企業会計審議会総会・第37回監査部会合同会合議議事録

日時:平成26年2月18日(火)16時30分~17時30分

場所:中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議

平成26年2月18日

○安藤会長

定刻にまだ1分ぐらいあるのですが、大体ご出席予定の方はお見えになっているということでございますので、これより企業会計審議会総会・第37回監査部会合同会合を開催いたします。皆様にはお忙しいところご参集いただきまして、ありがとうございます。

まず、企業会計審議会の議事規則にのっとり、会議の公開についてお諮りします。本日の総会・監査部会合同会合も公開することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

それでは、ご異議ないということで公開いたします。

企業会計審議会総会は昨年6月19日以来の開催となります。議事に入る前に委員に異動がございましたので、ご紹介します。本田委員が昨年7月に国際機関への勤務となったため、辞任されております。そのほかの異動はございません。

それでは、議事に入ります。監査部会におきましては、「特別目的の財務報告に対する監査の位置づけ」を明確にするため、監査基準の改訂についての審議が行われてきております。つきましては、この議題について監査部会の脇田部会長に進行をお願いしたいと存じます。また、私としましては、この監査基準の改訂につきまして、本日これを企業会計審議会総会・監査部会合同会合としてご審議いただき、取りまとめの上、後ほど意見書を福岡内閣府大臣政務官にお渡しさせていただきたいと思いますので、ご協力方よろしくお願いいたします。

なお、1点お断り申し上げておきますと、現在福岡政務官におかれては、衆議院財務金融委員会に出席されております。終了次第お越しいただく予定となっておりますが、仮に財務金融委員会が長引いた場合には、代理として桑原総務企画局長にお渡しさせていただく予定でございます。

それでは、脇田部会長、お願いします。

○脇田部会長

監査部会長の脇田でございます。議事の進行をさせていただきます。

まず、私から「監査基準の改訂に関する意見書案」につきまして説明をさせていただきます。資料はこちらに用意されておりますので、順次ご覧いただきたいと思います。

まず、第一に、監査基準の改訂が審議されることになりました背景でございますけれども、現在、例えば、投資事業有限責任組合の財務諸表に対する公認会計士の監査、ガス、電気、電気通信事業者の部門別収支計算書に対する公認会計士による監査証明など、財務諸表の利用者が限定された、いわゆる特別目的の財務諸表の信頼性を公認会計士の監査証明により担保したいという要請が高まっておりまして、公認会計士の監査証明が現に実施されております。現在これに対して実務ではどう対応しているかと申しますと、例えば、中小企業が任意監査を受けたい場合、大会社と同様の体系的に整備された一組の財務諸表を作成してもらった上で適正に表示しているものと認めるとの意見を表明するか、あるいは、監査をお受けしない、また、各省庁の法令によりまして監査が求められている場合などには適正に表示しているものと認めるという意見表明の文言のほかに、それぞれの財務諸表の性質に応じまして適正に作成されていると認めるとか、あるいは、基準に準拠して作成されていると認めるなど、いろいろと意見表明の文言をそれぞれの会計士の方々が工夫なさっております。そういう状況でございます。平成14年の監査基準の前文で監査の対象となる財務諸表の種類、あるいは、監査の根拠となる制度や契約事項が異なれば、それに応じて意見の表明の形式が異なるものとなるとしてはおりますけれども、上場企業の財務諸表以外の監査を具体的にどうするのかについて明示的に規定しておりません。公認会計士の方々がそれぞれケース・バイ・ケースで監査基準にのっとりまして職業的判断を持って現在対応されているというのが実情でございます。

しかし、特別目的の財務諸表に対する監査の場合、監査の対象となる財務諸表の種類も監査の根拠となる制度や契約事項も多様でございまして、監査人の実施する監査証明業務にばらつきがあり、監査意見に対する信頼性にも懸念が生じるというご指摘もあり、監査意見の表明文言も統一されていないことから、監査報告書の利用者には監査意見の意味するところが適切に読み取れないというご指摘もございます。もし今後とも公認会計士が職業的監査人として特別目的の財務諸表に対する監査証明業務の実施、あるいは、準拠性に関する意見を表明することを要請され、実施していくのであれば、公認会計士による財務諸表監査に対する信頼性を一層高めるとの観点から、監査基準に従来の適正性に関する意見の表明の形式に加えまして、準拠性に関する意見の表明の形式を規定し、あわせて特別目的の財務諸表の監査証明を対象にして監査意見が表明される場合があること、それらの場合に監査人に要求される諸事項を明示的に監査基準に規定し、それらの実務を制度として確立する必要があるというふうに考えられております。今回ご審議をいただくことになりました背景でございます。

次に、監査基準案の審議の経緯でございますけれども、昨年の3月に当審議会で取りまとめられました「監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定に関する意見書」におきまして、今後審議会で検討が必要な論点の1つとして「特別目的の財務報告に対する監査の位置づけ」が提示され、国際的な議論の動向や利用者のニーズに関する調査等を踏まえつつ今後検討を行うこととされました。これを受けまして、ただいま安藤会長からもお話がございましたとおり、昨年6月より監査部会におきまして「特別目的の財務報告に対する監査の位置づけ」を監査基準上明確にするかどうかのご審議をいただいてまいりました。そして、昨年11月13日の監査部会で「監査基準の改訂に関する意見書案」の審議を行い、11月19日には公開草案として公表し、寄せられましたご意見も踏まえて一部を修正し、お手元の「監査基準の改訂に関する意見書案」として取りまとめさせていただいたところでございます。

