部会で盛んに議論された、公認会計士制度との連携のあり方についてというところで、こういう文章がありました。

「公認会計士を取り巻く環境の変化に伴い、公認会計士に対しては、より高い資質・職業倫理が期待されており、深い専門的能力に加えて、幅広い見識、思考能力、判断能力、国際的視野と語学力、指導力などが一層求められている」、こういう理解が示されております。これに対して、当時の議論では公認会計士として備えるべき資質・能力を有する者を育成するためには、公認会計士試験だけではなくて、高等教育機関における会計教育、実務補習等の実務経験などとの連携がとれた公認会計士養成のシステムが必要であると。では、このシステムとは何かということに関連しまして要請されたものが、会計分野に関する専門職大学院という存在です。

この会計大学院については、公認会計士試験との連携を図ることによって、会計教育が更に充実、活性化するとともに、経済のインフラとしての監査や会計の理解者が増加することにより、市場の公正性・透明性の確保による投資家の信頼の向上を通じて、我が国資本市場の活性化につながるものと期待できると。こういう要点、当時の議論は今も確認すべき内容であると思います。

そこで本日の資料4−2でありますが、それのスライドの2枚目ですが、提言1を3月15日付で公表しておりますが、これは今確認しました平成15年当時のワーキングペーパーで盛られていた理念を再度確認したものでありまして、提言1、提言2、提言3と、このように書かれておるところは、当時のワーキングペーパーで述べられた、試験のみによっては養成しきれない能力を育てる、養成する教育機関が必要であると。それが大学であるのか、専門職大学院であるのかということは当初は分からないけれども、いずれ我が国に欠けておる専門職大学院が必要だというふうに結論が下されて、それが今日も有効であると思っています。

当時、あまり強調されておりませんでしたIFAC等の最近の状況に関連して、国際財務報告基準に関する専門的知識を具備しているか否か、更には英語の能力が十分であるかといったことも確認しないといけない時代になってきていると思います。更には、日本公認会計士協会による実務補習等についても、会計大学院は十分にそれを補完し得る教育機関であろうと思います。

これらを確認した上で、これまでの懇談会の議論の推移を踏まえて、より具体的に本日は提言させて頂きたいと思います。スライドの3ページであります。一系統二段階というものが確実に定まっているのか、それは定かでありませんが、我々はこれは魅力ある一系統二段階方式の試験・資格制度の実現に向けて提言したい、主張したいということであります。

その1は、公認会計士資格に至るまでの段階的な試験・資格制度を二段階とするということでいいのではないかと、こういうふうに合意ができました。2番目に、一段階目の資格として准会計士を創設し、その資格を付与するための試験を行う必要がある。そのためには、先ほどから議論されております産業界にも受け入れられるような能力を判定する内容の試験を課すのが重要であろうと。その際、場合によっては実務経験あるいは教育の履修の経験、これによる免除を与えるということも考慮してはどうかと、こういうことであります。

その後、第二段階目の試験は准会計士を対象とし、合格者に公認会計士資格を付与する、こういうことになろうかと思いますが、そのために実務経験、実務補習、これは3年で適切なのか5年ほど要るのかは議論の結果を待たざるを得ないと思いますが、一定程度のこの期間を経て受験要件が満たされる。そして実務補習については、やや今までの議論からすれば軽減を図る必要性があるのではないか。それから新たな仕組みを作った段階におきましては、修了考査というものは要らないのかもしれない。このような理解をしております。

スライドの4枚目ですが、では、一段階目の試験としてどのようなものが考えられるのかということですが、これまでのプレゼンテーションで短答式ということが言われておりましたけど、その短答式のみでは不十分ではないか。現在の制度との関係でいけば、論文終了時点程度の試験がいいのではないか。混乱を避ける意味で択一式、論述式と表現を変えております。実行の可能性の観点から、択一式に基準点方式を導入し、一定の得点以上の者についての論文式試験の採点ということで、試験実施の方法にも工夫が必要であろうと。それから、実施時期につきましては年2回、週末2日間で実施してはどうかということであります。

そして、複雑で高度な教育が必要だというその背景からすれば、試験科目はますます簡単にするということではなくて、最低限必要と求められている内容をすべて必修で行うべきであろうと。ここに書きました試験科目は案でありまして、必ずしも会計大学院協会の加盟校全校の合意を得たものではありませんけれども、基本的には会計学、監査論、企業法、租税法については、皆さん、これは必要だろうと。更に加えて、最近の要請に従って英語であるとか、経済、IT及び統計といったような科目が要るのではないかという意見が出ております。

それから、一定の年限を経た後の第二次試験、第二段階目の試験についてですが、これは公認会計士の二次試験という形で論述式とし、年1回、1日、これは社会人へも配慮して日曜・祝日等で実施してはどうかということで、ある程度の実務経験を踏まえているということで、会計、監査、税務の科目としてはどうかということであります。

スライドの6枚目に、復習になりますが、会計大学院の位置付けとしまして、平成17年以降、専門職大学院として設置された。その中では、倫理教育と国際教育基準への対応が教育の柱となっておる。更に、理論と実務の融合教育だと。こういった社会から求められている内容すべてを試験によって判定することはできないので、普段からの十分な教育が必要である。それを会計大学院が担っているということであり、そういった内容と先ほどの試験科目は既にすべての会計大学院のカリキュラムに反映されておると理解しております。

そして7番目ですが、スライドの7ページ目ですが、会計大学院それ自体の教育の質をどう保証するのかということでありまして、学校教育法に基づく分野別第三者評価が既に行われています。そして、今回の提言に対応する質保証を強化するという観点からは、会計大学院協会による統一試験を導入することを検討してはどうか。そして、この当該試験は会計能力の判定を目的としたものでなければならないと。

ここまで質の保証を高め、十分な社会の期待に応える教育を施すことができるとすれば、統一試験に合格した会計大学院修了者に対しては准会計士の資格の付与、あるいはその後の実務補習の免除等については十分に斟酌されていいのではないかということであります。

後から、時間がありましたら8枚目と9枚目の国際教育基準については触れさせて頂きまして、10枚目ですが、結語として、いわば国策として設置された会計大学院を十分に生かしてほしい。今後とも社会的、国際的に活躍できる高度専門職業会計人の養成という、本来の使命を我々は全うしたいと思います。

