金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」(第7回)議事録

  • 1.日時:

    平成27年12月17日(木曜日)17時00分~19時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【森下座長】

それでは、予定の時間になりましたので、「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」第7回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただきます。本日は、事務局より、本ワーキング・グループの報告案についてご説明をいただき、その後、討議を行います。

それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

それでは、事務局よりご説明を申し上げます。

皆様方お手元に、「報告(案)」と書いた資料が配付されているかと思います。これまでの議論を踏まえまして、事務局にて取りまとめの案として作成したものでございます。長い間、このご審議をいただきまして、省みますれば、スタディ・グループで12回、ワーキング・グループ、本日を含めて第7回ということで、約20回にわたり、これまでのところ、ご議論をいただきました。

それをまとめたものということで、内容、多岐にわたり、分量的にも非常に多くなっております。したがいまして、時間の制約もございますので、できるだけポイントをかいつまんでご説明を申し上げたいと思っております。

まず、表紙を1枚おめくりいただきたいと思いますが、最初に目次がございます。まず、全体の構成をご説明を申し上げますと、最初に「はじめに」ということで、この諮問がなされ、議論が行われるに至った経緯について簡単に記載をし、第1章で、決済高度化のための基本的な方向性について、まず書いております。第2章は、リテール分野、個人を中心とした分野における決済サービスのイノベーションなどに対応した具体的な方向性とか論点について記載を行っております。その次、第3章は、企業向け、ホールセールの分野における諸問題について記述をしております。第4章は、決済インフラ、機構間のネットワークについてを中心に記載をし、第5章で仮想通貨に関する問題について、第6章は、今後の継続的な取り組み、「おわりに」ということでまとめの言葉としております。

もう2枚ほどおめくりください。まず、下の欄、真ん中に算用数字でページ数が書かれておりますが、1というところ、1ページ目に「はじめに」という巻頭言を記述をしております。最初に、近年、IT技術の急速な発展が金融に変革をもたらすとありますが、こうしたIT技術とか、あるいは、経済活動のグローバル化が進む中で、決済の取り巻く環境が大きく変化していること、これを踏まえて、それ以降のところでは、昨年平成26年の9月に金融担当大臣から諮問がなされ、それを受けて、スタディ・グループにおいて議論がなされ、本年の4月に中間整理が公表されたこと、中間整理では、リテール分野、企業分野、決済インフラの3つを中心に、また、横断的な事項である決済システムの安定性とか情報セキュリティ、イノベーションと利用者保護の観点も含めて整理がなされたこと、この中間整理を受けて、スタディ・グループがワーキング・グループに発展的に改組され、審議がなされ、本報告書が今後の具体的な行動計画と将来的な方向性について検討結果を取りまとめたものであるということを記述をしております。

次に、2ページ目、決済高度化のための基本的な方向性でございます。最初に、「決済を巡る情勢変化」としておりますが、2行目ぐらいにありますFinTechの拡大に代表される金融・IT融合の動きが加速し、これに伴ってイノベーションが進行し、また、担い手も多様化するなど、決済サービス分野における構造的変化が進行していること、次の段落では、こうした流れが世界的規模で進展していることを記載をしております。

こうした情勢変化を踏まえて、2.として、「基本的な方向性」、最初の行にありますが、IT分野の技術革新と連動したサービスのイノベーション、構造的変化、国際化は一過性のものではなく、将来にわたって継続していく可能性のあるものである。その次の段落、今後、我が国においても、官民を通じ、こうした動きが今後の金融サービス分野に与える影響の大きさ、受けとめた上で、以下のような基本的な方向性を目指し、スピード感を持っての取り組みが必要であると。

以下というところで、箇条書きに4点ほど記載しております。まず、1点目が、ITイノベーションの取り込みと決済サービスの革新、2点目が、決済システムの安定性・情報セキュリティの確保、その次のページ、3ページ目ですが、3項目目としまして、イノベーションの促進と利用者保護の確保、4つ目としまして、決済をめぐる国際的な動きの中での主導性の発揮、このような基本的な問題認識のもと、各分野で具体的に目指すべき方向性と必要とされる行動(アクション)及びスケジュールは以下のとおりとしております。