今回の改訂案の考え方につきまして若干触れさせていただきます。まず、第一に、従来の改訂と同じく平成3年及び平成14年の改訂監査基準において明確にされました我が国の監査基準の枠組みに立ちつつ、我が国の公認会計士による財務諸表監査をめぐる最新の状況の変化に対応すべく改訂を行いました。したがいまして、今般の改訂によっても一般目的の財務諸表に関する適正性に関する意見の表明が典型的な監査人の意見表明の形であることに何ら変わるところはございません。新しい状況に対応すべく今回の改訂で公認会計士の財務諸表監査には特別目的の財務諸表を監査対象とする場合もあり、準拠性に関する意見が表明される場合もあることを明示いたしました。また、監査基準で規定する財務諸表は貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などで構成される、いわゆる体系的に整備された一組の財務諸表にとどまらず、財務諸表を構成する個別の財務表、例えば、貸借対照表のみとか、財務諸表における特定の財務諸表項目、例えば、売上高、または、財務数値なども監査意見を表明する対象となることを明示いたしました。さらに、準拠性に関する意見の表明の場合であったとしても、適正性に関する意見の表明の場合と何ら異なることはなく、監査人の独立性の規範が厳格に適用され、職業的専門家としての正当な注意を払い、懐疑心を保持して監査を行わなければならないこと、つまり、職業的専門家に求める正当な注意義務を負うことは、リスクアプローチに基づく監査を実施し、監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で自己の意見を形成するに足る基礎を、もしくは合理的な基礎、あるいは、心証、確信、いろいろございますけれども、得なければならないこと。そして、単に会計の基準に形式的に準拠していることを確かめればよいというものではないことを明示いたしました。その上で特定の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表、すなわち特別目的の財務諸表には多種多様な財務諸表が想定されることから、監査人は特別目的の財務諸表の監査を行うに当たり、当該特別目的の財務諸表の作成者が選択、採用した会計の基準が受け入れ可能なものかどうかについて十分かつ慎重に検討して監査人は職業的判断をしなければならないことを明示いたしました。そして、最後に、特別目的の財務諸表に対する監査に当たっては、特別目的の財務諸表にかかわる監査報告であることを明らかにして、監査報告の読み手、すなわち財務諸表利用者が監査意見の性格について誤解をしないように注意を喚起する情報を監査報告書に追記することを明記いたしました。

最後に、本基準の適用日について説明させていただきます。昨年11月13日の監査部会では、「平成26年4月1日以降に発行する監査報告書から適用する」という案を提示させていただきましたけれども、その際委員の方から、4月からの適用で準備が間に合うだろうかという趣旨のコメントがございました。この点、公開草案は監査部会で了承いただいた案文のままで公表を行いましたが、こうしたご指摘も踏まえまして、適用日につきましては別途事務的に検討してまいりました。今回の改訂によりまして、公認会計士は監査業務の受嘱までに会計の基準が、先ほど申しましたように、受け入れ可能かどうかを検討することになります。これをしっかりとしていただくためには、受嘱に先立ちまして監査事務所で監査業務の実施に関する品質管理の方針及び手続を定めて徹底していただく必要があります。加えて法定監査の場合には、関係省庁との調整、また、場合によってはそれらの省庁の省令やガイドラインなどの改正が必要となる可能性もございます。以上を踏まえまして、改訂監査基準の適用日につきましては、ご覧いただくと記載してございますけれども、「平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用する」との記載にしております。ただし、個々の監査事務所におきまして品質管理方針など準備が整った場合には早期に改訂基準の適用が可能となるように、「ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げない」とも記載しております。

以上でございます。

続きまして、公開草案に対するコメント及びコメントに対する考え方、対応につきまして事務局から説明をお願いします。

○油布企業開示課長

企業開示課長の油布でございます。それでは、私から具体的な内容をご説明させていただきます。

まず、資料1をご覧いただきたいと思います。これは公開草案に対しまして寄せられたコメントのうち主なもの、主として前文などの修正につながったものを中心に載せてございます。5団体8個人からいただいておりますが、分量的には実は相当分量がございまして、テクニカルなものなども含めまして、もう少し細かい回答については後日、部会長やコア会議の方にご指導を仰ぎながら回答という形でホームページで公表させていただきたいと思っております。

それで、このコメントの内容についてご説明いたします。1と2は表現の修正でございます。

3ですけれども、ここは読み上げずに趣旨だけ説明させていただきます。公開草案の前文では準拠性意見と適正性意見の違いについて何カ所か説明しております。その中で「保証範囲等が異なる」という表現、それから、「適正性に関する意見と同程度の保証水準を維持する必要がある」と、こういった趣旨の表現を使っておりました。これにつきましてなかなかわかりにくいというご指摘がございましたので、この部分はわかりやすいように書き下して修正させていただいております。具体的には「同程度の保証水準を維持しつつも」というところにつきましては、「財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得て監査意見を表明しなければならないことに変わりなはい」という表現に変えております。それから、準拠性意見と適正性意見では、「保証範囲等が異なる」としておりましたところが、準拠性意見につきましては、「その会計の基準に追加的な開示要請の規定がない」というふうに書き下してございます。この追加的な開示要請については後でご説明させていただきます。