この提言を実施することは、会計大学院を我が国における会計専門職教育の一翼を担う者として位置付けることであり、我々にはその責務を全力をもって担う覚悟と準備があります。

参考として、日本学術会議が日本の展望の中で書かれた、「特に経営に欠くことのできない会計の専門職教育は、会計専門職大学院を中心に行われることが期待されている」というふうに述べられております。

以上、提言とその背景でありました。ありがとうございました。

○岳野審議官

ありがとうございました。それでは、発表に基づきまして自由討議に入りたいと存じますが、さまざまな論点がございます。また、共通の問題意識もあろうかと思いますので、大変恐縮でございますが、オープンな自由討議に入ります前に、今日プレゼンテーション頂いた皆様に対して、かなりの方がこういう疑問を持つだろうなという問題点につきまして、事務局から先にご質問をさせて頂いて、クラリファイをしてから議論に入っていくようにさせて頂きたいと思っております。

それでは、事務局からお願いします。

○土本参事官

議論の参考として質問させて頂きます。

最初に、公認会計士協会に3点ご質問でございます。1点目が、予備試験の合格者数が1,500名から2,000名ということでございまして、現在の試験制度からするとかなり狭き門というふうにも考えられますが、合格年齢が下がらないのではないかというふうに懸念をされます。

これは年齢の高い合格者でも数を絞れば監査業界で採用される。今、若手中心で採用されていらっしゃいますけれども、ある意味過去がそうであったように合格すれば高齢でも採用するというようなことをお考えでございましょうか。高齢合格者に対する扱いをご質問させて頂きたいと思います。

2点目でございますが、一段階目、二段階目というところで、何が一段階目か二段階目かというところでずれがあると議論がかみ合いませんので、二段階目の試験についての質問でございます。これは現状、協会でやって頂いています修了考査を国家試験にしたものでございましょうか、それとも、現状の論文式試験と修了考査、両方を兼ね備えたようなものというふうに考えてよろしゅうございますか。

3点目でございますが、実務経験を監査業務に限定してはどうかというご見識でございましたが、ある意味企業で働く会計の専門家を増やそうという観点で考えますと、二段階目が企業の実務家、専門家が受けにくいということが想定されますが、このあたり企業実務家に対する考え方をお伺いできればという3点でございます。

○岳野審議官

恐縮です。それでは、今の3点につきまして、協会のほうからお考えをお示し頂ければと思います。

○山崎参考人(日本公認会計士協会副会長)

ありがとうございます。まず1,500から2,000名で、年齢が下がらないのではないかということなんですが、現在でも30%の人が在学中に受かっておるということでありますので、必ずしも年齢が下がらないということではないと思います。なるべく早く受からないということの、これはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、覚悟をして頂いて、若いうちに試験を通って頂くというのが大事なのではないかということであります。

それから一段階目、二段階目でありますが、私どもは二段階目は現在の修了考査に相当するものだと考えております。一段階目を2つに分けて論文式、短答式という考え方はとっておりません。それは試験の実施の内容の問題でありまして、段階の議論ではないと考えております。

それから、企業で働く人が会計士試験を通りづらいのではないかということですが、それはまさにそのとおりかもしれませんが、私が最初に言いましたように、この制度は監査をする人を選抜する試験制度でありまして、諺で言う「角を矯めて牛を殺す」ということになってはいけないというのが、私どもの基本的な発想であります。ですから、否定するわけではありません、企業で働く専門家に来ていただいて構わないのですけれども、そんなにたくさんはやりづらいだろうなというのが正直な実感であります。

○澤田参考人(日本公認会計士協会副会長)

すみません、若干補足させて頂いてよろしいですか。

○岳野審議官

どうぞ。

○澤田参考人(日本公認会計士協会副会長)

すみません、今、山崎のほうが申しましたけれども、二段階目の試験のイメージについて話がありました。ここでは修了考査という言い方をしましたが、最終、きっちりした実務経験を踏まえた上で最終の試験を受けて公認会計士になってくださいというのが公認会計士協会の主張で、その前段階についての工夫についてはいろいろな形のバラエティがあるのではないか。だから、大枠として職業専門家としての公認会計士となるためには、適切な実務経験を踏まえた最終試験を経てくださいという意味合いでございます。

○岳野審議官

議論は次々に発展していくんですけれども、また横にスライドいたしまして、経済界の皆様からのプレゼンテーションに対する事務局からの質問をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは、3名の委員の方々のプレゼンテーションを受けまして、まず島崎委員にお伺いしたいと思います。

レジュメの紙の中で、学生時代あるいは会社勤めをしながらでも取得可能な予備試験というくだりがございました。この、特に学生時代でも取得可能なという予備試験にするための難易度をどのようにコントロールするかというのが一つ大きな悩みであろうかと思いますが、難易度をコントロールする上で合格者数を増やすというのは、一つ非常に効果的、有効だと思うんですが、そういう観点で見たときのこの予備的試験の合格者数のイメージ、先ほど事務局の論点ペーパーの中で、合格者数のピラミッドを何パターンか用意させて頂きましたが、そういったものを使って頂いても結構でございますので、数のイメージというのがこの懇談会の答えの一つ重要な部分を占めていると思われますので、ある意味、その議論のきっかけとしてご質問させて頂きたいと思います。

続きまして、太田委員と車谷委員に対してご質問させて頂きます。

短答式試験と論文式試験というふうに明確に書いて頂いております。ここで、恐らく皆さんお伺いしたいことだと思いますが、経済界で採用されたい人物像というのは、短答式試験の合格者なのか、それとも論文式試験の合格者なのかということでございます。

仮に論文式試験の合格者ということになりますと、現状、論文式試験に在学中に合格できるのは3割しかいない。6割は浪人を経ないと合格ができていない。浪人生が多いので試験が非常に競争が厳しくて、また浪人化を加速するという構造も見てとれる中で、仮に論文式の合格者をとっていくということであると、社会的な損失である就職浪人をどう減らしていくかというのが課題になろうかと思います。このあたり、高齢の論文合格者で就職できる方はいいのですが、必ずしもそうでない方が結構いらっしゃるので、こういった方々を減らす上でどのような対策を講じたらよいかという点でご質問させて頂ければと思います。

