第7回公認会計士制度に関する懇談会議事録

1. 日時:平成22年6月7日(月曜日)18時30分〜20時36分

2. 場所:中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

○岳野審議官

それでは、定刻を過ぎましたので、ただいまから第7回公認会計士制度に関する懇談会を開催させて頂きます。

本日は、皆様ご多忙のところ、ご参集頂きましてありがとうございます。

なお、田村大臣政務官におかれましては、所用がございまして若干遅れて入室させて頂きますことになっておりますことをご了解頂ければと存じます。

本日は、これまでと同様、開催時間の都合から軽食を用意させて頂いております。まだお済みでない方はどうぞご遠慮なく引き続きお召し上がりください。

本日の議事進行補佐役は審議官の岳野が務めさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

なお、私どものほうでは、6月からクールビズ期間ということでラフな格好をさせて頂いております。ご容赦、ご理解頂ければと思います。

それでは、議事に入らせて頂きたいと思いますので、カメラはここまでということでお願いいたします。

本日は、公認会計士・監査審査会及び日本公認会計士協会の方々にもお越し頂いております。本来であればご紹介すべきところでございますが、時間の関係もございますので、お手元の配席図でご確認頂ければと存じます。

まず初めに事務方から配付資料の確認をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは、配付資料の確認をさせて頂きます。

資料1、田村内閣府大臣政務官からの「公認会計士制度の論点メモ」、縦長の2枚紙でございます。

資料2、事務局作成で横長の「とりまとめに向けての6つのポイント」。

続きまして、資料3、これも事務局作成で縦長の「とりまとめに向けて(たたき台)」。

資料4−1、事務局作成の縦長の紙でございますが、「論点メモA:就職浪人をできるだけ出さない方策について」。

資料4−2、事務局作成の「論点メモB:「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」について」。

資料4−3、事務局作成の「論点メモC:「フルスペックの公認会計士」について」。

資料5、事務局作成、横長の紙ですが、「資格の取得・維持の要件について(たたき台)」。

以上でございます。

もし資料がない場合には事務局にお申しつけください。

○岳野審議官

それでは、田村大臣政務官の入室が少し遅れますので、初めに事務局から資料の説明をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは、説明させて頂きます。

資料2、「とりまとめに向けての6つのポイント」ということでございます。横長の紙でございますが、資料2です。

前回の懇談会の最後で、大塚座長からコンセンサスに向けてということで6つのポイントが指摘されておりますので、それを紙にしたものでございます。

現状に問題があるので、今よりもよい制度に変える。

これから試験を受ける人たちの立場になって制度をつくる。

就職浪人をできるだけ出さない。

フルスペックのプロフェッショナルは監査のできる公認会計士である。

フルスペックではないがプロと呼ばれるないしプロを目指す裾野を広げる。

「フルスペックの公認会計士」とフルスペックではない者双方の質を維持する。

これを踏まえまして、本日の議論を効果的に進めるべく、事務局の責任で次のページのポンチ絵を用意してみました。あくまで議論する上での一つの仮説というふうにお考え頂ければと思います。

黒いところで塗ったのが各段階でございまして、最初受験者という者がいて、一段階目の試験に合格をして、これはグループを言っているだけで名前を言っているわけではないんですが、プロフェッショナルを目指す者というグループになりまして、できればこの段階で就職をしてほしいということを念頭に置いておりまして、就職、あるいはもともと社会人で経験があれば、実務経験を経て二段階目の試験に合格と。ここで「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」という集団になると。

これがさらに実務補習、修了考査の合格、それから、後ほど議論がありますが、追加の実務経験、こういったことを考えながら、最終的に「フルスペックの公認会計士」というようにしてございます。

本日の事務局の資料は、この絵に念頭に置いて仮説として資料をつくってございます。

続きまして、資料3、とりまとめに向けてのたたき台というものでございます。

本日は議論の時間の制約がありますので、本日主にご議論頂きたい大きな幹となる論点を資料4−1、4−2、4−3、それぞれ論点メモA、B、Cと3つに分けてございまして、この3つの幹でない論点につきましては、仮説として資料3のとりまとめに向けてのたたき台という中に入れてございます。あるいは論点メモA、B、Cを議論する上での考え方がとりまとめに向けてということに書いてございます。この資料3も固まったということで書いてあるわけではございませんで、あくまで一つの仮説ということで書いたものでございます。

時間の関係もございますので、個々にご説明、読み上げるのは割愛させて頂きまして、ざっと資料3のご説明をさせて頂きます。

まず1ページ目、大きなくくりで I .現状と問題点。

1.制度改正の検討に着手する必要性。これは懇談会の場で何度も議論が出てきたものをまとめたものでございます。説明については省略させて頂きます。

それから、2.現状における問題点ということで、これも何度もご紹介させて頂きましたけれども、昨年の論文の合格者約1,800人に対してアンケートをしたものをここで再掲をしてございまして、マル1は、浪人生の合格者の割合が非常に高くて、ある意味浪人同士の競争になっている試験であって、マル2は、他方で内定率が6割程度という低い状況になっていて、マル3は、合格者のほとんどが監査業界以外への就職活動をやっていないということがあります。

1ページの最後のポツでございますけれども、こういう中で、合格者数を絞ったらどうかというご意見もありますけれども、監査業界の数年先の求人ニーズの予測が困難な中で、単に合格者の人数を絞っても上記の問題が助長されるだけではないかということで、優秀な人材が活用されないという問題の解決にはならないということで、この制度、やはり実務経験というのは不可欠の要件でございまして、いかに合格者に実務経験の機会を与えるかというのが一つの命題でございまして、そういう点では、日本の試験・資格制度を日本の企業の特質や就職慣行、こういったことに合わせていくことが必要ではないかということでございます。

ページをめくって頂きまして、2ページですが、目指すべき方向ということで、1.は、制度設計にあたっての基本方針ということでございます。

3つ目のポツを見て頂ければと思いますが、ある意味適切なタイミングでの就職を大前提、就職を促すことを前提として、そうしますと、その後は、監査業界で働きながら、あるいは経済界で働きながら、いずれにおいても働きながらの受験、資格取得ということになりますので、働きながらの受験や資格取得がしやすい制度にするというのを制度設計に当たっての基本方針とすると。これによって合格者の就職や経済界で働く30代、40代の方の資格取得が結果的に進むのではないかということでございます。

2.は、試験制度の改善の方向ということで、以上を踏まえまして、2つ目のポツでございますけれども、やはり日本の場合は、このマル3ですが、我が国の就職慣行では依然として年齢が重要な要素、これは経済界であれ、監査業界であれ、いずれもやはり若い方を優先しているということを踏まえますと、就職浪人を出さないためには、できるだけ早い時期に就職、あるいはできるだけ在学中に就職活動を行って頂いて実務経験を得て頂く方向にシフトさせていくということが必要ではないかと。

また、次のポツでございますが、高度な会計専門人材の育成ということが非常に重要であるというのはいまだに変わりませんで、そういう意味で、会計専門職大学院と試験制度との連携方策について検討することが必要としてございます。

次に、3.資格制度の改善の方向ということで、(1)が「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」を位置付け、育成するということでございまして、3ページ目を見て頂きますと、1つ目のポツでございます。

もともと会計士としての開業登録から始まった制度なわけですが、中には監査業務に従事せずに企業内実務やコンサルティング業務にかかわる方が非常に増えてきて、非常に有意義な活動をしていると。

2つ目のポツですけれども、こういった企業内で働くということについては、企業の会計基礎力や会計リテラシーの向上ということで、外部からの監査というのも非常に重要であると。

また、監査をする立場から見ても、企業内に会計士がいて作成をしたということでは、効果的・効率的な監査になり、結果的に監査の信頼性も向上するということが期待されるということでございます。

この(1)の最後のポツでございますが、こういうことで、企業内実務や非監査サービスに従事するプロフェッショナルの数を今後増加させることが必要ですが、他方で、数を増やして監査の質が落ちるというのは本末転倒ということで、監査証明資格者の質を下げることになってはいけないということで、こういう相反する二つの観点から、企業内実務や非監査サービスで活躍する者についても、監査証明業務には従事しない、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」として認識して、「フルスペックの公認会計士」に至る前の段階として、制度の中で明確に位置付けることが必要というふうに書いてございます。

それから、(2)は「フルスペックの公認会計士」の質を一層向上させるということで、言わずもがなのことが書いてございますが、監査証明業務は非常に重要で、公認会計士とひとたびなれば、個人でも上場企業の監査ができるという非常に重い役割で、他方で、会計基準、監査基準が国際化・複雑化をしていて、監査手法もITツールを使った大規模な組織的監査になっているということで、監査現場の補助経験の実態も大きく変わっていると。他方で、虚偽証明と懸念される事案も今頻発をしていて、監査の質の維持についての懸念もあるということで、「フルスペックの公認会計士」については、この点も考え質を一層向上させることが必要ということでございます。

(3)は、資格取得後も継続的に質を確保・向上させるということで、継続的な専門研修、いわゆるCPEですが、これを二つのプロフェッショナルにしっかり求めていくということでございます。

4ページにいきまして、 III .基本的な仕組みということで、1.就職浪人をできるだけ出さない方策について、これは論点メモAでご説明をさせて頂きます。2の「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」が論点メモB、3の「フルスペックの公認会計士」が論点メモCです。

4.の継続的な質の確保についてということで、二つのプロフェッショナルについて、それぞれCPEの必須履修科目を法令で定めて確実な履行を求めてはどうかということと、そのための一つの方法として、懇談会でも議論させて頂きましたが、協会によってCPEの履行が確認されていない場合には自動的に登録が停止されるといったような措置が必要ではないか。

5.は、社会人あるいは合格者双方から実務補習と実務経験のところの改善要望が出ておりますので、これについての改善の方策が書いてございます。

最後のポツは、国際教育基準を踏まえまして、資格取得にあたって、それまでの間に大学等高等教育機関での一定の単位数、これは大学等高等教育機関を卒業していない者ということですが、一定の一般教養科目の履修を求めるということとしてはどうかというものでございます。

○岳野審議官

それでは、田村大臣政務官が入室されましたので、田村大臣政務官から論点メモのご説明をお願いいたします。

○田村座長代理

お疲れさまでございます。まず、遅れてまいりまして、誠に申しわけございませんでした。

私も、もともとこの公認会計士制度、決して専門ではない中で、この懇談会でも皆様のご意見をお伺いしながら、個人的にも考えましたし、またいろいろな外部の方からもご意見をお伺いをいたしまして、そういった意味では、この懇談会がそろそろ終わりかけの中では、本来はもっと早く私自身の考えをそれなりにまとめてお話をすべきだったんですけれども、かなり終わり際になってしまったこと、タイミング的にはかなり遅いということを最初におわびを申し上げたいと思います。

ただ、問題提起、問題意識含め、まだ何回かございますので、今日は、今回も含めて専門家の皆様、先生方からもご意見を伺って議論を詰めていく一助になればということで、今回、私の個人的な論点メモを提出をさせて頂きました。

