金融仲介の改善に向けた検討会議(第5回)議事要旨及び配付資料

議事要旨

1.日時:

平成28年6月27日(月)16時15分~18時15分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • (1)金融仲介機能のベンチマーク(案)について

  • (2)抜本的な事業再生への課題について

4.議事内容:

  • (1)金融仲介機能のベンチマーク(案)について

議題(1)に関する事務局による説明に続いて、以下のような議論が行われた。(○:メンバーの発言、●:当庁の発言)

  • 金融仲介機能のベンチマークとローカルベンチマークとの関係はどうなるのか。

  • ともに自己診断のツールであることが共通点である。金融機関が自らの金融仲介機能の発揮状況について自己診断するのがベンチマークで、それを用いて金融庁と対話する。かたや、企業の自己診断に活用するのがローカルベンチマークであり、それぞれ対話を深化させていくためのものである。

  • ベンチマークはあくまでも自らの金融仲介機能を計測するための手段の一つであり、一番大事なことは持続可能なビジネスモデルを構築することであるということを金融機関に周知・徹底することが必要である。

  • お客様満足度(CS)を高めるためには従業員満足度(ES)の向上が欠かせないため、将来的には、企業風土・企業文化が向上・改善していくことが重要である。

  • ベンチマークには金融仲介の目指す姿を掲げているが、対話を行うに当たっては金融機関の経営トップが同じ思いであるのかを確認する必要がある。

  • 選択ベンチマークについては、目標を金融機関に設定してもらい、何故それを設定するのかという議論をし、その結果がどうなったのか、何が足りなかったのか、について議論するという対話の方法もあると思う。

  • 外部専門家の活用という項目については、税理士、弁護士、公認会計士などの外部専門家との連携というベンチマークがあると良いと思う。

  • ベンチマークについては、報告のためではなく、経営や対顧客の最前線で使い込めなければならない。重要なベンチマークに絞り、それを共通目標として組織全体(各支店長や行員)に行き渡らせることが大切である。

  • 各金融機関において、それぞれのベンチマークはどのような因果関係になっていて、何を変えればどのような成果が現れるかを問うようなヒアリングを実施すると良い。

  • 各金融機関の力量に応じて、また同じ金融機関についても力量が上がっていくに従って、重点とすべきベンチマークは変わっていくはず。ベンチマークを固定せず、ダイナミックな運用が肝要と思う。

  • 企業経営においては、前線の従業員が会社の方針や事業計画をどのくらい理解しているのか、そして彼らがどのくらい共感しているのか、そして彼らがどのくらい実践に移しているのかを理解しなければならない。これまでやってきたビジネスモデルなどを変えようとする時には、その方向性や重要性を従業員がどの程度理解しているのかが重要であり、そういった観点から、企業風土・企業文化は将来の課題として念頭に置いておく必要があると思う。

  • 金融仲介の目指す姿は、金融機関のビジネスの中で中心的な部分になると思う。「取引先企業の経営改善や成長力の強化」は金融仲介機能の根本目的として浸透していると思うが、「取引先企業の抜本的事業再生等による生産性の向上」や「担保・保証依存の融資姿勢からの転換」は、まだ現場には浸透していないと思う。ベンチマークについては、趣旨や目的を理解した上で、銀行経営に活かしていく必要があると感じる。

  • 銀行は、融資先がない、ニーズがないと言うが、中小事業者に聞くと、銀行が融資してくれないという話をよく聞く。一方、ベンチャーなどへの融資の取組み(リスクマネーの供給)が進んでいる銀行は、専門セクションなどを持っていることが多い。このようなことをベンチマークを活用してどのように議論して良い方向へ持っていくのかを、試行錯誤しながらやっていくことが大事だと思う。

  • なるべく早い時期に自主的なディスクロージャーを促していくということが非常に大事である。一部の地銀が自主的な判断により取組み内容をディスクロージャーすることは、他の地銀にとって非常に大きな意味合いを持っている。地銀は、金融庁と深度ある対話をして、どういう項目を真っ先に出していくかを議論した上で自主的にディスクロージャーしていくことが大事と思う。

  • 将来の課題としての企業風土・企業文化については、項目(指標)のとり方次第で金融機関の行動も変ってくると思うので、従業員の満足度などがベンチマークになることを期待している。