○島崎委員

私は、第一段階の試験合格者に何らかの資格を与えたらどうかと思います。まず試験の難易度については、私のイメージとしては例えばUSCPAの試験のレベルぐらいを今想定しておりまして、基本的には短答式で試験を行う。ただ、試験科目につきましては先ほど何人かの委員からもお話がありましたけれども、やはり英語はまず必要だろうと思います。この英語の試験も、やり方によっては例えばTOEICの試験で何点以上であれば合格とする、そういうことを併用すれば試験の手間も省けると思います。

それから、最近の企業にとって会計の業務領域が広がってきている。先ほど太田委員からもお話がありましたけれども、内部統制とか内部監査とか、こういうようなものも科目に入れてはどうかと思います。逆に、今ある科目の中で省略するものはないかという科目の見直しも併せて行う必要があると思います。

それから、人数感としては最終的な合格者数を2,000名というレベルで考えるのであれば、最低その倍ぐらい、4,000人から5,000人という人の合格の規模感でどうかと思っております。

以上です。

○太田委員

ご質問は2つあったと思いますけれども、企業が求める人物像ということであります。私どもは、私のご説明させて頂いたペーパーの論文式試験のところに、専門知識に加え論理的思考力あるいは論述力を評価するというのが試験の趣旨だと書いてありまして、企業としても専門知識を論理的に展開できる人、論述的に述べる能力がある、ここが重要だと思うんです。したがいまして私の意見としては、やはり論文式試験を受かったレベルの方、ここで言う公認会計士の資格登録をできる方を企業としては求めたいということでございます。

浪人の件に関しては、先ほども述べたつもりでありますけれども、一つの解決策としては、クレジットの期間を延長するということが一つあると思います。企業に働きながら、あるいは監査法人で働きながらということもあると思いますけれども、そういう選択が広がるということだと思います。ですので、これを一つの解決策としてご提示申し上げているということでございます。とにかく短答試験に通ったら、何が何でも短期間に受からなければいけない、脇目も振らずにということはここで多少緩和される。そうでなくて、そのままストレートに、もちろん短期間でここで言う論文試験まで受かる人も当然たくさんいらっしゃると思いますけれども、選択が広がるとこういうふうに思っております。

以上です。

○車谷委員
私どもの考えは、さっき島崎委員からもお話がございましたけれども、短答式試験を4、5千人というレベルとすれば、一定の専門知識と企業財務に関わる、または企業分析に関わるという意欲のある方であれば、短答のレベルにおいても十分に採用は可能ではないかと考えております。その中で実務経験、これは例えば私どもの中であればアナリスト的なもの、主計的なものございますが、そういったものを経て、社会経験の中で論文を受けてサーティフィケートまで持っていくというような流れで、その中でもし更によくなるものがあれば、実務補習を経て業務登録まで行くということかと思っておりますので、基本的な考え方としては、短答のレベルにおいても採用は可能ではないかという考え方です。
○太田委員

すみません、誤解があるといけないので。会計プロフェッショナルとしての求める人物像としては、私としては論文式試験ということを申し上げているのであって、クレジットの長期化で申し上げているように、短答式試験を受かった方を通常の総合力を評価した採用資格があるかないかと言えば、それは当然そういう方が入ってくるわけでございます。だから、金融プロフェッショナルとしてはやっぱり論理的な思考、それを論理的に展開できるということを求めたいと、こういう意味でございます。

○岳野審議官

ありがとうございました。

それでは、自由討議なんですが、その前に私の先ほどの進行ミスがございまして、前回の宿題を一つ事務局からお返ししないといけない案件がございました。事務局から、先に宿題のご説明をさせて頂きます。

○内藤補佐

前回、井上委員のほうから、ドイツの制度で人数や業務範囲が非常に限られているということで、それはどういう目的なのかというご質問があったかと思います。それぞれの国の社会情勢等がありますので、十分なお答えができるかどうか分かりませんけれども、ドイツにおきましては19世紀以降、会計士の職業というのが自由職業、独立した専門職業であるということで、その守るべき職務原則が整備・発展してくる中で、職務領域について制限が付されて、資格制度としても統一的な制度が整備されてくるという中で、現在のような制度になっているということでございます。

○岳野審議官

よろしゅうございますか。

それでは、お待たせいたしました、自由討議に入りたいと存じます。自由討議でございますので、皆様、ご意見を遠慮なくおっしゃって頂きたいと存じますが、これまでの5回の議論あるいは今日のプレゼンテーションも踏まえまして、一つポイントになりますのは資格登録、開業登録といったようなものが考えられるのか。それは考えられないとおっしゃっているご意見と、これはあっていいといったご意見がございます。この辺が一つ大きな論点かなと思っております。

それからもう一つは、どういう制度であれ、前回の論点メモでもお示しいたしましたけれども、長期の勉強期間が必要であり、合格年齢が高くなってしまうということ、合格しても就職できない者が発生するといったような、社会的損失をできるだけ抑制したほうがいいということで、なるべく早い段階での就職をビルトインした試験・資格制度にすべきではないかと。大きなこの辺の2点が、まだいろいろ開きがあり、確認すべきことが多いのかなと、こういうふうに考えております。できましたら、そういったコアの論点を中心にご意見を頂ければ幸いでございます。

それでは、宮口さんからお願いします。

○宮口委員

先ほどの経済界の議論、それから公認会計士協会の議論、両方お聞きしておりまして、金融庁がやられる資格制度、今回の目的が、前にもお聞きしたような気がするんですが、適正な監査を向上させる、監査を世界から認められる公認会計士としてどうするかということがもともとではなかったのかというふうに思います。それからしましたときに、途中で資格を与えるとかいうものの議論が成り立つのかなと。公認会計士協会がおっしゃいましたような、監査実務を踏まえていない公認会計士というのは、公認会計士ではないのではないかというご提案に賛成するものであります。