第2章目がリテール分野についてでございます。最初に、目指すべき方向性として、(1)で最近の動向について簡単に記載をしております。これは中間整理でも記載されていたものとほぼ同じような内容のものとしておりまして、ポイントだけ申し上げますと、最初は、近年、リテール分野において、特に金融・IT融合の動きが進行していること、その次の段落は、こうしたものは国際的なサービス展開も視野に入れて提供され、決済サービスの標準化をめぐる競争が進行していること等を記載をしております。

その次の段落は、ノンバンク・プレーヤーが登場していると。決済を中心として、銀行業務の「アンバンドリング化」ともいうべき基本的な構造変化が進行しつつあるとしております。

(2)は目指すべき方向性として、具体的な方向性が、次のページ、4ページ目に箇条書きで3点記載をしております。

最初の項目でございますが、我が国において、決済サービスはこれまで基本的に銀行を中心としたサービス分野で、ノンバンク・プレーヤーや海外の動向との関係が比較的薄いクローズドな領域であったこと、しかし、近年、イノベーションが主にFinTech企業を含むノンバンク・プレーヤーにより牽引されていること、こうしたことを踏まえて、イノベーションから取り残されることのないよう、例えばこの決済サービスや決済に関連する銀行業務のあり方を絶えず革新していくことが求められる。

その次の項目ですが、こうした方向性を目指すに当たって、決済分野において、従来の銀行を中心としてクローズドな構造からの転換が重要であり、多様なプレーヤーが参加する中で、競争的に決済サービスのイノベーションが進められるようにすることが求められ、同時に、銀行サイドにおいて、いわゆる自前主義ではない、オープンイノベーションを重視したビジネス・モデル等が重要な課題であると。

その次の項目は、先進的なサービスについて、アジアやグローバルなレベルでの標準化も念頭に、面的・量的な拡大等が重要であるということでございます。

当面、具体的な取り組みとして、2.以下で何点か記載をしております。

最初に、2.としまして、「金融・ITイノベーションに向けた新たな取組み」、イノベーションを進めるに当たって、個別の銀行が取り組んでいくことと同時に、3行目ぐらいにありますが、共通基盤を活用・構築することも重要である。具体的には、前回のこのワーキング・グループで田中委員からもご説明をいただきました、以下の取り組みを開始することが表明され、そうしたものを期待したいということでございます。

具体的に、5ページに箇条書きに書いております。まず、複数の金融機関が参加する携帯電話を利用した送金サービスの提供の検討、次の項目は、決済ネットワークをはじめとしたサービスの抜本的なイノベーションに向けて、ブロックチェーン技術を含む新たな金融技術の活用可能性と課題について、当局等と連携しての検討でございます。

その次の項目は、海外等で銀行システムの接続仕様を公表するいわゆるオープンAPIの動きが進んでいると。こうしたことも受け、我が国においても、金融機関、IT関係企業等の参加を得て、セキュリティ等の観点から、オープンAPIのあり方を検討するため、作業部会等の設置を行うということでございます。

その次に、また、その銀行以外の事業者等においても、イノベーションに積極的な役割が果たされているところ、こうした取り組みがさらに進展していくことが期待されるということでございます。

その次の項目、3.としまして、「業務横断的な法体系の構築」についてでございます。これは9月の、夏以降、最初のこのワーキング・グループでご議論いただいた論点でございます。かいつまんで申し上げますと、決済分野における構造的な変化が今後より一層加速、拡大していくことが見込まれ、情報セキュリティや利用者保護といった課題に留意しながら、利便性の高いサービス提供などがさらに進展していく環境整備を図ることが重要な課題になっていると。