以下、この4、5、6は、個々のご指摘はさまざまでございますが、実は根っこは同じことを言っておられるわけでございます。これは今部会長からもご説明がございましたように、現行監査基準に具体的な記載がありますのは、有価証券報告書提出会社の金商法監査の場合、これに対しまして適正性意見を出すということで、いわば一般目的の財務諸表に対して適正性意見を出すということについてだけ具体的に記載がございます。これに今回特別目的の財務諸表と準拠性に関する意見表明を加えるわけでございます。基本的には特別目的の財務諸表の場合には準拠性の意見表明ということが多いかと思われますが、やや話を複雑にいたしますのは、そうでない、いわばたすきがけのパターンがございまして、一般目的の財務諸表であるけれども準拠性の意見表明が適する場合、逆に、特別目的の財務諸表であるけれども適正性意見が馴染む場合というのが、例外的でございますけれども、若干あるということでございます。公開草案の前文では、そのたすきがけの関係があるということを、記載はしておりましたけれども、あまり詳しく書いてございませんでしたので、この点についていろいろとご質問や、あるいは、わかりにくいということであったり、若干誤解をしておられるようなコメントもいただいたわけでございます。そこで、今回は前文を修正いたしまして、そのたすきがけの関係を含め計4つあるということを何カ所かはっきり記載させていただくことにしております。

1ページおめくりいただきまして、7はちょっと割愛させていただきます。

ご意見の8につきましても、これも趣旨だけご説明させていただきます。現行の監査基準では、適正性意見を表明する場合に4つの判断基準があるということが示されております。で、この4つの判断基準は準拠性意見表明を出す場合にはどうなるんだというお尋ねでございまして、この点につきましても前文で文章を加筆して説明をしております。

9、10については説明は省略させていただきます。

それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。赤字の部分が公開草案からの修正でございます。これはいわゆる前文に当たるものでございます。残念ながら読み上げるお時間がございませんので、割愛できるところはちょっと大胆にカットさせていただいてご説明させていただきます。

まず、第1段落は、これは従来の一般目的の財務諸表と適正性意見について述べているものでございます。第2段落のところ、「一方で」というところがございます。ここで特別目的の財務諸表の定義を置いております。1行目のところですが、「特定の利用者のニーズを満たすべく特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成された財務諸表」ということにしております。

第3段落以降は準拠性意見について述べております。ちょっと先回りいたしまして、1ページおめくりいただきたいと思います。2ページ目の第1行のところの黒字の部分に準拠性意見の定義を置いております。「財務諸表が当該財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見」ということでございます。この準拠性意見につきまして少し敷衍して説明しておりますので、恐縮ですが、ちょっとお戻りいただきまして、1ページ目のこの第3段落のところです。下から12行目ぐらいになりますが、「特別目的の財務諸表は」というところをご説明させていただきます。この特別目的の財務諸表につきましては、赤字のところですけれども、「財務諸表の利用者が財政状態や経営成績等を理解するに当たって財務諸表が全体として適切に表示されるように追加的な開示を求める規定」、これが「追加的な開示要請の規定」でございますが、これが特別目的の財務諸表にはない場合が多い。したがって、こういう場合は適正性意見がなじまない場合が多いというふうに書いてございます。追加的な開示要請の規定についてご説明申し上げますと、ご案内の方が多いと思いますけれども、例えば、有価証券報告書提出会社にかかります財務諸表等規則では追加情報の注記という条項がございます、第8条の5というところでございますが、そこでは個別にこの注記を書きなさいということのほかに、会社の財政状態、経営成績等々に関する適正な判断を行うために必要と認められる事項があるときはその事項を注記しなければならないということが記載されております。これが追加的な開示要請の規定でございますが、そういったものがないというのが特別目的の財務諸表に多いということでございます。

それから、下から6行目の左に「また」というところがございます。ここでは「一般目的の財務諸表であっても法令により一部の項目について開示を要しないとされている場合等には適正性意見が馴染まない場合もあると考える」と記載しております。これは例外的なたすきがけのケースの一例でございまして、一般目的の財務諸表でありながら準拠性意見だというパターンでございます。具体的にどういうものかと申し上げますと、会社法監査におきまして大会社ではない会社でございます。これは会計監査人の設置も不要になっているわけでございますが、本来18項目あります注記のうち13について省略して構わないという会社計算規則になっております。こういうものについては、もちろん会社計算規則ですから、一般目的の財務諸表ではございますが、準拠性意見という整理になろうかと思います。

それで、下のこの赤いところに書いてございますのは、先ほど申し上げました保証水準、保証範囲のお話でございます。

次のページの2ページにお進みいただきまして、上から5行目のなお書きのところに「国際監査基準では」とございます。ここを趣旨だけご説明いたしますが、国際監査基準ではやはり一般目的の財務諸表と特別目的の財務諸表のそれぞれについて適正性意見、準拠性意見、こういうのがあるということを記載してございます。