3枚目のイメージ図もちらちらご覧になりながら、お読み頂ければ、専門家の皆さんはもう十分にご案内の論点ばかりだと思いますので、本当にかいつまんで申し上げます。

現在の公認会計士制度、その問題点、問題意識として、視点として、公認会計士のあるべき姿と監査法人のあるべき姿というのを分けて議論するということも大事なのではないかというふうに考えが至ったわけでございまして、そこを3枚目のイメージ図に書いてイメージにしたわけでありますけれども、やはり背景として、資本市場がグローバル化をしてきている、国際競争がより激しくなってくる。それが欧米だけではなくて、さらにはアジアとの競争も今後より中国を中心に激化してくるだろうという状況がある中での問題意識であります。

そういった中で、国内市場のみを前提とした制度ではなくて、グローバル競争の中での経済・資本市場のあり方と公認会計士、監査法人が果たすべき社会的役割を議論した上での制度とすべきだという問題意識であります。

まず一つ、公認会計士のあるべき姿でありますけれども、一つの大事な視点として、国際競争に打ち勝つ人材養成という視点も大事なのではないかというふうに考えております。

公認会計士、そこは従来、昭和23年の立法化以降、公認会計士イコール監査人という固定概念がやはり非常に大きいわけでありますけれども、環境が大きく変わってきていると。そういった中で、例えば優秀な会計監査人を育成するということにあたっては、監査業務の経験というのは大変重要、最重要であるということを私も否定するつもりは全くありませんけれども、ただやはりそれだけでは、監査だけでは、先ほど申し上げたような視点から考えた場合には、ある意味視野が狭くてビジネスセンスが不十分だというふうな方もいらっしゃるという指摘を私も聞いております。

やはりそういった、もちろんそうじゃない公認会計士もたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、今後の国際競争の中で日本が孤立しかねない、あるいは例えば視野が狭いような公認会計士では、今後も未就職者となってしまう可能性も出てくるのではないかという懸念を持っております。

監査は公認会計士の基本的業務であるというのはもちろんでありますけれども、やはり監査だけではなくて、非監査業務の重要性というものもやはり考えたほうがいいのではないかということでありまして、報酬単価だけで申し上げるわけではありませんが、やはりそこが監査業務、そして非監査業務が合わせてトータルの総合力になり得るという視点であります。

そして、2ポツ目、国際市場の中での日本の優位性を確保することを目標とするというのは、国際競争というのを若干具体的に羅列をしたものでありますけれども、例えばの話でありますが、中国では独自の監査法人を擁立する動きがあると。これが実際にどの程度形になるかはわかりませんが、そういった意識というのも日本でも、日本で独自の監査法人をつくるべきだというつもりは全くありませんが、やはりそういった今後のアジアの中での競争というものは視野に入れるべきだろうというふうに考えます。

あるいは、もう言うまでもありませんけれども、IFRSの影響ですとか、あるいは監査基準がISAに統合されるといったような状況になった場合には、より一層国際競争も激しくなってくる可能性があるということでありまして、専らというか、基本的には大手監査法人が念頭にある議論ではありますけれども、監査だけではなくて、やはり非監査業務もあわせて提供する、企業にとってある意味で医者のような存在であるべきだという考え方もあり得るのではないかなというふうに考えているところであります。

また、リクルートというのはもちろん大事な視点ではありますけれども、最終的な人材、どのような人材を養成をするのかということも大変重要な視点、先ほど申し上げたような考え方からは重要な視点なのではないかなというふうに考えているところです。

ページをおめくり頂きまして、また2点目の監査法人のあるべき姿でありますけれども、先ほどから申し上げていることをまた改めて書いていることでありますが、先ほど申し上げましたように、監査法人のあるべき姿というのもまた改めて議論する価値は十分あるんではないかなというふうに考えています。

2ポツ目の最後でありますけれども、監査法人に、ほかの諸国と比べると、欧米と比べると業務に制約があるという意見もあります。そこは私も詳細はまだ把握していないところではありますけれども、もし制約がある場合には十分な実務経験というものを得られない可能性もあるのではないかという問題意識であります。

こういった問題意識を踏まえて、2.に今後も議論すべき点ということで箇条書きにさせて頂きました。

公認会計士のあるべき姿を踏まえた上で、必要な素養、そして、その中で試験制度に期待されるものというものを箇条書きにさせて頂きました。そして、今後の監査法人に期待される姿というのは、先ほど問題意識の延長線上で考えたところであります。そこは、今後、当然監査法人の皆様は日々従来から、常日ごろ問題意識を持ちつつ努力していらっしゃることでありますので、むしろ今後の新たな視点の中でどういったことをすべきかというのは、この懇談会の場では基本的には無理だと思いますけれども、今後も意識としては持っていくべきなのではないかなというふうに考えているところです。

そして、2ページ目の最後でありますけれども、将来的な制度改革というのは、中・長期的な話でございますけれども、やはり税理士の資格と公認会計士の関係というのは、私も個人的には前からぼんやりと意識は持っているところでありますが、なかなかこの懇談会の場で議論するということではないんだと思いますけれども、やはり政府としては、新政権としては、問題意識を持ちながら今後政府全体で議論していくべきなんだろうというふうに私は個人的に考えているところです。

議論の論点のたたき台になればと思いまして提出をさせて頂きました。

以上です。

○岳野審議官

ありがとうございました。

それでは、ただいま田村政務官から問題提起頂きました点、それから、あわせまして、先ほど事務局からご説明をいたしました資料2と資料3に関して、少し時間をとって意見交換をさせて頂ければと存じます。

どのような点でも結構でございますが、本日、田村政務官から問題提起のあった新しい論点を中心にご意見、ご質問頂ければ幸いでございます。

宮口さん、お願いします。

○宮口委員

税理士会の宮口でございます。いつも大変お世話になっております。ありがとうございます。

今、田村政務官からご説明のありました部分について、若干質問をさせて頂きたいと思います。

公認会計士のあるべき姿、監査法人のあるべき姿を議論していくべきだというところで、監査法人のあるべき姿、アカウンティングファームになっていくんだということで、そのとき、日本の監査法人は業務に制約があるためというふうなご発言がございました。十分な実務経験を持たない優秀な人材が必ずしも育ちにくい環境だというのは、どのような前提の話かはよくわかりませんが、3ページ目、これに付随しておりました表を拝見すればVS税理士とかいうふうなところが出てまいりまして、税理士業界、また一番最後のところで、将来的な制度改革として、税理士制度も含めた抜本的見直しを視野に入れていくべきだというご発言がありました。

実は、公認会計士の先生方と税理士の業務範囲というのは当然変わっておりまして、従来の分けていた監査と税務というところはだめだということをおっしゃっているのかよくわからないので、そこのところはどういうふうなお考えでこういうペーパーが出ているのかということ。むしろ、環境の変化はよく理解できるわけですが、公認会計士になられる方、なった方はもちろん監査の専門家として監査業務をやっていかれるんですから、現在の税理士法では、税理士として認めていく、認めている、無試験で資格付与をしているということであります。

先ほどの金融庁の事務方のお話とあわせましたら、プロフェッショナルで2つのプロ、フルスペックとフルスペックでない会計人というふうな考え方とあわせれば、我々はどっちかといったらフルスペックでない方だろうなとは思っておりますが、フルスペックでないとはいえ、税務の専門家としてはフルスペックであります。その辺のところは議論されるときにやはり後へ引いていくと思いますんで、お考えを明確にお教え頂ければありがたいというふうに思います。

以上です。

○田村座長代理

私も、まず、先ほどもちらっと申し上げただけで舌足らずだったんですけれども、基本的に税理士制度というのは、ご案内のように財務省の所管でありますので、この場は議論するにふさわしくないということは十分に認識をしております。ですので、その議論で時間をこの場では割いて頂きたくないんですけれども、まさに個人的な私の問題意識として、税理士制度というのももともとドイツから導入したと。

ただ一方で、ほかの国の場合にはいろいろな民間の資格であったりとかという中で、私もこの場で議論するのはふさわしくないので、恥ずかしながら、実際に明確に、具体的に、詳細でどのような問題、業際の問題が生じているのかということまでは確認はしておりませんが、ただやはりそういった声はかなり聞いているところではあります。そこは財務省で議論すべきだということなんだと思いますけれども、ただ、公認会計士制度とかかわる業際問題でありますので、問題提起としては私はこの場でもふさわしいだろうというふうに考えて問題提起をさせて頂いた次第であります。

○岳野審議官

宮口さん、もう一度お願いします。

○宮口委員

ありがとうございます。何遍もすみません。

確かに、省庁の問題で言えば、金融庁と財務省ということですので、それはそうかもわかりませんが、それであれば、例えば提案としては、先ほどのお話のありましたフルスペックでない会計士というところは、当然それは税理士も含まれていると解釈していいんでしょうか。フルスペックの方が監査をして公認会計士だというところは十分今までの議論を聞いておりまして理解をしているつもりであります。今回出てきましたフルスペックでないところ、多分座長が申された言葉だったというふうに思いますが、フルスペックでないというのは、何か欠けているということでありまして、何か欠けている会計人ということであれば、税理士が当然含まれているということのご提案だと解釈してよろしいでしょうか。確認いたします。

○岳野審議官

ただいまの点につきましては、後ほど資料4−2、論点メモBに基づいて議論させて頂くときにはっきりご説明したいと思います。

ほかの皆様。島崎さん。

○島崎委員

今、田村政務官からお話があった点で、私の受けた印象というか、コメントをさせて頂きます。この懇談会での公認会計士制度、試験制度のあり方の議論のときに、企業のほうは企業での会計実務の担い手としてという視点と、監査法人においては監査の担い手としてということで制度をどうするかということで議論してきたんですが、今回のこのメモを見て思いましたのはもう一つ考えなければいけない観点があるということです。国際的にも通用する会計人材をどうやって育成していくかという点です。これが国際市場での日本の優位性に資するのではないかと思います。私自身も国際関係の仕事をお手伝いさせて頂いていますが、この観点では非常に大事だと感じています。

これは、企業の会計実務家も含め会計専門家である公認会計士などが日本の代表として、あるいはアジアの代表として、国際的な場で活躍していく人材をこの制度を通して育成していくことが求められている。そのための制度のあり方などは今まで議論として欠けていたところなので、非常にいいご指摘を頂いているのではないかと思っております。

以上です。

○岳野審議官

平松先生、お願いします。

○平松委員

今の島崎委員の観点と私も同じことで、田村政務官から国際競争に打ち勝つ人材養成という点が指摘されたことについて、私も非常に同感でございます。

といいますのは、一つは、私自身、よく海外の会合に、学者ではありますけれども、出かけます。そうすると、率直なところ、アジアにおいても、世界の中でのアジアのさまざまな国々の会計学者の中でも、日本の学者というのは随分国際性において劣っているというふうに率直に思っているわけです。それが会計士の皆さんがどうかというのは私の言うことじゃありませんので申し上げませんが、しかも、例えば今、中国の独自の監査法人を国家戦略としてというお話がございました。

実は、中国の場合には、国家戦略として、会計人の教育といいますか、育成についても取り組んでおります。しかも、それはものすごい規模で、見に行った方は、おったまげたという表現がいいのかどうかわかりませんが、それほどのものをしていると。そうすると、早晩日本の会計教育と中国の会計教育を国際的な視野ということから見た場合に相当遅れをとるなと思うんですね。その点が一つであります。