  • ベンチマークを活用してPDCAを回していくためには、財務局長や財務局職員が重要な役割を担う必要があるが、そのレベルをどう上げていけるかが課題であり、時間をかけて対応する必要がある。

  • PDCAを回すという観点からすると、比較可能性によって、地銀に対して、負けていると恥ずかしいので頑張りますという動機付けを与えることと、ベンチマークで表わされた水準は低い場合でも良い方向に向かっていることを評価することが大事である。

  • 事業性評価をするという意思が現場で弱くなっているのではないかと思う。日本は外国に比べ、ベンチャー企業などへのリスクマネーの出し手が少なく、地銀はほとんどないと思う。その意味で、創業時やアーリーステージにおける貸付について、信用保証協会の保証付ではなく、プロパーで対応したことが分かる指標が大事だと思う。追加のベンチマークとして検討頂きたい。

  • また、担当者が汗をかいて一生懸命、親身になって取り組んでいるかという点については、数字だけでは拾い切れないと思うので、定性的な部分をどのように評価するかが課題であると考える。

  • ベンチマークは、基本的に金融機関側が自分で計測・定義していくものが中心となっているが、金融庁で実施した企業アンケート調査のようなお客様の声を直接聞いているのかという項目を入れられないか。また、手数料を支払っても良いくらいサービスが素晴らしいかどうかや、実際そういった手数料を支払っているかを企業ヒアリングで合わせて聞くと、良い議論ができると思う。

  • このベンチマークで金融機関が自らを評価してみると、人間ドッグの成績表のように、このような取組みをしているわりには成果が出ていないなど、気づきがあると思う。また、データが多ければ、当局において仮説も立てやすく、金融機関との間で深度ある対話ができると考えている。

  • 金融機関の金融仲介機能の発揮状況をディスクロージャーすることにより、良くやっている金融機関が見える化されることを通じて、マーケットメカニズムが働いていくよう、また色々なご意見も継続的に伺いながら、この取組みを徐々に進化させていきたいと考えている。

  • 来事務年度の企業ヒアリングでは、これまで金融サービスを受けられなかった層がどうなっているかについても実態把握したいと思っている。金融機関からは、もう借り手がいないという話をよく聞くが、その層が事業性評価によってサービスできるようになる可能性もあり、実際のところどうなのかを調べてみたいと思っている。

  • (2)抜本的な事業再生の課題について

議題(2)に関する事務局による説明に続いて、以下のような議論が行われた。(○:メンバーの発言、●:当庁の発言)

  • 経営改善支援等の実施状況について、半分ぐらいが未実施となっているのは、採算が合わないからなのか、100%保証があるからできていないという理由なのか。

  • 経営改善支援の行き届かない先は、いわゆる小額の融資取引先、または未格付の融資先が多いと思われ、債務者区分を劣化させたくないというインセンティブもなく、手間暇かけられず、経営改善支援まで繋がっていないというのが一番大きな理由ではないかと思う。

  • 企業がだんだん悪くなっていく時、再生のフェーズの前において金融機関があまりアドバイスできていないと感じる。悪くなる前の段階でどうして止められなかったのか、悪くなった最初の段階でどうして抜本的、本質的な議論をしなかったのかと感じることがある。

  • 信用保証制度の必要性は認めるが、運営面では、保証実行後に金融機関が企業をほったらかしにしないことが必要である。実態は、ほったらかしにしているところが非常に多いと思うので、運営面の見直しをやらないといつまでも金融機関は変わらないと思う。また、信用保証協会保証付融資の金利は非常に高く、設定の仕方も非常に不透明である。保証料が高いというのは、結局、全部中小企業の負担となるので、その辺りも問題と感じている。

  • 金融機関は、これまで自分の体力や懐具合を見ながら事業再生支援を行ってきた。今後、金融機関の収益力が低下すると、事業再生支援をきちんと根本的にやろうとする流れにストップがかかりかねないので、何らかの手を打っていく必要があると思う。

  • 金融機関が事業再生支援モードに入った時には、実態的には既に貸出は疑似エクイティ化している。サービサーがしっかりと事業再生支援をやるのは、ディスカウント譲渡ならば、そこにサービサーの利益幅があり、彼らのインセンティブが働いるからだと思う。

  • 事業再生支援モードに移ると、信用保証協会の対応が妨げになっている問題は確かに解消しなければいけないが、予防的段階は金融機関の仕事であり、信用保証協会が生んでいるモラルハザードがなくなった時に、抜本的事業再生支援を誰が担うのかという問題を解決しなければならない。