そこから5行ほど飛ばしまして、赤色のところです。ここにつきましては、では、我が国の監査基準でどうするのかということですが、これは国際監査基準を踏まえ、やはり一般目的の財務諸表と特別目的の財務諸表のそれぞれについて適正性意見、準拠性意見があり得ることを明らかにしつつも、その一方で従来の我が国の基準との枠組みの整合性には十分配慮した。これは従来の監査基準、現行基準ですと、一般目的の財務諸表に対する適正性意見という1パターンのことだけが具体的に記載されておりますが、これが4パターンになるわけでございまして、監査基準を4倍の分量に増やすわけにもまいりませんので、そこは違う点だけを説明する、あるいは、場合によっては、適正性意見の表明の場合に「準じる」という用語を使いまして中身を説明するということにしてございます。

その下にございますのは、周知に関する部分ですので、ここも説明は少しはしょらせていただきます。

その下、2の審議の経過等ですが、これも今部会長からご説明がありまして、この2ページ目は一番下だけご紹介させていただきます。「なお」ということで、監査部会の審議においては、監査報告書の記載内容に関し国際的な見直しの動向についても議論されたところ、監査部会では引き続き本件について検討を行うこととしているということや、将来の課題について記載しております。現在IAASB、国際監査・保証基準審議会では監査報告書の見直しについて公開草案が出されまして議論が行われております。これを受けまして我が国の監査基準でどうするかということを引き続き検討するということでございます。

その下、漢数字の二のところでございますが、ここからは監査基準の具体的な改正に係る部分でございますので、恐縮ですが、横紙になりますが、資料3をちょっと隣に置いていただいて、この両方を用いてご説明させていただきたいと思います。

まず、資料3の横長の表でございます。左側が現行の監査基準で右が改訂案でございます。まず、監査の目的の部分を改訂するということを提案させていただいております。第1項は従来どおりの適正性意見に関する記述でございまして、変更はございませんが、第2項を追加しております。ここは準拠性に関する意見というものの頭出しをしている部分でございます。

ここにつきましては、改正点は以上でございますが、前文のほう、縦長の3ページにお戻りいただきたいと思います。以上の改正に加えまして補足して説明を加えている部分がございます。3ページの真ん中あたりに赤いインクで書いてございます。ここが先ほど申し上げました適正性意見の場合の現在の4つの判断基準が準拠性の意見の場合にはどう違ってくるのかというのを敷衍して説明している部分でございます。説明をつけ加えながらちょっと読み上げさせていただきますが、適正性に関する意見の表明に当たっては、監査人は、経営者が採用した会計方針が会計の基準に準拠しているか、これが1つ目の基準、それが継続的に適用されているか、これが2つ目の判断基準、その会計方針の選択や適用方法が会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるかどうか、これが3つ目の判断基準、これに加えまして、財務諸表における表示が利用者に理解されるために適切であるかどうかについて判断しなくてはならない、これが4つ目の判断基準でございます。この4つ目の判断基準につきましては、「その際」ということで続けて書いておりますが、これにつきましては、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかの評価と、財務諸表の利用者が財政状態や経営成績等理解するに当たって財務諸表が全体として適切に表示されているかについての一歩離れて行う評価が含まれるということで、2つにブレークダウンしてございます。さらにその後続けまして、以上は適正性意見の場合でございますが、準拠性に関する意見の表明の場合には、後者のこの一歩離れての評価が行われないと、これが違うんだということを前文で説明しております。

続きまして、今度は実施基準のところの改訂についてでございます。前文の3ページの下でございますが、これは下から8行目だけご紹介させていただきます。かぎでくくってございます。「第三 実施基準」(以下「実施基準」という。)が当然に適用されることに留意が必要であるということで、準拠性意見の表明の場合はこういうふうに実施基準は適用があるということを述べております。

ただし、つけ加えて監査基準の改正を行っている部分がございます。1ページおめくりいただきまして、それが前文の4ページの上から4行目、第2段落に当たるところでございます。ここにつきましては、特別目的の財務諸表には多様なものが想定されるので、監査人は受け入れ可能かどうか、それを検討しなければいけないということでございます。この点につきましては、横紙の資料3の1ページにお移りいただきまして、この一番下に、これは部会長からもご説明がございましたが、受け入れ可能性を検討しなければいけないということを記載、追加してございます。

これ以降はこの横紙の資料3を中心にご説明させていただきます。1ページおめくりいただきまして、第4の報告基準の中の漢数字の一、基本原則、この部分について監査基準の改訂を提案させていただいております。第1項、これは適正性意見の場合でございまして、変更がございませんが、「なお」ということでアンダーラインの部分を追加しております。これは適正性意見の場合ですけれども、特別目的の財務諸表については、当該財務諸表が当該会計の基準に準拠して、上記と同様に全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を表明しなければならないということを書いてございます。これもたすきがけのもう1つの例でございます。特別目的の財務諸表でありながら適正性意見が表明される例ということで、具体的なパターンといたしましては、有価証券報告書提出会社ではないけれども、大会社、これは会社計算規則に基づいて貸借対照表や損益計算書は作成してございますが、こうした会社が、例えば、取引先銀行から「キャッシュ・フロー計算書もつけて一そろいで監査を受けて出してもらえないか」と言われるような場合です。キャッシュ・フロー計算書については金商法の財務諸表等規則によるしかないということでございまして、その場合、財規に基づいてつくったキャッシュ・フロー計算書と会社計算規則に基づいてつくった貸借対照表、損益計算書、これが一くくりのものとなって財務諸表になるわけでございます。これら2つの異なる会計基準をくっつけて作った特殊な財務諸表でございますので、これは「特別目的の財務諸表」に当たると。ただし、根っことなった会計基準はそれぞれしっかりしたものですので、これについては適正性意見の表明ができるというパターンが想定されるところでございます。