また、資格付与ということがいろいろなご意見として出てまいりましたが、資格付与のニュアンスがかなり違ったと思います。准会計士の資格を与える、あるいは公認会計士の資格を与えるというのも、できるだけ前の段階で与えるというご意見、それから、最終的に監査の実務経験が終わった段階でテストして与えるということのご意見は、かなりの差違が期間的にあるんだろうと思います。念のために公認会計士というのが、私は税理士会から参っておりますが、公認会計士の資格を有する者を含めまして税理士資格を付与するということになっておりますから、それからしましたら、今日の言葉で出ました准会計士等の方が公認会計士になられるという考え方には、全く組み入れることはできないと個人的には思っておりますので、申し上げておきたいと思います。

どうぞよろしく。ありがとうございました。

○岳野審議官

大崎さん、お願いします。

○大崎委員

ありがとうございます。私は会計士協会のお話を伺っておりまして、率直に感じましたのは、この制度になれば、これはかつての会計士補というのを准会計士と呼び名を変えただけの制度になってしまうのではないか。もちろん細かい、試験科目等々若干変わるとはいえ、そういう感じが率直にいたしました。

そういうことでもよいのだという考え方もあるかもしれませんけれども、盛んにいろいろな方から出ておりましたように、これはもともと平成15年の法改正のときにも議論された、会計プロフェッションの裾野を広げ、多様な人材に資格を与えていくという、基本的方向性と大きく矛盾するものではないかという気がいたします。

その意味で、私は監査が完璧にできる方々にだけ公認会計士という資格を与えるのか、そうではないのかという点が非常に重要だと思い、前々から何度か申し上げておりますように、経済界のお三方からあったような、中途段階で監査業務に従事できない人にも公認会計士という資格を与えるべきであるという提案に賛成です。

そうしますと、先ほど税理士会からお示しがあった懸念というものが出てまいります。ただ、ここは公認会計士が即、税理士業務ができるという、現在の建て付けで絶対に考えなければいけないというものではないのではないか。監査業務の登録ができる者に限って、税理士としての業務も認めるというふうに整理をすれば、ご指摘のような問題点というのはないのではないかという気がいたします。

私は何より大事だと思いますのは、最終的な資格、これは試験勉強を始める者にとっては目標でありますけれども、この最終的な資格の獲得というのがどのくらい遠いかというのは、やはり、その試験の受験者の裾野をどこまで広げられるかということと大いに関係をしておると思っております。確かに会計士協会からもお話があったように、国際的な競争力ということは重要である、そのとおりだと思いますが、現実に会計監査あるいは会計の世界で、世界をリードしている国はどこであろうかというふうに考えたときに、現実にはやはりアメリカとかイギリスとかいう名前が浮かんでくるわけでございますが、そのアメリカにおける公認会計士資格は、非常に厳しい狭き門で試験をしているのかというと、経済界の方からもご紹介があったとおり、日本では取れないからアメリカで取ろうという人がたくさんいるようなそういう資格試験なわけです。私は資格試験のハードルをいたずらに高くすれば、それで質が高まって制度としての国際競争力が高まるというものでは全くないのではないか。むしろ、あまりに特殊な業務に限定された、しかも非常に難しい資格ということになりますと、そもそも受験を志す人に偏りを生じさせしまって、結果的にでき上がった資格取得者の集団の多様性、ひいては競争力というものに問題を生むだけなのではないか、こういうふうな気が強くいたします。

ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○岳野審議官

久保田さん、お願いします。

○久保田委員

この問題は、それぞれのお立場からの発言を伺っていると、それぞれある種納得できる話です。ただ、今、大崎さんが言われたように、平成15年の改正ですか、それから今回の改正の趣旨をどこに置くかということが一番重要であって、先ほど山崎さんが言われたように、これは会計監査人を選別するための制度を作るのだというのは会計士協会の立場としては分かるんですけれども、この見直しの発端というのは、むしろ日本全体として会計の水準のレベルを上げていくというところであって、そこを重点に置かないと非常に議論が混乱していく。

それから、確かにそれで走って、今、就職の問題も含めていろいろ問題が発生していますので、それをすべて解決するというのは難しいかと思いますけれども、基本的には日本全体の会計の水準、企業の会計に携わる実務家のレベルも上げていく。あるいはそういったものにチャレンジしていく若い人たちがもっと増えて、勉強してレベルを上げていくというところに重点を置くべだと思います。ですから、基本的には産業界の方、今日、3人プレゼンテーションがありましたけれども、ああいう方向で、最終的に会計監査人が選別するようなところについては、そういった道を選ぶ人については特殊な追加的な補習を受けたり、最終的にそこは選抜があってもいいかと思います。そこで人数を絞っていくということにすれば、両立も可能なんじゃないかということでございます。

追加的には企業の立場からすれば、もう少し企業の経理に携わっている人たちが、できればそういうものを受けやすいような試験制度にしてもらえれば、更に裾野が広がっていくということだと思いますけど、基本的に何を目的として立てるかというところが一番重要じゃないかな。そうしないと、多分この議論は収束していかないのではないかと思います。

○岳野審議官

古賀さん、お願いします。

○古賀委員

形はそれぞれの主張によって違うような気はしますけれども、二段階みたいな形にするのかなと思います。ただ、私は2つのニーズがあって、企業サイドからしたら、会計に携わる人のプロフェッショナリティをきちんと認定する、そういう要素をここで果たせないかというニーズと、それから監査のためにある資格なんだという従来からの主張に基づくニーズと、これがクロスしているような気がします。

私は、単純に会計リテラシーというか、会計プロフェッショナリティが高いだけでは監査を行うには不十分だという点も理解できます。であるとしたら、仮に二段階にするとしたらいわゆる何式というかは別にして、一段階目の試験は会計プロフェッショナリティ、知見を問う形にもっと収斂できるはずだし、更にその中からいろいろな実務、企業で積もうが監査法人でそういう経験を積もうが、その後に受ける試験、これは多分、監査に従事するに当たってという観点をもう少し強めた試験になっていくというのが一つの結論なのかな、というふうに感じました。折角二段階にしても、これをいたずらにもっと難しいとか、会計の知識のレベルが高いんだとか低いんだとかいう一段階の試験にしてしまったら、余り問題解決にならないと思います。働かなくても上等そうな資格をいっぱい取れば、それで親も満足するような家庭も増えていますから、少しそういう仕分けが必要かなと感じました。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