6ページになりますが、この点、現在の法体系について、情勢変化に照らして整合的になっているか否かを考えると、以下の点が指摘できると。最初に(1)として、現行の法体系についての簡単な解説を付しております。現行、決済業務等をめぐる法体系として、「為替取引」や、あるいは、「預金の受入れと貸付」を固有業務とする銀行に対しては、銀行法による厳格な規制を及ぼした上、一方で、その銀行の固有業務の一部か、あるいは、それに隣接する業務を行う場合については、各種業務ごとに、銀行法に比べては緩やかな規制のもとでの枠組みが整備されていると。

すなわちとして、最初、決済業務等については、資金移動業として、少額のサービスにわたって為替取引を行うことができると。一方で、この預金の受け入れを行わないなど、従来の銀行の固有業務の一部を行うことに過ぎず、これも踏まえて登録制とした上で、送金途上の資金と同額の資産保全を義務づけることで、銀行に係る厳格な規制の代替としていると。

次に、前払い式支払い手段、いわゆるプリペイドカードについては、紙型、IC型などさまざまなものがございますが、銀行の固有業務である預金などと区別の観点から、保有者への払い戻しは原則禁止、他方で、譲渡自体は禁止をせず、届け出制なり、登録制のもとで未使用残高の2分の1以上の保全義務を課すことによって、銀行に比べて緩やかな規制となっていると。

その次の項目、融資業務につきましては、貸金業者は貸し付けを業として行うということで、一方で、利用者保護等の観点から、登録制のもとで各種の行為規制、過剰貸し付けの禁止や書面交付義務等が設けられているということでございます。

確認として、基本的な課題、こうした各業務ごとの規制の枠組みは必ずしも相互に総合的なものとはなっていない。例えばITの進化などに応じて、資金移動業が提供するサービスとサーバ型の大規模なプリペイドカード業が提供するサービスには近似性が見られつつありますが、資産保全義務については、先ほど申し上げましたように、資金移動業は全学供託、前払い支払い手段は2分の1となっているなど、規制に差異があるということでございます。

続いて、7ページ目に行きますが、金融・IT融合の動きを背景に、規制領域をまたがる形で決済サービスが発達し、異なる規制領域にあるさまざまな決済手段が一体的に提供されつつあると。

こうした中で、規制が区々となっていることは、利用者利便の妨げ、または、ビジネスの選択にゆがみをもたらしていく可能性もあると。その次の段落ですが、また、さまざまなサービスの機能進化が進んで、決済サービスと融資業務とを組み合わせることによって、総合的な金融サービスの提供も出現しつつあり、一方で、現在の業法別の法体系は、こうした新しい動きを十分に視野に入れたものとなっていない。

その次段落ですが、さらに、銀行と利用者の間に立って両者に介在するサービスを提供する「中間的業者」があらわれていると。従来、銀行代理業ですとか、一定のこの規制の制度は枠組みがありますが、例えば、この段落の5行目ぐらいにあります、「他方」で始まっていますが、他方、例えばATMの提供などは契約の締結の代理・媒介には該当せず、そうなると、重要な業務であっても規制の直接の対象とはならず、銀行を通じた間接規制が及ぶのみとなっていると。

一方で、海外の事例等を見ますと、銀行からの委託を受けずに、顧客と中間的業者との契約に基づいて、銀行講座にアクセスするようなサービスも登場しているものの、こうしたものについて、銀行を通じた間接的な規制では、顧客保護等の対応が十分に確保されてない、そういう可能性もあるということでございます。

その次に、参考として、EU決済サービス指令、これは何度かご説明を申し上げました。EUにおきましては、横断的な規制体系を構築し、さらに、中間的業者をも取り込んだ横断的な制度整備が継続して行われているということのご紹介でございます。

(3)として、これらを踏まえた今後の法体系のあり方、最初に書いていますが、法制度のあり方は、それぞれの国・地域の経済状況等を踏まえて考える必要があるが、今後の諸情勢の変化を踏まえると、以下のような方向性が重要と考えられ、このような観点から検討を行う必要があると。

