金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第1回) 議事録

  • 1.日時:

    平成27年11月10日(火)13時00分〜15時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【神田座長】

それでは、ただいまから、金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループの第1回会合を開催させていただきます。皆様方には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

申し遅れましたけれども、私は、当ワーキング・グループの座長を務めさせていただくことになっております東京大学の神田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

当ワーキング・グループでございますけれども、本年10月23日に開催されました金融審議会総会・金融分科会の合同会合におきまして、麻生金融担当大臣から諮問をいただいて、それに基づいて設置されたものでございます。

麻生金融担当大臣からは、お手元の資料2にありますとおり、「企業と投資家の建設的な対話を促進する観点も踏まえつつ、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するための情報開示のあり方等について幅広く検討を行うこと」との諮問をいただいております。そういうことでございますので、よろしくお願いいたします。

それでは本日は初回でございますので、事務局からまずメンバーのご紹介をお願いいたします。

【田原企業開示課長】

事務局を務めさせていただきます金融庁企業開示課長の田原でございます。よろしくお願いいたします。

ご紹介させていただく前に、恐縮ですがカメラはここまでということでお願いいたします。

(報道関係者退室)

【田原企業開示課長】

それでは、事務局から当ワーキング・グループのメンバーの皆様をご紹介させていただきます。座席順にご紹介をさせていただきます。お手元に配席図をお配りしておりますが、メンバーの皆様の右側からご紹介させていただければと思います。

まず、石田英和様です。

【石田委員】

石田です。よろしくお願いします

【田原企業開示課長】

石原秀威様です。

【石原委員】

石原です。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

大崎貞和様です。

【大崎委員】

大崎でございます。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

小畑良晴様です。

【小畑委員】

小畑でございます。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

川島千裕様です。

【川島委員】

川島でございます。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

神作裕之様です。

【神作委員】

神作でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

熊谷五郎様です。

【熊谷委員】

熊谷でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

黒沼悦郎様です。

【黒沼委員】

黒沼でございます。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

小足一寿様です。

【小足委員】

小足でございます。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

逆瀬重郎様です。

【逆瀬委員】

逆瀬でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

静正樹様です。

【静委員】

静です。よろしくお願いします。

【田原企業開示課長】

関根愛子様です。

【関根委員】

関根でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

永沢裕美子様です。

【永沢委員】

永沢でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

橋本尚様です。

【橋本委員】

橋本でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

原田喜美枝様です。

【原田委員】

原田でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

山内公明様です。

【山内委員】

山内でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

また、本日はご欠席ですけれども、資料1のメンバー表をご覧いただければと思います。そちらのほうにもありますように、上柳敏郎様、太田洋様、大場昭義様にもご参加をいただくこととなっております。

次に、オブザーバーの方をご紹介申し上げます。

【田原企業開示課長】

まず、法務省民事局の竹林参事官です。

【竹林民事局参事官】

竹林でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

財務省大臣官房信用機構課の野課長です。

【野信用機構課長】

野でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

経済産業省経済産業政策局企業会計室の日置室長です。

【日置企業会計室長】

日置でございます。よろしくお願いいたします。

【田原企業開示課長】

なお、事務局につきましては時間の都合もございますので、お手元の配席表をもってご紹介にかえさせていただければと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは初回でございますので、まず議事の進め方について、ここで幾つかご確認をさせていただきたいと思います。

当ワーキング・グループは、原則公開とさせていただき、議事録も公表するということとさせていただきたいと存じます。したがいまして、公表を前提としたご意見、ご発言をいただければと考えております。大体これが金融審議会のワーキング・グループの原則になっておりますので、このような形で進めさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。それではそのように進めさせていただきます。

それからもう一点、私が万が一会議に参加できないような場合が生じた場合に備えまして、座長代理といたしまして、恐縮ですけれども、大崎委員にお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。それでは大崎委員、よろしくお願い申し上げます。

それでは、議事に移らせていただきたいと思います。お手元の議事次第にございますように、本日は初回でございますし、まず事務局から、諮問事項に関する現在の制度等についてご説明をしていただきます。その後で皆様方から幅広くご意見をいただいて、討議をさせていただきたいと思います。

それでは、現行の開示制度等につきまして、事務局から資料を使ってのご説明をお願いいたします。

【田原企業開示課長】

それでは、皆様のお手元にございます資料3に沿いまして、ご説明をさせていただければと思います。

1ページおめくりいただきまして、『日本再興戦略』改訂2015が掲げてございますけれども、こちらの中の日本産業再興プランという中に、新たに講ずべき具体的施策として、「攻めの経営」の促進というものが掲げられております。その中で、企業が持続的にその価値を高めるために、企業と投資家・株主が建設的な対話を行うことが重要である、こういった観点から企業の情報開示の見直しについて検討して、実効的で効率的な仕組みを構築するということが言われているわけでございます。

その中で開示につきまして、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するため、会社法、金融商品取引法、証券取引所上場規則に基づく開示を検証いたしまして、重複排除や相互参照の活用など、そういったことを検討していただきまして、開示のあり方について今年度中に総合的に検討を行って結論を得るというのが、日本再興戦略で閣議決定されているものでございます。

次のページをご覧いただきますと、そういった問題意識から、大きく3つの課題ということを掲げさせていただいております。1つ目は、今申し上げましたように、金融商品取引法・会社法・取引所規則による開示、その3つの関係というものが、一つの大きな柱かと思います。2つ目として、非財務情報の開示というものがテーマとして挙げられるかと考えております。また、それ以外にも開示制度をめぐりまして、先ほどのような問題意識に沿ってご意見があれば、そういったものも検討させていただければと考えております。

このうち最初の3つの制度の開示の関係でございますけれども、大きく2つございまして、1つはその開示内容の整理ということかと思います。2つ目は、その開示の日程・手続と、具体的にどのように開示されていくかということであろうかと思います。また非財務情報の開示につきましては、ガバナンスや中長期計画その他の非財務情報の開示などが、先ほど申し上げましたようにテーマになろうかということかと思います。

1ページおめくりいただきまして、まず、その最初の柱の1つ目の内容の整理でございますけれども、この3つの制度につきましては、それぞれ金商法開示が投資者の投資判断に必要な重要な情報の提供、会社法の開示が株主・債権者の方々に対する情報の提供、取引所規則が重要な会社情報を投資者の方々に適時に提供する、こういう役割を担っておるわけでございます。

こういった目的は尊重しながら、これまでも開示内容等の統一を図るための調整を行ってきたところでございまして、それにつきましては下のページ4のほうで、昭和37年以降の取り組みが書いてございますけれども、商法ですとか施行規則、また名前を変え、会社法となってからも、会社法ですとか会社計算規則、あるいは決算短信などに触れるなど、見直してまいりまして、その記載の共通化ですとか、用語を一致させたり、あるいは株主総会前に有価証券報告書を出せるようにしたり、そういう工夫をしてきたということでございます。

一方、3ページの3つ目の○でございますけれども、現時点におきましても3つの開示の内容には、以下のような相違点があるのではないかというような指摘もあるところでございます。

例えば取引所規則である決算短信のほうでは、経営方針の記載ということで、明示的に経営方針を書いてくださいとなっているわけですけれども、金商法や会社法の開示では、そういったものが明示的に要求されているわけではないということでございます。

あるいは会社法開示と金商法開示では、大株主の状況における所有株式数の定義が異なるといったようなことも指摘をされております。

こういったことでございますので、そういった関係についてどのように整理をして、効果的、効率的に提供するかということが1つ目の議論いただくべき点かと思います。

2ページ進んでいただきまして、5ページでございますけれども、1つ目の中身の整理と2つ目のトピックであります手続の面が、やや重なるところがございますけれども、取引所規則と会社法開示と金商法開示というものを比較いたしましたときに、こういう手続的なもの、あるいは中身の違いといいますか、そういう比較をしたものが5ページ目になるわけでございます。

かいつまんで違うところなどをご説明させていただきますと、例えば開示につきましては、取引所規則はTDnetの電子開示、金商法開示についてはEDINETの電子開示が原則となっておりますけれども、会社法につきましては、基本は書面の提供だということが指摘をされているところでございます。

公衆縦覧期間につきましては、ここにご覧いただくように、5年ということになっているわけでございますけれども、例えば金商法開示の中でも、参照方式の有価証券届出書などは受理日から1年になっているようなこともございます。

それから、財務情報でございますけれども、基本的には日本基準、米国基準、IFRSが連結では認められておりますけれども、単体につきましては日本基準が現在ベースとなっているということでございます。

また、監査の要否につきましては、取引所規則については不要でございますけれども、会社法開示と金商法開示につきましては監査が必要となっております。

また、これらの正確性を最終的に担保いたします虚偽記載の際の罰則でございますけれども、取引所規則については罰則自体はない、会社法開示については100万円以下の過料、金商法開示については10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金となっているところでございます。

さらに、財務以外の非財務の情報につきまして6ページ目に記載をさせていただいておりますけれども、横並びで整理をいたしますと、タイトル自体はやや表現は違っておりますけれども、かなり整ってきているということは言えるのではないかと思いますし、その記載の内容も企業さんのほうで工夫されて、かなり同じような中身を活用されていると承知をしておりますが、先ほども申し上げましたように、事業の状況の経営方針と取引所規則でありますものが、例えば会社法開示とか金商法開示で同じようなことを書いているところを探しますと、大体対処すべき課題というところに書いてありまして、そういう意味ではやや違うところがございます。

また、提出会社の状況のところにあります上位10名の株主の状況、あるいは金商法開示の大株主の状況につきましても、その具体的な株主の比率の計算のときに、自社株を入れる、入れないということで微妙に数字が違っていることが、指摘をされているところでございます。