ありがとうございます。今、経済界からいろいろご意見を頂きましたけれども、基本的には今回の議論も一系統二段階ということでお考えになっています。一系統というのは、会計士になるための試験であるという前提だというふうに理解しております。ですから、2つの資格を作るということではないのですね、というふうに最初のときに伺ったわけです。

今回、例えば先ほど島崎委員のほうから話がありました、4,000名、5,000名合格者を一段階目に出すといった場合に、その人たちは次の二段階目の試験を受けない人がいるという前提で当然考えているわけですね。その場合の一段階目で受かった人たちの中で相当数の人が会計士になるのはもう諦める、最終段階の資格を取るのを諦めるということを前提にしないといけないわけで、頂いた資料の中の、先ほどの1,600名とか2,000名とか書いてございますけれども、そういった二段階目の試験を通過するという前提ですが、その前提でいきますと、実際に会計士になれる人は1,500名という最後の目標になるわけですけれども、そうしますと最初から受験する人たちは、会計士にならないということを考えて受験してもらわなければいけないということになるわけですね。

それから、先ほどございました、会計士の資格を一段階目で与えていいのではないかという、大崎委員のご意見でございましたけれども、それは国際的に見て、米国ではそういう制度をとっていますけれども、それは資格登録制でインアクティブということで監査業務をやっていないということになっているわけですけれども、しかし、世界的に同じ制度をとっている国はほかにもあるかというとないわけで、前提はちょっと違っているのではないだろうかということがあります。

それともう一つ、日本においては60年かけてやっと、公認会計士という資格が社会的な評価を得てきているわけです。私が会計士になってしばらく10年ぐらいそうだったと思いますけれども、計理士さんと言われていまして、前の制度の名残をそのまま言われているわけです。今でもまだ計理士さん、計理士さんと言われるわけです。だから、そのぐらいに社会的な認知を得るのに時間がかかってきているわけです。残念ながら、この10年ぐらいでいろいろな事件があったということもあって、公認会計士・監査法人の存在感が非常に高まってきており、理解のある方は増えてはきていますが、それにしても公認会計士という資格に対する評価というのはなかなか定まっていないところにあるわけです。

そういった中で、公認会計士という資格、資格登録と開業登録と分けて考えるということを一般の人に求めるといっても、それはほとんど無理だろうと思いますし、多分そういう制度にすれば日本の公認会計士に対する評価というのは当然下がっていく。今日も元公認会計士の人が捕まったような話が書いてありましたけれども、そういう意味では残念ながらそういう人もいるわけです。そういう意味では、会計士という資格に対する評価もやっと定まりつつあるところに、資格登録制度を導入するということについては、基本的に我々は反対したいと思っています。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

ありがとうございます。先ほど、会計士協会が出していた人数の一覧表がありますけれども、このような状況というのは少なくとも、日本だけではないということです。つまり、法定監査の市場というのはほぼ飽和状態にあり、各監査法人が得られるパイというのはかなり限定的な状態にあるということです。少なくとも、今後、上場会社などが増えない限り、こうした状況に変化はないと思います。これはいずれの国も全部そうなわけです。

ましてや日本は、いわゆる監査に特化した監査法人が法定監査をベースに業務を行って報酬を得ているわけですから、その一定の業務量、クライアントの数と言ってもいいですけれども、それに必要な監査人というのは大体決まっているわけです。したがって、個々の監査報酬が将来的にものすごく増えるならば、あるいは監査領域がものすごく拡大するということがあるならば、監査業界もかなりの合格者を吸収することができるわけですけれども、現状ではできないと思っています。まず、こうした状況が大前提にあるということを忘れてはいけないわけです。

ただ、平成15年の改正のときもそうですけれども、会計士の数を増やすということについては産業界の方が言われていたように、いわゆる監査人としての公認会計士だけではなくて、企業内会計士のような立場の方がいてもいいのではないかということで制度が変わったと思うのですが、ここ2-3年を見てみると、企業のほうは採用していないという厳然たる事実があるわけです。そして、例えば今日のプレゼンテーションで、多分島崎さんも同じだと思いますが、資料の3−2、3−3の企業の方々のこの表を見てみると、象徴的なのが、例えば太田さんのこの表を見てみますと、短答式と論文式、これは現に行われている試験と全く同じものを念頭においています。ただ、そこでは、公認会計士試験合格者という名前しかないのであって、いわゆる最終的な資格ではないという不十分さがあるがために社会的認知度が低いのかもしれませんけれども、全く同じ構図となっているわけです。なぜそれなのに、昨今の未就職者を企業側が吸収できていないのか・・・。

仮にここに准会計士とか言ったような名称を与えても、今の状態なら、企業サイドは採る気力がないのではないか、少なくとも、現在の合格者が採用されないという理由が私にはよく分からないわけです。したがって、人数の問題も非常に大きな問題だとは思いますが、会計士協会が言っている人数については非常に厳しいものを感じています。ただ、昨年のこの会が始まったときの冒頭に、岳野審議官がおっしゃったように、当面2,000人ぐらいだという数字を示されましたけど、私も前後の数を見てみると、恐らく一段階目の試験ですか、そこでもやはり大体2,000人からマックス2,500人ぐらいではないのかなという気がしています。そして、その後、実務経験を潤沢にやって監査業務を担う会計士を排出する方向に持っていくということになると思います。ただ、それは早い段階で就職してもらいたいということがあってのことですが。

実は、アメリカのUSCPAの議論が出ていますけれども、USCPAの試験に一番欠落しているのは、実務経験の要件が満たされてないということなんです。これは国際教育基準の要件にも合っていません。ちょっとその点を高田先生から補足して頂きますけれども、そのためにアメリカは150セメスターアワーズという、他の国よりもすごく長い時間の教育要件を課すことで、実務の経験ではないのだけれども教育要件をかなり他の国よりも重装備のものにしているという状況があると思います。