最初の項目でございますけれども、金融・IT融合の進展等に伴って、各種の金融サービスが総合的に提供され、また、利用者サイドでもそうしたものを一体的に利用していくことを踏まえると、決済ビジネスの選択にゆがみを生じさせたり、利用者利便の妨げとなることを回避するといった観点から、さまざまなサービスが柔軟に展開されていくことを可能とするような業務横断的な規制体系の構築を検討すべきであると。

その次の項目は、また、そうした中において、中間的業者などが利用者との関係を中心に重要な役割を果たしつつあること、これも踏まえるべきであると。その次、「さらに」としまして、決済サービスの国際基本的な展開が加速し、我が国事業者が海外へ展開するとともに、海外事業者が国内でサービスを展開しつつあることを踏まえると、制度面においても先見性を持った環境整備が重要であると。

一方で、上述のような法体系の構築を目指す場合、それがかえってイノベーションの進展を阻害しないよう、リスクに応じた規制といった観点に留意しておく必要があるということでございます。

その次、4.としまして、「ITの進展等を踏まえた現行制度の見直し」。この足元の状況を見ますと、ITの進展を背景に、サーバ型のプリペイドカードの増加や、インターネット、携帯可能な端末などを利用したものが拡大しており、現行の法規制がこうした動きに既に十分対応できてない部分が生じているのではないか。その次のページ、9ページ以降で、具体的な項目について記載をしております。

最初、プリペイドカード関係でこの辺りの議論は、最近行いましたところでご記憶にあるところも多いかと思います。したがいまして、よりポイントだけご説明申し上げますと、最初の表示義務、現行制度では、プリペイドカードについて、カードとか、あるいは、紙面が交付されることを前提に、その上に利用者向けの情報を記載することを義務づけていると。他方で、近年、インターネットを利用したようなものが登場し、この2つ目のパラグラフの下から3行目、「このように」で始まるところですが、プリペイドカードが情報端末等の電子機器である場合には、利用者に対する情報提供をインターネットで行うことを許容していくことが適当と考えられるということでございます。

次の(ロ)は供託額の算定でございまして、プリペイドカードの発行者は年2回の基準日で未使用残高の半額を供託し、それを次の基準日まで継続するということに現行なっております。ただ、この未使用残高の急速な減少が生じることを踏まえればということで、この9ページ目の、9ページの下から3行目ぐらいにありますが、発行者が選択した場合には、恣意的な選択を防止するため、当該選択を一定期間継続することを前提に、中間時点である6月末、12月末も基準日に加え、年4回として算定の柔軟化を可能にすることで適当ではないかと。

その次、(ハ)、業務廃止に伴う払い戻し時の公告方法。これは今現在は日刊新聞紙による公告が基本とされております。この(ハ)の項目の下から3行目ぐらいからですが、一方で、このインターネット上で利用されるプリペイドカードである場合には、業務廃止時の公告について、日刊新聞紙による公告にかえて、会社法で認められる電子公告の選択を許容していくことが適当と考えられるということでございます。

その次、(ニ)事業を譲渡する際の債権者異議手続。原則として、保有者の個別承諾が必要ということについてどう考えるかということでございます。幾つかご議論いただきましたが、この2つ目の段落の3行目にあります個別に同意をとることが、これはやはり私法上の原則であるという指摘もあり、加えて、この発行者が株式会社である場合には、会社分割の手続によって組織再編を行うことも可能といった指摘もあり、それを踏まえ、下から2行目ですが、本問題については、実務上の必要性の程度や私法上の原則との整合性に留意しつつ、継続的な検討が適当と考えられるとしております。

その次のページ、11ページ目は、サーバ型プリペイドカード発行者の加盟店管理義務等についてでございます。最初の段落で、消費者委員会から、まず、クレジットカード取引について、加盟店管理の実効性向上等のための建議があり、さらに、サーバ型プリペイドカードについても、本年8月に消費者委員会から建議がなされたということを記載しております。