1ページおめくりいただきまして、7ページ、8ページは四半期決算短信と四半期報告書ということでございますけれども、概要は先ほど5ページ、6ページで申し上げました、年度のものと同じような関係に立っているということが言えるのではないかと思います。

なお、非財務情報のほうをご覧いただきますと、決算短信につきましては、サマリー情報というものが義務づけられておりますけれども、この中に業績予想を含むということで、ここが四半期報告書には含まれていないということでございます。

それから、短信につきましては先ほど述べましたように、簡素化などが進められてきておりまして、現状ではサマリー情報と継続企業の前提に関する重要事象等ということ、それから先ほどの財務情報という形で、かなりシンプルなものになってきておりますけれども、一部にはやはり、四半期報告書との重複感があるんじゃないかという指摘もあるところでございます。

1ページおめくりいただきまして、9ページ目、10ページ目でございますけれども、こちらが諸外国の開示制度につきまして整理をさせていただいたものでございます。

まだ、やや調査中のところもあることにつきましてはご容赦をいただきたいわけですけれども、米、英、独、仏におきましても、基本的には決算短信に相当いたします年次のアーニングリリース、会社法に該当します総会資料の提供、これは米国のように証券取引所法に基づくものもありますれば、欧州のように商法、会社法に基づくものもございますけれども、そういったもの、それから証券法に基づく年次報告という形では、構成は日本と同じような形になっているわけでございますけれども、各国ともまず年次のアーニングリリースにつきましては、基本的に適時開示の枠組みで行われていると承知をいたしておりまして、例えば米国をとりますと、開示の根拠につきましてはNYSEの取引所規則に沿って行われるということで、開示の方法につきましては、レギュレーションFD(Fair Disclosure)に従った開示が行われていると承知をいたしております。

米国におきましては、会社法上の年次報告につきましてのそういう規定がもともとなかったと承知をしておりまして、その点につきましては、むしろ証券法上の年次報告から敷衍する形で、順次フォーマットが作られたと聞いております。従いまして、この2つの資料というのは、ほぼ同じものになっているということでございます。

一方欧州につきましては、EUの指令であります会計指令、あるいは透明性指令といったものに沿った形での制度整備が進んでいると聞いております。

まず、年次アーニングリリースにつきましては、先ほど申し上げましたように、適時開示の枠組みの中で行われているということでありますし、総会資料につきましては、会計指令を踏まえました各国会社法において、こちらに書いてあるような書類が提供されるということで、例えば英国でありますと、財務諸表の他に取締役報告書、戦略報告書、取締役報酬報告書等が開示されると聞いております。

また証券法につきましては、透明性指令を踏まえました証券法上の規則に基づきまして、こちらに書いてありますように、連結・単体の財務諸表の他に、マネジメントレポートですとか、責任に関する説明などが記載されるということでございますけれども、注の2のところにございますように、この2つの根拠法に基づく書類につきまして、日本でも先ほど、できるだけ同じような表現に向けた努力が進んでいるというご説明をさせていただきましたが、これがかなり進んでおりまして、実務上は1本で提出されているケースが多いと聞いているところでございます。

ドイツ、フランスについても、そういう意味ではイギリスと同じような立て付けになっていると承知をいたしております。

1ページおめくりいただきまして、ページの11でございますけれども、こちらは期中の報告ということでございまして、こちらにつきましても短信に相当しますアーニングリリースと証券法上の四半期報告という意味では、日本と同じような立て付けになっているということでございまして、開示根拠ですとか開示の方法につきましても、先ほど9ページ、10ページのほうでご説明をいたしましたものと、パラレルな形になっているのではないかと考えているところでございます。

1ページおめくりいただきまして、13ページでございますけれども、開示の日程・手続のほうに移らせていただきますと、まず我が国の年次業績の開示でございますけれども、平均いたしますと大体決算期末の37日後に取引所規則に基づく決算短信を公表すると。それから64日後に会社法に基づく計算書類と事業報告を株主に発送する。87日後に金商法に基づく有価証券報告書を開示するというような手続が一般的と言えると思います。

この際、株主への招集通知は、大体平均すると株主総会開催の約18日前に発送されておりまして、有価証券報告書はおおむね株主総会後に開示をされているということでございます。

それから、四半期業績でございますけれども、平均いたしますと四半期末の34日後に、取引所規則に基づきます四半期の決算短信が公表されておりまして、41日後に四半期報告書が開示されているということで、大体7日差があるということでございます。

諸外国でございますけれども、14ページの表もご覧いただければと思いますが、年次業績の開示が、株主総会の開催時期が遅いということもございまして、総会の開催前にそういう報告書はまとめて出ているということでございます。また、電子的な開示も活用しながら、一般的に株主総会資料の提供から株主総会開催までの期間が、我が国よりも長く確保されているということが指摘されているところでございます。

日本につきましては株主総会の時期がそういったものと比べますと、14ページにございますように早いということが、一つの課題として挙げられているところでございます。

14ページが今申し上げました、その各国の決算短信あるいはアーニングリリースから事業報告、あるいは年次財務報告が出まして、有価証券報告書が出る流れということでございます。

1ページおめくりいただきまして、こちらのほうは四半期でございまして、四半期につきましては、日、米、独におきましては四半期報告という形で引き続き行われておりますけれども、EUにおきましては、四半期開示の義務づけをEUレベルでは撤廃するということになっておりますので、イギリス、フランスにおいては法的な義務づけは、四半期につきましては外れたと伺っているところでございます。ただその他につきましては、ほぼ同じような枠組みで行われているということではないかと思います。

開示の日程・手続のうち、株主総会の開催の日程手続につきまして、16ページ目に記載をさせていただいております。会社法上、権利行使基準日(議決権行使基準日または配当基準日)から3カ月以内を権利行使日とすべきとされておりますので、日本では3月末を基準日といたしまして、6月末までに総会が行われるケースが多いということでございます。また、株主総会開催日の2週間以上前に招集通知を発送すべきとされているところでございます。

こういった関係から、実務上、我が国上場企業の大半は、決算日を議決権行使基準日または配当基準日として、先ほど申し上げたとおりでございまして、株主総会の時期が集中しているというご指摘があるところでございます。

招集通知の発送につきましても、2週間以上前ということでございますが、平均しますと大体18.3日前ということでございまして、この点につきまして、コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議では、以下のような指摘があったところでございます。

まず、基準日から株主総会開催日までの期間ですけれども、これにつきましてはガバナンスの実効性を確保する観点から、できるだけ短いことが望ましいのではないか。招集通知から株主総会開催日までの期間につきましては、できるだけ長いほうが望ましいのではないか。一方、決算期末から会計監査証明までの期間というものにつきましては、やはり不正リスクに対応した実効性ある会  計監査を確保するという観点から、一定の期間を確保する必要がある、そういうご指摘でございます。

こういった観点から、必要があれば株主総会開催日を7月にすることも検討されることが考えられるということでございますけれども、業績評価に基づく株主総会の意思決定との観点からしますと、決算期末から株主総会開催日までの期間が長くなり過ぎることは避ける必要があるというようなお考えが示されたところでございます。

こちらにつきましては17ページのほうに、定時株主総会の開催日とその日に開催されている会社の割合が、上のグラフで示されております。また、招集通知の発送時期につきましては、下のグラフのほうで表示をさせていただいております。

この株主総会開催の日程手続の欧米の状況でございますけれども、18ページをご覧いただきますと、やや日本と異なるところがございまして、まず総会開催日までの日程が長いということが言えるかと思います。また、議決権行使の基準日につきましては、行使基準日から実際行使するまでの間隔が、一般的に日本よりも短いと言えるかと思います。

また、配当基準日につきましてはやや分かれるのですけれども、米国におきましては、配当の基準日を定める取締役会決議に先立つ日を設定してはならないということでございますので、基本的には取締役会決議よりも先日付で配当するということでございますし、ドイツ、フランスでも、明文の規定はないのですけれども、基本的には総会が終わった後に配当基準日を置くことが多いと聞いております。一方イギリスにつきましては、配当基準日のほうが総会より前、さらに議決権の行使基準日よりも前になることが多いのではないかと聞いているところで、このあたりも考え方が分かれるところかと考えております。

また、招集通知の発送・公告の時期でございますけれども、総会日との関係で、こちらも一般的には日本よりも早い時期に招集通知が出されていると言えるのではないかと考えておりまして、このあたりも、開示の合理化、効率化、あるいはその開示の内容というものと関係するんではないかということで、ご説明させていただきました。

最後に2つ目の柱でございます、非財務情報の開示でございますけれども、こちらにつきましては、このコーポレートガバナンス・コードにおきまして指摘されました考え方をご説明させていただきたいと考えております。

コーポレートガバナンス・コードの基本原則の3でございますけれども、こちらにおきましては、上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきであるという考え方が示されております。

これは、こういった情報というものが、株主の方々との間で建設的な対応を行う上での基盤となることを踏まえたものであり、そういったことも踏まえて開示をすべきであると、考え方で示されているところでございまして、その詳細の考え方については、下のこの点線の四角の中に書いてございますけれども、法令に基づくもの、あるいは法令に基づかないものについて、それぞれ情報提供に主体的に取り組むべきということが書いてございますし、非財務情報につきましては、ひな型的記述や具体性を欠く記述が多く、付加価値に乏しい場合が少なくないという指摘があるということが指摘されております。

こういった適切な情報の開示・提供につきましては、上場会社の外側にいて、情報の非対称性のもとに置かれております株主等のステークホルダーと認識を共有し、その理解を得るための有力な手段となり得るものであり、例えば日本版スチュワードシップ・コードを踏まえました建設的な対話にも資するものということで、積極的な情報開示というものが所要されているものでございますけれども、その内容につきまして、どこまで開示をしていくべきなのか、あるいはそれのうちどこまでが制度開示であるべきなのか、それとも制度開示ではなく、任意で開示されるべきなのかといったことにつきましても、ご議論をいただければと考えているところでございます。