この右の欄の下から7行の2つの段落は準拠性意見について述べております。上の段落は「準拠性意見を表明する場合には、作成された財務諸表が、全ての重要な点において、財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかについて意見を表明する。」その次の段落ですが、「監査人は、準拠性意見を表明する場合には、適正性意見の表明の場合を前提とした以下の報告の基準に準じて行うものとする」ということで、1ページおめくりいただきますと、具体的には、漢数字で二から七までございます。これは適正性意見に関する記載でございますが、準拠性意見の表明の場合にはこれに「準じて」行うということでございます。

つけ加えまして、漢数字の八を足しております。特別目的の財務諸表に対する追記情報ということでございます。赤文字の部分は表現の修正というふうにご理解いただければと存じますが、中身についてご説明いたします。ここで述べておりますことは、監査人は特別目的の財務諸表の監査報告書、そこには会計の基準、財務諸表の作成の目的、想定される主な利用者の範囲、それから、「当該財務諸表は特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成されており、他の目的には適合しないことがある」、そういうことを記載しなければならないということを書いております。最後の3行になりますが、また、「監査報告書が特定の者のみによる利用を想定しており、当該監査報告書に配布または利用の制限を付すことが適切であると考える場合には、その旨を記載しなければいけない」ということを監査基準に書いております。

最後に、前文の5ページです。これは部会長からご説明がございました実施時期についてでございますので、私からは説明を省略させていただきます。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

繰り返しになりますけれども、我が国の一般に認められた監査基準は、監査の基準と呼んでおりますけれども、企業会計審議会設定の監査基準と日本公認会計士協会作成の監査実務指針によって構成されております。ご存じのとおりでございます。監査基準では原則的な規定を定めまして、監査基準を具体化した実務的、詳細な規定は日本公認会計士協会作成の監査実務指針に委ねて両者によって我が国における一般に公正妥当と認められる監査の基準とするというふうにこれまで行われてきております。

そこで、今回の企業会計審議会の監査基準の改訂を受けまして、日本公認会計士協会で監査実務指針の作成などの対応作業を進められております。監査実務指針は当審議会の直接の審議の対象ではございませんけれども、審議の参考のため、日本公認会計士協会における監査実務指針の作成などの対応の概要を説明していただくことにいたしたいと思います。日本公認会計士協会常務理事の住田委員、説明をお願いいたします。

○住田委員

それでは、資料ナンバーの6番に従って概要を説明させていただきます。昨年11月の改訂監査基準の公開草案の公表を受けまして、日本公認会計士協会では12月13日付で監査基準委員会報告書800番と805番、それから、この2本の監査基準委員会報告書により適合修正の影響を受けますその他の基準委員会報告書の改正の公開草案を公表しております。

コメントは1月中旬に既に締め切っておりますけれども、これら監査基準委員会報告書の背景等についてもう少しかみ砕いた説明が必要であろうということで、1月下旬にQ&Aを公開草案として公表しております。現在、これらの公開草案に対して寄せられたコメントを同時に検討しておりまして、今日審議いただいております監査基準の最終版の公表を待って監査基準委員会報告書の確定をしたいと考えております。

監査基準委員会報告書800番が特別目的の財務諸表の監査に関する留意事項を取りまとめたもので、こちらは、この表のところに書いてございますように、監査基準委員会報告書の200番から700番台、それから、900番という、一般目的の財務諸表の監査の基準委員会報告書を適用した上で適用するという関係になってございます。それから、805番のほうは個別の財務表、または、財務諸表項目等に対する監査の留意事項のみをまとめたものということになりますので、こちらも既存のその他の監査基準委員会報告書の適用を踏まえて追加で適用するという関係になります。

続いて、スライド2番ですけれども、監査基準委員会報告書800及び805番の具体的な適用例を少しご紹介したいと思います。特別目的の財務諸表ですが、日本においては契約書において定められている財務報告に関する取り決めに基づいて作成された財務諸表というのがまず1つの例として考えられるかと思います。これはさまざまな契約が想定されますけれども、例えば、借入契約等で契約の当事者の一方、多くは金融機関になろうかと思いますけれども、金融機関等が他方に対して監査済みの財務諸表の提示を求めるケースが考えられます。その場合もちろん制度的に確立している、例えば、会社法の大会社の計算書類と同等なものを提出してもらうということも考えられますけれども、会社法上の大会社ではない会社が大会社と同じ計算書類をつくるということは作業負担もかかることになりますので、金融機関が必要とする情報に絞って、こういう財務諸表をつくってくださいと、カスタマイズした財務諸表のセットを指定していただくということも可能かと思います。こういうカスタマイズをすることによってこの特別目的の財務報告の枠組みというものが契約当事者間で合意されて、それに基づく財務諸表が作成されるということになります。もう1つの例として考えられますのは、規制当局が監督上の必要から財務報告に関する規則等を定め、それに基づいて作成された財務諸表を監査人が監査して、監査報告書を添付して当局に提出するということが想定されています。