その次の段落は、現行制度上の解説でございまして、3行目ぐらいにあります、公の秩序または善良の風俗を害し、または害するおそれがあるものではないことを確保するために、必要な措置を講ずることが現行の法律において求められ、これをしないと、登録拒否、あるいは、登録取り消し要件の一つになるということでございます。

この点に関して、消費者委員会の建議におきまして、「公序良俗違反」という要件は、犯罪行為に使用されるなどの悪質性が強い場合などが該当する。一方で、この加盟店管理義務をより明確にする観点から、悪質加盟店被害を防止するような加盟店管理責任を法令などにおいて明文化することが求められるとされておりました。

これに対して、この当ワーキング・グループでは、「公序良俗違反」には、犯罪行為のみならず、社会一般的に悪質とみなされる行為が広く含まれるとの指摘もあったということでございます。

次の段落、また、消費者委員会建議では、紛争解決に非協力的な場合もあるとして、発行者に対して苦情処理をより徹底させることを求めております。

本問題については、割賦販売法の見直しの動きも踏まえ、消費者被害の実効的な防止・解決策を講じるといった要請に的確に応えていく必要があると考えられる。なおかつ、同時に、イノベーションをいたずらに阻害しないとの要請にも十分留意していくことが適切であると規定しております。

その次のページ、12ページ目は、(2)としまして、資金移動業の一部廃止に係る手続でございます。一言で申しますと、現在は業務の全部を廃止する場合の手続のみが定められており、ただ、一部廃止する場合も現実に登場してきていることから、資金移動業の一部を廃止した場合の手続の整備が適当であるということでございます。

その次、(3)として、キャッシュアウトサービスについてでございます。欧米等では、キャッシュアウトサービスと呼ばれるデビットカードを活用して小売店のレジで現金を受け取るサービスがあり、我が国において、そのあたりのことを明確化できないかという声があり、その点につきまして、2つ目の段落の下から2行目ぐらいにあります、銀行法令上の預金の払い出しに係る外部委託として、ATMなどと同様に整理されるのではないかと。その上で、その最後の段落にございますが、同時に、キャッシュアウトサービス、これは現金の引き渡しが人の手を介して行われることを踏まえると、銀行に対して、監督上、必要に応じ、しかるべき体制の整備等を求めていくことが考えられるのではないかということでございます。

その次のページ、13ページ以降は、第3章として、まず、ホールセール分野についてでございます。

目指すべき方向性としまして、最近の動向、これは中間整理で大体まとめられたところの繰り返しになっております。企業の国際的な展開などが進む中、キャッシュ・マネジメントが重要になっていて、欧米の主要銀行等では、キャッシュ・マネジメント・サービスに注力がなされているということと、さらに、商取引の電子化やペーパーレス化の中で、債権管理の電子化・ペーパーレス化の要請とか、あるいは、債権流動化による資金調達の円滑、安全なことに対する期待があるという最近の動向を記載しております。

(2)目指すべき方向性として、まず、邦銀のキャッシュ・マネジメント・サービスの高度化。これについて、邦銀のサービスは人的サポートなどでは充実しているが、先進的なサービスにおいて欧米の主要国、主要銀行の取り組みは先行しているとの指摘もあり、14ページの上から3行目、4行目ぐらいですが、企業側の強いニーズも踏まえ、邦銀のキャッシュ・マネジメント・サービスの水準の高度化や、そのための環境整備を図ることが重要な課題であると。

その次、(ロ)として、電子記録債権のことでございます。これは制度導入後、4つの電子記録債権が設立され、登録も拡大しているものの、一方で、便利な点、分割可能であることとか、手形と異なり、取り立て手続が不要ということの利便性もあるものの、利用件数が当面の目標を下回って、十分な普及には至ってないということ、なおかつ、債権流動化による資金調達の活用も十分に進んでいない。こうしたことを踏まえ、利用者のニーズに沿った利便性の向上が必要であるということでございます。