したがって、実務経験をやはり十分にしないと監査人としてはなり得ないという部分がありますから、これをどうやってトレーニングしていくかということが必要なのであって、私はそれは監査事務所でなくても企業でもいいし、あるいは他の独立行政法人とかそういうところで財務とかファイナンスとか、オーディットだけでなくてもいいと思うんです。それをちゃんと用意するという覚悟があるならば、私は企業側のほうの考え方についても大いに理解できるのですけれども、いずれにしても採用していないということ、これは大きな問題だと思います。高田先生、この実務経験のことについてお願いします。

○岳野審議官

高田先生、お願いします。

○高田参考人(会計大学院協会幹事長)

我々の資料、4−2の8ページ目に国際教育基準の基本構造ということで書いてございます。これは皆さん周知のことかと思いますけれど、ごく簡単に説明申し上げます。

国際基準ではこういう流れになっておりまして、まず教育課程への参入条件、これが明示されております。この教育課程というのは大学を想定しているわけではなくて、協会、職業団体の教育課程です。それへの参入条件として大学入学または大学入学と同等程度というふうに書いてございますが、ここで想定されているのはイギリス、アイルランド、スコットランド、イングランド、ここの教育プロセスです。

私はヒアリングも行ってまいりましたけれど、実質的には参入条件はこう書いてありますが、ほとんど大学卒、99%大学卒という話でした。

次に教育に入るわけです。実務要件はちょっと置いておきます、教育要件と。これはそれぞれのバックグラウンドに応じて3年から、場合によっては5年ということです。協会による教育が実施されて、資格試験というのは何を見ようとしているかというと、協会が実施した教育の達成状況、これをここで測定するということです。それで、この資格試験をパスしますとライセンス付与ということで、ここでもやはり条件があって、大学卒業またはそれと同等程度ということでございます。

アメリカはこれが、今ご指摘ありましたように、特に実務要件で満たせないものですから、実はかなり厳しいネゴシエーションをして、会計審議会とネゴシエーションをして150単位という猛烈な数字が出てきたと聞いております。

日本の場合は会計大学院を修了しますと、学部は大体、日本の場合120から130でございますので、今、会計大学院というのは最低でも44、最高で60を教えています。ですから、数量的にいいますと会計大学院修了者というのは170から190単位取っているということです。ですから、その質の問題はもちろんありますけれど、それだけの教育がなされているということで、国際標準ということで教育要件を見ますと、一定の日本の国内の教育機関につきましてはこれは十分パスしているということです。

教育の内容につきましては次のページに書いてございます。1、2、3と分かれておりまして、会計系、それから経済系、IT系です。この3つが明示されております。

以上でございます。

○岳野審議官

藤沢さん、お願いします。

○藤沢委員

ありがとうございます。私は会計の専門家でも何でもありませんので、非常に一般論しか申し上げられないんですけれども、前回の会議が終わってから、この場でこういうものを使ったというのはどうなのか分かりませんけれども、ツイッターを通じて会計士になりたい人、それから既に会計士である人たちというのが結構議論をしています。この会議が終わった後、すぐにそういった人たちはツイッターで今日の会議の内容はどうだったかという議論をしているわけですけれども、そういった方々に少し投げかけをしてみました。

3度ほど投げかけをしましたので、300弱ぐらいの方々の声を頂いたわけですけれども、まず受験者の方々に聞いてみると、彼らは監査をできない会計士になるつもりなんてないと。そういうつもりで勉強している人は一人もいないという声が非常に多かったんです。ですから、監査ができない会計士というのは困りますという声は非常に多かったんです。

ところが、一方で、資格を取られた方にそういった監査ができる会計士とできない会計士が存在したらどうだろうという投げかけをすると、意外とウェルカムの声が多い。なぜかというと、せっかく取ったけれども監査法人に入れない。結構ご年配の方も多くて、若い人にはチャンスがないんだと。そういう意味では、別のチャンスが得られるようなところがあるのは大変ありがたいとか、それからなかなか受からなかった人もいるので、途中で資格が得られて就職できるというのはもしかしたら救いになるかもしれないと、そういう声がありました。

ただ、一方で、受験者の方、資格者の方両方で共通であったのは、もし監査ができない資格のようなものが出るのであれば、そのブランドの定義をはっきりして頂きたいと。それがはっきりしないのではあれば、その資格というのは意味がないのではないか。先ほど経済界の方もおっしゃっていたような、会計プロフェッションというのが、企業が本当に採るのだ、本当に採ってくださるのだと、そして本当に社会的にそれなりの地位があるのだということを明確にできるような何かを国で議論してくださいという声が大変多かった。

そして、既に取っている方も、会計士という大変苦労して取った資格というのが非常に陳腐なものになってしまうのは大変寂しいので、監査をしないという会計士という部分の定義付けをきちんとして頂きたい。もしくは、監査をしない会計士というのは監査の補助はできるという形にするとか、何かしら監査とつながるようなことも定義付けの中に入れて頂けないだろうかというような声もありました。

もう一つ議論の中にあったのは、監査ができない会計士と税理士の違いというのも明確にして頂ければありがたいなという声も大変多くあったところでした。それは税理士の方からも、結構、横からそういう議論に参加される方がたくさんいらして、ぜひお願いしますという声がありました。

それから、ツイッターの議論とは少し違うんですけれども、先ほどご提示されていた通過率、資料1−1の9ページの通過率のところなんですけれども、試験の段階を見ながら通過率を見ていて、先ほど土本さんからも既に論点としてご指摘があったのですけれども、やはり大学生、若い人たちが今まで3割、一次と二次と両方試験に受かっているのに、間に実務を入れるとまとめて取れないかもしれない、これをどう考えるかというところがありました。先ほどの会計士協会の方からも、できるだけ若いうちに取って頂いて働いて頂きたいと。これは確かに監査というのは実務経験が非常に重要なので、若いうちに資格をきちんと取って経験を積んで頂くということは重要だと思いますし、また、一次試験の人で採用したのはいいけれども、二次試験受からないという人を採用することは監査法人の方にとってもあまりうれしいことではないのかもしれないとすると、大学生とか院生に限って、この9ページのところは一段階目の合格者に順位を通知することによりというようなことがありますから、逆に順位が高い人はまとめて二次試験まで受けられるような優遇措置というのも考えられるのかなというのは、これはあくまでも素人の見解ですけれども、少し感じたところを述べさせて頂きました。