また、この2つの点に限らず、3つ目のその他ということで、開示に係る課題につきましても、皆様の問題意識につきましてご議論いただければと考えているところでございます。

以上、大変駆け足で恐縮ではございますけれども、ご説明とさせていただきます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。それでは、ただいまのご説明を受けて、皆様方からご質問、ご意見、どなたからでも、どの点についてもご自由にお願いします。

ありがとうございます。手の挙がった順で、大崎委員、石原委員、川島委員の順で、大崎委員からどうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。実は私は座長代理というようなことも仰せつかっておりますのに、大変申しわけないんですが、本日、隣の建物で別の会議の司会進行をやらなきゃいけないことになっておりまして、もうちょっとすると失礼させていただくものですから、大変勝手ながら、自分の言いたいことだけ言って立ち去ろうと、そんなことでございます。何とぞご容赦ください。

3点ほど意見を申し上げたいのと、あとは1点ちょっと細かいことですが、資料についてご質問したい点がございます。

まず、今後の議論の進め方というか、その中で基本となるんじゃないかなと思う考え方について、3つほど申し上げたいんですが、まず1つは、色々制度が並び立っていて、複雑になっているので整理しようと、この問題意識は私も全く共感するんですが、開示をする企業さんにとっての実質的な負担軽減になるような解決策を、とにかく考えることが重要じゃないかなと思っております。

例えば、会社法の事業報告書と金商法の有価証券報告書は重複感があるから、じゃ、有価証券報告書を事業報告書のかわりにしようというのは、一つの考え方としてあると思うんですけれども、例えばこれをやってしまいますと、会社としては、今、事業報告書を郵送している株主の方々に、有価証券報告書を郵送しなきゃいかんということになるわけですが、ご存じのとおり、有価証券報告書のほうがかなり分厚いものでございますので、かえって郵送コストが高くなってしまうというようなことになりますと、これは何をやっているんだかわからない話になるんじゃないかと。そういったことまで注意しながら議論していく必要があるだろうと。これが第1点でございます。

第2点なんですが、じゃ、そんなことを言うんだったら、郵送、郵送と言うからいかんのだろう、全部電子化してしまって、そっちを原則にすれば解決するではないかと、もしかするとお思いになるかもしれないんですが、これも単純にコストを削減したらそれで済むのかという問題があるんじゃないかと思っております。

日本は多分、個人の投資家が株主となって、かつ個別企業の株主総会において議決権を行使するということを、かなり積極的に行っている、非常に珍しい国ではないかと思っております。これは書面投票制度が会社法で認められているということが非常に大きいんじゃないかと思います。

同じように個人が個別銘柄投資を活発にやっている国というと、例えばアメリカがあるわけですけれども、アメリカでは、今ちょっと変わりつつあるわけですが、つい最近までほとんど個人投資家は、いわゆるストリートネームで、証券会社の名義で株式を保有しておって、証券会社が個人の意向なんか全く考えずに、総会で議決権を行使していたというのが実情でありましたので、現在でも、どうなんでしょうか、これは調べていただく必要があると思うんですが、個人投資家による議決権行使というのはそんなに活発ではないんじゃないかなと臆測するわけです。

それに対して日本はかなり活発にやっておるわけですが、この事業報告書が届いて、招集通知が来て、はがきが来るから、じゃ、投票してみようかというのが一種の人情でございまして、これが電子化されていて、通知メールが届くからそれでやりましょうということに例えばなったときに、通知メールが迷惑メールホルダーに入れられてしまっていて全然気がつかなかったとか、電子化されているだけに、後で送ろうと思っていたら、気がついたら総会が終わっていたとか、いろんなことが考えられて、かえって企業の個人投資家とのコミュニケーションを阻害するようなことになりかねないんじゃないか、こういうことも十分考えて、より本当の意味で効率的で効果的な結論を出すべきじゃないか、これが第2点でございます。

それから、長くなって恐縮ですが、第3点でございますが、いわゆる金融ビッグバン以降、いろんな開示の改革というのがやられてきたわけで、私はこの15年、20年ぐらいで、開示制度というのは極めて充実、強化されたと思っております。その経緯、経過というものを、いわゆる時計の針を逆転させるような、実質的な意味で開示の後退になってしまうようなことがあっては、これは大きな問題じゃないかという気がするわけでございます。

今、コーポレートガバナンス改革ということで、日本の市場がどんな制度をとるのかということは、世界中の投資家から注目されておるわけですが、テクニカルな点は修正して、効率化するのはいいんですが、実質的に提供される情報の質や量が、圧倒的に減るようなことがあってはいけないのかなと思うわけでございます。

例えば四半期開示というものをとりましても、最初、東証における自主的な制度として始まったものが、その開示する企業さんの側からの要請も踏まえる形で、金商法上制度化されたという経緯もあるわけで、例えばそういった経緯を十分踏まえて、制度の整理について考える必要があるんじゃないかなと思います。

以上3点、意見として申し上げさせていただきました。

すみません、長くなって恐縮ですが、ちょっと1点質問なんですけれども、招集通知と基準日の関係について海外のご紹介をいただいて、コーポレートガバナンス・コードでも、基準日はできるだけ総会に近いことが望ましくて、招集通知はできるだけ早く出すのが望ましいとご説明いただいたんですが、単純な疑問で教えていただきたいんですけれども、そうすると、招集通知発送後、基準日までに株式を取得した株主は、会議の内容がわからないまま総会に出席するような感じがするんでございますが、そこのところの調整というのはどうしているのか。日本ですとやっぱり、基準日株主に招集通知を送るというのがもう、大前提になっているわけなんですけれども、そこはどうなっているのか、ぜひ教えていただきたいなと思う次第でございます。

すみません、以上、勝手なことばかり申しまして恐縮ですが、さらに、あと10分ぐらいしたらいなくなっちゃうんですけれども、よろしくお願いいたします。

【神田座長】

ありがとうございました。

【田原企業開示課長】

ここにイギリスの例というのが書いてありまして、それで確かにイギリスでは2日以内で4週間以上ということですので、そこはちょっと我々も調査中なんですけれども、ブローカーの方々が情報を株主さんに提供するような形をとっているんじゃないかということなんですけれども、一方でご指摘がありますように、本当に個人の方がどれぐらいそういうことをされているのかということも、ちょっと調べなければいけないと思っているところでございます。

今日のご披露はあくまで、そのときにこういう議論があったということですので、その詳細についてはまた調べなければいけないのと、仮にこういう考え方に則ってやったときに、どういう工夫があるかということもある意味、私どものほうでも考えさせていただきたいと思いますが、この場でご議論いただければと思っているところでございます。

【神田座長】

ありがとうございました。

それではお隣の石原委員、よろしくお願いします。

【石原委員】

新日鐵住金の石原でございます。企業財務、IRを担当している観点から、意見を申し上げたいと思います。

これまで3つの法令・規則を所与の前提とする中で、制度開示の統一、重複排除に向けた取り組み、努力については、長年にわたり実行されてきていると理解しております。当然いまだ課題は残っておりますので、これについては継続的な検討が必要であって、これは企業、投資家共通の利益であると認識してございます。

しかしながら、今回の検討の出発点というのは、持続的な企業価値の向上、中長期的な成長に向けた投資家と企業との建設的な対話という観点と理解をしております。従いまして、制度開示の統一といったような問題は当然の継続課題であると思いますけれども、建設的な対話との関係で言うならば、あまり中心的なテーマとはなりがたいのではないのかなと感じております。

ついては、現状のディスクロージャー制度に関して、建設的な対話の観点から見た場合の私の具体的な問題意識について、ご紹介したいと思います。

ただその前に、現状のディスクロージャー体系というのは、個々の企業レベルで改善すべき点は多々あると思いますけれども、制度としては全体としてある一定の安定感の中にあるのではないかなと。つまり大きな欠陥があるわけではないのではないかなとは感じております。さはさりながら、強いて申し上げるならば、4点ほど問題意識がございます。

1点目は、中長期的な成長に向けた対話を重視するということの中で、四半期決算開示については短期業績への傾斜を助長する結果になっているのではないかといった問題意識が、多分幅広くあろうかというところであります。

それから2点目は、持続的な企業価値の向上を図るという点において、非財務情報の開示は非常に重要であることは言うまでもないと思っておりますけれども、それは個々の企業の任意開示に委ねてこそ面白味があるのであって、定型化、標準化、ましてや監査対象とするようなことは、建設的な対話をかえって阻害することになるのではないかと考えております。

それから3点目、総会の招集通知の送付から株主総会までの期間を、もっと長くとる必要があるのではないかといったような意見が聞かれますけれども、実務的には、実際は印刷でありますとか封入といったところで時間が取られておりますので、電子開示が許容されれば、そういったニーズはかなりの程度満たされる一方で、そもそも建設的な対話というのは、株主総会に向けて画一的な基準に基づいて議決権行使を行うことよりも、日常的な中長期投資家とのIRミーティングの中でこそ実現されるのではないかと考えております。

それから4点目ですが、監査の一元化の観点から開示制度を見直すべきという意見も聞かれますけれども、企業の実感から申し上げますと、監査は既に現実的に一元化されております。従って、建設的な対話の観点から何が問題なのかということについては、今のところぴんときておりません。