2.としまして、以下、具体的な取り組みのことでございます。まず、キャッシュ・マネジメント・サービスについては、14ページ下から3行目にありますが、邦銀におきまして、特に主要行において、企業ニーズを十分にくみ取りつつ、キャッシュ・マネジメント・サービスの経営戦略上の位置づけや、目標とする水準や取り組みを明確にした積極的な取り組みが望まれるということと、次のページ、15ページですが、欧米の主要行との間で、キャッシュ・マネジメント・サービスの水準の違いとして、邦銀のIT投資が「維持・管理のための投資」の割合が高いといった問題があると。したがいまして、銀行の戦略的なIT投資の道を拡大していくことも重要であるということでございます。

3.が「ホールセール分野の決済高度化に向けた環境整備」ということで、まず、(1)キャッシュ・マネジメントについての貸金業規制の適用関係の見直しでございます。

企業グループ内での資金融通について、貸金業規制の適用が制度的な障害要因となっているという指摘があり、昨年、平成26年の政令改正において、一定の範囲内で、グループ内の資金融通を貸金業法の適用除外とする対応を行っております。

他方で、最近、また新たな高度化・多様化が進んでいる中で、以下の2点について、(イ)、(ロ)と書いておりますが、制度的な見直しが必要ではないか。

最初の(イ)のところは、金融子会社を活用したキャッシュ・マネジメント。15ページの下から2行目ぐらいにありますが、グループ内で金融子会社をトレジャリーセンターとして位置づける動きが拡大する中で、合弁会社株主の100%子会社から貸し付けを行うニーズもあり、こうしたものについて、貸金業法の適用除外とすることが適当ではないか。

次の(ロ)は、事業再編、M&Aに伴う「つなぎ融資」。この段落の2行目の終わりぐらいから、「例えば」でありますが、事業再編によって、グループ企業を売却する際に、当面の資金繰りを売却元が手当てする「つなぎ融資」が求められるケースもあり、一定期間に限り、貸金業法の適用除外とすることが適当ではないかということでございます。

その次、外為報告の合理化ということで、企業において、国際的な資金移動が進んでいると。その中で、外為報告が1件ごとに義務づけられていることが負担となっているのではないかという指摘があるということでございます。

次の17ページにお進みいただきますと、上から3行目ぐらいに、外為法の趣旨につきましては、対外取引の正常な発展、国際収支の均衡等、その要請も踏まえて、国際的なスタンダードに基づいて、財務大臣に国際収支統計の作成を義務づけていると。この趣旨から、外為報告がなされているということも考慮する必要があるということでございます。

具体的なその合理化のための方向性として2つほど記載しております。

まず、(イ)として、電子的な方法での報告の拡大。現行の外為法令上、企業が銀行経由で外為報告を提出する場合には、紙媒体での提出しか認められておらず、電子的な方法の場合には、日銀に企業が、日銀オンラインを通じて直接提出しなければならないと。このあたりのこの電子的な方法をもう少し拡大してほしいという企業サイドからの要望があるということでございます。

この17ページの下から2行目にありますが、こうしたことを踏まえれば、例えばEB、エレクトロニックバンキングとかFB、ファームバンキング、企業と銀行をつないで、その電子的なやりとりでもってサービスを提供するものですが、こうしたものによる銀行へのデータ送信を、外為法令上の報告手続として位置づけるといったことについても検討していくことが適当ではないかと。

その次の18ページの「なお」で始まっているところですが、一方で、この日銀オンラインによって直接提出する場合には、XML形式での報告のほか、Excel方式とか専用画面などのいろんな簡易な手段も提供され、一方で、そのあたりのことを企業サイドとして十分なご認識がないという指摘もあり、こうした制度の周知を充実させることも重要ではないかということでございます。

その次が、ネッティングの趣旨から行われる資金移動の外為報告の取り扱い。この企業グループ内におきまして、キャッシュ・マネジメントとして資金管理の目的から、短期間に、場合によっては日中に何回もこの資金を往来させていることがあると。法令上はその1件ごとの、1件ごとについての報告が求められているということについて、もう少しこのネッティングした形での報告を許容してほしいということ、声があるということでございます。

