企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議議事録

1.日時:平成24年10月2日(火曜日)13時00分〜15時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議

平成24年10月2日

○安藤会長

定刻になりましたので、これより企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議を開催いたします。皆様にはご多忙のところご参集いただき、まことにありがとうございます。

まず会議の公開についてお諮りいたします。従来と同様、本日の総会も企業会計審議会の議事規則にのっとり会議を公開することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご異議なしということで、そのように取り扱います。

それでは、議事に入ります。

当合同会議では、前回の会合、これは6月14日でございました。そこにおきまして、約1年間にわたるIFRSの適用のあり方に関する議論を整理した「中間的論点整理(案)」をご審議いただき、7月2日に「中間的論点整理」として公表させていただきました。本日は、前回会合以降のIFRSを取り巻く海外の状況を中心にご報告いただき、ご意見等を伺ってまいりたいと考えております。

最初に、去る7月13日に、米国SECがIFRS取り込みに関する最終スタッフ報告書を公表しておりますので、こちらにつきまして事務局より説明してください。

○栗田企業開示課長

それでは、お手元に配付させていただいております、資料1「SEC:IFRS取り込みに関する最終スタッフ報告書」と書いてあります横の紙に沿って、ご説明をさせていただきたいと存じます。

表紙をめくっていただきまして、1ページ目でございますけれども、今年の7月13日に、SECは国際会計基準を米国で取り込む、インコーポレートする方法に関する最終のスタッフ報告書――「Final Staff Report」と題されておりますが――を公表いたしております。その内容でございますけれども、まず、IFRSの適用方法に関して幾つか述べられております。

まず、SECスタッフは、作業計画を進める過程で、「IFRSを全く取り込まない」という選択肢から、「国際会計基準審議会が公表したIFRSをそのまま適用する」方法まで、さまざまなIFRSの取り込み方法について検討を行ったとしております。

そのうち、IASBが公表したIFRSを米国でそのまま取り込む方法は、多くの米国資本市場関係者から支持されず、また、主な資本市場で採用されているIFRSの取り込み方法とも異なることが明らかになったということを明確に述べております。

その後で、引き続きまして、SECスタッフは以下の3点も踏まえ他の方法の検討を行ったとしておりまして、大きく3点を書いております。

1点目は、「Influence on Standard Setting」と題されておりますけれども、IFRSをエンドースメントすることにより、IASBの基準設定に対してより影響力を行使することが可能であるということが述べられております。また、ここには書いておりませんけれども、多くの国では、一般的にIFRSを自国のシステムに取り込むメカニズムを有しているというようなことも書かれております。

2点目といたしまして、「Burden of Conversion」ということで、時間をかけてIFRSを取り込むことで、作成者の負担を軽減することが可能であると指摘しております。

3つ目は、「Reference to U.S. GAAp」ということで、米国会計基準という用語の変更に伴い大きな負担が発生するということを指摘しております。

このような点を考慮いたしまして、結論といいますか最後のところで、SECのスタッフレポートでは、IASBが公表したIFRSを米国でそのまま適用する方法への支持は少ないものの、単一の高品質でグローバルな会計基準という目的に米国がコミットしていることを示すことができる別のIFRS取り込み方法には、潜在的に多くの支持が得られると考えられるというふうにまとめております。

さらに、1ページめくっていただきまして、このスタッフレポートでは、様々な観点からいろいろな事項について分析がなされておるわけでございますけれども、その中で、Summary Findingsとして以下の7点が指摘されておりますので、ここではそれを掲げさせていただいております。

1番目は、IFRSの開発ということでございまして、採掘活動、保険、料金規制事業など、IFRSには未整備の分野があるということで、米国基準にも整備すべき分野はあるが、IFRSのほうが未整備分野が大きいという指摘をしております。

2番目は、解釈プロセスということで、IFRS解釈指針委員会の活動が不十分であり、IFRS解釈指針委員会はより多くの解釈指針をより適時に開発すべきであるということを指摘しております。

3つ目は、IASBによる各国会計基準設定主体の利用ということでございまして、各国会計基準設定主体は、個別基準の開発のサポートですとか、自国の投資家に対するアウトリーチ、実務上適用にばらつきのある分野の特定や解釈指針の発行、適用後レビューの支援が可能であり、IASBは各国基準設定主体のより積極的な利用を考慮すべきであると指摘しております。

4番目は、会計基準のグローバルな適用と執行ということでございまして、IFRSに基づき作成されている財務諸表にはばらつきがあるという指摘をした上で、IFRSがグローバルにより整合的に適用されるようにするため、適用や執行に関する当局者間の意見共有など、他国当局との連携が必要であると指摘しております。

引き続きまして、5番目でございますけれども、IASBのガバナンスに関しましては、IFRS財団の現在のガバナンスは、IASBの独立性の確保と監視体制とのバランスがとれたものとなっているとしておりますが、ただしということで、FASBがIFRSのエンドースメントを行うなどにより、米国市場・投資家を保護するためのメカニズムを構築することが必要であるということも指摘しております。

6番目は、資金拠出状況ということでございまして、IFRS財団の資金拠出に関しまして、IFRS財団はIFRSを使用している国が100カ国以上あるとしているにもかかわらず、IFRS財団に資金拠出している国は30カ国にも満たない、あるいは、米国の資金拠出がIFRS財団に割り当てられた額を下回っているなど、まだ解決すべき問題があるとしております。それから、大手監査法人からの資金拠出に従来より依存していることが懸念されるということも述べております。

7番目は、投資家の理解ということで、投資家のIFRSに対する理解にばらつきがあり、改善に向けた検討が必要ということが述べられております。

この1から7に申し上げたことが、まさにIFRSを米国において取り込むかどうかということに関して、ある意味では検討すべき課題だということになっているのだと存じます。

それから、このレポートの解釈の仕方というものは、いろいろな方によっていろいろあると思いますけれども、幾つかポイントと考えられる点を申し上げますと、1つ目は、このレポートには、委員会としてのSECに対するリコメンデーションというものがついておりません。このレポートが出る前には、そういうリコメンデーションがついてくるのではないかというような話もあったのですけれども、結局そういうものはなかったということでございまして、SECのスタッフは、特定のIFRSの取り込み方がベストであってそれを採用すべきであるというような提言はしていないということでございます。

他方で、先ほども申し上げましたけれども、IFRSをもう全く取り込まないのかというとそうではなくて、単一の高品質でグローバルな会計基準という目的に米国がコミットしているということを示すことができるIFRSの取り込み方法には、潜在的に多くの支持が得られるとしておりますので、IFRSをもう採用しないということでもないということでございます。

それから、ここでは紹介し切れておりませんけれども、このレポートを詳細に読んでいきますと、幾つかのところで、時間をかけてIFRSをエンドースメントしていく方法は問題が少ないというような記述が見られておりまして、SECのスタッフは、昨年の5月のレポートのときにエンドースメント・アプローチを提言していたこともあるのかと思いますけれども、基本的には時間をかけてエンドースメントするという方法を中心にこのペーパーを書いたのかなということがうかがわれるようでございます。ただし、最終的な結論は出していないということでございます。

それから、今後どうなるのかということでございますけれども、その点については具体的な言及がございませんで、次にどういうレポートを出すとか、いつごろまでに何かをするとか、そういうことについては触れられていないということでございます。この点に関しまして米国の関係者などにいろいろ聞いてみますと、大方の意見としては、まずは大統領選後にならないとどうしようもないのではないかということで、早くても2013年半ば以降に何か動きがあるのではないかというようなお話をされる方が多い、というような状況でございます。