以上が私の問題意識でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは川島委員、どうぞ。

【川島委員】

連合の川島でございます。実は私も2時ごろ途中退席させていただく失礼の段、何とぞお許しください。

まず、財務諸表など企業情報には、投資家、株主だけではなく、労働者や債権者など多様な利用者が存在いたします。従いまして、企業の情報開示のあり方については、これらのさまざまな利用者の理解、納得の上に検討する必要があると考えております。今回その検討を行うワーキング・グループに参加させていただいたことを大変ありがたく思っております。その上で、ワーキング・グループに臨むに当たり、2点、意見、要望を申し上げます。

まず1点目ですが、本ワーキング・グループの目的である、情報を効果的かつ効率的に提供することについてであります。企業における業務効率化や生産性向上にも資するものでありまして、企業で働く一労働者、または労働組合の立場から基本的に賛同するものであります。その一方で、私たち労働者、労働組合は、開示された企業情報を分析するなどして、賃金、労働条件の交渉のみならず、会社の中長期的な発展に向けた建設的な提言を行うよう努めております。

そのような観点からは、開示される情報の量と質、すなわち開示される情報量、開示の頻度などを全体として維持、確保することを、議論の出発点とすることが重要であると考えております。

2点目は、開示制度をめぐる課題の一つとして挙げられております、非財務情報の開示についてであります。今回19ページ目のコーポレートガバナンス・コードの基本原則の3が紹介されている中に、「リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである」との記載があります。

ここで言うリスクとは、近年関心が高まっている、社会、環境問題など、サステーナビリティーをめぐる課題を含むものであり、その的確な開示が求められていると認識をしております。本ワーキング・グループにおいて、これらESG問題に関する情報開示のあり方も視野に入れて議論されるよう、お願いをいたします。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。永沢委員、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。私は、良質な金融商品を育てる会という消費者市民グループの事務局長を務めております。個人株主の立場から4点、本日ご説明いただいた資料に関しまして申し上げたいと思いますし、初回ですので、金融商品取引法という、ここでおそらく議論すべきことから離れて、少しお話をさせていただきたいと思います。

まず第1点ですけれども、やはり情報開示は大変重要なことでございます。これは誰も否定することはないと思うんですが、ただ、やはりこれにコストがかかり過ぎるということは、株主にとっても不本意なことではございます。法令の求める情報開示の作業を集約するという今回の方向性については賛成いたしたいと思います。

ただし、集約によって情報開示の量や質が落ちることは、大崎委員からもお話がありましたけど、これは絶対にあってはならないと思っております。情報開示は基本、会社の積極的な姿勢に委ねたいところではありますけれども、情報開示の質はともかく別の問題だと思いますが、量や開示の内容の公正さ、良いことだけを開示して、都合の悪いことは開示しないということを防ぐという観点での最低限の規制というのは、やはり情報開示においては必要ではないかと私は考えております。

それから次に、株主の対話というお話が出てきておりますけれども、やはり株主の対話という意味での情報開示という点につきましては、株主にとりましては、会社法に基づく総会が近づくと送ってくる資料一式が、その企業と株主とのコミュニケーションのツールという位置づけになると理解しておりますが、実は私は、個人的な話で恐縮ですが、株好きだった父からの相続で、不本意ながら、かなりの数の会社の株式の最小単位の株主なんですけれども、そういう立場になっておりまして、その時期になるとどさっと送ってまいります。

大崎委員がおっしゃいましたように、やはり日本人はまじめでございまして、一応全部に目を通して、議決権行使を全部するように努めております。やはり読んでもらおうという熱意が大変伝わってくるものが多く、投資信託に比べますとなかなかよくできているな、見習ってほしいと思うぐらいなんですけれども、残念ながら議決権行使までの日数が短く、最後まで読み切れず、議決権行使のときになかなかいい加減になってしまうこともあり、残念に感じており、熟慮期間がもう少し長ければというご指摘はそのとおりかなと感じました。

長くなって恐縮なんですけれども、大崎委員からもやはりこの点もご指摘がありましたが、先日の総会で電子化すればどうかという話も出ましたし、先ほど委員の方からもそのようなご意見が出たように思いましたけれども、紙資源を使ってエコに反する部分もありますので、悩ましいところではあるんですけれども、やはり電子媒体で送信されたものをクリックして最後まで目を通すというのは、投資を生業としていない個人にとっては大変ハードルが高く、電子化が前提となってしまうと、個人がガバナンスに参加するということでは大きく後退するのではないかと思っておりまして、紙媒体での開示は、やはり最小限維持すべきだと思っております。もちろん電子媒体での追加的情報を通知されることには大賛成でございます。

3点目なんですけれども、株主総会の開催が集中しているお話がありました。この機会ですからお話をさせていただきたいと思いますが、たまたまかもしれませんが、届いた総会資料の中に、同じ方が社外取締役に選任されていて、同日同時刻に総会が違う場所であるというようなことがありまして、これは、その方がどうのこうのということではなくて、どちらの株主総会に出席されたのだろうということが、株主としてはとても気になりました。

もちろん、取締役というのは取締役会に出席して、決議に参加されればよろしいんだと思いますが、総会の出席というのも個人株主にとっては大変関心があるところで、こういうのもどうなのかなと思ったりはしながら読みました。

既に他社の社外取締役をされている方を社外取締役に選任される場合には、先ほどずらせばいいというお話がありましたが、ずらせるならば、やはり重ならないように配慮することがあってもよいのではないかと思いまして、この機会に個人の投資家として、一言申し上げたいと思いました。

最後になりますが、非財務情報の開示の点ですけれども、やはりガバナンスのところになります。特に社外取締役の果たす役割に大きな期待が寄せられていますけれども、個人投資家が議決権行使のときにやれることというのは2つしかございません。配当に関するところと、それからこの役員の選任のところぐらいしか自分が果たせるところはないと思って、一生懸命見るわけですけれども、残念ながら、その取締役の選任についての情報があまり十分であるとは言えないと思っています。

もちろん取締役会への出欠、何回出ていらっしゃいますとか、出席率何%ですとかというのは出ておりますけれども、特に再任される場合には、やはりもう少し情報開示があってくれればいいのにと、社外取締役に委ねている個人株主としては思ったりいたしております。法律で強制すべきことではないと思いますが、この機会を借りて、個人株主としての思いを伝えさせていただきました。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。静委員、どうぞ。

【静委員】

すみません、それでは、まず総論的なことを1つ申し上げたいと思いますけれども、先ほどから出ているように、開示制度というのが似たようなものが3つある。3ページなんかに書いてあるとおりでございまして、その制度間で用語のばらつきもあれば、情報の重複もあるということ、これは事実でございますので、これをできるだけ是正して効率化を図るということを、毎度やってきたことでありますけど、またやってみようという趣旨には賛成でございます。

ただ一方で、それぞれ3つの制度は、それなりの独自の役割というものを持っているところも見なくちゃいけないかと思っております。決算短信は私どもの管轄ですけれども、そこで言えば例え  ば適時性とか速報性とか、これが役割でございますので、特に決算情報というのは投資判断の最も基礎をなす情報でもございまして、これが速報として適時開示されるということで、初めて公正な株価形成が確保できているという面もございます。

従いまして、効率化も大事なんですけれども、そういう独自の役割が失われてしまうと本末転倒でございます。先ほどから、大崎委員はじめ何人かのご発言にございましたけれども、そういうことがないように十分注意して議論をしていく必要があると思っていることが1点目でございます。

その上で、今後の議論をしていただくに当たって、いい資料を作っていただいて、わかりやすく比べていただいているんですが、ちょっと短信のことで、誤解されやすいところが幾つかあると思いますので、2点ほど資料の補足を説明させていただければありがたいと思います。

まず、1点目ですけれども、6ページのところでございます。これは1年に1度出る年度の短信の記載項目を、他の会社法開示、金商法開示と比べていただいた表でございます。記載事項としては横並びでこういうふうに並べてみると、よくわかるように見えるんですけれども、実は、決算短信には他の法定開示とは少し違った、単純比較できないところがあります。

それは先ほどちょっとご紹介もあったんですが、法定開示の会社法とか金商法の開示のほうはどちらかというと、法令で、こういう項目を書きなさいということがちゃんと義務になっているということだと思いますけれども、決算短信の場合には、表の左上の一番端っこにはサマリー情報、ここだけが上場規則で開示を義務づけられている記載項目ということになっています。

また、サマリー情報をご覧になったことがある方はいらっしゃるかもしれませんけれども、決算短信の一番上の1枚、2枚の紙でございまして、表紙のような一覧表でございます。その中に、売上、利益、総資産、純資産、キャッシュ・フローといった、財務諸表の主要な数値が書かれていて、あるいはそこから算出される簡単な指標が幾つかぽんぽんと置いてある、過去2期比較の分が記載されているわけでございますけれども、その部分だけが基本的には必ず書かなければいけない部分で、極めて簡略なものでございます。

その他には、ほとんどの会社が今期の予想値という、過去じゃない、新しい、この先の部分も記載しているわけですけれども、予想値の記載は実績値と違って、あくまで任意だということになっております。

実際、上場会社の3%程度の会社さんは予想値を書いておりません。それから17%程度の会社さんは、様式と異なる方式、独自の方式で予想値を記載するというやり方をされていて、大分任意性が高くなってきている情報でございまして、そういう意味で言いますと、必ず書かなきゃいけないのは、サマリー情報と言われる1枚目の実績だけだと、こういうことになっていることを、一つご理解いただいておいたほうがよろしいかなと思います。

一方で、資料の6ページの表で、短信の列を下に行きますと、経営方針というのが4段目にありまして、6段目に経営成績、財政状態に関する分析というのがあります。この2つにつきましては、サマリー情報の記載情報ではなくて、添付資料と言われる、その下にくっついている部分の記載項目なので、記載すること自体は義務じゃなくて、どちらかというと、取引所の要請に基づいて記載していただいているということでございます。