そのことを考えますと、先ほどとりまとめに向けてのたたき台の事務局メモには、この国際性の観点というのは全く入っていないのであります。これはどう考えるかというのは一つの非常に重要な点でありますから、ぜひとも議論をどこかでして頂きたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

○岳野審議官

松井さん、お願いします。

○松井委員

大塚副大臣と田村政務官がいらっしゃる前では釈迦に説法かも知れませんが、資本市場は今ものすごい勢いでグローバル化しております。例えば最近の例としてはレナウンが中国企業の傘下に入ったように、M&AやTOBがボーダレスで行われる時代が到来しています。

そういう環境を考えると、島崎委員と平松委員が言われたように、私も国際的に活躍できる会計士を育成することが非常に重要なポイントだと思います。そのようなセンスを磨くためにも、一般の企業において、実務を通して経験から学んでいくというシステムづくりが必要ではないかと思います。これから議論される事務局案についても、最終的には、実務経験をどのように位置付けるかという点が重要になってくるのではないでしょうか。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

会計士協会の増田ですけれども、今まで各委員のおっしゃられたこと、田村政務官のおっしゃられたこと、全く同感でございまして、やはり国際的に通用する会計士制度でなきゃいけないということなんですね。

前々から申し上げているように、そういう意味では、国際的なところも見ながら、別に米国だけを見る必要はないわけで、国際的に通用する会計士制度というものをつくってもらいたいというのは我々もともと申し上げております。残念ながらこの事務局案にはその点が抜けているというのは先ほどご指摘ございましたけれども、私どももそういうふうに思います。

そういう意味で、国際会計教育基準というのはちゃんとあって、それで8割方のところはそれに従ってやっているという状況がある中で、日本だけが独自につくっていく必要があるのかということも前々から申し上げております。

○岳野審議官

よろしゅうございますか。

○岳野審議官

それでは、引き続きまして、論点の討議に入らせて頂きます。

最初にご確認頂きましたように、本日はこれまでの懇談会の中で論点となってきておりますところの中で重要な点につきまして論点メモ、資料4−1、4−2、4−3で3つに分けまして集中的にご議論頂きたいと考えております。

それでは、まず最初に資料4−1「論点メモA:就職浪人をできるだけ出さない方策について」に入らせて頂きますが、最初に事務局からご説明をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは、資料4−1、論点メモAでございます。

就職浪人をできるだけ出さない方策についてということで、ある意味この懇談会を立ち上げた最大の動機でもございまして、今はまだ結論が出ていないということで、今回方法を3つほど提案させて頂いております。議論をさせて頂くときに、ある程度の前提がないとなかなか議論がしにくいということで、これも仮説としての前提でございますが、これは3つの論点A、B、Cに共通のものとしてお聞き頂ければと思います。

まず一段階目の試験は短答式、二段階目は論文式と短答式の組み合わせと仮定をします。

それから、社会人への配慮ということで、一段階目の合格の有効期間あるいは二段階目は科目別合格という前提を置いた上で、いずれの有効期間、現状は今2年になっているわけですが、これをもう少し時間をかけて資格取得を狙えるようにということで、例えば10年以上としております。

結果的に二段階目の受験者が多くなります関係上、二段階目の論文の採点は、二段階目の短答で一定の成績以上の者に限るとしております。

また、早い時期での就職の意思決定に資するために、一段階目の合格者全員に合格順位を通知をして、自分の位置づけを考えて身の振り方を考えて頂こうということでございます。

それから、十分に周知をするということで、言わずもがななんですが、公認会計士試験は就職試験ではありませんので、合格は就職を一切保証しない、あくまで本人の能力とやる気ということと、働きながらでも受けやすい、資格取得しやすい制度であるといったことを周知をすると。

具体的な方法の最初のうち、論点1と書いてございますが、未就職の状態での二段階目試験の受験者、これがある意味浪人として多くなるわけでして、ここで合格してしまってもなかなか高齢合格者の行き場がなということですので、二段階目試験の受験要件として実務経験を求めるということで、一定の実務経験がない人は二段階目が受けられないとすることによって、未就職の状態で長年にわたって受験勉強に頑張るという方を抑制することが期待をされると。これは、在学中に一段階目に合格できなかった人でも同様の効果が期待できるのではないかと考えております。

ページをめくって頂きますと、他方で、効果的ではあるんですが、いろいろな副作用もございまして、現在の合格者の3割は在学中に論文まで合格をしていますが、こういった方に二段階目に行く機会を失わせるというものでもございます。

前回の懇談会で、では一段階目の上位合格者には実務経験を求めずにすぐ二段階にいけるようにしてはどうかというご意見もございましたが、ある意味浪人をして来年こそは上位合格を狙うんだというインセンティブになってしまうという懸念もございます。あるいは年齢で切るというのもあります。

続きまして、論点2でございますが、在学中に一段階目に合格して、ある意味就職活動と受験勉強の両立が図れないかという問題意識で、ある意味難易度を下げる一つの方法として合格者を増やすと。現状、短答の合格者が年間3,200人程度という数になっていますが、これを今よりも増やすことによって難易度を下げて、勉強量を減らして就活と受験勉強の両立をできないかと。ある意味社会人の合格者の合格の可能性を高めて、会計士を目指す受験者層の裾野を広げるという意義も期待されるわけですけれども、難易度を下げた試験が有為な人材にとって魅力的に映るかとか、会計士を選抜する国家試験としての意義があるかとか、あるいは、いっそのこと一段階目を廃止をしたらどうかという意見もあるんですけれども、ある意味実務経験がある者だけが二段階から受けられるという制度設計をした場合に、一番時間がある学生時代に会計や監査についての勉強をしなくなるんじゃないかという懸念があるということでございます。

論点3は、これも初期の段階からいろいろ議論されておりますが、一段階目の合格の段階で途中段階の資格を与えて能力認定をするとともに、二段階目の受験資格があることを明らかにするということで、この資格はある意味二段階に行ける資格があることを言っていますので、一段階目の合格の有効期限、前提では例えば10年以上としましたが、この期間が過ぎたら自動的にこの資格が抹消されると。その期間は名刺に書けますが、他方で一定の義務がかかると。信用失墜行為等を行った場合には受験資格がなくなるということで、ある意味受験勉強から会計士登録に至るまでの長い期間のモチベーション維持ということが期待をされるとか、就職に向けての意欲付け、気持ちの切りかえができるということが指摘されていますが、問題点として、本当にそういうことがあるのかということと、資格を与えるからには品質の確保というのが重要で、行政処分等の行政上のコストが伴うというところが事務局としても若干頭の痛いところだというふうに考えております。

以上でございます。

○岳野審議官

この論点につきましては、これまでの懇談会の議論でも繰り返し議論がなされてきておりますが、これまでの議論がどうしてもこの辺でとまっております。これにつきまして、より議論を深めたいと思いまして用意した論点メモでございます。

論点の1、2、3は、それぞれ一つの対応策、施策でございます。これをすべて同時にやらなければいけないということで提案しているわけではございませんで、それぞれ独立した施策になっております。これまでの議論で出てきたものを整理したものでございますが、これらの論点、あるいはさらに新しいご提案があればお伺いしたいと存じます。

大崎さん、お願いします。

○大崎委員

ありがとうございます。

私、この点に関しては2つの若干矛盾することを一度に追求する必要があると思っております。一つは、実務経験が豊富な人が社会人になってから方向転換して会計士を目指すということをどっちかというと後押しするということですが、もう一方で、とにかく試験に合格する、集中的な勉強をする、受験秀才的な人たちにもこの資格をとって会計事務所に入ってから社会人としての経験を積んでもらうという道も残しておかないと、ある意味で非常に優秀な人材が会計士になることを妨げるおそれがあると思うんですね。

そこが非常に大事だと思っておりまして、その意味で、この論点1の二段階目の受験要件として実務経験を求めるというのを一律に適用することは非常に問題が大きいのではないかというふうに思います。ここにおられる方のほとんどが、人生のどこかのステージで試験に向けた勉強というのを集中的にされた経験を1度か2度ぐらいはお持ちだと思うんですが、試験を受けるというのは、単純に日ごろ持ち合わせている能力を発揮するというよりは、集中的にやってハードルを超えるというところがあるわけでして、それを超えた後で、一たん就職してから次のハードルへ行かなきゃいけないということを義務化すると、恐らくやる気がなくなってしまってできなくなってしまうというのが実態だと思うんですね。

ただ、一方で、ここに書かれている問題意識はよくわかりますんで、私は、これは全くの私案でございますが、原則として、実務経験者のみがこの「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」になるための二段階目の試験を受けることができるとし、ただし、一段階目のいわば会計士予備試験の合格者はそれを経ずとも二段階目の試験にいけるというふうにすれば、社会人は二段階目の試験から受ける、学生は一段階目から受けるということでうまく整理がつくんじゃないかと思います。

○岳野審議官

ただいまの大崎さんのご提案の趣旨は皆様よろしゅうございますでしょうか。

○大塚座長

大崎さん、ありがとうございます。

ちょっと私の理解が足りなければあれですが、社会人の方は、事務局が整理してくれましたこのポンチ絵で言うと、一段階目の試験を受けずに二段階目の試験をいきなり受けられるということですか。

○大崎委員

はい。

○大塚座長

ご提案の趣旨は理解しました。

○岳野審議官

大崎さん、どうぞ。

○大崎委員

そういうふうに考えますと、私は、一段階目の合格者に途中段階の資格を与えるといったような必要はあまりないのかなと思いまして、社会人としてビジネス経験があり、ある意味会計のプロフェッショナルの前提条件を満たしていると思う方は二段階目から知識を確認する試験をお受けになればいいし、そうではなく、机上の学問として会計を知っているという人は、その机上の知識がどれぐらい充実しているかを試してもらう意味で一段階目の予備試験に必ず合格してもらうというふうにすればいいのではないかと、こんなことでございます。

○大塚座長

ありがとうございます。

では、頭の体操でちょっと質問させて頂きたいんですが、もしそういうご提案のフレームをつくった場合には、学生の皆さんは一段階目の試験を受けるインセンティブは全くなくなってしまいませんでしょうか。

○大崎委員

先ほど私申しましたように、試験というのは集中力が大事でございますんで、一段階目の試験に合格した人はその年のうちに二段階目の試験が受けられるという前提で申し上げているわけでございまして、例えば春に予備試験を受けて、夏に本当の試験、公認会計士試験を受けるというようなふうにセットしてあればよろしいのではないかなと、こう思います。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

現行の試験でも、短答式に関しては、社会人に対しては、一部の科目ですけれども、免除が与えられており、また、会計専門職大学修了者についても数科目免除があるということだと思いますが、今の大崎さんの話ですと、多分、大塚副大臣と同じように、まず一段階目の試験をまじめに受けようというモチベーションが欠落するだろうと思います。なぜならば、恐らくこれはもっと詰めた議論になると思うんですけれども、ただ社会人、社会人といっても、どのレベルの社会人なのか、あるいはどういう職種についている方なのか、あるいはどういう組織体、企業体に身を置いている方なのかによって千差万別なわけです。

これをどこかで線引きするというのは非常に難しい問題であって、それを一律に、一段階目の試験をスキップさせるということに関しては、やはり基本的に国際教育基準もそうですけれども、正規の教育機関とのリンクがまさにここで断絶されるということですから、非常に危険性の高い考え方であると言わざるを得ないと思います。やはり何らかの足かせといいますか、社会人であっても一定のハードルを超えて頂くということが不可欠だと思います。