私からは以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

ただいま事務局から説明のありましたSEC最終スタッフ報告書につきまして、皆様からご意見、ご質問を伺ってまいりたいと思います。それでは、ご意見等のある方は挙手をお願いいたします。

はい、廣P委員、お願いします。

○廣P委員

ありがとうございます。

SECのスタッフ報告書が出たという大きな区切りで考えておりますので、我が国の経済界といたしまして、この時点で、IFRS検討における現状認識と今後の進め方について、2点申し上げておきたいと思います。

まず、7月に当審議会が公表いたしました中間的論点では、幾つかの論点について委員の意見の間になおかなりの隔たりがあり、さらに審議を継続して議論を深める必要があるとされておりまして、これまでの主な議論が整理されておりますが、その中間的論点整理は現時点の産業界の方向とも軌を一にしたものと私どもは受け取っております。そして、この中間的論点では、今後とも国際的な情勢等を踏まえ、会計基準の国際的な調和に向けた努力を継続していくといたしておりますけれども、とりわけ国際的な情勢における我が国関係者の最大の関心は、やっぱり米国の動向であります。ただ、今もご紹介がありましたように、残念ながら、今回のSECスタッフ・ペーパー、最終報告では、IFRS導入に関するアメリカとしてのタイムテーブルを含めた具体的な提言は含まれていなかったと、こういうことになります。

そこで、経済界として申し上げたいことの1点目は、我が国のIFRS対応について、米国に動きがあった場合には遅滞なく対処できるように審議を進めていく必要があると思いますが、米国の最終判断をまず見極めることが最重要であると、重ねて申し上げておきたいと思います。

2点目は、任意適用についてであります。我が国は既に2009年度からIFRSの任意適用は認められておりまして、大企業も含め適用企業あるいは適用予定企業が年々着実に増加しております。この点については、対外的、特にIFRS財団あるいはIASBに対してもっと強調していくべきであると考えます。経団連といたしましても、任意適用の円滑な積み上げを図るよう支援活動を続けていきたいと思います。また、IFRS財団への資金拠出は、今後とも日本としてしっかりと応じていく必要があると考えております。

なお、最後ですが、アジェンダ・コンサルテーションで提起した諸課題の解決に向けまして、IASBへの意見発信を今後とも続けていきたいと考えておりますので、金融庁におかれましては、これまでどおり関係団体の意見集約とご支援をぜひともお願いしたいと思います。

以上でございます。ありがとうございました。

○安藤会長

ありがとうございました。

はい、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員

2点ほどご意見を申し上げます。

第1点目は、ただ今栗田課長よりご説明がありましたとおり、本レポートはポリシー・レコメンデーションは行われていませんが、スタッフとしてIFRSの適用実態や課題を多面的に分析、評価しており、大変真摯に検討されたレポートだと思います。私も、米国の最終決定は大統領選後、SECの主任会計士等の人事ラウンドもありますので、かなり延ばされるのではないかと見ておりますが、現状では、米国の各業界や関係当局のIFRSに対する見方や関心は、スタッフレポートの分析結果とも相呼応して、かなりトーンダウンしてきているのではないか、一定の距離間を置くスタンスに変わってきているのではないかと見ております。

先般、経団連でFASBのレスリー・サイドマン議長の講演でも、個人的な見解とはいえ、IFRSに対して移行コストの大きさ、国ごとの適用状況の不整合、IASBの運営資金調達の課題、具体的な適用のための個別ガイダンスの不足等々、指摘しており、FASBそのものが今後はIASBのみならず世界各国の会計基準設定主体との連携を強化し、比較可能性を高めていきたいと強調されておられました。

サイドマン議長自身、世界がピュアな1つの会計基準に収れんするのはあくまで理想であり、現実的には各国多少の違いを残しつつ、究極的には相互承認に近い状態を想定しているのではないかと、私は拝察しております。日本としては、戦略的にもこのような国際情勢をよく見極める必要があると思います。米国のアナリスト協会のCFA Instituteは、既に2009年4月のコメントレターの中で、「IFRSはグローバル・レファレンス・ポイントとして存在する可能性が最も高い」と言っております。現在、金融財政危機が深刻なヨーロッパ発のIFRSが今後とも影響力を行使し得るのかという視点と、欧米を含めた今後の世界の会計基準設定の行方と方向性を慎重に見極めることが肝要かと思います。

ところで、栗田課長からご説明のありました資料1の中で、いささか違和感があるのは、1ページ目の概要マル1の最後の行に、「別のIFRS取り込み方法には潜在的に多くの支持が得られると考えられる」と記述されております。この部分はおそらく、SECスタッフレポートの原文の4ページの2段落目に記述されている部分を翻訳されたものと思いますが、原文をよく読みますと、IFRSのピュアなアドプション以外の方法を模索する又は調査するということについては支持を得ているというふうに記述されていると思います。

すなわち、「IFRSのピュアなアドプション以外の方法そのものが潜在的に多くの支持を得られる」というふうな解釈ではなく「ピュアなアドプション以外の方法を模索することに対して支持を受けている」というふうなニュアンスで書かれているのではないかと思います。そうなると、全くニュアンス、意味合いが違ってきますので、この辺はぜひもう一度確認していただきたいと思います。

2点目は、国際情勢がこのように変化している中で、日本としてはやはりコストとベネフィットの関係を最大限重視して、IFRSの任意適用の積み上げのための施策(例えば指定国際会計基準の見直し)開示リスクと監査のあり方、単体開示の廃止の問題、注記等に関する開示フレームワークの問題等々の論点につき、さらに日本として議論を深める必要があるのではないかと考えます。これらの論点や、既に大方のコンセンサスを得られています連単分離とか、日本基準への是々非々の主体的コンバージェンス等を含めて、適切なタイミングで遅滞なく、2009年6月の中間報告の見直しを実施していく必要があるのではないかと思っています。

以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。

今、質問がございましたので、課長から答えていただきます。

○栗田企業開示課長

今ご質問のありましたところは、まさにおっしゃったように、このスタッフレポートの4ページ目のところにあるのですけれども、始めのところに、ここに書いてありますように「そのまま適用する方法への支持は少ない」ということが書いてあります。その後に、「However」として、「the Staff found there to be substantial support for exploring other methods of incorporating IFRS that……」というふうな書き方になっておりまして、ここはちょっと、ニュアンスをどう出すかという問題があるかと思いますけれども、直訳的に言えば、その他の方法を、exploreですから探求することに関するsubstantial supportがあると、そういうことだと存じます。

○佐藤委員

何か、あたかも別の方法そのものが支持を得られていると読めたものですからかなり違和感がありました。

○安藤会長

私も読みまして、これ、「別の」というのが、資料1の1ページの一番最終行ですね、その2行上の「そのまま適用する方法」に対して「別の」という、あるいは「他の」というふうにとりました。

よろしいでしょうか。佐藤委員、ありがとうございました。

それでは、手を挙げておられました泉本委員、お願いいたします。

○泉本委員

ありがとうございます。今の米国のスタッフ報告では、何か意見を先延ばしになってしまっている雰囲気があり、そのまま日本も結論を先延ばししているのかという印象ですので、意見を2つほど述べさせていただきます。

今、現状ではIFRSの任意適用が既に始まっていて、米国基準、日本基準という、制度上3つの会計基準を認めているこういう現状というのは、諸外国から見ると信頼を受けにくいものと思います。日本市場の中でも、最近は、比較可能性が損ねられているのではという印象でございます。ということで、一部または段階的な強制適用の方向性も含めて、明確な方向性を打つ出すための議論を、直ちにということよりも近い将来に議論を開始していただきたいということです。先ほど、米国の状況を、時間をかけてエンドースする方法と説明されていましたので、日本でも時間をかけて議論するということなのかもしれませんが、今廣P委員からもお話がありましたが、いつまでもアメリカを見ながらというのは、決めることを決めずに先延ばししているような気がいたします。