○岳野審議官

ありがとうございました。

先ほどお手を挙げておられた松井さん、いかがですか。

○松井委員

あまり何度も繰り返すつもりはありませんが、前から言っておりますように、受験生の立場で物事を考えるのが根本です。従って、一番大きな問題意識というのは、資料1−1の「早い時期での就職活動を促すこと」であって、この論点を逸れてはいけないのではないかと思います。

先ほど八田先生からも、実業界は会計士試験合格者を採っていないではないかというご指摘がありましたが、これはあくまでも短答式と論文式の両方の試験を受かった人間を採っていないということでありまして、例えば短答式試験の合格者は、現在では2回合わせて大体三千数百人ですけれども、この段階でどうかといえば、多分企業は採ると思います。受験生にとっても、短答式合格の時点で一旦就職をすれば、選択肢を確保した上でその後の人生設計が出来ることになります。結果として、受験生が直面する状況というのは、今と全然違ってくるのではないかと思います。

同じ資料の9ページにある「例2」の図を見てみますと、一段階目の試験の合格者として4,000人を想定しています。これが一番のポイントです。最初の段階で2,000人にまで絞り込んでしまっては今と大きく変わりません。この2,000人か4,000人かというのは決定的な違いです。受験生は、この4,000人の合格者の一人になった段階で、次はどうするのかを考えるわけです。それ以上先の試験に進むかどうかの踏ん切りをつけてもらうということです。その踏ん切りのつけ方としては、この図の下にも書かれているように、あなたは何番だと成績の順位そのものを伝えるという方法もありますが、これはむしろ応用問題ですから、いろいろなやり方を検討すれば良いでしょう。どんな制度にするにせよ、それが受験生にとって、一体どういう意味を持つのかという視点をベースに議論すべきではないかと思います。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

先ほどの追加ですが、我々も会計プロフェッションが企業の中で必要だということを認めており、もともとそう思っていますし、会計士の数を増やしていくということは必要だと思っています。今、松井委員のほうから話がありましたけれども、確かにそういう合格者を出していって、ちゃんと実業界、経済界のほうでその合格者を採用してくれる、一段階目の試験に合格した人は必ず採って頂けるというのであれば、受験生もそれなりに評価するだろうと思うんです。それがないということになってしまいますと、4,000人受かったけれども、例えば1,600人ぐらいしか就職口がないと、あるいは企業側でもそれを優先的に採用してくれないというようなことになってしまいますと、公認会計士試験の一段階目の試験自体の魅力というのがなくなってくる。会計士試験そのものの魅力がなくなってくる可能性はあります。

あくまで監査人を養成するための試験ではないということであれば、確かにそのとおりだと思います。我々も自分たちのことだけを考えて言っているわけではなくて、試験合格者に対し現状実務経験の場を提供できないわけです。今の合格者の数でもなかなか実務経験の場が提供できないということが一番の問題になっているわけであって、会計士にならないということであれば、4,000名のうち二千数百人が別に一般企業で勤めて頂いて、その後で必要があればもちろん二段階目の試験を受けるということになるわけですから、そういう試験制度であるのだということを受験生にもきちんと示せるということであれば、今のお話の一段階目の試験の合格者4,000人という考え方もあるとは思います。しかし、その辺については、経済界のほうでも責任を感じて頂いて、優先的にするよということであれば、私としては反対する理由はないと思います。

○岳野審議官

島崎さん、それから先ほど太田さん手が挙がっていましたので、島崎さん、太田さんで。

○島崎委員

増田さんがチャレンジしてきたので私、発言させて頂きます。

会計士協会の2−1の資料の前提の2のところですが、監査業務以外も否定はしないと言いながら、ここまで言い切るということは、今の会計士制度の一番の目的というところから見ても、かなりおかしいのではないかというのが指摘したい1点目であります。本当にここまで考えているのであれば、もっと議論させて頂かなければいけないと思います。

更に2つ目の点は、企業が採用するのなら合格者を増やしてもよいですよということですが、企業も監査法人も同じ状況だと思うんです。3年前の大量合格者は、全員を監査法人が採用したわけです。協会の説明では状況は変わってきたということですが、企業も同じでして、従業員の雇用について未来永劫保証して、必ず何人採りますよということは約束できない訳でして、そのときの状況によって採用数というのが決まってくるというのが現実であろうかと思います。

ただ、今の試験制度そのものが企業の採用方法とマッチしていないところがある。採用のタイミングだとか、年齢の問題だとか、その辺のところも改善する必要はあると思います。又、前回も言っていますけれども、受験者の意識も変えて頂かなくてはならない。それで、今回の提案のように短答式というか、第一段階の合格者に何らかの資格を与えるということになりますと、私は先ほどUSCPAレベルというお話をしましたが、現在のUSCPA合格者には、会社で働きながら受かってきた人が相当いると思いますので、社会人から公認会計士試験にチャレンジしてみようと思う人が増えてくるとも思います。それから、会計士の試験と就職活動を同時に進めて、就職を決めてから、社会人になって引続き会計士試験に挑戦するというケースも出てくると思います。

先ほど、松井委員もおっしゃいましたけれども、選択肢が広がってくる。ですから、何がこうなったらやりますというのでなくて、その目的に向かって何かやらないと変わってこないのでないかなと。私はこういう認識をしております。

○岳野審議官

太田さん、お願いします。

○太田委員

企業も採用の努力あるいは認識が不足しているというのは否定できないと思うんです。ですから、今後努力していかなければいけないと思います。

ただ一方で、やはり今の制度だとなかなか障害があるということも、きちんと認識をする必要があると思うんです。今もお話がありましたし、私も申し上げておりますけれども、企業側の採用の時期と公認会計士の試験の時期が全くずれているということでありますから、我々、前もお話ししましたけれども、わざわざ時期をずらして公認会計士の試験を受かったころにもう一回採用活動するというようなことまで努力しておりますし、銀行は東京三菱の方がおっしゃっていましたけど、別口の採用のルートを新たに作られていると。金融プロフェッショナルコースというようなことも、だんだん努力してきていると思いますけれども、やはりそういう実態が違うということも、それをどう克服するか、違うままに放置しないで、どうしたらそれが克服できるかということも、我々もこの場で議論していかなければいけないと思うんです。