それから、805の適用例ですが、貸借対照表のみですとか、キャッシュ・フロー計算書のみ、あるいは、今回の議論の出発点になりました義援金等の資金収支計算書等もこの805番の適用例になるものと考えてございます。それから、勘定科目単位、あるいは、有形固定資産等の財務諸表の構成要素に対する監査報告ということも今後は可能になると考えているところでございます。

続いて、スライド3番に移りまして、監査基準委員会報告書800番の主な要求事項を簡単にご紹介させていただきます。監査基準で今回加えられている点の1つですけれども、特別目的の財務諸表の監査の場合は、まず、最初に「会計の基準」、監査基準委員会報告書では「財務報告の枠組み」という言い方をしていますが、この財務報告の枠組みの受入れ可能性について検討するということが必要になります。監基報の800番では、この検討に際しては財務諸表の作成目的、想定利用者とともに、受け入れ可能であると経営者が判断した手続についても監査人が検討するということを求めております。特定の利用者の財務情報に対するニーズということがこの受け入れ可能性の判断において非常に重要な要素になってまいります。

続いて、監査意見の形成と監査報告における考慮事項ということですが、特別目的の財務報告の枠組みは汎用的なものではなく、特定利用者のニーズに応じて作成されているということになりますので、財務諸表が想定利用者に適切に利用されるようにするために、枠組みの内容を財務諸表側で適切に記述していただくということが非常に重要になってまいります。したがって、監査人は財務諸表に財務報告の枠組みが適切に記述されているかどうかということを評価することが監査基準委員会報告書では求められておりまして、財務諸表側に適切に記述されているということを確認した上で監査報告書についてその枠組みを記載することになります。ただ、その枠組みを端的な名称で表現できるとは限りませんので、財務諸表の作成目的と想定利用者については財務諸表側の注記に参照する方式も認められるということにしております。

それから、3番目が、先ほど監査報告書における注意情報としてご紹介していただいた点です。汎用性のない特別目的ということですので、特定の目的以外にはこの財務諸表は適合しないことがあるという趣旨の注意喚起とともに、状況によっては監査報告書の配布、または利用制限を付すということがあるということを記載しております。

続いて、スライド4番の805の主な内容ということですが、監査契約の締結における考慮事項といたしまして、完全な一組の財務諸表の監査と同時に行う場合の留意事項を示しています。一般に公正妥当と認められる監査の基準に基づいて個別の財務表または財務諸表項目等の監査を実施するわけですが、対象となる企業の完全な一組の財務諸表の監査を行うことが必ずしも条件にはなっていませんので、完全な一組の財務諸表の監査を同時に行わない場合は財務表等の監査が実行可能であるかどうかということをまず検討してくださいという要求事項を置いております。また、監査契約の締結時には、個別の財務表または財務諸表項目等が準拠している財務報告の枠組みの受入れ可能性ということも検討していただくことになります。

続いて、監査の計画と実施における考慮事項ですけれども、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠するということは、監査基準はもとより、関連する監査基準委員会報告書全ての要求事項に準拠することが求められることになりますが、財務諸表の一部の項目の監査ということになりますので、中には関連しない監査基準委員会報告書の要求事項というものも出てまいりますので、どの部分が関連してどの部分が関連しないかということを考えていただく必要が出てまいります。また、日本公認会計士協会から出しております実務指針は全て完全な一組の財務諸表の監査を前提に記述されておりますので、適宜修正して適用していただく必要があるということになります。

それから、3番目の意見のところですけれども、完全な一組の財務諸表の監査にあわせて財務表または財務諸表項目等に対する監査報告を行う場合は、それぞれ別個の監査契約として別々に意見を述べるということになりますが、完全な一組の財務諸表の監査意見が除外事項付き意見、例えば、不適正意見ですとか、不表明意見のような場合であった場合にその一部を構成する財務表または財務諸表項目の監査においてどう取り扱うべきかという留意事項を記載しております。

続いて、スライドの5番と6番は監査報告書の文例のごく一部を掲載しております。スライドの5番は、災害義援金の資金収支計算書を対象にした場合の監査報告書の文例からの抜粋ですが、監査意見は「上記の資金収支計算書が全ての重要な点において、注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されているものと認める」となっています。資金収支計算書の財務報告の枠組みは想定利用者のニーズに基づいてつくるということになりますので、注記Xに詳細を書く方式を想定しております。ここは準拠性意見を述べる形式としています。その下の「資金収支計算書の作成の基礎」のセクションは追記情報に当たるわけですが、小見出しをつけておりまして、ほかの目的には適合しないことがありますということを記載しております。

続いて、スライド6番目の監査報告書の文例ですが、これは組合契約において定められた財務報告に関する取り決めに基づいて作成された財務諸表、ここでは完全な一組の財務諸表を想定しておりますが、その場合の監査報告書の文例の一部を示しています。こちらも準拠性に関する意見ということになっておりますけれども、1つ、先ほどの文例と違う点は、最後のパラグラフにおいて、他の目的に適合しないということのほかに、これは組合契約に基づき組合員のためにつくった財務諸表ということで、その他の人、出資者以外に配布及び利用されるべきものではないという、監査報告書の配布及び利用制限を付す例となっています。