それから、先ほどもご意見がありましたが、既に任意適用の会社が徐々に増えてきて、また適用を予定をしているとアナウンスする会社も増えてきていますが、ただ、任意適用という段階を長期間続けるのは、2009年の中間報告から一歩も出てないのとほとんど同じだと思います。もう既に、本年10月、今月末ですが、IFRS財団のアジア・オセアニア・リエゾンオフィスが開設されるという、このような状況にまで来て、これから日本としての意見発信や日本の意見がどんどん取り入れていただけるような状況ができつつあるにもかかわらず、この任意適用のままというのはいかがなものかと考えます。先ほどと重なりますけれども、日本におけるIFRSの適用の最終目標を明らかにしないで議論を先延ばしするというのは、よろしくないと思います。

以上2点をよろしくお願いいたします。

○安藤会長

ありがとうございました。

それでは、河崎委員、お願いいたします。

○河崎委員

ありがとうございます。私も、2点ほど、意見を述べさせていただきたいと思います。

1点目は、先ほど廣P委員もおっしゃられたように、中間的論点でこの1年間の議論がある程度集約されて、今後の議論のたたき台になるものができ上がったわけですから、私はこの議論をもっと深めていく必要があるのではないかと思っております。この会議でも、あるとき、一体我が国としてどういった基本方針で国際会計の問題に臨むのかということを行政の立場から教えてもらいたいというような発言をしましたところ、そのための方向性はここで決めるんだというご回答でした。その意味では、この中間的論点で方向性の議論の整理がなされたと思っております。

例えば、この中間的論点の中で、会計基準の国際的調和については、当期純利益の明確な位置づけ、公正価値測定の適用範囲の整理等についてもっと議論していく必要があるとか、あるいは、国際会計基準の適用についてはどの基準・考え方が難しいかを整理して、さらに実務的に検討を進めていくのが重要だというふうに示しておられます。あるいは、我が国からの意見発信――これはまた2点目の意見のほうで申し上げますけれども、今後どんどん意見発信をすべきであるということが示されており、これについては、全く皆さん同感だと思います。

それから、任意適用のところなんかを見てみますと、任意適用の実例を積み上げて、メリット・デメリットを十分議論していく必要があるとされています。それから、原則主義については、任意適用企業について新たな問題点を検討して、その内容を深めていく必要があるといったような形で、この中間的論点では、今後何を検討すべきかということが具体的に示されています。そういった議論を深めることによって、我が国の基本的なスタンスというか基本方針を明確にできるのではないかと思っております。

次の2点目ですが、情報発信ということがいろんなところでうたわれております。これは非常に結構なことなのですけれども、しかし、情報発信をする以上は、基本的な立場が明確であって初めて発信ができるのであって、個別の問題についてパッチワーク的に対処法を情報発信することではないと思います。その意味では、先ほど申し上げたことと重複をいたしますけれども、この中間的論点の審議をもっと深めていく必要があるのではないかと思います。

補足的に申し上げますが、私、8月にアメリカ会計学会に出席しました。米国の状況について、学会の雰囲気で感じたのは、昨年に比べると非常に冷めた感じがいたしました。というのは、IFRS問題に絡めていろんなセッションが昨年度はたくさんあって、個別の具体的な問題がいろいろ議論されていたのですが、今年度は、セッションの数も少ないし、そこに参加された会員の人たちも非常に少ないという状況でした。先ほどの米国のスタッフレポートをどういうふうに評価するかということですが、スタッフレポートでは、時間をかけてこれから検討するということは、見方を変えれば、今早急にIFRSを取り込むということは米国では否定されたとも解釈できるのではないのでしょうか。

以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、忌憚のないご意見を。時間はたっぷりございます。

よろしいですか。それでは、ひとまず先に進ませていただきます。

それでは、次が議事の3ですね、国際会計審議会(IASB)の最近の動向等について、次にご議論いただきたいと存じます。

最初に、IASBの最近の審議の動向につきまして、企業会計基準委員会(ASBJ)委員長である西川委員よりご説明をお願いします。

○西川委員

企業会計基準委員会の西川でございます。

私のほうは、IASBの最近のボードの審議の動向についてご説明をさせていただきます。資料2−1をごらんになっていただきたいと思います。なお、資料ではIASBの動向のみを記載しておりますが、あわせてASBJの対応についても若干触れさせていただきたいと思います。

最初に、「アジェンダ・コンサルテーション」でございますけれども、これの暫定決定についてご説明したいと思います。

IASBは、今後3年間のアジェンダを検討するために、昨年、意見募集を行いましたが、その結果については、少し前のことになるのですけれども、今年の5月にボードで審議をしております。5月の審議の暫定決定では、まず、概念フレームワークを優先して検討するということが挙げられております。これまでIASBでは、フェーズに分けて概念フレームワークを検討してきておりますけれども、今後は、構成要素、測定、表示及び開示、報告企業について、一括して検討を行うということとしております。また、これまでIASBでは、FASBと共同して概念フレームワークを開発してきましたけれども、今後はIASB単独で審議をするということとされております。なお、先週のIASBの会議でこの概念フレームワークの議論の進め方について議論が行われ、各国の会計基準設定主体を交えたconsultative groupを設けるということが暫定的に決定されました。その会合では、ハンス・フーガーホースト議長から、2015年9月までにプロジェクトを完了したいという旨が話されております。また、昨日、IASBからはワークプランが公表されているのですけれども、そこでは、来年上半期にディスカッションペーパーを公表するということが目標とされておりまして、IASBでは検討を加速するものと思います。

この概念フレームワークの議論につきましては、我が国でも極めて関心が高く、アジェンダ・コンサルテーションに対するコメントでも強く主張いたしました純利益やOCIの問題、それから公正価値測定の範囲が含まれております。ASBJでも最も重要視しているところであり、これらについてのリサーチ・プロジェクトを立ち上げ、他の基準設定主体などとも議論を開始しており、今後IASBとも議論を行う予定にしております。

個別基準の開発でございますけれども、短期の基準開発は、マレーシア等が提案した農業に関する公正価値測定の問題と、料金規制事業などのみにとどめ、period of calmという、基準をあまり大きく頻繁に変えないという安定的な期間を設けることとしております。

次に、今後はリサーチ・プログラムを重視するとしておりまして、新しい基準の開発の前には、基本的にリサーチを行うとしております。当面、資料に記載されておりますようなことについてリサーチを行うこととしております。これだけのリサーチをIASBのスタッフだけで行うことはできないために、今後は各国の会計基準設定主体のリソースも活用するということを考えております。このリサーチ・プログラムもそうなのですけれども、IASBでは今後、ASBJやFASBなどの各国の基準設定主体との連携を現在よりも深めるということを意図しております。ASBJでは、国際的な議論に深く関与する中で、我が国の意見を反映すべく努力していきたいと思っております。

以上が、アジェンダ・コンサルテーションに関する状況でございます。

次が、3ページ目に参りまして、個々の基準の開発状況でございます。

最初に、収益認識プロジェクトですが、IASBとFASBが共同で行っているプロジェクトの中では一番順調に推移していると思っておりまして、昨日公表の計画表においても、来年上半期中に最終基準化を図るという予定が維持されております。我が国にも影響の大きい基準であるため、ASBJでは、昨年11月に公表された改訂公開草案に対して国内関係者に意見募集を行い、それらを踏まえてIASBにコメントを提出しております。収益の認識のタイミングなどが主な論点ですけれども、開示量の増加といったことも論点でございまして、今後、国内関係者の意見も集約して、必要に応じて適切にIASBに伝えていきたいと思います。