ただ、その場合に、このポンチ絵で見る限り、その上の実務経験の部分はかなり軽減されてくるだろうと思われます。実際に経理とか財務とかにいた方についてはここはほとんど修了済みとなってしまうわけですから、このポンチ絵を受け入れる限り、プロフェッショナルを目指す者というところとフルスペックでないところは恐らく同時期に受験も行えるんじゃないかということであり、十分に社会人に対しての動機付けというのは高まるのではないかと、そういう気がします。

○岳野審議官

大崎さん、どうぞ。

○大崎委員

すみません、私の発言が誤解を生んでいると困るんですが、私は一番問題だと思っておりますのは、ここに書かれている話で、一段階目の合格者が実務経験を経ないと二段階目が受けられないという、これが受験意欲を削ぐであろうということを懸念しているわけでして、もし社会人に一律一段階目を免除するのが不適切ということであれば、それは逆に私は撤回しても構わないぐらいに思っております。一段階目の合格者に実務経験を課すという発想は、恐らく一発試験で人生変えようという意欲のある、しかも能力のある、しかも若い人をこの試験から遠ざけるだけだろうと思います。

○岳野審議官

松井さん、お願いします。

○松井委員

今のその理屈だと、要するに実務経験がなくても試験自体は受けられる。ただし、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の登録はできないと、こういうふうにすれば問題は解決するんじゃないですか。要するに試験自体は実務経験がなくても受けられる、ただし登録はできないと。登録するためには実務経験を積んでくださいよと。そうなれば、在学中に両方受けて合格するという人たちも救われると、そういう理屈になりませんでしょうかね。

○土本参事官

事務局内でちょっとここの実務経験から二段階目の試験とした順番は、二段階目の試験に合格してから実務経験というのがある意味今の現状の流れにもなっているんですけれども、二段階目の試験に合格する年齢がかなりの年齢になって、これが日本の就職慣行と合わなくて、就職できない、あるいは就職したくなくて実務経験が得られないということから、あえて順番をひっくり返したらどうかというところであります。そもそもこれ自体が過激過ぎるというご意見がいろいろあるのは承知の上でご提案させて頂いています。

○岳野審議官

どうぞ、大崎さん。

○大崎委員

その問題意識は非常によくわかるんですが、私は、平均的なところを短縮するために、一番トップで走っている人の足を引っ張るというか、とめ置くような制度というのはやはり弊害が非常に大きいと思うんですね。ですから、今でもストレートですっといく人はいっているわけでありまして、その人たちが足踏みをさせられるような制度は絶対につくるべきではないと、これだけは申し上げておきたいと思います。

○岳野審議官

車谷さん。

○車谷委員

今の議論は、前回の場でも申し上げましたが、要は一段階目で、例えば上位で合格している方、例えば上位3分の1ぐらいで合格している方というのは、一段階目の合格者の数にもよりますけれども、1,000人とか1,500人というレベルであれば、恐らく、今、大崎委員がおっしゃられたような相当程度インテンシブに勉強された方ということになりますから、そういう方は実務経験をパスして、そのまま最終ゴールまで一気に行けるといった受験要件のパスをつくっておけばいいのではないかなと思っております。

大多数の方が就職浪人となっているとか、人材のロスだとかという議論も現実にあるわけですから、例えば、受験要件として一般的には実務要件を求めるということについては、もともと就職浪人を出さないという一つの観点からは私は賛成であります。一方で、大崎委員のおっしゃるようなパスもきちんとつくっておくことが必要ではないかと考えております。

○大塚座長

それぞれまさしく私が問題提起させて頂いた6つの視点のうち、これから試験を受ける人の身になってお考え頂いているので、大変ありがたいご議論だと思うんですが、そうすると、つまり、このポンチ絵の二段階目の「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に到達するための登頂ルートが3つあるという議論だと思うんですね。

一つは、この絵にありますように、一段階目の試験をまず受けて、その後実務経験を経て二段階目の試験を受けて、晴れて「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」として登録をする人、これが第一パスですね。

それから、第2パスは、もう学生のときには一切受けていないで、就職をして、そこで実務経験をしている人がいきなり第一段階の試験と第二段階の試験を一気通貫で受けてしまって、しかし、その試験を受ける前の実務経験がちゃんと実務経験としてカウントされて、晴れて登録をされる人、これが2番目のルートです。

3番目は、学生時代に、実は一気に受けてしまいたいと思っている学生さん、向学心旺盛な学生さんがこの二段階目の試験まで合格してしまった。しかし、その場合には、松井さんがおっしゃるように、ちょっと就職して頂いて実務経験を経たら登録ができますよということで、枠組みは基本はこれとしつつも、アプローチの仕方によって、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」として登録をできる段階までのパスが違うということであれば、それぞれのご意見が非常に整合的だなと思って聞かせて頂きました。

○岳野審議官

上柳先生。

○上柳委員

大崎さんの意見で、ちょっと改めて頭が混乱しているような感じもするんですけれども、私の感じは、やはり先ほど田村政務官のほうからも問題提起がありましたように、国際的に通用するということが具体的にどういうことを意味するのかと、これは大変難しいところなんですけれども、言い方は悪いですけれども、大学生の時代からかなり優秀で、極端に言えばどの分野に行ってもある程度活躍されるような人も、会計業界あるいは公認会計士として、数字もちゃんとわかり、しかも倫理観も持って、日本の出してくる数字は、日本のCPAが関与してくる数字というのは本当に信頼できる、某国のCPAはちょっと無理だけれども、優秀な多国籍企業は、日本の会計士さんの証明をもらいたいと思うというふうになるためには、やはり何となく大崎さんが言われるように、実務経験がなくてもここで言う二段階目の試験まで受かって、そこでやはり何らかの称号を与えると。私は准会計士かなと思っているんですけれども、後で会計士としての、あるいは監査業務としての、あるいはそれに近い企業での実務経験を経てフルスペックの会計士さんにその方はなられると。

そうでなくて、先ほど松井さん、あるいは大塚副大臣のほうからありましたけれども、実務経験を経て実業界に出てから、あるいは社会に出てからCPAも大事だなと思われた方については、やはり若干実務経験を見て、一段階目の試験なり二段階目の試験の一部を免除して、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」になり、実務経験が既にあるんであれば、かなり早い時点でフルスペックになれるというような感じかなというふうに思います。いろいろな方がいらっしゃるんですけれども、私の感じでは、あまり、司法試験と比較するとまずいのかもわかりませんけれども、短答式で求められる能力と論文式で求められる能力が違うようなところもありますので、試験制度のつくり方次第なのかもわかりませんが、優秀な方を逃さないように、だけどその人たちが受かっちゃっても、資格を与えて、仮に会計業務に入らなくてもまた戻ってきてくれるようにと、そんなことで、在学生でも二段階までいける、

ただし、資格を与えてまた戻ってくるインセンティブも残しておくという感じがいいかなと思いました。

○岳野審議官

ありがとうございます。

もともとここの論点は、就職浪人をできるだけ出さない、あるいは高齢の受験浪人を避けるという目的で議論をさせて頂いております。いろいろな議論があるわけですけれども、例えば予備試験を受けていれば、実務経験がなくても二段階目にいけるということでございますと、これは何歳になっても予備試験を受験し続けようという人を防止できないといったような点が問題だなと。

それから、今現在の制度では、最初の試験と2つ目の試験を受けた後に実務経験ということになっておりますので、松井さんがおっしゃられたように、学生時代に二段階まで受かった人がというならいいんですけれども、現在の問題は、今の試験制度のもとでは、26歳、27歳、28歳まで就職せずにひたすら予備校に通われる、こういった人たちをどういうふうにしたらいいのか。日本の若い人たちの社会的な損失を避けようと、こういったところ、この辺についてどうしたらいいかというところがなかなかいい答えが出ていない状況でございます。

これまでのご議論で、議論が論点1に集中しておりまして、論点1は方向としての問題意識はわかるけれども、大勢のご意見は、一律にやるのはおかしいんじゃないかと。若くて二段階目の試験までいくような、ある意味でトップクラスの人たちを排除するようなことはおかしいんではないかというご意見が多数であったというふうに思います。

それから、上柳先生のご議論は、ちょっと枠組みを変えて、学生から受験されるコースと、社会人の受験というものを少し分けて考えてというご意見であったかなというふうに考えます。その辺のところは少しずつ織り込んではおりますけれども、現在は一応一律にという考えになっております。

○大塚座長

今、ご議論頂いている内容は、恐らくこの後の論点メモBとかCとかと密接に関係してくると思いますので、決して時間を浪費しているとは思いませんので、もう少し私なりに、一つは整理と、あと一つは提案をさせて頂きたいんですが、提案というか、これは意見と言ってもいいかもしれません。

一つ、整理は、実は3つの登頂ルートがあるというふうに申し上げましたが、3番目の、一気に受かってしまって、その方々は少し実務経験を経てから登録というケースが松井さんの言っておられたケースなんですが、上柳先生のお話の中には、ひょっとすると実務経験を免除してでも一気に登録という方のことも想定していたかもしれませんが、それは第三のケースの、バリエーションとしてよほど優秀な方は、例えば順位をもし公表するということであれば、順位で線を切ってしまうという考え方もないではありませんけれども、一応バリエーションとして少し頭に置かせて頂くんですが、私は、今日、田村政務官が提案してくれた問題提起と照らすと、米国CPAなど海外の試験に受かって、その資格を持っている人たちをどの段階からここにビルトインするかということが、実は国際性を持ってかつ即戦力としてという話と非常に密接に関係してくるなと思って聞いていました。

もし、米国CPAの資格を持っている方であれば、実務経験はどうするかという問題はありますけれども、この一段階目の試験はそういう方々は免除して、二段階目から受けられるとか、二段階目の何らかの試験も場合によっては少し免除するとか。ただし、実務経験はこれはあったほうがいいと思うんですが、そうすると、先ほど申し上げました1、2、3のルートにもう一つ4番目のルートもあるのかなということで、これは整理として私の頭の整理を申し上げさせて頂きました。

あと一つは、意見というか、提案というか、先ほど中国の話も出て、国家プロジェクト的にも人材を養成しているということであれば、公認会計士業界の皆さんも優秀な後輩のプロを養成したいというお気持ちがあり、経済界もそういうお気持ちがあるということであれば、例えば大学教育の中に財界や公認会計士協会が一気に試験をクリアしたいという学生さんを対象にした、講座の運営費も財界や公認会計士協会がそれなりに面倒を見たり、あるいは講師も提供するなりの講座をお持ち頂いて、もちろんそれはだれでも受けるということではなくて、ひょっとしたらそこで選抜を行うのかもしれません。あと、全国の大学にそれを設けることができるのかとか、いろいろな制約はありますけれども、提案として申し上げますが、双方のニーズがそういうことであれば、そういう講座を大学の中にぜひお持ち頂くことにというか、持つことに対して協力を頂くなりアイデアを出して頂くということもひょっとするとこの話の延長線上にあることかなという、一応意見だけ言わせて頂きたいと思います。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