それから、今はやはり公認会計士、イコール監査をやる者ということになっておりますので、そういう入り口でずっと試験勉強してきた人が、はたして企業の採用にかなうかと、そういう問題もあるわけです。したがって、今後の公認会計士については、こういう考え方で行いますということを明らかにすると再三出ておりますけれども、そういうことによって公認会計士試験、そこから監査法人に行く人、企業に行く人ということが道が明確になれば、またその採用に向かう人もまた増えてくるのでないかということでありまして、これはぐるっと回る話だと思っております。ですから、今の障害が何かということと、それからそれを克服することを考えるということと、それから、制度の目的とルートを明らかにするということも併せてやっていかなければいけないと思います。また、それに加えて努力ということも必要だと思います。

以上です。

○岳野審議官

平松先生がお手を挙げになりましたので、お願いいたします。

○平松委員

パズルのようなことだったのですけれども、国際教育基準の観点から解けそうなパズルだと思っています。

つまり、国際教育基準というのは1号から7号まではいわゆる「会計人」を取り扱っています。プロフェッショナル・アカウンタントです。第8号で初めて、いわゆる日本でいう公認会計士が出てくる。したがって、産業界の委員の方がおっしゃっている多くの会計人を育成するということも国際教育基準の1つの使命ですし、第8号で今度はより監査に特化した形いわゆる日本の公認会計士を育成するというところがうたわれている。そういうことをうまく組み合わせれば、産業界のおっしゃっているプロフェッショナル・アカウンタントの育成と、公認会計士協会がおっしゃっている、いわゆる監査に特化した会計士の育成ということの解が出てくるのかなと思った次第でございます。

○岳野審議官

あと、石川先生から手が挙がっておりますので、石川先生、お願いします。

○石川委員

時間があまりありませんので、一言だけ発言したいと思います。印象も含めてですが、国際教育基準や、それからUSCPAの話も出ていましたが、そこで重要な役割を果たしている(あるいは果たすことが想定されている)のは教育のプロセスなんです。しかし日本の場合は、たとえば大学生の一般の就職にあたっても、大学入試という入り口の試験の評価が相当ウエートを占め、大学での教育プロセスそれ自体はあまり評価されないし、関心ももたれない状況にあります。従来の会計士試験も同様で、入り口の試験が大きな役割を果たしています。したがって、国際的に通用する力のある会計プロフェッションを監査だけでなく企業を含む社会の各方面で活躍できるようにしたいという場合、それをどういう形で社会で育成していくのか、そのプロセスも含めて改善なり改革を考えないと、試験制度だけ変えても十分に成果は上がらないのではないかと思います。

また、本日、会計専門職大学院の参考人からの説明もありましたけれども、そこも含めて、やはり教育のプロセスをどう改善して、それを試験制度の改革とどのような形で結びつけるか、そのような視点が重要ではないかと思います。その上で、企業の側からの要望等をどう取り込むことができるのかを考えればよいのではないかと思います。それからもう一つ関連することですが、先ほど英語とかそれから論理的な能力という話が出ていましたが、そのような能力は学生の一般的な就職の場合でも、当然求められています。そうしますと、それらを果たして准会計士になるための試験や会計士試験であえて試験科目として特に考慮することが適切であるのかは検討の余地があると思います。

○大塚座長

大変熱心なご議論ありがとうございました。エンドレスにこの懇談会も続けるわけにまいりませんので、徐々にゴールに近づいていかなくてはいけないのですが、ぜひ、この点は反対だとか、絶対これには反対だとかいうそういうアプローチではなくて、この点はアグリーできるといった、アグリーできる点を徐々に徐々に増やしていって着地を目指すということだと思っております。

今日お伺いしている限り、私なりにこういうことはコンセンサスになったな、ないしはコンセンサスに聞こえたなと思う点を申し上げますので、別に今日そこについてここでコンクリートする必要はありませんけれども、ちょっとテイクノートだけしておいて頂きたいのですが。

まず第1点目は、そもそも現状の試験制度に問題がなければ、あるいはそういう認識でなければ、こうやって皆さんのお時間を頂く必要もないわけでありますので、第1点目は現状に問題があるので、今よりもいい制度に変えるということを行うということです。これが1点目であります。

それから2点目は、社会的コストを考えると、就職浪人をできるだけ出さないということもコンセンサスになっているのではないかなと思います。

3点目は、フルスペックのプロフェッショナルは監査のできる公認会計士であると。これもそうであったのではないかなと思います。

4点目は、しかしフルスペックではないけれども、プロと呼ばれる、ないしはプロを目指すという裾野を広げるということ。これは4点目であったのではないかなと思います。

そして5点目は、しかし質を維持すると。ただ、この5点目の質を維持するというのは、3点目と4点目の両方にかかります。フルスペックのプロとしての監査のできる公認会計士の質は当然維持すると。しかし、フルスペックではない人たちも何らかのステータスが得られる以上、それに見合った質は維持すると。これも問題なかったと思います。

最後、6点目なんですが、これが一番、私は重要だと思っているんですけれども。これから試験を受ける人たちの立場になって制度を作るということ。

というこの大体6点ぐらいは、コンセプトとしてはご同意頂ければ、それに照らした案をこれからお示しをして、チューニングをしていくということかなというふうに思っております。

私事ですけれども、石川先生と学部は違いますけど、御校でもう6年近くゼミ生を毎年、半年持ってやっていますので、就職事情については一応かなり知っているつもりでございます。学生の皆さんのフィーリングも毎年聞いていますので、そういう日本の就職事情や日本の社会の将来に、今日お集まりの皆さんの世代とは違った不安感を感じている人たちにとって、机上の空論だなという結論にならないようにご協力だけ頂きたいなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○岳野審議官

それでは時間も過ぎましたので、本日の懇談会を終了させて頂きます。次回第7回懇談会は、6月7日月曜日、18時30分からを予定しております。

皆様、本日はお忙しい中ご出席頂きまして、大変ありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課開示業務参事官室(内線3679、3661)