2つ目の段落、「こうしたことを踏まえれば」とありますが、外為報告の制度の趣旨に照らしたグロスでの報告を行う必要性の程度と企業側の負担等の観点、両方を踏まえて、取り扱いの合理化について検討していくことが重要であると。

また、その次のパラグラフにあります、資金移動に関する報告については、リアルタイムで毎日、毎日報告するのではなく、1カ月分をまとめて報告することも可能であるということについて、ここも企業サイドでの認識がまだ十分ではないということもあって、そうした点の周知を充実させることも重要ではないかということでございます。

その次、(3)として、電子記録債権をめぐる課題への対応ということです。最初が利用者利便の向上ということで、現在、主要行が設立した電子債権記録機関で発生させたものについて、次のページにわたっていますが、主要行によるファクタリング・サービスにより資金化を受けることとなっていると。

こうしたファクタリング・サービスが企業、資金調達のニーズに対応するというところもあり、一方で、この債権流動化による資金調達のさらなる円滑化を考える上で、電子債権記録機関にかかわらず、利用企業の取引先銀行で割引を受けられるような環境の提供も必要ではないかと。そのため、具体的に以下のようなところとして、何点か記載しております。

最初が、異なる記録機関間での債権の移動を可能とするための制度整備ということであります。現行制度では、複数設立されている機関間での債権の移動をさせることは想定されてないと。次の段落ですが、このため、電子債権記録機関間で電子記録債権を移動させることができるように、制度整備を行うことが適当であると。

次の段落ですが、その上で、債権の譲り渡し人と譲り受け人とで取引先金融機関が異なる場合の債権の割引等をどのようにやっていくかについては、電子債権記録機関をはじめとする関係者間で、実効性ある方策の実現に向け、早急に協議を行うことが必要であると考えられるということでございます。

その次は、マル2は、でんさいファクタリングの導入。平仮名のでんさいというのは、ほぼ全ての金融機関が参加を得ていると。ここにおいて、そのファクタリング・サービスを行うことについての高い期待があり、そのための実現方策について、20ページの上から2行目、3行目ぐらいですが、早期にでんさいを活用したファクタリング・サービスのスキームの導入がなされることが期待されると。

(ロ)、(ハ)は、その他関連するところで、まず、(ロ)のところは地方自治体における電子記録債権の活用、それが期待され、その点について、積極的な取り組みが期待されるということでございます。(ハ)のほうは、電子記録機関債権制度、アジアを中心に、諸外国においてもその展開をしていくこと、そこに注力する必要があるのではないかということでございます。

次のページ、お進みいただきまして、21ページ以降は、第4章として決済インフラの点でございます。

最初の段落、決済インフラが金融機能の中核的な基盤であり、経済上も大きな影響を及ぼすものであることを記載し、次の段落で、中間整理を受けて、実務関係者が決済インフラのあり方と必要とされる改革について検討を進め、当ワーキング・グループにおいて銀行界より実務代表者を代表して行動プランが表明されたということと、その次の段落で、こうしたものについて実行されることが必要であるということを書いております。

幾つか項目、前回の田中委員のご説明と大分重複しますので、ポイントだけにしますが、最初、抜本的な機能強化ということで、XML方式の導入ということでございます。21ページ、22ページにわたっておりますが、平成30年を目途に、新しいシステムを構築してサービスを開始し、平成32年までに、企業間の国内送金指図について、XML電文への全面移行をすると。そのほかの付加的な機能とかビッグデータの活用なども検討していくということでございます。

2.としまして、送金フォーマット項目の国際標準化。国内送金と国際送金のフォーマット項目に相違があるという問題に対する対応で、22ページの、最後の行にありますが、国際送金フォーマットによる、銀行を通じた国内サービスの提供、また、次のページ、23ページになっておりますが、平成28年度中を目途に、アルファベット表記の口座名義や、国際的に使われているBICやIBANと称する銀行コードの採用などについて、論点整理を行うということでございます。