次が、リースですけれども、こちらはなかなかコンセンサスが得づらい状況でございまして、来年の第1四半期にもう一度公開草案が公表される予定でございます。シングルアプローチへの固執を捨てて少し前進したかと思っておりますけれども、現在の暫定決定に対しても、不動産とそれ以外のものについての扱いが大きく違っているという点などで、国内関係者からは懸念する声が聞かれております。これについてもASBJとして適切に意見発信を行っていきたいと思っております。

金融商品ですけれども、最初に、分類と測定についてですが、既に確定している2009年のIFRS9号の限定的な改正が行われております。保有する負債性金融商品にOCIを通じた公正価値再測定の区分を設けるということで、現在のその他有価証券とは要件が違いますけれども、会計処理的にはそういうことが加わるということで、これは日本の関係者には比較的好意的に受けとめられていると理解しております。

次が、減損です。これは日本の基準では貸倒引当金に該当するところですが、リーマンショックの後、IASBとFASBが共通のアプローチを目指して長い時間をかけtoo little too lateということを解消するための議論を行ってきました。昨年来取り上げられてきた「3バケットアプローチ」でまとまりかけていたのですけれども、最近の審議では、米国内の関係者から、3バケットアプローチは適用が困難であるという懸念が寄せられておりまして、これを受けてFASBから異なるアプローチが提案されているというようなことで、方向性が見えづらい状況となっております。

ヘッジ会計につきましては、「一般ヘッジ会計」についてレビュー・ドラフトを公表し、本年第4四半期に最終基準化することを目標としております。一方、「マクロヘッジ会計」については、IFRS内の今回のIFRS9号全体としての確定とは切り離したプロジェクトになっていると理解しております。

それから、保険ですけれども、こちらもIASBとFASBで共同で審議を行ってきておりますけれども、両者のモデルが折り合えない点があるということで、最終的には同じ内容とできるかどうか、不透明な状況になっているかと思います。

IASBの審議の状況は以上のとおりでございます。ASBJでは、年2回、IASBと定期協議を行ってきており、今月末にもロンドンで行う予定がございます。また、そのほか、FASBとも年2回協議を行っており、先月、東京で行ったところでございます。このような機会を通じて、我が国の意見を適切に発信していきたいと思っております。

以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

続いて、IFRS財団のガバナンス改革の状況などにつきまして、事務局より説明してください。

○栗田企業開示課長

それでは、私のほうから、資料2−2「IASBの最近の動向等」と書いてあります紙に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。ここでは主に、今安藤先生からお話のありました、IFRS財団のガバナンス改革についてご説明をさせていただきたいと思います。

表紙をめくっていただきまして、既に皆様ご存じのことかと思いますけれども、IFRS財団のガバナンス機構がどうなっているかということを図示したものでございます。国際会計基準審議会、まさにIFRSを作成するところを、その上の評議員会(Trustees)が監視・監督をするということでございますけれども、さらに、このIFRS財団の外にある「モニタリング・ボード」が評議員の選任の承認等を通じて監視を行うという建てつけになっております。このモニタリング・ボードのメンバーは、現在5席ありまして、日本の金融庁、それからアメリカのSEC、EUの市場サービス担当委員、それからIOSCO枠が2つございまして、これは代表理事会代表と新興市場委員会代表ということでございます。現在、このIOSCO枠のうちの上のほうが空席になっておりまして、下の振興市場委員会代表としてトルコが出ておりますので、今、モニタリング・ボードは4席で議論をしているということでございます。

それで、具体的にどういう改革が今議論されているかということでございますが、2ページ以降でございます。まず、2010年7月にガバナンス改革に係るワーキング・グループがモニタリング・ボード内に設置されました。このワーキング・グループでは、IFRS財団の全体的なガバナンス構造に焦点を当てて検討を行ってきたということでございまして、その結果、昨年の2月に市中協議文書を公表しまして、パブリックコメントに付した後、今年の2月に報告書を公表しております。このときは、同時にIFRS財団の評議員会も、IFRS財団戦略見直しの報告書を公表しております。

次のページは、その、今年の2月に公表された報告書の提言内容でございますけれども、大きく分けて、モニタリング・ボードに関する事項、それから評議員会に関する事項、IASBに関する事項について述べられております。その中で、この後ご説明しますモニタリング・ボードのメンバーシップについて、かなり踏み込んだ記載がございます。

どういうことが書いてあるかと申しますと、まず、モニタリング・ボードのメンバーは、引き続き、会計基準の形式・内容について権限を有する資本市場当局に限定するということが述べられております。先ほど申しましたように、モニタリング・ボードのメンバーは、今、5ということになっておりますけれども、それを拡大するということが提言されております。まず、主要な新興市場からメンバーを追加するということで、これは最大4ということになっております。さらに、IOSCOと協議して交代制メンバーを導入するということで、これが2ということになっておりまして、合計で最大6つ増やす、現在5つなので最大11にするということが述べられております。11というのは、今ある日本、米国、欧州、それから新興市場が4と、それからIOSCO枠みたいなものが4というような構成になるということでございます。

そういうようなことが述べられているほか、そこに書いてありますように、いろんなことについて提言がなされているということでございます。

その報告書が提出された後どういうふうに進んでいるかというのが次のページでございまして、現在は、モニタリング・ボードにおきまして、この報告書で示された提言の運用について検討を実施しているところでございます。先ほど申しました、モニタリング・ボードのメンバーを追加するということですけれども、モニタリング・ボードのメンバーになるかあるいはメンバーであり続けるためには、国内でのIFRSの使用とIFRS財団への資金拠出が求められております。それはそこの※印のところに書いてあるとおりでございます。

今、特に、「IFRSの使用」の定義を含めたモニタリング・ボードのメンバー要件をどうするかということを議論しているということです。今後の予定といいますか、当初報告書に書いてあったことは、まずメンバー要件を確定して、それに従って追加メンバーの候補を決定する、それから、既存のメンバーがそのメンバー要件を満たしているかどうかの評価を実施するということが述べられております。その時期については、報告書では、まずメンバー要件の決定が大体今年の半ばということになっておりまして、さらに、そのメンバー要件を具体的に個別の国が満たしているかどうかという評価を2013年初めから行うことになっておりました。が、既に2012年も半ばを過ぎておるわけでございますけれども、現在のところ、このメンバー要件についてまだ議論が行われている最中であるというのは現状でございます。そういうことで予定よりはおくれているわけですけれども、新興国などはモニタリング・ボードのメンバーに期待を持っているところもあるわけでございまして、いつまでも待たせておくこともできないということで、当然のことながら、いずれかの時期にはその決着は見ないといけないということで、今、議論が行われているという状況でございます。

私からは以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの西川委員及び事務局からの説明のありましたIASBの最近の動向等について、ご意見、ご質問を伺ってまいりたいと思います。ご意見等のある方は挙手をお願いいたします。

それでは、引頭委員、先にお願いします。

○引頭委員

ご説明ありがとうございました。

西川委員のご報告で、質問がございます。資料の2ページ目にリサーチ・プログラムの重視ということで、今後各国の基準設定主体の力も借りながらリサーチしていくとのことでした。それについて質問が2つあります。1つは、具体的にいつから始まるのかということと、もう1つは、ASBJがこのリサーチ・プログラムの中でどんな役割を果たされるか。コストとかかかることもありますし、どのような形での協力になるのか教えてください。