要請というとどういうものなのだということなんですが、具体的には、決算短信をつくる開示担当者向けのガイドブックというのが作ってありまして、その中に、一般の会社であれば、投資家はこういうことを知りたいと思われるような非財務情報を、幾つか例示してあるということでございます。それらを記載する場合に、この経営方針のほうか、あるいは経営成績、財政状態に関する分析のほうか、どちらかに分けて書いてくださいと、こういう分類項目のようなものでございます。

経営方針のほうには、先ほどから何度も出ていますけれども、機関投資家の皆さんを中心とした、投資家との対話の基礎となるような中長期的な観点の情報を書いてもらう。一方で経営成績、財政状態のほうにつきましては、最近の業績とか、あるいは今期の見通しに関する分析を書いていただくというわけで、中長期の情報と直近のところの情報、非財務的なものをこの2つに分けているという類のものでございます。

単純に言えば、非財務情報の性質が違うので、2つに分けて書いてもらっていますよと、そういう分類の違いでございます。どちらも大変広い概念でございますので、法定開示の他の2つの開示で求められている非財務情報と、多分に重複するところはあるんじゃないかと思います。ここでは対処すべき課題を、いわば同じようなものだというふうに並べていただいていますけど、他にも考えればいっぱい出てくるのかもしれないなと思います。

そういう類の情報が決算短信の構成要素だということを、一応ご紹介申し上げておいたほうがいいかなと思ったのが、資料の1点目の補足でございます。

2点目は、その後8ページなんですけれども、こっちは年度の短信じゃなくて、四半期、3カ月ごとに出る決算短信のほうの記載項目についてまとめていただいた資料でございます。先ほどの年度の短信と比べますと、サマリー情報の中に、「(業績予想含む)」と書いてあって、何か年度と四半期で表記が違うなという感じがするんですが、実際はどちらも同じでございます。

サマリー情報についてはどちらも上場規則で、実績値は書くことになっていますけれども、予想値は書かなくてよい、こういう位置づけでございますので、年度と四半期とで同じふうに書いても全く誤解がなく、逆に違う書き方をすると誤解があるかもしれないと思ったので、その点について申し上げておいたほうがいいかなと思ったということでございます。

また、添付資料部分につきましては、資料では継続企業の前提に関する重要事象ということで、会社がもつかもたないかわからない場合には、そのことを書いてくださいというものが添付資料に書かれる、そういう要請をしているという記載がございますけれども、このこと自体は、四半期短信だけじゃなくて、先ほどの6ページの年度の短信のほうも全く同じことでございますので、ここも誤解なきようにしていただいたほうがよろしいかなと思います。

むしろ、四半期と年度で一番違うのは何かということで言いますと、先ほど添付資料と申し上げました経営方針とか経営成績、財政状態に関する分析のような、いわゆる非財務情報は、四半期は要らないということでございますので、基本は要らないということでございますので、サマリー情報が一、二枚くっついて、その下に財務諸表がくっついていればそれでおしまい、これが基本形だというところが、いわば年度の短信との大きな違い。年度の短信は定性情報がありますけれども、四半期の短信は定性情報は不要だと、こういうところが一番大きな違いだということを、一応申し上げておいたほうがよろしいかなと思います。

以上、色々細かいことを申し上げましたけれども、今後重複の整理だとか用語の共通化をご検討されるということで、ご議論させていただくということであれば、以上の点をご勘案の上、ご議論いただければということで、解説をさせていただきました。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。神作委員、お願いします。

【神作委員】

ありがとうございます。私は、企業と投資家の建設的な対話を促進するという観点から、発言をさせていただきたいと思います。

コーポレートガバナンス・コードにおきましても、スチュワードシップ・コードにおきましても、企業と投資家の建設的な対話によって、企業価値を向上させていくことが共通の目的とされているわけですけれども、その際に、特に非財務情報が重要な役割を果たすことになるように思われます。

ご作成いただいた資料3でございますけれども、とりわけそのような観点からいたしますと、この資料の6ページと8ページの、金商法開示、すなわち右側の欄でございますけれども、「財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析」がなされるべきこととされており、このあたりは、とりわけ意味のある対話を促進するという観点から、重要な情報であると思われます。しかしながら、他方で、金商法開示における「財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析」というのが、本当の意味で真の分析になっていないのではないかという批判もあるところではないかと思います。むしろ、財務情報の要約版のような形でここが記載されているものも少なくないのではないかという批判のあるところではないかと認識しております。

そこで、本ワーキング・グループの論点の一つとしては、投資家と経営者との対話を促進するという観点から、「財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況」の分析について、経営者が真の意味の分析をしそれを開示するためにはどのようにすれば良いかということを、議論する必要があるように思われます。

また、その際、特に金商法開示の場合ですと、法律で開示が義務付けられることになりますから、とりわけ比較可能性の確保ですとか、客観性や適合性の確保等の問題も生じてくると思います。場合によっては、どのような形、形態で開示することを考えるのかということも含めて、諮問との関係で重要な論点となり得るように思いました。

それからもう一点、やや一般的なことでございますけれども、3つの開示制度があるという資料3の3ページの指摘についてでございます。

事務局にご作成いただいたこの資料も、3つの開示制度の目的として、マル1からマル3まで同一の表現は用いられておりませんで、金商法開示は投資者の投資判断に必要な重要な情報の開示、会社法開示は株主・債権者に対する情報の提供、取引所規則は重要な会社情報を投資者に適時に提供と、目的が重なる部分もありますけれども、異なる部分があることが示されているものと思います。

例えば会社法開示について申しますと、必ずしも投資者の投資判断ですとか、あるいは議決権行使には影響はないけれども、むしろガバナンスを確保するという観点から、一定の事項について開示させるというような項目もあります。

そのような開示項目というのは、必ずしも伝統的な金商法開示とか取引所規則とはマッチしない面もあったかと思いますが、他方歩み寄る傾向もあるように思われます。すなわち、金商法開示や取引所規則における開示においても、よりよいガバナンスを確保しそれに誘導するという観点から開示を考えていくという点が生じており、それが強まっているように思いますので、そのような意味では、今申し上げましたように、制度が違うことによって異なる点もあるけれども、やはり共通している部分もある、両者の関係についても引き続き議論を深めていく必要があるように思いました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、黒沼委員、どうぞ。

【黒沼委員】

これから審議を進めていくに当たって、金商法、会社法、取引所規則の関係についてどう見るかということが重要になると思います。その点について3点ほど申し上げたいと思います。これまでのご発言と重複する部分もありますけれども、その点はご容赦ください。

まず、この3つの仕組みにおいて開示内容が違うのは、それぞれの制度の目的が違うわけですから、ある意味では当たり前のことであります。例えば、事業の状況についての開示項目の中で、金商法開示では事業等のリスクとか、いわゆるMD&Aの開示が求められていますが、これは投資判断にとって必要だから、重要な情報だから求められているわけであります。会社法にこれがないのは、会社法の目的からは要請されないからです。

ですから、そういう目的に配慮して開示内容の調整ということを図っていく必要があるはずであって、単に事業の状況に含まれる開示項目だから一緒にすればいいとか、あるいは簡略化すればいいという問題ではないと思います。

第2に、金商法と取引所規則の関係については、静さんが発言されたところと重なりますけれども、これもそれぞれ役割分担がありまして、例えば決算短信があって、その後に有価証券報告書が提出される、タイムリー・ディスクロージャーがあって、その後に臨時報告書が提出される。

前者は取引所の規則により、迅速な開示が要請されて、後にしっかりした情報が開示されて、その法定開示には民刑事の責任とか課徴金が課されることによって、正確性が担保される。法定開示についてそのような制度が組まれているからこそ、任意開示のほうでも正確な情報が開示されるようになる。車の両輪のようなものであるということに注意すべきだと思います。

ですから、四半期決算短信と四半期報告の公表時期が近いことから、両者をどう調整、あるいは統合していくかということが議論になるとは思いますけれども、その際にも、その両者にも同じような関係があるということに注意をすべきだろうと思います。

第3に、取引所のタイムリー・ディスクロージャーについてですけれども、日本のタイムリー・ディスクロージャーは、形式的には極めて厳しい要求を行っています。しかし現実には、そのままその厳しい要件を適用できない場合もあるわけでして、情報を開示しないことに会社の利益が認められるような場合には、情報を遅らせることも事実上認められていると思います。

その間に情報が漏えいした場合とか、あるいは情報が選択的に開示された場合について、日本では諸外国に比べてルールが定められていません。今日、諸外国の一覧表を作っていただきましたけれども、タイムリー・ディスクロージャーについては、これを法令上の義務とするような国もありますし、あるいはタイムリー・ディスクロージャーは取引所の自主規制としながら、それに加えて公正な開示を実現するための規則を定めている国もあります。

日本でも、例えば決算発表の前に、情報が一部の投資家に流れているのではないかと疑われるような例も見られるわけでして、情報の選択的開示についてのルールを考える時期に来ていると思いますので、この点もあわせて検討していただければと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。どうぞ、原田委員。

【原田委員】

1点事務方に少し、次回もしくは次回以降に向けての要望というものがございます。このワーキングで開示内容を整理する、実質的な負担を軽減するということに対しては、とても賛成しております。

ただ、このワーキングは非常に委員の先生方が大勢いらっしゃいまして、20人の方々が委員に入っていらっしゃいまして、皆さんそれぞれ色々な立場の方々でございますので、早い時期に客観的な数字を少しお示しいただければなと考えました。