説明は、以上でございます。今後の予定としては、今日の監査基準の最終版の審議及び公表を経て、できるだけ速やかに監査基準委員会報告書等も最終化を図りたいと考えているところです。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの監査基準改訂案につきましてご質問、ご意見等ございましたら、どうぞご発言をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございますが、いかがでございましょうか。

○林田委員

すみません。

○脇田部会長

林田委員、どうぞ。失礼しました。

○林田委員

ありがとうございます。言葉の問題で、この会議の直前に、ページでいうと、資料2の3ページ、いただいたもとの案文ですと、「俯瞰的な評価」という表現があったかと思うんですが、それが「一歩離れて行う評価」というふうに表現を変えますというご連絡を事務局から頂戴しました。「俯瞰的な評価」というのもちょっと難しい表現ではありますし、お考えがあってお変えになられたと思いますが、気になって辞書を調べまして、俯瞰という意味を調べますと、例えば、新明解辞書ですと、高いところから広く見渡すこと、広辞苑ですと、高いところから見おろすこと、全体を上から見ること、日本国語大辞典ですと、高いところから広い範囲を見おろしながめることという表現になっております。もし俯瞰的という概念を変えて一歩離れてというふうにしたのであれば、それはそういう判断があろうかと思うんですが、俯瞰的という概念はそのままに、表現だけを一歩離れてと変えたとするならば、辞書的にはちょっと意味が違うのかなという感じがしました。もし俯瞰的ということであれば、ここで言うと、「全体として適切に表示されているのか否かについての広く見渡した評価が含まれる」とか、ほかに何か選ぶ言葉があるのかなという気がしたものですから、変えた意図をちょっと教えていただけたらと思います。何か細かい話ですいませんが、よろしくお願いします。

○脇田部会長

では、事務局からご説明します。

○油布企業開示課長

俯瞰的は、実はこれは難語辞典にも載っている漢字でございまして、特にこれで試験を受けられる学生さん、公認会計士試験を受けるような方が、俯瞰という字はさすがに読めると思いますが、書くということも若干考慮はいたしました。それで、中身につきましては、おっしゃるように、上からかつ全体をながめるというのが俯瞰というふうに理解してございます。これはいろいろとご議論があった上でちょっと書き下させていただいたんですけれども、まず、「上から」という点は、これは「一歩離れて」ということで、上と横の差はありますけれども、その一歩離れてということは出ていると思います。ただ、この「一歩離れて」といいますのは、ご案内と思いますけども、IAASBなどでよく使われる表現で、スタンドバック、スタンドバックレビューとか、そういう全体、ちょっと仕上がった後に一歩引いて全体を見ますという、そのスタンドバックも踏まえて「一歩離れて」という表現にしたわけでございます。つまり距離感のほうは、上か横というのはあるのですけれども、「一歩離れて」に変えても違いはないかと思います。あとは俯瞰の場合にはやっぱり全体的に見るというニュアンスがあるわけでございますが、その点はこの一歩離れての前のところに、財務諸表が「全体として」適切に表示されているかを見るということが書いてございますので、全体として見るという意味はその前のところにすでに書かれておりますこれらを勘案して俯瞰的という表現をち「一歩離れて」という表現に書き下してみたということでございます。

○脇田部会長

よろしゅうございますか。

○林田委員

皆さんがそれでよろしいのであれば。意味するところはそういうことであるということですね。わかりましたが、「広く見渡す」というぐらいのほうが何となく全体を見るという感じがすると思います。新聞記者の感覚としてはそうですけれども、お使いになられる方々がよろしいのであれば結構です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでございましょうか。はい。では、八田委員、どちらを先に。では、五十嵐委員、どうぞ。

○五十嵐委員

どうもありがとうございます。監査基準についてご提出いただきました内容で理解いたしました。なお、先ほどご説明いただきました日本公認会計士協会のご説明との関係で確認させていただきたく思います。公認会計士の実務は、監査基準案の4頁に記載されております内部統制とリスク評価が十分に行われて、実施されると思います。特別目的の保証は、適切な基準を定めて実施される必要があると思いますが、日本公認会計士協会の説明資料6の実務指針において、内部統制について、一般的な財務諸表監査と同程度の内部統制の評価を行うか、または、別のフレームワークを考慮されているのかという事を教えていただければと思います。

また、事業リスクについても一般の財務諸表監査と同等程度のリスク評価を行うことが含まれますと、ビジネスそのもののリスクも評価されるということになり、広範囲な評価になると思いますが、今回の基準に基づく実務において、リスク評価の程度について日本公認会計士協会ではどのように考えているかをお伺いできればと思います。

○脇田部会長

大変恐縮ですけれども、先ほど申しましたように、協会のご意見は参考として出ておりますので、また場を改めてご発言いただけるとありがたいと思いますが、よろしゅうございますか。