○安藤会長

質問です。西川委員、お願いします。

○西川委員

新しいリサーチ・プログラムはIASBサイドで考えていることでございまして、具体的な進め方はまだ公にされてないし、我々自身もよくわかっておりません。各国の基準設定主体の力を借りるという意味でいえば、そこのリサーチ・プログラムで各国のリソースを利用するということのほかに、各国の会計基準設定主体の意見を吸い上げることをIASBでは考えているということを聞いているところでございまして、ASBJとしてはこのような面でも貢献したいと思っています。

○安藤会長

よろしいですか。

それでは、佐藤委員、手を挙げておられました。

○佐藤委員

個別の基準の開発で、現在MoUプロジェクトとして進められておりますリース会計基準の問題ですが、本件は、ご承知のとおり、2010年8月17日にED公表後、各国の膨大なコメントレターによる問題指摘があり、作業スケジュールが再三再四にわたり延長されてきた、いわばいわくつきのプロジェクトであります。2011年1月のIASBの理事会では、リースの定義から改めて議論が始まるという始末で、その後、IASBとFASBの間では大幅に方針、方向性を修正する暫定合意が行われましたが、2011年5月に、その暫定合意も再度見直す内容の決定がなされる等、不透明感が増幅してきております。

直近では、2012年6月の暫定合意も、米国のFEI初め日本国内の業界からも、処理が複雑でコストとベネフィットの観点からメリットを感じない、何のために会計基準を改定するのかという問題意識が改めて強くなってきていると見ておりまして、日本としても、改定の必要性を含めて改めて意見発信すべきではないかと思います。なお、ご参考までに、直近では昨日またまた、リースのターゲットEDが3カ月延長されており、いつのことになるのやらという印象を持っております。

以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。

西川委員、今のお話に対してコメント等何かございますか。

○西川委員

特にありません。

○安藤会長

よろしいですか。

それでは、ご意見それから情報として承りました。

ほかにいかがでしょうか。

はい、河崎委員、お願いします。

○河崎委員

モニタリング・ボードの問題のところでちょっと教えていただきたいのですけれども。今、メンバー要件がいろいろ議論されているということですが、IFRSの国内での使用とIFRS財団への資金の拠出という2つの要件が議論されているのですけれども、資金拠出は大体、数値的に今わかるのでしょうが、このIFRSの使用というのは、何をもってIFRSの使用という議論がなされているのでしょうか。あるいは、今、どういう方向性なのでしょうか。

○安藤会長

それでは課長からお願いします。

○栗田企業開示課長

まさにそのIFRSの使用、Use of IFRSの定義をどうするかということが議論のポイントになっておりまして、これをどの程度厳格なものにするのかどうか、あるいは、足元の時点だけを捉えて判断するのか、もう少しダイナミックに、将来を見て、その国・地域がどういう方向を向いているのかということまで含めてIFRSの使用の定義を考えるのかと、そういうような点について今まさに議論が行われているところでございまして、まだその細かいところまで必ずしも行き着いていないというのが現状でございます。

○河崎委員

ありがとうございました。前回の中間的論点のところでも、我が国は今、任意適用という形で、まさにピュアなIFRSを適用しているわけですね。だから、やっぱりこの点はかなり強調していただいて、日本は何かIFRSを全然導入してないような、そういう印象を受けることがないような情報発信というか、そういうことをやる必要があるのではないかなと感じております。

○安藤会長

河崎委員、ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

それでは、ただいまのIASBの最近の動向等について、ご意見、ご質問等、よろしいでしょうか。それでは、先に進ませていただきます。

次は、次第の4ですね。「デュー・プロセス・ハンドブック公開草案への対応について」ということでご審議をいただきます。

IASB等のデュー・プロセスに関する要求事項を規定しておりますIFRS財団のデュー・プロセス・ハンドブックにつきましては、その改訂に係る公開草案に対するコメント募集が行われておりました。

まず、財務会計基準機構理事長である萩原委員及び西川委員より、このIFRS財団のデュー・プロセス・ハンドブックの改訂に対する対応につきましてご説明をお願いします。

○萩原委員

財務会計基準機構の萩原です。

それでは、私のほうから、IFRS財団のデュー・プロセス・ハンドブックの改正についての対応についてご説明をいたします。お手元の資料3−1をごらんください。

資料にありますとおり、IFRS財団においては、TrusteesがIASBなどのデュー・プロセスを監督しており、デュー・プロセス・ハンドブックを定めております。IFRS財団は、今回、このデュー・プロセス・ハンドブックの改訂を行っており、公開草案を2012年5月に公表しております。

我が国の意見が適切にIASBの審議に反映されていくためには、IASBのデュー・プロセスが適切に確立され、透明性が高いものであることが必要となります。したがって、今回のIFRS財団からの改正の提案は我が国にとっても重要であり、整合性のとれた対応を図る必要があると考え、8月下旬にアジェンダ・コンサルテーションに関する協議会を開催し、関係者で議論を行いました。これらの議論はASBJによって取りまとめられ、ASBJからIFRS財団に意見発信が行われております。その内容につきまして、ASBJの西川委員長からご説明いただきます。

よろしくお願いします。

○西川委員

それでは、引き続きまして、ASBJのIFRS財団に対するコメントについてご説明させていただきます。お手元の資料は3−2をごらんになっていただきたいと思います。

今回のデュー・プロセス・ハンドブックの提案というのは、デュー・プロセスをさらに厳格化させるということでございますので、私どもとしては、総論、賛成という形を最初に申し上げております。それから、個々のコメントにつきましては、個別の技術的な問題と違って、ここでご説明していくのもちょっと難しい面はありますが、大きく3つの点を中心に据えており、1ページ目にその3つを掲げてございます。ボード会議の運営、公開草案等について最低公開期間を60日確保すべき、それから、プロジェクトの休止及び取りやめの手続の明確化といったことを柱にしております。

今回の改訂については、個別の質問を5つ、先方が提案しておりまして、それぞれに個々に回答しているわけですけれども、今申し上げた3つの点を含めて、質問5の全般的な質問に対する回答ということになっておりますので、4ページ目をごらんになっていただけますでしょうか。ここから、先ほど挙げた3つを含む幾つかの点についてご説明させていただきます。

最初が、IASBボード会議の運営に関わるスタッフ・ペーパーの配付時期でございます。これはいわゆるアジェンダ・ペーパーと呼ばれるものでして、スタッフが作成して、それがボードの会議でダイレクトに議論されるというものでございます。これは、議論の予定日からの10日から14日前に配付されるということで厳格に守られているということかと思いますけれども、この段階でIASBのウエブにも公開されるということがございます。

これは、実を言えば、ASBJよりは厳格に守っているのですけれども、ただ、これでも少し期間的に問題が生じることがあるということを指摘しております。これは、IASBのボードメンバーである鶯地さんとも話し合った上でのコメントですが、例えば、ボードのメンバーが市場関係者の意見を十分吟味してそして暫定合意に臨むということをするためには、このぐらいの期日では全く足りなくて、30日から40日前に配付してもらい、関係者の反応を確かめてからボードのメンバーが暫定合意に臨むということがいいのではないか。

急がば回れみたいな話ですけれども、先ほどリースの話も出ておりましたが、暫定合意というのは、暫定ですから後で合意が変わることは全然構わないわけですけれども、それが頻繁に変わり過ぎると、議論に対する信頼性を失うというようなこともあるので、ボードのメンバーが慎重に意見形成をするためには、非常に長い期間をとって検討できるようにするということが必要ではないかというのが、ここの趣旨でございます。