先ほど来、一段階目と二段階目を一緒にして、実務経験はなくてもいけるという話になってしまいますと、この資料2の後ろのたたき台の絵を見ますと、「フルスペックの公認会計士」も、実務経験がなくても追加の実務経験があればいいみたいな形になってしまうわけですね。こういうような実務経験のない会計士が出ていっちゃうということになるわけですから、とても我々は賛成はできない。

もともと、国際会計教育基準でも、監査をやらない会計士というか、会計プロフェッショナルであっても実務経験が条件になっているんですね。その辺のところはちょっと誤解があるようなんですけれども、山崎さん、ちょっと説明をしてくれますか。

○山崎参考人(日本公認会計士協会副会長)

今までのお話で、今、会長が申し上げたんですが、実務経験、実務経験とおっしゃっているけれども、それの意味がよくわからないんです。実務経験なのか、就職経験なのかよくわからない。

我々の世界で言う実務経験というのは、少なくとも監査をベースにした実務経験でなければならないということでありますので、一般企業において経験をしたということがフルスペックの会計士になる要件にはならない。これは明確に国際教育基準でもあります。それから、先ほど皆さんがおっしゃっている国際的競争力ということから見れば、日本だけが変な制度を持っているということになります。私は別な制度から来た会計士、私は正当な制度から来た会計士というのは外見ではわからないので、日本の国際競争力そのものが非常に低下するということになります。

ですから、まず実務経験というのは何かということをよく見きわめた、議論をした上でそれが必要なのか、必要でないのかという議論をすべきでありまして、ちょっと私は今の話は国際競争力、本来の筋からすると変な話だなという印象を受けました。

○岳野審議官

島崎さん、お願いします。

○島崎委員

実務経験については、資料5のこのポンチ絵のところでありますですよね。第一段階の合格者に実務経験を課して、さらに「フルスペックの公認会計士」の資格をとるには、非監査業界からの場合には追加の実務経験を考えているということなので、その辺はこのポンチ絵でいけば対応できるのではないかと、こう思っておりました。

ただ、実務経験について、第一段階の試験を受ける前に企業で実務経験した人が実務経験としてカウントされるのかどうかというのは、前回の懇談会で議論があったと思うんですが、そこのところがはっきりしないなと思って見ていたのが一点。

それから、前回、前々回のときも説明させて頂きましたけれども、第一段階での試験合格者のレベルについて、例えばということで、USCPAレベルの試験ということをお話ししました。先ほど、副大臣のほうから、USCPA有資格者に対してこの第一段階の試験を免除するというアイデアも示されましたが、恐らく企業には相当数の試験合格者がいるので、企業で実務経験をした会計の専門家が「フルスペックの公認会計士」を目指す新たな登頂ルートが一つできるので非常に結構だと思います。それから、会計専門家の交流とか、国際対応ということを考えると、そういう道が開けるというのは好ましいのではないかと思います。

ただ、どの国のどの試験をもって免除するか、これは少し技術的な問題というのはあろうかと思いますけれども、考え方としては非常に結構ではないのかなと思って聞いておりました。

以上です。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

それと、この就職浪人をできるだけ出さない方策ということで、根本的な論点メモの表題になっているわけですけれども、この中で、我々からしますと、本当に公認会計士を目指す受験者の立場に立ったときに、合格者が経済界のほうに就職する、要するに何千人か受かってその中で会計事務所に入らないで経済界に入っていくというようなことが前提になっていると思うんですね。本当にそういうことが現実的なのかという点をお聞きしたいなと思っています。

というのは、会計士試験に合格して、経済界のほうに入っていいというふうに思っている人は、今の実務補習者の中の未就職者の中に半分以上いるわけですけれども、現実問題、採用されるような状況にない。今の環境ももちろんあると思いますけれども、そういうことを考えるとなかなか難しいんじゃないかなということだと思うんですね。これは経済界のほうでそういう人たちは優遇して採用するような話があれば別ですけれども、多分そういうことはなくて、昨年ですけれども、議論のあった、別に資格はなくても能力さえあれば採用しますよとおっしゃられたわけですけれども、そういうことを考えますと、試験に合格していることをもってもそんなに採用が進むとも思えません。

そうなりますと、やはり試験に受かっても、未就職となってしまうんじゃないかなという気はします。

○岳野審議官

太田さん、お願いします。

○太田委員

大塚副大臣が提起されている6つの視点のうちの2つを満足しようとするということだと思うんですけれども、一つは就職浪人を出さないということと、受験者の立場でものを考える。今のやはり実務経験がマストだということにすると、やはりなかなか2つを満足する答えには少し難しいような気がします。

したがって、大崎さんが提示されたり、あるいはほかの方が提示されたりするような幾つかのルートはつくられたほうがいいんじゃないのかなと。受験者の立場に立つと、やはりマストだということになると、かなり制約がきつくなるんじゃないかと。

ただ、ここで提案されている非常によろしいと思うところは、2年という資格保持、一段階目の試験の有効期間10年あるいは超というふうに書かれているわけですけれども、そうすることによって、とにかく一段階目が受かったら二段階目まで一気呵成にいかなきゃいけない、就職どころじゃない、2年間は一生懸命やらなきゃいけないというところは、全員かそうかどうかわかりませんけれども、緩和される。それによって就職浪人が全部じゃないですけれども、減る、それが期待できるんじゃないかというふうに私は思っているところであります。

それから、企業の努力のところは毎回お話ししているんですけれども、足りないところもあると自覚しておりますけれども、今の制度であれば、監査証明を書く人を選抜する試験、それに沿った試験の日程であり、就職活動と全然切り離されて、あるいは実務補修のカリキュラムが企業勤務者に不都合が多いこともあるわけでありますから、これはあわせて解決していくということで、企業の努力と制度の改定と相まって今後改善していく点だろうというふうに思っております。今を前提に就職が進まないというふうに断じられるということではないんだろうというふうに思っております。

○岳野審議官

それでは、上柳先生、お願いします。

○上柳委員

短くします。

「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」のところのイメージの問題なんだろうと思うので、後の議論のほうがいいのかもわかりませんけれども、私が意識していたのは、准会計士の中には、実務経験をお持ちで、一定の二段階目と言われる試験を合格された方もいるけれども、実務経験がなくて一段階目、二段階目、筆記的な試験をフルで受けてきた人もいると。あるいは、外国の公認会計士資格なり、それになる試験を受けてこられて、日本の公認会計士というためには少し日本語の試験をやって准会計士さんになって頂いて構わないと。

それぞれ、准会計士から「フルスペックの公認会計士」になるためには、最終的にはそこのポンチ絵にありますこの3つがそろっていなきゃいけないということで、それまでに実務経験を踏んでこられた方はあまり要らないし、逆の場合は実務経験がさらに付加して必要であるということで、准会計士の中にバリエーションがあってもいいんじゃないかというふうにも整理できるんじゃないか。そういう制度を採用するというのは一つの思い切った決断だというふうには承知しますけれども、古い形に戻るわけではなく、柔軟性があってもいいと思いました。

○岳野審議官

まさに次の資料4−2、論点メモBの話題の関連のご意見でございますので、次へ進ませて頂きます。

資料4−2、論点メモBにつきまして、まず事務局からご説明をいたします。

○土本参事官

それでは、資料4−2、「論点メモB:「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」について」ということで、先ほどの資料3でも述べましたように、こういったプロフェッショナルの数は増やしたいと。他方で、監査の質の確保は両立させたいということでこういう資格を位置付けると。

参考に書いてございますのは、海外では、試験の合格と、非監査分野も含めた実務経験で公認会計士とした上で、会計実務、企業内実務や非監査サービスで活躍をしているというのがございます。もちろん、この場合の実務経験として、公認会計士の指導のもとでとか、認定された企業という要件はかかっております。

それから、この間、前回平松先生からもご指摘がありましたように、国際教育基準でも1から7号は会計のプロフェッショナル、8号で監査のプロフェッショナルというふうになってございます。

注で書いてございますのは、この「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」というのも国家資格を与える関係上、一定の品質管理というのが必要ですし、その一環として公認会計士協会への加入の義務づけということも考えたほうがいいのではないかという前提で書いてございます。

その上での論点1でございますが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の要件は、二段階目の試験の合格、現状論文式と一部短答式でございますが、それから一定の実務経験。この場合の実務経験は、先ほど山崎副会長からもご意見ありましたように、これは何かということなんですが、海外も見ながら考えたときに、監査業界の経験でも非監査業界の経験でも例えば3年間、現状の制度においては2年間となっているのを、国際教育基準を踏まえまして3年間というふうに延長してございます。

ちなみに、この制度を議論する上で、ある程度合格者数のイメージがないと議論ができないであろうということで、仮説、仮定として、現状の論文合格者が2,000人でございますので、このぐらいのひとつイメージを持った上で議論頂ければと思います。

それから、論点2は、こういう「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」を公認会計士と呼ぶのか、それとも新たな呼称とするのかということで、公認会計士の呼称を用いた場合には、これは前回増田会長からご指摘あった点でございますが、1つの名前で2つのものが混在をするというのは混乱を招くとか、監査証明の資格のない者に同じ名前を名乗らせてよいのかというご懸念があるということでございます。

2枚目以降は、議論を効率的にするためにある程度資格の整理をしてみました。一番上が「フルスペックの公認会計士」で、次が「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」です。

業務内容は、現在の公認会計士法の2条の1項業務が監査証明、2項が会計業務、3項が監査業務の補助となってございまして、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」というのは、1項の監査証明を除いたものということになります。あるいは独占性については、「フルスペック公認会計士」の場合は監査証明業務の業務独占とその名前を名乗れるという名称独占。「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の場合については名称独占のみと。

義務につきましては、双方とも信用失墜行為の禁止、守秘義務、それからCPEの義務化と。内容はいろいろ議論があると思いますけれども、義務を履行しない者は協会によって自動的に登録が停止されると。いずれも協会への加入を強制と。

一番下に旧法でありました会計士補が書いてございますが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」はある意味これに結構似てくるのかなと。ただ、事務局案では、実務経験を課しているということで、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」と会計士補ではレベルがおのずと違ってくるのかなと思っております。

2枚めくって頂きまして、諸外国の公認会計士資格取得に求められる実務経験の内容と名称についてということで、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスというのが並べてございます。イギリスの場合はIACEWとACCAと、ほかにも複数ございますが、代表例として2つを並べておりまして、それぞれの会計士のそれぞれごとの国の名称があって、現状、いずれもやはり監査業界、会計業界以外に相当程度公認会計士が広がって活躍をしていると。

それで、このページから次のページにかけて、資格取得要件、開業要件、監査要件と3つの箱に分けてございます。これはイギリスの場合はこの3つに分けて、だんだんに複雑高度な業務ができるようになっているということで、それに合わせて各国のを並べているわけでございまして、アメリカはそこまで複雑ではないというのがございます。

詳細は省きますが、ここでご説明したかったのは、資格取得のところでは、ドイツ、フランスを除いて、アメリカ、イギリスでは監査業界以外の会計に関する経験でも公認会計士というふうに少なくとも名乗ることができるというのが資格取得のところでございまして、開業でも同じと。ちなみに、その際の監査につきましては監査経験を求めていると。

いずれも、資格登録の段階でその国の公認会計士と名乗ると、開業要件を満たした場合、あるいは監査業務ができるようなステージに至っても、呼び方は同じで、その国の公認会計士というふうに呼んでいるという実態でございます。