  • もう1つの課題は、事業再生支援にはある程度の専門性が求められるが、1行の地銀で1つのプロフェッショナル集団が成り立つかは疑問である。例えば、ある程度集約して一定レベルの規模の経済性を効かせないと、それだけの専門家が集積できない可能性があるので、ある程度共通基盤でプロフェッショナルを作るような仕組みを工夫した方が良いと思う。

  • 我々の体験では、実は意外とメインバンクである地域金融機関が経営者をしっかりとグリップできてないケースが多い。事業再生支援においては、金融機関が企業の経営に対してどれだけ本気で関与する気があるか、結局、ガバナンスをメインバンクが働かせられるかというのが勝負だと思う。

  • 日本は今、廃業率が非常に低い。成熟した先進国経済においては、経済成長率は殆ど開廃業率と比例しているので、これは成長戦略の観点からすると非常にネガティブである。開業率も廃業率も低いままでは、この国はどうやっても成長しないと思う。

    日本の場合、とりわけ新陳代謝が遅れているのがサービス産業であり、もっと廃業等を増やさないと生産性は上がらない。問題は、本来競争から生ずるべき一定レベルの廃業がこの国で起きず、かつ、倒産を一生懸命止めてきたことにあると思う。その結果、金融機関、信用保証協会、経営者あるいはそこで働いている人全員にとって、多分この国は倒産コストの世界で一番高い国となった。

  • やはり、退出によるステークホルダーのコストを下げないと、特にローカル経済の生産性は絶対に上がらない。また、生産性を向上させるのであれば、新陳代謝を促進していくしかないと思う。企業の生産性の向上と新陳代謝の促進が、実は地方の人達の生活と賃金を向上させることになると思う。こういう発想の転換ができるかが勝負だと思う。信用保証協会の代位弁済に税金を使うのなら、廃業で出してあげた方が良い。その方が将来的に有効な投資になると思う。

  • 地銀の中には、抜本的な事業再生支援のやり方も分からないとか、サービサーの提案が来ても、対応できないという銀行があると思う。中小企業再生支援協議会などを機能強化できれば、もっと地域金融機関が利用すると思う。

  • マイナス金利になり、銀行の貸出収益が上がらなくなってきた今が、地域銀行にとって企業の抜本的な事業再生を促していくチャンスだと思う。もう一度原点に立ち戻って、地域銀行では何が一番大事なのか、企業の事業再生を行わなければ地域銀行として成り立たなくなるという意識を、いかに銀行の経営トップあるいは行内に浸透させていくかが重要である。

  • 銀行が事業再生を先送りするのは、経営トップの方針とか業績評価の問題もあると思うが、人事ローテションが早いことの問題もあると思う。行員のインセンティブの設計の1つとして、やはり、自分がやらないと、先送りできないなと思ったら、それなりに腹が据わると思う。

  • 個人的には、信用保証協会が事業再生に向けた取組みの妨げになっているとの結果は、ある意味ショックな話であった。例えば、地域によっては、求償債権の放棄時に議会承認が必要だったり、どうにもならない部分もあるのかなと思う。また、なかなか難しいと思うが、信用保証協会がもう少し何か対応するということを考えていく必要があるのではないかと思う。

  • 地銀が企業の事業性評価を行い、企業の事業再生に繋げていくためには、銀行の若手クラスに対する人材育成とか意識教育等から始めるとともに、支店長クラスに対する意識改革、教育も展開していくことが必要であると思う。

  • サービス業がGDPや雇用の約7割を占めているが、その生産性はアメリカの5割程度であることから、これを上げていくのが成長戦略の1つの柱ではないかということで今取り組んでいる。

  • 銀行も民間企業であり、やはり経済合理的でないと事業再生支援を行わない。ただ、経済合理的であるのに行っていないこともあると思うので、そこを指摘していくのが我々の仕事の一つであると思う。

  • 全体として新陳代謝を促進し、生産性の低い企業からより高い企業に雇用を移していく。これを我々は銀行を通じて、また、関係省庁一体となって1つの政策パッケージとして何か取り組んでいきたい。そのためには、まずは、実態把握を行い、1つずつ課題を明らかにしながら前に進んで行けたら良いと思う。

以上

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