○五十嵐委員

了解しました。

○脇田部会長

それでは、八田委員、どうぞ。

○八田委員

ありがとうございます。内容ではないんですけども、そもそもこの準拠性の監査という枠組みを監査基準の中に正式に織り込むことで我が国の監査制度の、拡大といいますか、信頼性の付与を多方面にわたって適用するという、こういう実務的な、かなり緊急なニーズがあったと私は理解しているんですけども、今日伺うところの適用が当初予定より1年遅れていますよね。ただ、実際には早期適用を認めるということで、実害は何もないと思うんですけど、私もそれでいいと思うんですけども、例えば、このように早期適用した場合には、読者向けに対して、これは実は早期適用している監査なんだという、そんな一文を書くことがあるんでしょうか、実際に。なぜかというと、大した話ではないと思うんですけども、今日の全般の、先ほどの用語上の問題もありましたけども、ちょっと参考になるかどうかお話ししたいんですけども、昨年私どもの大学でメディアの方々5名をお呼びして我が国の会計の監査に対してどういう課題があるかという、忌憚のないご意見を伺ったシンポジウムを行いました。そのときに現場の一線で記事を書いておられるばりばりの方たち、異口同音におっしゃるのは、会計の監査はよくわからないと、我々もわからないから、読者なんかもっとわからないと、したがって、誤解を恐れずにもっと平易な言葉で我々は書き込んでいるから、専門家から見ると、また批判があるかもしれないと、こういうお話があったんですね。私もエンロン事件がアメリカで起きたときにやはり一番バッシングを受けたのが、会計とか、監査の、そもそも支援体制が脆弱であって、理解ができていなくて、ほんの限られたメンバーの中でのすり鉢の議論しかしていないんじゃないかと、したがって、そこで使われている言葉ももっと平易にするべきであると、そんなことがあって、多分今日も俯瞰的なんていう、まず、読めても書けないような字、鳥瞰でもいいですけれども、そうじゃなくてやっぱりもっと実態に即した易しい書き言葉があっていいんじゃないかなということで、多分そういう意向で変更になったということで、私はそれは評価するわけですけれども、そういう意味で、読者を考えたときに、確かにこれは特別目的なので、限られた利用者ではあるけれども、誰も関係ない人が見ないとも限らないわけであって、そのときにやはりちゃんと早い適用をしていますよということを、実際にこれから協会の実務指針の中で書くことを予定しているんでしょうか。なければ、ぜひそういうメッセージを出していただいたほうがいいんではないか、そういう話であります。

以上です。

○脇田部会長

いただきましたご意見については、これからこの改訂監査基準を周知し運用していく面で、事務局でいろいろ工夫も行われると思いますので、その面で検討していただくということにさせていただきたいと思います。

ほかにございますか。

それでは、いろいろご発言いただきました。ありがとうございました。

では、ここで安藤会長に議事を引き継いでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○安藤会長

ありがとうございました。それでは、ご審議いただきました「監査基準の改訂に関する意見書案」につきましてご承認をいただくことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご異議ないということで、ご承認いただきました。

ご承認いただいたということですので、お手元の資料5のタイトルにあります意見書の案、括弧書きの、この案は取っていただきたいと思います。

ただいまご承認いただきました意見書を福岡内閣府大臣政務官にお渡しする予定でございましたが、衆議院財務金融委員会に出席されているため、お越しになれないということになりました。ついては、意見書について代理として桑原総務企画局長にお渡しいたしまして、報告とさせていただきます。

(意見書手交)

○安藤会長

それでは、引き続き一言ご挨拶と書いてありますので、よろしいですか。

○桑原総務企画局長

ただいま安藤会長から監査基準の改訂に関する意見書をお受けいたしました。企業会計審議会並びに同監査部会の委員の皆様方には精力的なご審議をいただきまして、心から敬意を表したいと考えております。この機会に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

ご案内のとおり、資本市場に対する投資家の信頼を確保し、また、我が国の経済発展を図る上では、上場企業の財務情報の適正な開示が不可欠でございます。このため、独立した専門的な立場において行われる公認会計士監査の果たす役割はますます重要になってきていると考えておる次第でございます。さらに、近年は上場企業以外の企業や各種団体などからも自らの財務諸表等について公認会計士の監査を受けてその信頼性を高めたいとのニーズが増加傾向にございます。こうした社会的な要請に応え、かつ公認会計士監査にふさわしい監査の質を確保していくことは非常に重要であると考えております。本日頂きました意見書もこうした考え方に立って監査基準の改訂を行うものでございまして、先ほど申し上げましたような新たな社会的要請に対応しつつ、適切な公認会計士監査が実施されるよう、金融庁としてもその周知徹底を図ってまいりたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、今後とも会計監査をめぐる諸課題の検討につきまして各段のご協力をいただきますようお願いいたしまして私のご挨拶といたします。本日は本当にありがとうございました。

○安藤会長

ありがとうございました。

大体時間どおりになりました。この辺で本日の審議は終了させていただきたいと思います。

今後の予定につきまして事務局からお願いいたします。

○油布企業開示課長

次回の日程につきましては、改めて事務局からご連絡を申し上げさせていただきます。

○安藤会長

それでは、本日の総会・監査部会合同会合をこれにて終了いたします。委員の皆様には審議にご協力いただきまして、ありがとうございます。閉会いたします。

以上

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金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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