以上です。

あと1点、先ほど宮口委員からご質問ありました「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」というところで、現状の公認会計士の制度あるいは税理士の制度では、公認会計士あるいは公認会計士の資格を有する段階で税理士の資格が得られるということでございますが、現在の事務局のたたき台では、フルスペックの段階で、あるいはフルスペックの資格が得られる段階で税理士登録ができるということを想定をしております。

○岳野審議官

それでは、資料4−2に基づきまして、なるべく論点1、2に沿う形でご意見を頂ければ幸いでございます。

八田先生、お願いします。

○八田委員

ありがとうございます。

最初に1つだけ申し上げたいのですが、先ほど大塚副大臣から、例えばUSCPAの扱い方についての議論がありましたけれども、これから国際的な広がりがあったときに、日本が考えなければいけない外国公認会計士は何もUSCPAだけじゃないということです。特に英国などはACCAという団体は国際戦略の中で会員数を非常に増やしてきている。かつては、監査業務に特化しない会計専門職業団体だということで、我々もセコンドティアということで、非常に低い目で見ていたわけですけれども、今は大分それがファーストティアに近いような形になってきているということです。

他の国でも、今後は例えば中国の公認会計士が出るだろう。それをどうやって扱うかという議論が出てくると、ここでUSCPAだけ取り上げるというのは非常に問題があると思われます。そうではなくて、最終的にフルスペック、このポンチ絵で言う「フルスペックの公認会計士」の在り方、そして監査独占業務を担うということが固まったときに、それとの整合性があって、外国の資格については何が足りるのか足りないのかという部分の議論をしていけばいいんであって、ここでそういったものを入れると非常に話が混乱してしまうというような感想を持ちました。

それで、この4−2の関係ですけれども、私は、冒頭田村政務官がご指摘されたのは全くそのとおりでありまして、日本の公認会計士制度というのは、残念ながら公認監査士制度ということで生まれ落ちているということです。

したがって、特に証券取引法、今の金融商品取引法ですけれども、ここには監査業務ができるのは公認会計士または監査法人としっかり書いてあるわけです。これに対して、いわゆる旧来の商法、現行の会社法の中では、会計監査人の監査が必要だということがあって、その会計監査人になり得る者は公認会計士または監査法人だと、こういう建て付けになっているわけです。

したがって、証券取引法の監査だけが肌に染みついている会計士の先生方は当然我々こそが監査をやるんだという意識をお持ちになっています。実はこれはアメリカでもSECの議論を見たときに、だれがこの監査という、いわゆる崇高な社会的な役割を担うのにふさわしいかと考えたときに、これは会計と監査の専門家である公認会計士だろうということで、監査独占業務を担うようになったということです。ただ、それを裏切った場合には、その権利を取り上げるかもしれませんよという流れが実は今もあると思います。

そういうふうに考えると、私は監査だけに特化しない会計士を多く輩出して裾野を広げるということについてはいいと思いますので、レベルをどの程度に考えるかは別として、フルスペックではないという会計士を受け入れつつ、こういう流れの中にさらに監査に特化する会計士が出てくるということでいいと思います。

ただ、前々回も増田会長が言われているように、やはり公認会計士という職能というか、資格を名乗ったときに、監査業務あるいは監査の経験がないというのは私は知る限りどこの国にもないんですね。監査をやるかどうかは別の問題で、これは会社の中に入って、企業内会計士であっても監査役になるかもしれない、監査部に配属になるかもしれない、内部監査部門にかかわるかもしれない。そのときに、単に財務諸表の作り手側の会計能力だけではなくて、やはりそれをちゃんとレビュー、オーディットできる人たちがプロとして評価を受けるべきだというわけですから、やはりそこのところはちゃんと一貫した資格制度にしておくことが必要だと思います。

したがって、仮にフルスペックではない会計士の場合の実務経験もある程度監査的な議論、それから山崎副会長が言われたように、それは単なる実務経験とか業務補助ではなくて、それを一定の指導・監督を受けながらやっていたという証も必要だということです。それが重要なのであって、そうしないと、監査人になったときに組織的対応ができないというわけで、一人よがりでただこういうのをやりましたというだけでは困るのではないかと思います。だから、その辺もやはりちゃんと明確に議論しなくてはならないと思います。

したがって、私は、名称は仮に公認会計士なのか、准会計士なのかわかりませんけれども、この二段階方式を取り入れることに関しては基本的には賛同するものであります。

ただ、この中身については、ちゃんとやはり国際的な議論も踏まえながら煮詰めていく必要があると思います。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

資料4−2の論点に沿って申し上げますと、まず実務経験を3年にするというのは賛成でございます。ただ、実務経験の中の中身についてはちょっと吟味する必要があるだろうというふうに思います。

それから、論点2のほうの中で、フルスペックでない会計のプロフェッショナルについての名称、呼称ですけれども、これは前回申し上げたように公認会計士とすることについては反対ですし、それから、先ほどの資料1のほうの中で、一段階で資格を与えるということについては賛成できないというふうに思っています。

澤田さん、ちょっとつけ足してくれますか。

○澤田参考人(日本公認会計士協会副会長)

すみません、先ほどからの議論で、大塚副大臣が示された3つのパターンがあるということですが整理してみますと、ここで言う「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に到るパターンは、まず一段階目があって、実務があって二段階目というパターンと、それから、実務があって、一段階目、二段階目があるパターンと、一段階目、二段階目があってプラス実務というパターンの3つがある。つまり、一段階目と二段階目と実務経験が必要であるというのが、多くの方の意見だろうと思うんですね。

ただ、上柳さんの場合だけは、必ずしもその実務経験は要らないのではというご意見であったように思うのですが。そこで考えて頂きたいのは、この段階の実務経験について、できるだけ就職浪人を出さないとか、受験者にとって魅力のある制度にしたいということが背景にあると思います。そうしたら、ここで言う一定のレベルで実務経験の場を受験者の方がどういう形で確保できるかというある程度見通しがないと。受験段階から既に、企業に在籍されている方が実務一段階目、二段階目と行かれるタイプはその中でも相当数限られた領域だと思うのです。多くの方は、やはり一段階目からチャレンジすると思いますが、そのときに、一定のレベルの実務経験の場を確保できるということがある程度見えないと、なかなか受験者にとっては魅力のある試験にならないのではと非常に危惧をします。これが前回の15年改正の私は最大の失敗だったのではないかという感じがしています。

それと、この段階における実務経験というのはどういう実務経験なんだ、三段階目への実務経験との関係で。そうしますと、その内容によりますが、何故ここで一段階目と二段階目の試験を分けておく必然性があるのかというところに私は帰ってしまうような気がするんですね。

一段階目と二段階目を分けるということは、一段階目のレベルではやはり二段階目に絞る前ですから、相当レベル広い窓口になろうかと思うのですが、この段階で現実的に企業等が吸収できるのかと言うことが懸念されます。それと、全体的な流れから、一段階目と二段階目の方に何らかの一定の資格的なものを与えるとすると、公認会計士協会との関わりをどう考えるのかという問題があります。すなわち、協会に管理しなさいと言われても、非常に管理は困難であり、また、大きな負担となり、監査に直結しない会員の方をなかなか指導・監督していくのは難しく、その必要性もないのではと、そういうふうに思っています。

したがいまして、やはり「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に公認会計士という名称をという意見があるようですが、これはぜひおやめ願いたいというのがお願いでございます。

○岳野審議官

大崎さん、お願いします。

○大崎委員

今のご議論を伺っておりますと、結局旧試験制度のときの会計士補と似たような資格を、しかも実務経験を必須とした上で創設し、しかも、かつては必要なかった公認会計士協会への加入が義務づけられるというようなことで、しかも試験がワンステップ増えるというようなことで、何か全体的に非常にハードルを高くしていく議論になっているんじゃないかという気が率直にいたします。

とりわけ、実務経験を監査に関連したものにしないといけないんじゃないかという話を突き詰めていくと、結局何が起きるかと申しますと、恐らく一段階目の試験の上位合格者を監査法人が採用し、それらの人たちが監査法人において実務経験を積んだ上で二段階目の試験を受けて、さらに実務補習修了考査でフルスペックを目指されるという、そういう形になって、現在よりも最終合格者の数は減るということになるんだろうと思うんですね。

それがこの議論の目指すところなんであれば、私はそれに対して絶対反対だとかいうようなことを言うつもりはないんですが、何だか、最初の議論の出発点の多様な人々がどうのこうのという話からどんどん遠ざかっているのではないかというのが率直な感想でございまして、ですから、どうするんでしょうねという気がいたします。

○岳野審議官

太田さん、お願いします。

○太田委員

今の論点1、2でございますけれども、論点1はこういうことだろうと思います。3年ということなのか、例えばと書いてありますから、さらに議論は必要だと思いますけれども、二段階目の試験の合格プラス一定の実務経験は必要だと思います。

その上で、論点2でございますけれども、田村政務官のご指摘の国際競争、経済、企業の国際競争あるいは資本市場の国際競争というような観点でものを考えたときには、監査証明を書くだけではない、高度金融人材、これは社会に広く活躍の場を求めるというような今回の議論の方向、これを踏まえると、やはりこの論点1の資格者にも公認会計士ということを名乗って頂く、そういうことではないのかと思います。

その上で、監査証明を書く方は業務の登録をして頂くということだろうと思います。それを一段階、二段階と呼ぶのか、そうじゃなく並列的に考えるのかというところは受けとめは違うかもしれませんけれども、そういうふうに感じております。

また、この資料の4−2の、先ほどご説明があった4ページでありましょうか、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの例が書いてございまして、この現状という2つ目の箱に、経済界が5割あるいは4割というようなことが、米・英ではそういう状況になっているわけでございまして、そこまで一気にいくということはなかなか難しいと思うんですけれども、こういう方向を目指すということであれば、やはり米・英がそうしているように、この段階で公認会計士と呼ぶ層を増やしていくということであろうと思います。

現実に、我々、M&Aなんかで米・英の企業と対峙するときには、社内の公認会計士資格を持った、名刺にそう書いてある人たちと対峙しているわけでありまして、それなりのやはり専門性をみずから語りながら、表示しながら交渉を進めていくということになっているわけでありまして、それが一つの国際競争の例ではないかと思っています。そういう形を目指していくんだろうというふうに思っております。

以上です。

○岳野審議官

島崎さん、お願いします。

○島崎委員

私の意見は、今、太田委員からご説明あったこととほぼ同じであります。

この資料5のポンチ絵でご説明したいんですが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の人材をいかに増やしていくかということが大事だと思います。これは将来、オーディッドをする人材もいれば、企業での会計実務家あるいはM&A、コンサルティングなど監査以外の業務で会計業務に携る人材で国際的に対応できる人材が求められます。ここの真ん中のレイヤーを増やしていくということが会計人材の層と質と量を高めるということにつながってくると思います。

これは将来、上のレイヤーに行く人の質を高めることにもつながると思いますし、上のレイヤーの人は、先ほど八田先生がおっしゃったように、崇高な監査業務を担う人ということですが、それには更に高いハードルを設けるということでよろしいんじゃないのかなと思います。