例えば先ほど大崎委員のほうからは、個人投資家の議決権行使が日本では多いというお話でした。個人投資家の議決権行使を阻害しないような形での整理が望ましいようなご発言がありまして、全くそのとおりではあると思うんですけれども、実際個人投資家の議決権の行使がどのくらい多いのかということは、なかなか企業によっても業種によっても違うところがあるかと思います。他国との比較という点で平均をとれば、日本は相対的に多いのかなとは思うんですけれども、じゃ、実際どのくらいなんだというところが気になるところでありまして、私は永沢委員のようによくできた人間ではありませんで、なかなか議決権行使をする時間的な余裕がありません、しないことのほうがむしろ多いという情けない個人投資家ではあるんですけれども、周りを見ていても、あまり多くないんじゃないかというのが正直なところございます。例えば、個人投資家をより重視していらっしゃる企業さんというのは数多くありまして、そういうところが、投資家別に見たときに、どのくらいの議決権行使がなされているのかという情報をお持ちだと思いますので、そういう客観的な数字などをお示しいただきたく思います。

関連しまして、今日経産省の方もいらっしゃっておられますので、招集通知などに対する機関投資家さんへのヒアリングなどもなさっていらっしゃるかと思います。そういうものについても、広く委員の方々にお示しいただけるといいのではないかなと考えました。

以上になります。要望でした。

【神田座長】

どうもありがとうございました。今の点は次回以降の宿題ということにさせていただきたいと思います。

それでは、小畑委員、どうぞ。

【小畑委員】

ありがとうございます。経団連の小畑でございます。皆さんご発言いただいているのとかなり重複しておるんではございますけれども、3点ほど申し上げたいと思います。

まず、1点目ですが、やはり今回の諮問にもありますように、開示の効率化という点に、非常に私どもは着目しております。ありがたいことだと思っております。これによって、ターゲットを絞った開示が可能になり、電子化というお話もありますけれども、そういったテクノロジーによる進歩が相まって、例えば株主の皆様の検討期間が延びるということにもつながることになろうかと思っておりまして、それが投資家との対話を促進することにも資するであろうと考えておりますので、ぜひこの開示の効率化を図っていただきたい。

その観点から、昭和37年以来、長年にわたって相互の調整を図っていただいている中で、先ほど石原委員からもありましたけれども、かなり制度的には安定して、いい線にきていると考えておりますけれども、さらに齟齬がないか、その辺のご調整をお願いしたい。

それとともに、先ほどからご議論がありますけれども、金商法開示、会社法開示、取引所規則、これらそれぞれの目標とする、目的するとするところが何かという、その原点に立ち返って、それぞれの開示において一体何が必要なのか、これまで長年の制度の運用の中で、色々なものがくっついてきている中で、もう少しスリム化できるところもあるんではないかと考えておりまして、それぞれの点についても、スリム化というところもご検討いただければと思っております。

それから両論あったかと思いますけれども、2点目なんですが、四半期開示について、果たしてこれは1週間の違いで情報が、ほぼ同じものが出るという中で、どこまでその1週間に意味があるのかというところを、いま一度お考えいただきたい。

先ほど大崎委員からもご発言がありましたけれども、四半期開示の成り立ちの経緯、これを踏まえますと、私どもとしては、任意開示から始まった四半期制度が、最終的に四半期報告という形に結実しているわけですので、そこに一本化してもよろしいんではないかと考えております。

それから3点目でございますけれども、非財務情報につきましては、本日ご説明資料の最後のページにもございますように、ガバナンス・コードの導入ということも相まって、やはり企業の創意工夫によって、それぞれの企業に応じた説明というのが何よりも大切だ、それが実質的な説明につながるんだ、形式的に何か書いていればいいという話じゃないというところにつながると思っておりまして、できるだけ非財務情報については企業の創意工夫に委ねる、そういう方向でご検討いただければと思っております。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、橋本委員、どうぞお願いします。

【橋本委員】

橋本でございます。

3点ほど私も述べたいと思いますが、まず、最初の開示内容の整理に関しては、最近投資家、株主等、外国人が多くなっておりますので、外国人の目で見てどう映るかという観点、外国人のほうからの要望にどういうものがあるかというところも、踏まえていくべきではないかと思っております。

また、黒沼委員も指摘されましたように、インサイダー情報とかインサイダー取引の問題も、日程が長引けば、一方でそういった情報が事前に漏れてしまうという懸念もありますので、そういったところにも十分配慮すべきだと思います。

また、この問題に関しては、株主総会の開催日程が本当に7月にずらせるのか、そういう議論の順番で、そちらが決まれば他の議論もそちらのほうに持っていけますし、それがもう今までどおり6月の開催が前提であれば、他の議論の方向性も変わってまいりますので、本年度中に結論を得るという短いタームの中で、議論の順番を少し考える必要もあるかと思います。

2点目の非財務情報の開示に関しましては、最近この重要性が高まっておりますが、一方で統合報告といった、財務情報と非財務情報の統合的な報告という議論も出ておりますので、そういった観点も踏まえて、非財務情報の開示の問題を考える必要があると思います。

それから、その他に関しましては、私は国際会計基準をちょっとやっている関係で、できればIFRSの個別、単体の開示も認めていただくような方向の議論も、多少できたらと思っています。

以上3点でございます。ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

どうぞ、熊谷委員。

【熊谷委員】

みずほ証券の熊谷でございます。皆様がもうかなり色々おっしゃっておられるので、あまり追加することもございませんが、安倍政権ができましてから、アベノミクスのもとに、やはり相当外国人の投資家の日本の資本市場、株式市場への注目が高まってまいりました。株価も順調に回復してきたという中で、切れ目なく諸改革、諸制度が実施されてきたと思いますが、途中でいわゆる第3の矢というのは、あまり中身はないんじゃないかという悪口を言う人たちもおりました。しかし、まさにこの企業と投資家の対話というのが、第3の矢の一つの大きな柱であるという認識が広がってきているということが、昨今の外国人投資家の動きなどで示されていると思っております。

そういった意味では、この企業と投資家の建設的な対話というのは、まさに日本経済再生のためのキーワードと言ってもいいと思います。

先ほど、たしか石原委員からもございましたが、そういう中で開示制度とか、あるいは株主総会というのは、比較的形式的な議論ではありましたが、やはり実のある、実効性のある議論をしていくためにどうしても必要なのだろうと思います。どういう問題があって、どういう形で改善して、さらに対話を深めていけるのかというのは、このワーキンググループでも議論すべき非常に大きな重いテーマなんじゃないかなと思っております。

ここまで比較的切れ目なく改革が進んできたわけでありますが、覚えていらっしゃる方も結構たくさんいらっしゃると思いますが、いわゆる失われた10年という時期に、有名なアメリカ人のエコノミストで、ロバート・フェルドマンさんが、盛んにCRICサイクルということを言われました。

これは、Crisis、危機、それから、それに対してResponseがあって対応される。それで改善、Improvementがあるんだけど、その後にComplacency、いわゆる怠慢といいますか、現状満足のサイクルに来てしまって、それで日本はなかなか危機から脱することができないんだという指摘でした。

当時その指摘を聞きましたとき、何と失礼なと思いましたが、残念ながら当たっていたと思います。今回もImprovementというところまでうまく来ていると思っておりますが、やはりこのComplacency、自己満足、ここまでうまくやったんだからいいんじゃないかというサイクルに陥ってしまうのは、何としても避けなければいけないと思っております。

そういう中で、今回のワーキング・グループの中で、この3つの制度開示、2つが法令、それから1つが東証の開示には、皆様ご指摘のように、それぞれの目的があるわけでありますけれども、その効率化の名のもとに、情報の質量の開示後退があってはいけない。私は投資家・アナリストという立場でこのワーキング・グループに参加させていただいておりますけど、これが大原則になると考えております。

それから、非常にこの10年、20年の間に、日本の開示制度というのは充実してきたのは間違いないと思っております。しかし、欧米の企業、特にアメリカの企業などと比べたときに、正直言いまして物足りないなと思っておりますのが、いわゆる非財務、特に、MD&Aに絡むところであります。

先ほどもどなたかからご指摘がありましたけれども、非常に形式的な開示になってしまっておって、そこにおいてマネジメントが、投資家に対して、あるいは株主の方々に対して、株主に限らないですね、ステークホルダーということで考えますと、従業員の方々も含むと思いますが、そういう方々に、自分たちの会社がどういうメッセージを伝えたいのかということが、やっぱり必ずしも十分ではないと思っております。

ですから、この非財務の議論というのは大変重要になってくると思いますし、ここには積極的に参加したいと思っております。

最後に、株主総会との関係でありますけれども、やはり非常に諸外国に比べて株主総会が集中しておるという事実もあろうかと思いますし、あるいは招集通知から株主総会までの日にちが短くて、十分に検討する時間もない。

今も、会社法上は株主総会の7月開催というのは不可能ではないと理解しておりますけれども、なぜそれがなされていないのか、そういったことの解明も含めまして、まさに実効性のある議論を深めていただけたらなと思います。

ちょっと長くなりましたけど、以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

関根委員、どうぞ。

【関根委員】

ありがとうございます。日本公認会計士協会の関根でございます。

私は、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供することの検討に当たっては、開示される情報の信頼性の担保についても忘れてはならないと考えております。このワーキングには各方面の方々が参加されていて、私は公認会計士、監査人として参加させていただいていますので、特に情報の信頼性を担保する監査人という視点から、実務上の対応の可能性なども含めて、効果的、効率的な改善の実現に向けてのコメントをしてまいりたいと思っています。

まず、基本的な問題意識としては、幾つかあるのですけれども、皆様からご意見が出ていますように、目的の違い等から複数の制度開示が求められている我が国の現状については、他方で、現在、一つ一つの開示について情報の充実が非常に求められていますので、一昔前に比べまして、非常に過剰感があるというところがあるかと思います。その中で、目的は異なるものの、もう一度確認をしていけば、その結果として、調整できるところがあるのではないかと思っており、重複した開示の解消というのも必要ではないかと考えております。