それから、順番にやっていきますので、いろんな話が出てきますが、5ページ目のところに、サテライトオフィスの役割の明確化ということが出ております。これについては、今月、東京にIFRS財団の最初のサテライトオフィスが設けられるということで、10月1日に開設したと思いますけれども、現在、これからそれについてどういう役割を持たせるかというのを議論していくということだと思います。ここでは我々が期待する機能を記載しまして、これをデュー・プロセス・ハンドブック上も明示することが望ましいということを言っております。もちろん、本店と支店でデュー・プロセス上、特別なことがあるのかという議論がありうるのは承知しています。それをあえて書いているということは、この時期にサテライトオフィスができるということを幅広く認識してもらうためということもあり、各団体とも、書き方は違いますけれども、サテライトオフィスに関する文言を入れているというふうに理解をしております。

次が、6ページ目でございまして、2の(a)のところに、プロジェクトの休止と取りやめの手続について記載されております。

現状では、プロジェクトの休止や取りやめについては、手続が明示されておりません。これに対して、審議が一定期間経過してもうまく進んでいかない場合については、適時に取りやめる必要がないかを検討する、いわゆるサンセット条項を設けるということを提案しております。審議が順調に進まないということは、一般的に考えれば、提案内容が市場関係者に評価されていないという蓋然性が高いわけで、そういうことを考えますと、議論の方向をそのまま進めるよりは打ち切ったほうがよく迅速にそう対応できるようにしてはどうかということでございます。その下、3の(e)が公開草案に関するコメントでございます。公開草案などコメント期間については、このデュー・プロセス・ハンドブックの改訂ではいろいろなところに記載がございまして、方向性としてはどれも、コメント期間を今よりは長くするという方向だと思います。基本的にはその方向はいいのですけれどももうちょっと考えていただきたいということで書かせていただいております。

現在、公開草案のコメント期間は通常120日とし、範囲が狭くて緊急性がある場合は30日を下らない期間も定められるということにしております。120日が原則で、30日までのところで短くできるということですけれども、非英語圏の国――日本も含めてですが――においては、急いでいても30日で翻訳を行ってかつコメントをするということはなかなか難しいということで、120日のところは問題ないですけれども、最低の期間として言っている30日については、それに代えて60日を確保してほしいということをコメントしております。

さらにもう1つございまして、30日を下回らない期間といいつつも、極めて例外的な状況においては、評議員会の77.5%から事前承認を受けた場合は、30日より短い期間に短縮できるとされているところがございます。これについては、2008年のことが思い出されるわけですけれども、公開草案をスキップするということは一切ないのですが、30日をどこまでも短くできるという可能性を含んでおります。これについてはやはりきちんとしたミニマムを設けるべきであるということをコメントしております。

それから、その次のところですけれども、現在のIASBの公開草案においては、適用時期が記載されておりません。公開草案公表後に、その後最終基準化するまでの間の審議期間を予見することが難しいので、公開草案段階では入れづらいということかもしれませんが、最低限、基準が確定して公表されてから強制適用日までの期間の長さを入れるとか、そういう形で何らかの形で公開草案に記載すべきということをコメントしております。

最後になりますけれども、各国におけるガイダンスの発行についてでございます。これに関してはいろいろな意見もあろうかと思います。IFRSを世界各国で統一的に適用していくためには、ローカルガイダンスは避けるべきであって、IFRSとIFRICの解釈指針によってすべて解決を図る、これが理想だと思いますし、IASBサイドはこういう形にしたいということも理解できるわけですけれども、まれなケースにおいては、その国特有な問題が生じた場合等、独自のガイダンスを各国が発行するような必要に迫られることもあるのではないかと考えられまして、そのようなローカルガイダンスのあり方と手続について定めるべきであるというコメントをしております。

IASBサイドとしては対応しづらいコメントであろうかとは思いますけれども、プラクティスの必要性からこのようなことを言っておくべきと判断して、ASBJだけでなく会計士協会もこのようなコメントをされていたかと思いますが、このコメントを加えたということでございます。

私の説明は以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

ただいまの両委員のご説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら伺ってまいりたいと思います。ご意見等のある方は挙手をお願いいたします。

はい、五十嵐委員、どうぞ。

○五十嵐委員

ありがとうございます。

デュー・プロセスに加えて、先ほどご説明のありましたIASBの関係も含んでもよろしいでしょうか。

それでは、2つの事項について、理解のためにご説明をいただければと思います。

私、たまたま、数週間前にIAASBの会合に出席しました。現在、IAASBとIASBは特定のプロジェクトについて、監査基準の観点から会計基準について議論を行っております。前回の会議では、こうした視点に基づいて、IASBの理事の方が現在のIASBの状況につきましてご説明されました。そのような視点から2つ、教えていただければと思います。

1つには、IASBのアウトリーチの活動についてお伺いしたいと思います。例えばIAASBの場合ですと、基準設定において、グローバルステークホルダーのIOSCO、ワールドバンク、バーゼル・コミッティーなどその他機関などと、広範囲なアウトリーチ活動を行い、基準化する前及びそのプロセスにおいて、各国又は各機関がどのような考えを持っているのかについて非常に多くの時間を割いて行っています。IASBもそうしたアウトリーチ活動を実施されていると想像いたしますが、会計基準開発の重要なプロセスになると思いますので、もしそういったアウトリーチ活動がありましたら、ASBJのホームページ上で、現在の状況についてご説明などを記述していただければ、大変ありがたいと思っておりますので、この点についてご説明いただければと思います。

2点目でございますが、国際会計基準はグローバルで一組の高品質な会計基準(Single Set of High Quality Accounting Standard)の開発を目指していると理解しておりますけれども、その場合のIASBの考えている高品質(ハイ・クオリティー)または品質(クオリティー)の内容についてのベンチマークとかまたはその考え方について、現在どのような基盤に基づいて会計基準の設定が行われているかについて、ご教示いただければありがたいと思います。

以上、2点でございます。

○安藤会長

それでは、これは西川委員、ASBJのほうでお願いできますか。

○西川委員

五十嵐さんのおっしゃったようなことは、今後、必要であれば対応したいと思いますが、IASBによるアウトリーチ活動は、ここ二、三年、非常に活発化しているということがございまして、基準開発の各直面において、各地域から意見聴取をして回るというような活動が1つございます。

それから、そのほかに、ボードが意見を聞く組織としていわゆるIFRS ACというものがありますが、そういうTrusteesが選任したフォーマルな形のもののほかに、利用者団体を集めて意見を聞くCMACだとか、作成者から意見を聞くGPFといったグループから意見を聞いているということがございます。あとは、先ほど申し上げたような、各国設定主体からの意見聴取をどうするかということはこれからの議論だろうと思っています。

IASBの人間でないので、正確なことを申し上げられなくて恐縮ですけれども、以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

関係者の方で、何か情報をお持ちの方はおられますか。事務局はどうですか。

○五十嵐委員

もう1点につきましてもお伺いできればと思います。

○安藤会長

もう1点、質問がございましたね。

もう一度言っていただけますか。

○五十嵐委員

もう1点は、一組の高品質の会計基準の内容における高品質についてでございまして、グローバルに適用する会計基準を設定するときの高品質とは、IASBでどのようにお考えなのかということでございます。

○西川委員

IASBがどう考えているのかという質問なので、慎重に対応させて貰えますか。

明示的なものがもしあれば、必要に応じて次の機会とかにさせていただけますか。

○五十嵐委員

了解いたしました。

国際的な監査基準の設定におきましても、高品質とは何かということについて議論されておりまして、例えば、大きな国ですと、イギリスのFRCが監査の高品質について議論しております。IAASBででも、現在、監査の品質について議論を進めておりますが、IASBの会計基準の設定でも、グローバルに適用となる高品質とは何かという基本的な考え方又は基盤に基づき、グローバルに適用する会計基準を効果的に開発するために、そうした内容を考えておられるのではないかと思いまして、お伺いしました。