名称についてはもう少し議論をしたらよろしいと思いますが、私は公認会計士という名前をつけたらよろしいんじゃないのかなと、こう思っております。

それと、この第一段階のところで、この裾野をさらに広げていくということが真ん中のレイヤー、上のレイヤーにつながってくると思うので、この段階でのやはり資格、何らかの名称というのを考えていくべきです。先ほど申し上げましたがUSCPAとかほかの国での会計士試験合格者をどう取り込んでいくかということですが、いろいろと難しいところがあろうかと思いますけれども、そういうような工夫もすることによって、一番下のレイヤーの人を増やすとか、真ん中のレイヤーを増やすことにつながり、結果として全体の底上げにもつながると思っております。

以上です。

○大塚座長

最後の論点にこの後移らせて頂きたいと思うんですが、ここまでのお話を聞いていて、ちょっと私なりの整理をさせて頂きたいと思います。大分何か議論は収斂してきているように私は思ってお伺いをしているんですが、まず、多様な登頂ルートを設けるということは、やはりまさしく多様な人材を育てるという観点から言うと望ましいのではないかというのが何となくマジョリティのご意見のような気がします。

恐らく、画一的な登頂ルート、つまり一本しか登頂ルートがなければ、当然何か一つの傾向がそこに出てきてしまって、それがもしいい傾向であればいいんですけれども、まずい傾向の場合にはまた試験制度を見直さなくてはいけないというようなことになりますので、やはり登頂ルートは複数あるといいんであろうと。

そういう中で、澤田さんがきれいに4つに整理して頂いたんですが、つまり、登頂ルートは4つなんですが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の二段階目のレイヤーまでいくには条件は3つだと。一段階目、二段階目の試験と実務経験。あとは実務経験をどこに挟むかだけだというお話、全くそのとおりでありまして、その場合、上柳先生がおっしゃった、学生のときに一段階目・二段階目を一気通貫で受かってしまった。その人たちはどうするかというケースは、一段階目・二段階目・実務経験とくるパターンの人なんですが、実務経験も要らないんじゃないかという議論なんですが、しかし、一段階目・二段階目を一気通貫で来る人は、恐らく、どなたかおっしゃいましたけれども、どこでも採用したいような人材かもしれませんので、逆に言うと、そういう一気通貫で受かった人たちの会計事務所ないしは監査法人での採用はまさしく公認会計士の業界として、そういう方々がよそにいかないようにしっかりリクルートして頂くということで、実務経験は多分必ずついてくると。

ただし、そういう方々の中で、いや最初はとりあえず新日鉄さんや三井住友さんに就職したいという方々が出てきた場合等々を考えると、恐らく「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」にいくまでの実務経験は、この論点メモBの1にありますように、監査業界、非監査業界、どちらでもいいんですが、もしフルスペックにいきたい方々は、先ほど来島崎さんが引用して頂いている資料5にありますように、監査業務の実務経験はその上の段階に行くときにそこで必ず追加のアディショナルな経験を経て頂くということが必要になるというだけであって、第二段階にいくまでの間は必ずしも監査であることは必要十分条件ではないというふうに整理し得るのかなと。

そしてあとは、会計士という名称については、これはまさしくもうちょっとご議論頂ければと思うんですが、しかし、受験をされる方のモチベーションとか、それからその後、晴れて「フルスペックの公認会計士」になるというモチベーション、インセンティブを高めるためには、名前が過去のものだから必ずしも過去に戻るとお考え頂かずに、常に新しい制度として、会計士補であるとか准会計士とか、会計士はつくけれどもフルスペックでないということがわかる名称であれば、やはりそれはフルスペックになりたいという意欲は必ずわいてくると思いますので、そういうこともあり得るかなと思います。

そして、最後になりますが、八田先生がご指摘頂いたように、国際的な人材を育てるという意味で、諸外国の同様の試験に受かっている方々をどうするか。これはもはやおっしゃるように米国だけではなくて、ひょっとすると中国の資格を持っている方をどう扱うかとか、実際に中国に進出する企業やビジネスもこれから増えるわけですから、いろいろなことを考えなければいけないので、米国だけではないと思っております。

ただし、これは今回の議論の中で、それも一緒に議論することはなかなか私も難しいと思っております。これは、要は相手国との相互承認の問題になりますので、例えば医師とかほかの分野でも同様の問題を抱えておりますので、相互承認をどうするかということを含めて、ある一定の要件を満たせばこの登頂ルートのどこか途中のベースキャンプから入れてあげることを検討するということで、別途の議論になろうかと思います。

大体そんな感じで承っておりましたので、可能であれば論点メモCに移らせて頂いて、さらに深めさせて頂きたいと思います。

○岳野審議官

それでは、事務局から論点メモCの説明をさせて頂きます。

○土本参事官

それでは、資料4−3「論点メモC:「フルスペックの公認会計士」について」ということで、先ほど資料3で述べましたように、監査証明業務というのは非常に重要な資格であると。他方で、残念ながら虚偽証明ではないかと懸念される事案はいまだに非常に多うございまして、他方で会計基準、監査基準はどんどん複雑・高度化をしているということで、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」というものができる前提ではありますが、そうであれば、「フルスペックの公認会計士」ということについては、今申し上げた点も含めて考えて、資格の要件には合格者数の目途をつくるということが必要かというふうに考えております。

論点が3つございまして、論点1、「フルスペックの公認会計士」となるための要件として、現状の実務補習を監査実務と税実務に特化して、この修了をまず要件の一つとすると。

それで、ここに至るまでに、監査業界の実務経験がない者、先ほどの「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」、非監査の実務経験でもよいという前提で書いてございますので、そういう監査業界の経験がない者が来た場合については、監査実務が非常に重要ですので、監査実務の単位数を多めに求めるというふうにしてはどうかと。

それから、論点の2でございますが、「フルスペックの公認会計士」の質の向上や実務補習上どうしても昼間働きながら勉強に来るということで、人間ですので夜は結構疲れている、一定の緊張感を与えるというのもありまして、修了考査あるいはこれを三段階目の国家試験とするのも案として出ておりますが、この合格率、これが現状今70%ですけれども、これをもう少し引き下げてはどうかと。これをやりますと、結果的に、現在会計士として登録できる者というのは、年間1,500人ぐらいなんですが、これが減少するということになります。

それから、論点の3ですが、先ほどの実務経験のところでございますが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に至るまでに、監査業界の実務経験がない、つまり非監査業界での実務経験しかないという者がこの段階に実務補習を終えて修了考査に受かってという場合に、フルスペックの会計士にする上では、やはり非監査業界の実務経験しかないということで、こういった人については追加で非監査業務の実務経験を求めるということにしてはどうかということです。

また、監査業界の実務経験を経て「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」にまで至った人が実務補習あるいは修了考査を経てフルスペックになる場合にも、最近の監査の実務が非常に複雑・高度化をしていて、資料3で申し上げましたが、監査法人での監査の補助というものが随分かつてに比べると変化をしているということを踏まえると、監査業界の経験が例えば3年ある者についても、フルスペックになる際にはもう少し余分の実務経験を求めるということをどう考えるかということでございます。

以上です。

○岳野審議官

それでは、論点メモC関係、それでは、大崎さんと上柳先生から手が挙がっていますので、まず大崎さんから。

○大崎委員

ありがとうございます。

私は、監査の質を確保するという観点から、この論点1に書いてあることについては、おおむねここに書いてあるような、つまり厳しい内容を求めるということで結構なのではないかと思うんですね。

1点ちょっと気になりましたのは、非監査業界での実務経験を経て、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」となったものが「フルスペックの公認会計士」になるためにというところで、追加の非監査業界の実務経験を求めるとなっておるんですが、これは私は、むしろ監査のプロである資格であれば、当然監査業界における実務経験というのを必須にしていいのではないかと思うんです。

ただ、今申し上げたことは、さっき議論になった名称の問題と物すごく深くかかわっていると思っておりまして、まさに副大臣が先ほどおっしゃったように、准会計士というような名称は、最終的な資格に到達せねばいかんという高いモチベーションを与えるのでありますが、高過ぎるモチベーションを与えることが現在いろいろな問題を生んでいるのではないかというふうに私は思っておりまして、つまり、どうしてもそっちにいかないといけないということが結局就職浪人の問題でありますとか、受験浪人の問題あるいは実務補習所へ通う便宜を最大限重視した就職先の選び方というようなことになっているんじゃないかと思うわけで、これだけ厳しく監査のプロとしての要件を要求するのであれば、フルスペックでない方も公認会計士であるというのは、逆に前提にしないと、准会計士という名称を創設する一方で、これだけフルスペックの公認会計士には要求するんだということになると、結局今より公認会計士になるのが難しくなるだけの制度改革に終わるのではないかと思う次第でございます。

○岳野審議官

上柳先生、よろしいですか。

○上柳委員

論点メモCの論点1、2、3については、いずれも私は一定の条件のもとに賛成です。

論点3の一番最後の3行については、これは監査のほうがあればよくて、非監査実務の経験期間はそれほど求めなくてもいいんじゃないかなと思いますけれども、あまりこだわりません。

やはりここの議論の出発点というのは、公認会計士さんでやはり監査が中心だと私は思っていますので、やはり証券取引法なりあるいは資本市場が健全かどうか、あるいは金商法に関係しない監査であっても、数字がちゃんと読めて、しかも見た数字をきちんと開示すると、そういう責任感を持たれた方ということを確保するためだと思いますので、現状よりもさらにある意味では厳しく統制されるべき必要があるのではないかというふうに思います。何も公認会計士さんだけが悪いわけじゃなくて、事業者なりあるいは組織体が腐敗するから粉飾決算そのほかがあるわけですけれども、やはりそれを最後に見て頂くためにきっちりして頂きたいなというのが前提です。そういう意味で、このCについてはいずれも賛成です。

ただ、条件として、Bのメモに戻っちゃうわけですけれども、私は准会計士さんという名前で、公認会計士ではなくて、大崎先生の意見とは違って、違う名前の資格を「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に与えるべきであると。そのときには、繰り返しになるかもわかりませんが、准会計士さんになるためには、実務経験のない方でもなれる道が残っていていいんじゃないかと。先ほど大塚副大臣に説得されかかってはいるんですけれども、一段階目・二段階目に受かる人であればどこか採用するだろう、すぐに実務経験も補充できるんじゃないかというふうにおっしゃる感じはよくわかるんですが、そうであれば、逆に言うと、准会計士の資格を与えてもきっちりと実務経験も踏まれるんじゃないかというふうに逆に思うわけで、一応私の前の意見を留保しておきたいと思います。

以上です。

○土本参事官

1点だけ、論点メモCの最後の3行のところ、補足をさせて頂きたいと思います。

一番下の行の追加の実務経験というのは、監査の経験がある人に非監査の経験を追加で求めるということではなくて、監査の経験のある人にもう少し長めの監査を求めてはどうかと。かつて、かなり前と現在の監査業界、監査法人での実務経験と相当質が変わってきていて、今回、2年を3年というふうに提案させて頂いていますが、3年でも不十分ではないかと。

もともと監査証明の資格というのは、監査チームの最高責任者として監査証明書にサインをするということでありまして、必ずしも監査チームの実務家や補助者のことを言っているわけではないという点で見たときに、あまり早い年齢、実務経験の段階で資格を与えるのもいかがなものかということが時々あるものですから、あえてそういうご提案をしてみたということであります。