特に監査人としては、確定財務諸表については、本来は企業の財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー、その他必要な注記を含むものが財務諸表だと思っており、その内容を充実していくために作業の不効率というのはやはり減らしていかなければならないかと思っています。こうしたことは、抽象論でいくとなかなか実行というのは難しいと思いますので、着実に実現させていくための具体論が必要ではないかと思っています。

また、投資家、株主保護の観点からしますと、上場会社において詳細な財務情報が、先ほどの資料の説明でもございましたけれども、株主総会の開催後に有報に含まれて発行されているというのは、私自身は違和感を持っておりまして、諸外国を見ますと、もちろん株主総会の時期が違うということもありますけれども、後に出ていますので、日本も本当にこれでよいのかということは、ぜひご議論していただきたいと思っております。もちろん詳細な情報でなく、もっと簡便な情報でよい、特に個人株主の方等は、その方がわかりやすくてよいという意見もございますけれども、両方の面があると思いますので、この点をきちんと考えていただきたいと思っております。

さらに、決算短信についてですけれども、我が国における会社法の開示スケジュールは、決算短信の公表にも大きな影響を受けているという実感があります。どなたかからもありましたけれども、決算短信というのはやはり速報性、速報値という意味合いがございます。他方で、法定開示、金商法、会社法と両方ですけれども、これらは、監査も行われる確報値という形になりますので、その関係をいま一度整理して、速報値は速報値としての役割として、簡素化が考えられるのではないかと考えています。

そういう意味では、確定情報である会社法と金商法の法定開示における財務情報は、一元化することを検討していただきたく、監査も実質的には一元化すべきであると考えています。もう既に一元化しているという意見もございましたけれども、タイミングがずれているということもございますので、この点は重要と考えております。また、それ以外の非財務情報についても可能な限り1つの開示に集約して、それぞれの役割でその中から作っていくというのが必要ではないかと思います。

次に、このタイミングという件に関連して、13ページのところに、これだけタイミングがずれているということについての問いがございますけれども、この資料には、実は監査報告書のデータは入っていません。この資料のもとにもなっている経産省の対話促進研究会報告書のデータでは、我が国における会計監査人監査報告書の日付の平均は42.5日とされています。実際外に開示されるのは、この資料にあるようにもう少し後になりますけれども、42.5日というかなり短い時期までに会社法の財務情報確定に係る作業を完了しています。

この点については、14ページに、諸外国との比較があり、財務情報も国際的標準化が進んでいますので、日本はどういう位置にあるのかという確認が必要だと思いますけれども、42.5日というのは非常に短い日数と私は理解しております。これには色々な経緯がありますが、しかも、この14ページの表にある、アメリカやイギリスの日数は、大規模会社のものであり、実際にはアメリカなどは、会社の規模により開示の期限をずらしたりしておりますので、中小規模の会社も考えると、日本とはかなり違うということになります。

他方で日本は有報の監査報告書については総会後に開示されていることもあって、結果として40日もの時点の乖離があり、この点については問題点として認識しております。従って私としましては、タイミングも含めて一元化した上で、十分な作成や監査期間を確保するということが、信頼性の担保には重要だと思っています。

そうなりますと株主総会の日程との関係を考える必要がありますが、これも資料にありますが、ガバナンス・コードの補充原則1−2マル3に、「株主総会関連日程の適切な設定が求められる」ということがございます。この点については、各社の会社規模等の個別事情に鑑みて対応していく必要があるのではないかと思っています。投資家は、議案の検討期間として1カ月程度必要だという話も出ていますので、それらを皆考慮するとなかなか大変にはなりますが、先ほどから何回か出ていますけれども、決算日後3カ月以内、3月決算だったら6月というのにこだわらずに柔軟に対応していくというのが、必要な場合にできないのかどうか、これはぜひ議論をしていく必要があるのではないかと思います。

上場会社は、日本は3,000社以上ございますので、大規模な会社だけでなく非常に小さな会社もあります。そうした、人手もあまりないところなどは、私どもが監査をしても、実際にはかなり時間がタイトということもございます。そういうことも含めて、7月総会の開催の対応というのも検討していくのは必要ではないかと思います。

日本公認会計士協会では、昨年来、コーポレートガバナンス・コードの策定や経産省の研究会に参加させていただいていまして、これらの会議体での議論を踏まえて、今申し上げたような点も含めて、開示・監査制度の一元化にかかわる提言というのを取りまとめているところでございます。先ほど、監査の一元化がなぜ必要か、まだぴんときていないという方もいらっしゃいましたけれども、そのあたりも含めて、このワーキングの中でぜひもう少し時間をいただいて、ご説明をしていきたいなと思っております。

なお、財務情報の表示、開示という観点からは、監査の一元化という話とはまた異なるのですが、我が国の財務諸表の表示・開示に関する会計基準の必要性についての調査・研究を行ったり、また、非財務情報の開示についても私どもは色々検討しておりますので、皆様の議論に資するように、適宜、情報提供していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

では、逆瀬委員、お願いします。

【逆瀬委員】

逆瀬でございます。一、二点申し上げます。

株主総会で有価証券報告書を開示する、しないの議論があるようでございます。端的に申し上げて、金商法の規制する財務情報というのは連結がベースで、日本の連結会計基準はもうご案内のとおり、海外関係会社については、子会社であれ関連会社であれ、日本基準に加えて、一定の除外事項を設けた上でですけれどもIFRS基準や米国会計基準が容認されているわけです。非常に難しい連結ルールになっている。ただでさえ難しい連結ルール、連結会計基準なのに、そこに難しいIFRS基準や米国会計基準が内包されている。

これが基本的な日本の連結会計情報の特徴の一つだと思います。これほど難解なものはないだろうと思われますし、金商法のレベルの開示というのは、一定の知見がないとなかなか理解が、正直申し上げて難しいのではないか。

いわばプロ向け情報になっている。上場会社の場合のディスクロージャーは、言うまでもありませんが、情報仲介者がきちっと存在する情報開示の役割分担があって、そこで解釈とか咀嚼が行われていることが前提になっております。

従いまして、公開会社についても投資家、株主さん、多層な多様な方がおられるわけですけれども、上場会社の開示の仕組み、情報仲介者が存在するということを前提に考えないと、実態に反した空理の議論をしているような気がして危ういなと思った次第であります。

それから、計算書類、あるいは事業報告等をツールにした株主さんとの会話では、十分で有効な対話ができないという向きのご発言もあります。有報開示の中身と事業報告、計算書類の開示の中身と情報が違い、あるいはその深度も違うわけでありますけれども、どの部分が会社法開示において欠落していたり不足していると考えられるのかが明確ではありません。

この点については、有報開示のどの情報が非常に有用なツールになるから必要なんだといったようなことが話の中にないと、ただ150ページもある有報をウエブ開示しても、実利的な結果を生まないと懸念します。

そこで私が申し上げたような素朴な疑問について、アカデミアというか、学術的なレベルでの知見とか、あるいは実証のようなものが裏にあって話が進むのであれば、ある程度安心感があるわけですけれども、有報が出ていないとかという単純な話だけでは、議論は進まないという実感を得た次第であります。

また、いわれるほど会社法開示が十分でないのであれば、それは上場会社に限った問題ではなくなってきます。会社法規制として、そんなに情報が不足しているのかとかいう話にもつながっていってしまう。その辺がぼやけたままでは、議論が前に進まないのではないのかという思いもいたしました。

それからもう一つ、自主開示の話を申し上げたいと思います。公開会社、上場会社の場合は、みずからの集団の実態、あるいは資本政策に即した自主的開示を行っております。海外投資家を重視するスタンスをとるのか、事業の運営も国内に特化している場合もあるし、資本政策も国内に特化するという政策をとる場合もあります。

従って、上場企業においては、自主開示という観点が非常に重要になってくるのは、必要に迫られた認識なわけです。

法定開示以外に、当社における自主開示の例を簡単に、恐縮ながら申し上げますと、法定開示の有報とか、あるいは四半期報告書、こういうもののフルの英訳をウエブ開示するというような工夫をしております。

それから、アニュアルレポート、あるいはCSRとか環境報告のようなものを含んだサステーナビリティーレポート、あるいは情報セキュリティー報告書を開示しております。これらは全て和文、英文、かつウエブ開示を行っています。これらの情報においては、年次の財務成績が確定して、これを冒頭に振って、それで本題に入っていくという体裁をどうしてもとるものですから、作成時期が7月より遅くなるような嫌いがあるのは、やや欠点かもしれません。しかしながら、申し上げたようなIR、自主開示の情報というのは、例えば6月に行っている総会一時点に限ってのみ有効なものかというと、そうではなくて、総会後であろうが、それはいつでもやればいいわけだし、ウエブは常時開示しているわけでありますし、かつまたこれらの情報は、いわゆる財務情報の詳細な解析なり分析なりということがないと理解できない情報でもありません。

そういったこともあって、それぞれの企業集団の実態、実情に応じた自主開示に、むしろ最近は、注力する傾向になっております。

こういうような開示においてこそ、中長期的な意味で事業をどう持っていくとかという話が入ってまいりますから、それに対して投資家の皆さんがどう評価されるかといったこととか、リスク情報だとか、リスク分析だとか、いろんな知恵を懸命に絞って、その開示を行っているということがあるわけです。中長期的な建設的な対話といった観点からは、規制された開示よりも、工夫の余地が潤沢にありますから、有意な開示になると思います。