○安藤会長

辻山委員、お願いします。

○辻山委員

今、大変興味深い質問が出ましたので、先ほど来の議論と関連してちょっとコメントさせていただきます。

先ほど、ASBJの、議題3のところで、IASBの最近の動向について、収益認識が最も順調に進んでいるというご指摘がございました。で、今、五十嵐委員からご指摘のように、もともとIASBの作るIFRSというものが国際基準になっていくというときの大前提として、IFRSはハイ・クオリティーなものであるから、各国がそれを導入するなりコンバージしていこうという合意があったわけですね。ところが、そのハイ・クオリティーとは何ぞやという点について、当初から大きなボタンのかけ違いがあり、これに対するコンセンサスがなかった。コンセンサスがないまま個別基準の設定に取り組んでいるので、非常に長い時間がかかっている。

最も典型的なのは、2001年にIASBではコンバージェンス・プロジェクトとして、これはもう釈迦に説法ですけれども、4つのプロジェクトが立ち上がりましたが、保険契約の会計というのはその1つなんですね。そして2001年の段階で、既に現在使われている用語によれば公開草案に近いもの(DSOP)が公表されました。それから12年の時を経て、まだ、先が見えていない。それは、そもそもが2001年に公表されたDSOPの会計モデルというものに対するコンセンサスがなかったことが原因です。その結果、それに対する世界の反発というものがものすごくあって、12年もかかっているわけです。これからさらにどのぐらいかかるかわかりません。

収益認識については、2001年のコンバージェンス・プロジェクトではありませんでしたけれども、ここでもプロジェクト開始から既に10年ぐらい経過しております。で、現在順調に進んでいるというその中身は、元のモデルに戻ってきた。当初、FASBとIASBが提示しようとしていた公正価値モデルによる収益認識モデルというものが、だんだん姿を変えてきて、現在言われているものは旧来の実現モデルに帰りつつある。そのことで世の中が納得しつつある。これは西川委員長が最もよくご存じだと思いますけれども、収益認識についてはそういう現状なんですね。

ですから、もともと国際的な会計に関してグローバルに「高品質な」と言うときに、高品質なとは何ぞやということについて、ほとんどコンセンサスがないまま個別基準のところで延々議論が進んでいる。今、MoUで残っているのは大きく分けると3つですけれども、これも先延ばし先延ばしできている。もともとコンバージェンスでなぜ十数年かかるのか、これから先も、完全なコンバージはできないかもしれない、そういう感想を持っております。先ほど五十嵐委員からそういうご指摘が出ましたので、そのことなくして個別基準でこれから何年議論が続くのかということについて、貴重なご指摘だと思います。

ついでに、今年の日本会計研究学会で、これはこの中にも何人も出席者の方がいらっしゃいましたけれども、最後にIFRSセッションというものがございまして、韓国の高麗大学の方が講演されました。もちろんKASBのメンバーの方でもあったと思いますけれども、その中で非常に興味深かったのは、韓国でIFRSを導入して、予想外に外国人投資家の投資が減ったという指摘でした。幾つかの、例えば透明になったとか高品質になったかっていうことは、これは客観的なデータで示せませんので、興味深かったのは観察可能なデータとして、外国人投資家の比率が予想外に減ってしまったという指摘でした。

その一方で、ROEが上がったというご指摘もありました。ただしこの点については、ROEは、導入1年度でE(Earnings)、利益が上がった、実態が上がった結果と見るよりは、利益の計算方法の変化によってEarningsが高く出ているというふうに解釈するほうが正しいのだろうと思います。IFRS導入によって、のれんの償却が停止されますので利益の数値は上がった、そして外国人の投資家は下がった。これは客観的なデータで、私はただ聞いただけですので、資料はあると思いますが(手元にもありますけれども)、そういう指摘がありました。

要するに、ハイ・クオリティーなスタンダードであるからこそ世界が統一していこうということだったのに、この原点を忘れて、最近は仲間外れ論のような論調になっている。原点は何だったのかなということに戻るべきであると思います。せっかくの貴重なご指摘がありましたので、コメントさせていただきました。

以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

ほかにご意見、ご質問、おありでしょうか。

○佐藤委員

全体を通しての意見、よろしいですか。

○安藤会長

ちょっと待ってください。

関根委員、先にお願いします。

○関根委員

すみません、お先に失礼します。

デュー・プロセス・ハンドブックの公開草案への対応につきまして、先ほどはご説明頂きありがとうございます。IFRSに対しては、いろいろな指摘や議論はありますけれども、いずれにしろデュー・プロセスは非常に重要であり、それを改善する重要な文書として、私の所属する日本公認会計士協会としても、関係者と議論し、アジェンダ・コンサルテーション協議会にも参加して、意見を提出させていただいております。

その具体的な内容については既に公表させていただいておりますので、ここでは控えさせていただきますが、関連して2点、述べさせていただきたいと思います。

1点目は、先ほどご質問がありましたアウトリーチの話です。答えを持ち合わせているわけではないのですが、この文章の中でも、アウトリーチとあわせてフィールドワークという言葉が使われているものの、両者の関係が若干わかりづらくなっています。そのため、その点は明確にしてほしいということを私どものほうではコメントさせていただいております。

また2点目は、デュー・プロセスということにも関連して、以前ご説明があったかと思いますけれども、新しく公式化される関係者組織とのネットワークについて、そこで行われる対話や議論の透明性の向上をコメントさせていただいています。

我が国がこのような動きの中で対応を進めていくに当たっては、国際的な環境の中で意見を述べていく必要がありますので、ここで行われている国内での議論や、我が国からの観点のみでなく、国際的な観点といったことに留意する必要があるのではないかと思っております。先ほど、中にどう入っていくかとかいう議論もありましたけれども、そういう観点からだけではなく、IFRSというのは会計基準であり、先ほど高品質とはという話もでましたけれども、実際に使っていくということも重要なことではないかと思っております。使用の定義の議論の話もございますけれども、確かに言えることは、我が国においても実際に制度として適用して、さまざまな実務経験に基づいて意見発信していくことが必要ではないかと思っています。

適用のあり方については、いろいろ議論もございますけれども、どれを重視していくかというのは、決めていかなければいけない。そうした議論をやはり、最終目標というか、どちらに向かっていくかというのは、早急に議論をしていくべきではないかと考えております。

私のほうからは以上です。

○安藤会長

今の資料3関係ですね、議事の4の「デュー・プロセス・ハンドブック公開草案への対応について」のご質問で、ほかにいかがでしょうか。時間があるようでございますので、その後、全体について、佐藤委員にまず指名いたします。その前に、資料3関係でいかがでしょうか。

よろしいですか。そうしましたら、今までやりました議事の2から4まで、全体について改めてご意見、ご質問をお受けしたいと思います。

それでは、まず佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員

この審議会で日本基準の問題の議論がこれまでほとんどなされていませんが、日本としては、IFRSの任意適用会社を増やす努力をする一方で、圧倒的多数の上場企業は、日本基準のニーズが依然として高いという背景があります。当然、今日まで長年、コンバージェンス作業を継続してきたわけですから、日本基準の高品質並びにその会計思想は、私自身は他国に誇れる立派なものだと思っています。日本基準を採用する企業が多いという背景を踏まえて、世界的な認知度を一段と高める活動にも注力すべきではないかと考えています。このような視点がすっかり忘れられているのではないかと懸念しております。

インドや中国等の新興国の会計基準と比較しても、日本基準は何ら遜色はありませんし、保守主義、実現主義、発生主義、営業利益や当期純利益概念等の重要性については、何ら恥ずべきところはないと思っています。できれば、アジェンダ・コンサルテーションの議論の場等を通じて強く意見発信し、日本基準の認知度を高める努力も一方でやるべきではないかなと考えております。