○岳野審議官

どうぞ、大崎さん。

○大崎委員

そうすると、その上はこのままでよろしいんですか。つまり、非監査業界での実務経験を経た人は、追加の非監査業界の実務経験を積むとフルスペックになれるということでよろしいんですか。監査業務の経験なしに監査証明が出せるようになるということですね。

○土本参事官

いろいろご批判あることを前提で提案させて頂いていますが、現在の制度では、非監査業界の実務経験だけで最終的に監査のできる公認会計士の資格が得られるという建て付けになっておりまして、ある意味この試験を目指すのは最終的に監査のできる公認会計士を目指す人が多かろうと考えたときに、監査業界に就職しないとおよそ監査のできる公認会計士になれないというところまで間口を狭めてしまうというものもいかがなものかなと。

他方で、現状のような実務経験だけで不十分ということもありますので、ここのところについては現状よりはより狭き門にと。ただ、転職しないとなれないという資格にはしないようにということで一応提案をしているつもりであります。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

ありがとうございます。

論点のこのCのところに書いてあるのは、基本的に私は賛同できると思います、1点を除いて。それは人数です。今日の論点メモA、B、Cを追いかけてみると、あるいはポンチ絵を追いかけてみると、一段階が3,500人超の合格者を念頭に、そして二段階が2,000人であると。そして最後の段階のところに来て1,500人だということで、かなり絞られてくる。さっきの大崎さんの話じゃないですけれども、現行の制度に比べて非常に重装備の試験制度になってきているということで、当初の懇談会のスタートの時の理解と違うんじゃないのかなと思われます。

それよりも、ある程度多くの人たちに資格を与えて、その中でまた競争してもらうということ。ただ、あまり多く輩出しちゃうと未就職問題が起きるということがあるので、そのために第一段階の終わった段階で実務経験をというのは非常に意味がある話だと思ってはいたのですが。それを、私も基本的には反対するわけじゃないんですけれども、一段階、二段階の試験と実務という3点セットが終わって「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」になるということですが、少なくとも教育現場に身を置く者からの一つの主観的な考えからいきますと、恐らく学生諸君は一気に試験だけ終えたいという、当然そういうふうに思うと思います。

したがって、昔の会計士補の2次試験制度と全く同じであって、その間は2年ないし3年、やはり未就職、それは自発的未就職かもしれませんけれども、そういう状態は払拭できないのではないかという懸念があるわけです。

したがって、トレードオフの関係かもしれませんけれども、何しろ今回の懇談会のスタートに論点が2つあって、1つは未就職問題をどうやって解決するのかということ。そのために早い段階で職についてもらい、職についていれば、その後試験にドロップしても生活はできるだろうという仏心があってやったと思うんですけれども、また何かそれが蒸し返されてきちゃっているということがありますので、私はやはり当初の問題提起に則するならば、やはり一段階の後実務経験を積んでもらう方がよいのではないかと思います。そのためには、問題になるのは、実は二段階目の試験をどういうレベルのものにするのかということです。今もそうなのですが、実務的な対応が求められる問題だというほうが社会人にとって当然利するところはあります。実務についたことのない学生諸君が机上の知識だけでやるのはなかなか難しいということです。

恐らく、このフルスペックではない二段階目の試験というのは、実務の中で普通に勉強して、普通に仕事をして、ちょっと土日頑張っていればいくレベルのものではないかなと。そうなると、今度また問題が出まして、3,500人から2,000人に絞られちゃうわけですから、単純計算で、これは難し過ぎるんじゃないかというところの問題で、要するに人数の問題がどうしても残ってしまう。これをやはり十分に考慮してもらわないといい人材はとれないし、夢ある学生の意を削ぎたくないという気持ちがありますから、その辺は十分に再考願いたいと思います。

○岳野審議官

増田さん、お願いします。

○増田委員

論点メモCの全体の話ですけれども、まずこの二段階目の試験というところまで来ているんですけれども、最後のところは、会計士協会で今行っている修了考査というのを前提にしています。国家試験じゃないわけですね。ですから、これを最終の公認会計士試験という位置付けをまずしてもらいたいということがあります。

それからまず論点1のところなんですけれども、この中で、監査業界の実務経験がないものについてはより多くの監査実務単位数を求めてはどうかという提案なんですけれども、これについては、実は実務補習というのは座学なんですね。監査の実務経験が全くない人は座学の単位数を幾ら積み上げ机上の監査の理論を勉強されても、これは実務経験にはならない、OJTにはならないわけですね。それが問題であるということが一つ。

それから、次の論点2のところですけれども、このところは、修了考査というのは、今申し上げたように、最終の公認会計士試験ということに位置付けてもらいたいということ。

それから、最後の論点の3ですけれども、これについては、非監査業界の実務経験に加えて、さらに非監査業界の実務経験を求めることにしてはどうかと。追加でですね。そういうふうにお書きになっているんですけれども、少なくとも現行の実務従事の要件を厳格にしてもらいたいというようにしませんと、先ほど来お話がありましたように、監査の経験がない人が非監査業界における経験を幾ら積んでも監査ができる会計士にはなれないわけですから、その辺は今の実務従事の条件は厳格に適用してもらいたいということがあります。そうしませんと、国際的な基準から見てもおかしな話になるということになると思います。

これについて山崎さん、何か追加でありますか。

○山崎参考人

繰り返しですが、実務従事というのは、金融庁の方々を前にしてお話しするのは気が引けるんですけれども、かなり厳格な要件で非監査業界の人に公認会計士の資格を与える場合の監査に類似する業務というふうなことで規定されておると思います。銀行の審査であるとか、上場会社に相当する会社の経理の最終責任者であるとか。そういうことであれば、監査に類似するという制度で、非監査、監査法人などに勤めなくても資格が与えられるということになっておりますので、増田会長が申し上げたのはそういうことだろうと思います。新しい制度になっても我々は100%非監査業界の人の公認会計士というのを否定するわけじゃないんですが、そこの出口が緩むと、これは会計士全体の信用にかかわるということでありますので、しっかりとお願いしたいということであります。

○岳野審議官

太田さん、お願いします。

○太田委員

申しわけありません、何回も。

准とか補とかいう名前があまりよろしくないというふうにこだわっている理由は、やはり今回の一連の議論が公認会計士試験の合格者の最終の目標とすべきものが、監査証明を書く資格を得ることであるというところであれば、途中段階というんでしょうか、フルスペックじゃない資格を持っている人は別の補であり、准であり、その一つ手前だと、こういうことなんでしょうけれども、私がずっと理解しておりますのは、そうじゃなくて、高度の金融プロフェッショナルを広く監査証明を書く以外の業務にも携って頂くと、そういう議論をずっとしているんだと思いますので、一たんフルスペックじゃない資格のところを、そこも出口である、目指すべき姿であるというようなことに位置づけて、一たん名前をつけ、そこから先、監査証明という高いさらに高いプロフェッショナリティを求められる、倫理観を求められる仕事についてはまた別の名前をつけていくというようなことにこだわっていると、こういうご説明をさせて頂きたいと思います。

以上です。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

こだわりというならば、我々も、やはり会計とか監査を勉強してきている者から見ますと、国家資格として60年の歴史がある中でこの公認会計士という職業領域が構築されてきているわけであって、それをただ金融のプロだとか、あるいは財務のプロだから名前だけあげようという、いうならば社会人として頑張っているからごほうびをあげましょうというレベルの意識であるならば、私は、先ほど冒頭にもあったように、日本の公認会計士がやはり世界から失笑を買ってしまうという懸念を持ちます。従いまして、やはり時間をかけて培ってきた現行の呼称といいますか名称、まさにサーティファイドパブリック、いわゆる公認という意味、公の議論にかかわっている職業だという意識を学術的に私たちは持っていますから、その辺は軽々に扱うのではなく、やはりちゃんと識別して頂かないと困ると思います。

○岳野審議官

平松先生、お願いします。

○平松委員

今の八田委員の発言と結果的には同じなんですが、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」というのは、国際会計教育基準から見れば普通のプロの会計士であって、日本で言うところの公認会計士には当たらないんですね。その上の試験を通って初めて日本で言う監査のできる公認会計士になるわけです。

したがって、極端な話、国際会計士連盟の会計士というのは、日本で言う公認会計士だけじゃなくて、日本で言えば税理士についてもあてはまるわけです。

もっと極端に言いますと、イギリスの場合には、アカウンティング・テクニシャン協会と言われる、何だかよくわからない協会も国際会計士連盟に加盟していて、二段階目のフルスペックでない会計士として認められているのです。。公認会計士はその上の資格なので、この段階で公認会計士と日本で認証を与えれば、少し違うということになってしまうので注意を要すると思います。

○岳野審議官

活発なご議論を頂いておりますうちに時間もまいっております。

ただ、もう少し確認をさせて頂きたいと思います。以上の議論の中で論点メモのBとCにつきましては、それなりのご意見、論点についての明確なご意見が出ているのかなと。

論点メモのAにつきましてでございますが、繰り返しになりますけれども、論点メモのAにつきましては、論点1につきまして、こういったことも重要だけれども、一律にやるのは問題があるというところでとどまっておりました。

また、論点メモAの論点2につきましては、一段階目の試験の合格者数を増やすという点につきましては賛成、反対、それぞれのご意見があったと。

それから論点の3、一段階目の試験の合格段階で何らかの途中段階の資格を与えという点につきましても賛成と反対のご意見があったといったことかと存じます。

時間が過ぎている中誠に恐縮でございますが、この就職浪人をできるだけ出さない方策について、これがこの懇談会発足の一つの動機であったわけでございますけれども、この点につきまして、本日まだご発言のない方を含めまして、どうしてもこれだけはということがあればお伺いしたいと思います。よろしゅうございますか。それでは。

○大塚座長

今、政治のほうがご承知のような動きになっておりますので、田村政務官と私は明日以降再任されなければ次回は出席ができないわけでありますので、ちょっと一言だけ申し添えさせて頂きますと、今日の冒頭の発言の中で私申し上げたんですけれども、試験制度だけ何かつくれば解決するという問題ではないと思っておりますので、いずれかの意見調整をして、この新しい試験制度は多少それぞれのご意見に沿わないところがあっても、最後はご納得を頂かなきゃいけないんですが、その上で、本当に優秀なこれからの人材を育てるということであれば、大学に入った段階で公認会計士の皆さんや、あるいは企業の皆さんが大学1年生に対してこういう職業プロセスがあるんだというようなことをしっかり汗をかいて学生の皆さんに浸透させるという啓蒙活動にもお努め頂きたいですし、それから、先ほど申し上げましたように、それぞれこの人材が必要だと財界も公認会計士業界も思っておられるわけですから、寄附口座なりをしっかり設けて頂いて、優秀な人材がそこに集まって勉強するといういわばご尽力を頂かないと、結局制度だけつくったけれども、あとは野となれ山となれということになりかねないと思いますので、ぜひご協力を頂きたいということを申し沿えて、次回お目にかかれることを期待して終わらせて頂きます。

どうもありがとうございました。

○岳野審議官

それでは、これで本日の懇談会を終了させて頂きます。

次回第8回の懇談会につきましては別途事務方よりご連絡をさせて頂きます。

本日はお忙しい中ご出席を頂きましてありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課開示業務参事官室(内線3679、3661)