長くなりましたが以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

まだ本日ご発言いただいていない方に、初回ですので一応伺っておきたいと思います。石田委員、どうぞ。

【石田委員】

石田と申します。企業年金のようなアセットオーナーの立場から、思うことをちょっと述べさせていただきます。

今まで委員の皆様から個人投資家などの立場からお話があったんですけれども、機関投資家の場合はポートフォリオで運用しますので、株式といっても国内株に投資が決められているわけでもなく、この15年間の経験で言いますと、日本株の人気がどんどん下がっていて、もう独立した日本株のアロケーションはなくてもいいんじゃないのかというのが最近の主流になっております。

本来は母国市場のほうが情報が近いということで、その企業の経営者が何に困って何を努力しているのかという情報が伝わりやすいことから、どの国の年金基金にとっても、ある程度のホームカントリーバイアスを持つのは自然なことなんです。けれども、残念ながら我々資産オーナー、つまりこういう開示情報の非常に間接的な、第3次ぐらいの間接的なユーザーの立場からすると、日本の経営者が何を苦労して何に努力しているのかというのが、結果的にあまり伝わってこなかったと思います。結局株価が下がった、下がったものは売れという短視眼的な議論が支配的になり、その中で、何とか日本株のウエートを維持するために、組織の中で苦労をしてきたという経験があります。

その中で言いますと、その大きな方向として、法定開示を若干スリム化し、そこで空いた資源及び時間を、より建設的な対話のほうに振り向けていこうという動き自体は歓迎であります。そういう意味で、今回ここへ来させていただいて皆さんの意見を聞いていますと、あまり開示とかは重要なことではないと勝手に思っていたんですけれども、各関係の皆さんのいろんな努力で一つ一つでき上がってきた、緻密な完成度の高い制度だと改めて感じました。しかし同時にグローバルにお金はどこへでも流れていきますし、一番使ってくれそうなところに流れていくので、やはり今までの完成度とか今までの慣行、ここから一歩踏み出て、建設的な対話、攻めのガバナンス、こういうキーワードの方向に、開示制度のほうも一歩を踏み出していただければなと思います。

【神田座長】

ありがとうございました。

小足委員、もしご意見等あれば。

【小足委員】

私どもは信託銀行ということで、いわば投資家の立場と、もう一つ株主総会等の実務のサポートをさせていただきます証券代行業務という、両方の業務の面から、このワーキングに参加させていただいていると認識しております。

そういう立場の中で幾つか、冒頭の大崎委員や経団連の委員の方からもございましたけれども、今回のテーマは多岐にわたると思うんですけれども、いずれも実務的に効率化、もしくは効果的な向上を図るということで、実務面からの押さえといいますか、そういったことも極めて重要なテーマだと思っております。少しでもそういったご議論、ご検討にお役に立てるように、可能な限りの材料等、もしくは議論もご提示させていただければと思っております。

もう一つは、特に投資家の立場として、コーポレートガバナンス・コードにも書かれていますように、いわゆる昨今、非財務情報の重要性というのが高まっているということだと認識しております。

その非財務情報に関して、自主性、任意性を重んじるという点と、一方、比較可能性といった観点というのもどこまで考える必要があるのかということで、その2つを投資家側からすれば、建設的対話、エンゲージメントという形、それを議決権行使の際だけではなくて、日常の対話の中でカバーしていく。その3つをうまく組み合わせていくことが重要かなと、皆さんのご議論を聞いていて思ったところです。制度論にはならないかもしれませんが、そういった点。

最後に、これは全く個人的関心事なんですが、もともと金商法、会社法、取引所規則、それぞれの制度の目的があるというのが当然のことだと思うんですが、例えば会社法開示において、従前と比べて社外取締役、会社法の中のガバナンスという、そもそも制度自体の変化も昨今出てきている中で、開示という切り口に対しても、それぞれの開示以外の制度の変化が、何か影響してくるようなことがないだろうかどうだろうか、こういった点ももしご議論の対象になるのであれば、これも一つのやり方かなと思ったところでございます。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

山内委員、もしございましたら。

【山内委員】

もう皆様方から色々とご意見が出ましたので、私のほうから特につけ加えることはございませんが、まず本ワーキングの目的であります投資家が必要とする情報、こういった観点から、重複排除や相互参照の活用等といった議論は非常に有効ではないかと考えております。

特に、今回テーマにしている投資家と申し上げたときに、一義的には機関投資家であったりアナリストといった、プロの目から見てどうかといったことが重要かと思いますが、一方で他の委員からもありましたように、個人投資家の目というものも併せて検討されるということであれば、もう一工夫必要ではないか、そんなふうに考えたところでございます。

また、四半期開示の一本化など、効率化を議論する際に、3つの開示というものがあるというご説明がございました。ここにはそれぞれご説明がありましたように、目的が違うということもあります。こういった目的の差異ということもやはり念頭に置いた形での効率化、合理化の議論も重要じゃないかと感じた次第でございます。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

一応皆様方から1回はご発言いただきましたが、1回である必要は全くございませんし、まだ時間はございますので、さらに追加のご発言等ございましたらどうか、どなたからでもお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、石原委員。

【石原委員】

今皆様のご意見を伺っていて、自分なりに改めて整理をすると、金商法、会社法、取引所規則の3つの開示について、重複している部分の排除、あるいは質と量を維持しつつも効率化を図っていく点、これについては基本的なコンセンサスが皆様あるのではないかなと感じております。

一方で、本来の目的であります建設的な対話の観点については、やはりそもそも何が建設的な対話なのかということについて、皆さんそれぞれの認識が、あまりまだ揃っていないのではないのかなと感じます。

建設的な対話というのは株主総会に向けた議決権行使の部分にあるのか、あるいは制度開示にあるのか、あるいは個々のIRミーティング等の方に重きを置くのか、また、対話の内容は制度開示に書いてあるような項目なのか、あるいは中長期的な戦略なのか、このワーキング・グループにかかわらず、従来から建設的な対話をと言われつつも、その中身って一体何なのかということについて、やはり多様な意見が出ているのではないのかなと思っております。従って、その辺りが明らかになってこないと、本来何を議論して、どういう方向に進むべきかということについても、視点が全然違ってきますので、制度開示を少し見直せばいいといった話なのかどうか、なかなか方向性が定まらないのではないのかなと感じた次第でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。どうぞ、関根委員。

【関根委員】

私も似たような感想があります。第1回目ということで、多様な立場から皆さん色々発言されていて、私の先ほどの有価証券報告書と株主総会の関係についても反対される意見の方もいらっしゃることも承知しておりますが、だからこそ色々な方々が集まって議論をしていくということかと思います。

ただその場合、具体的に検討していかないと、空中戦で終わってしまうのではないかなというのを気にしております。石原委員がおっしゃいましたように、投資家といっても色々多様でございますから、まず視点をどこに持つか、どういう視点で今回は検討していくのか、どこを直していくのかについて、具体的なところも話していく必要があるのではないかと思います。立場が違うと、1つのことの捉え方が全く正反対にとられている場合もございますので、具体的な情報を出して、議論していくのがよいかと思います。

時間のない中だとは思いますけれども、それぞれの立場で議論だけをして終わってしまうということがないような形にしたいと思っております。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

他にいかがでしょうか。オブザーバーの方々も、もしご発言があればということで、当てるという趣旨では決してないのですけれども、法務省、何かございますか。

【竹林民事局参事官】

法務省でございますけれども、せっかくの機会ですので、一言だけ発言させていただきます。もし制度的な問題で議論をいただくということであれば、我々も抽象的な議論に終始するのは本意ではございませんので、具体的な開示項目として、会社側のほうでどういうニーズがあるのかという点を具体的に議論いただければと思います。

以上です。

【神田座長】

ありがとうございました。

財務省、いかがでしょうか。

【野信用機構課長】

特にございません。

【神田座長】

経産省さん。

【日置企業会計室長】

経済産業省でございます。株主と企業との建設的な対話促進という観点から、我々のほうでも昨年研究会を開催し、議論を重ねてまいりました。多様な議論があるということは理解しておりまして、今回のワーキング・グループの場でコンセンサスに向けて議論が進めばいいなと思うとともに、我々としてもできることはやっていきたいなと思っている次第でございます。

あと1点、株主総会の論点がございました。こちらは昨日第1回の研究会ということで、この株主総会、特に招集通知の送付の電子化などについて議論を開始したところです。招集通知関係ということでは、早期的な開示という形もございますし、電子的に送付するという観点もございますが、こちらはアメリカの例も見ながら、どういうふうに日本の中で導入していけるのかという具体的な議論を進めていく予定です。例えばそうした議論などもご紹介するなど、時間が限られた中ではありますが、金融庁さんとも連携をとりながら、この会がうまく前に進むように貢献できればと思っておる次第でございます。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

まだ若干時間はあるかと思いますが、さらに追加でのご発言はございませんでしょうか。

それではまた次回以降、お時間を延長させていただくこともあると思いますので、本日はこのあたりとさせていただきたいと思います。皆様方から非常に多くの角度というか、視点、考え方、それから具体的なお話等をいただきまして、どうもありがとうございました。

次回以降、せっかく皆様方に貴重な時間を割いて来ていただくわけですから、できるだけ、社会のためになるような、いい議論ができるように努めたいと思いますので、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

では、本日いただきました皆様方からのご指摘、ご意見、ご質問、それから要望等については、今後事務局のほうで対応させていただき、今後具体的な検討をお願いする際のベースないし参考とさせていただきたいと思います。

最後に、事務局から連絡がございましたらお願いいたします。

【田原企業開示課長】

本日はどうもありがとうございました。本日いただきましたご議論を整理させていただきまして、また実のある議論ができるように準備をさせていただきたいと思っております。

次回のワーキング・グループの日程でございますけれども、今日いただいたご意見なども紹介しながら、また皆様のご予定もお聞かせいただいて、後日また事務局のほうで設定して案内させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企業開示課(内線3665、3802)