○安藤会長

ありがとうございました。

全体にわたって、ほかにご意見、いかがでしょうか。

はい、廣P委員、お願いします。

○廣P委員

ありがとうございます。

ちょっとこれは、金融庁のほうで一度お調べいただいて、またご説明いただく機会があればありがたいなと思うのですが、韓国とカナダが2011年からIFRS強制適用ということで一応入っているわけでして、この間1年間余りが経過している中で、どういう実態、課題、あるいはメリット・デメリットがどういう状況なのかというのを、一度ちょっと調べていただいて、どうもそういう作業をお進めいただけるのではないかと思うのですが、できるだけ早いタイミングでこの審議会等でも、チャンスがあればご説明いただければ非常にありがたいと思います。いろんな経緯から韓国も、IMFとの関係等でどうしても入れざるを得ないというバックグラウンドがあったとかないとかありますし、カナダもアメリカとの関連で、アメリカで事業をやっている会社、あるいは共同でやっている会社が多いからということとか言うのですけれども、その結果どうだったのかというのが非常に関心がありますので、そのあたりについてお調べいただいた上でご説明いただければありがたいなと思います。

○安藤会長

それでは、事務局からこの点について。

○栗田企業開示課長

まさにおっしゃいましたとおり、韓国、カナダは2011年から適用を開始しておりまして、1回目の年次報告が終わりました。韓国については、税金の問題もあわせていろいろあったというふうに聞いております。もう納税もおそらく終わっているはずですので、そういうことも踏まえまして、一度、韓国、カナダについては我々としてもレビューしてみたいと思っておりますので、その結果がまとまり次第、またご報告をさせていただきたいと存じます。

○安藤会長

ほかにいかがでしょうか。

はい、小宮山委員、お願いします。

○小宮山委員

ご指名ありがとうございます。

先ほどから、任意適用の会社数が着実に増えているとか、という努力をしているということなんですけれども、今、東京証券取引所のウエブを見ると、IFRS採用会社というのは簡単にわかるのですが、目で見てすぐ数えられる件数なんですね。そういう意味で、中間報告の後からもう3期ぐらい経過しているのですが、決して増えているとは正直言って思えないんですね。たしか、東京証券取引所でおととしぐらいに上場会社のIFRS準備の調査をしたデータというのが一番、導入状況の調査として最新なのだろうと思いますが、あれを見ると、今すぐにもいけそうな会社が200ちょっとあったんです。ここで議論するのに、それがほんとうに増える可能性があるのか、今の状況がどうなったかということを、少し調査いただいてもいいのかなとは思います。

あとは、おそらく、導入の障害になっているのは、私の理解が違っていたら申しわけないのですが、一旦IFRSの世界に入ってしまうと多分もとの日本基準には戻れないはずですので、やはりそれがネックになっているのかなという気もいたしますので、その辺の検討をする必要があるのかなとは思います。

○安藤会長

これについて事務局から何かございますか、情報等。

○栗田企業開示課長

任意適用の数につきましては、この2013年の第1四半期までで8社がIFRSで財務報告されているというふうに認識しております。あと、公式に発表されているところが若干あります。あと、ちょっと難しいのは、おそらく適用されるんであろうけれどもまだ公式な発表がなされていない企業がかなりあるというふうに認識しておりまして、この辺がほんとうにIFRSにされるのかどうかというのはわかりにくいということで、我々もすぐ数がつかめないところでございます。

それから、現在任意適用されている企業に関しては、経団連さんでも勉強会を開いておられるということを承知しておりますので、そういう場などで出てきた意見もまた何らかの機会でご紹介をいただければと存じます。

○安藤会長

廣P委員のほうで何か情報はございますか。

○廣P委員

経団連の谷口部会長のほうで、今、実は作業をやっていただいておりますので、ちょっと谷口さん、何かコメントがあったら。

○安藤会長

それでは谷口委員、お願いします。

○谷口委員

じゃあ一言。

今、10社ぐらい集まって、実際にもう入れた企業と入れようとしている企業と両方いるもんですから、具体的に適用するとした場合の課題等、の議論をやっております。この辺、まだ2回程度しかやっておりませんので、先ほどお話にありましたように、少し状況が進展いたしましたらまたご報告させていただきたいと思います。そういう意味では、先ほどお話がありましたように、任意適用の事例を積み上げるという方向で経団連としても努力はしているということでございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

小宮山委員、よろしいですか。はい。

ほかにいかがでしょうか。全体にわたってで結構でございます。

はい、永井委員、お願いいたします。

○永井委員

ありがとうございます。

全体の感想と、事務局にお伺いが1点です。全体の感想といたしましては、日本の中間的論点整理を拝見しますと、方向性がある程度打ち出されているのが連単分離と中小企業に対する適用で、あとは両論併記です。また、アメリカのスタッフ報告書のほうも結論先送りで、やはり印象としては、どうも距離をとろうとしています。どちらも足踏み、様子見状態にあるわけですが、事務局に1つお伺いです。こういう状況において、この会を今後どのように運営されるおつもりなのかと、それをお伺いしたいと思います。

議論の分かれたところをもう一度議論し直すのか、それとも、アメリカの様子見を続けるのか。そう申しますのも、大多数の企業がIFRS対応に関して非常に困っているのではないかと思うからです。かたい信念で適用すると決められている企業、あるいは適用しないと決められている企業はいいですが、大勢に合わせて、流れに合わせて考えたいと、そういう企業が大多数ではないかと私は思いますので、今後のスケジュールを大まかにでも示していただければと思います。

以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。

事務局からお願いできますか。

○栗田企業開示課長

今後につきましては、まず、中間的論点整理でさらに検討が必要とされている事項のご議論をお願いしたいということと、先ほど来出ておりました諸外国の状況の把握ということが中心になっていくかと思います。諸外国の状況の把握ということに関しましては、まさに先ほど廣P委員からご指摘いただきました、特にカナダ、韓国が実際やってみてどうであったのかということの調査をやってみたいと考えております。

それから、中間的論点整理では幾つか、さらに検討が必要と明示的に書いてあるところがございまして、例えばIFRSのどの基準・考え方が我が国にとって受け入れ可能であるのか、どの基準・考え方は受け入れが難しいのかということを、実務的に整理する必要があるというようなことが述べられております。また、単体開示のあり方につきまして、会社法の開示をも活用して、企業負担の軽減に向けてどのような対応が可能であるかということについても検討が必要であるとされております。さらに、これも今ご議論に出ておりました、任意適用企業における実務的な課題を把握して、それに対する対応を考える必要があるということです。

この点につきましては、原則主義への対応について幾つか書いてあったことも入ってくるかと思いますけれども、そういう、中間的論点整理で今後検討が必要とされている事項についてご議論を進めていただくということが、当面の課題になってくるか

と考えております。

○安藤会長

よろしいでしょうか。

おそらく、今の質問が、皆さん一番知りたかった質問じゃないかという気もいたしますが。ほかにございますか。

まだ時間は余っているのですが、別にぎりぎりまでやる必要はないと思います。よろしいですか。

それでは、全体にわたってのご意見も出尽くしたと判断させていただきます。時間はまだ余ってはございますが、本日の審議はこのあたりにさせていただきたいと思います。

当審議会では、7月2日に中間的論点整理を公表させていただいたところでございますが、引き続き、国際的な情勢等を踏まえつつ、国際会計基準の適用のあり方について審議してまいりたいと思いますので、ご協力くださいますようお願い申し上げます。

それでは、本日の合同会議を終了したいと思います。委員の皆様には、審議にご協力いただきありがとうございました。これにて閉会いたします。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3672、3656)