その次は、「ロー・バリュー送金」の提供。欧米において、小口決済システムであるACH等の国際的な接続等が行われていると。また、アジアにおきましても、APNが推進され、こうした「ロー・バリュー送金」、23ページの下から3行目にありますが、安い価格で急がない送金ということ、これに対する期待もあると。

この観点からの取り組みということで、24ページ目、24ページの上から2行目にありますが、APNへ参加しているネットワーク事業者との接続などによる「ロー・バリュー送金」を、相手国接続先との合意等も前提に、平成30年(2018年)を目途に提供するということでございます。

その次は、大口送金の利便性向上。現行、全銀行システムにおける送金が1件当たり100億円未満となっている。これを100億円以上の送金を可能にするということで、2つ目の段落にありますが、2つ目の段落の2行目ぐらいにあります。その実現方法について、全銀システムにおける桁数の拡大、または、日銀ネットでの振替の活用などが考えられ、銀行界・日本銀行を中心に、決済リスク、顧客利便性や決済リスク、経済合理性の面から検討を行い、早期に結論を得ることが期待されると。

その次が、非居住者口座に係る円送金の効率性向上。国内にある非居住者口座について、全銀ネットで送金するか、あるいは、外為決済システムによっての送金かということですが、24ページから25ページにわたっておりますが、25ページを開いていただきまして、最初の行です。早ければ、平成28年度中に、全銀システムでの取り扱いを開始するということでございます。

その次が、継続的なイノベーションのための体制整備ということで、銀行界におきまして、2つ、箇条書きに書いております。現行、「全銀ネット有識者会議」というものを持たれているということですが、これを改組した上で、関係業界を含めて、官民で議論を行うためのラウンドテーブルを設置すること、その他、必要に応じた体制の強化を行うということでございます。

第5章が、「仮想通貨に関する制度のあり方」。最初、仮想通貨をめぐる状況、取引はさまざまな仮想通貨が登場し、取引もだんだん拡大しているという事実関係を記載をしております。

26ページ目に行きまして、マネロン・テロ資金供与対策の国際的な要請ということで、2つ目の段落、3つ目の段落に、サミット、あるいは、FATFと言われる国際機関におきまして、仮想通貨についての規制の枠組みの構築が求められているということでございます。

その次の(3)は、我が国における状況ということで、昨年、我が国において取引量において、当時、世界最大規模の「仮想通貨」と法定通貨の交換所を営んでいた業者が破綻したという事案が発生し、その過程におきまして、債務超過に至っていたこととか、顧客から預かっていた資金やビットコインが実際にあるものと大幅に過小になっていたことが明らかになっているということでございます。

次のページ、27ページにお進みいただきたいと思いますが、最初の行に書いております。こうしたことも踏まえ、マネロン・テロ資金供与規制に加え、利用者保護の観点から、制度的な枠組みを構築することも求められていると。

その次は、規制のあり方ということで、まず、規制の対象でございますが、仮想通貨に関しては、FATFのガイダンス上、仮想通貨の交換所は法定通貨との交換を通じ、既存の金融システムとの出入り口に当たることから、規制対象とすることが求められ、同時に、その利用実態を見ると、入手はこの交換所を通じて行うことが主な方法で、さらに、入手した仮想通貨はまた交換所において法定の通貨と交換できることが仮想通貨の利用の前提となっていると。

一方で、この仮想通貨と法定通貨の売買、厳密に言えば、売買のほか、その媒介・取り次ぎ・代理なども含みますが、こうしたものについては、事業者の破綻や売買に当たって預託された資産が消失するリスク、適正な情報が十分に提供されないリスクが存在すると。

その次の段落で、こうしたことを踏まえると、マネロン・テロ資金供与規制、利用者保護の観点からの規制を導入するに当たって、仮想通貨と法定通貨の売買等を行う交換所について、登録制を導入し、規制の対象とすべきと考えられると。

なお、この仮想通貨に係るサービス、今後どのように発展していくか、現時点では必ずしも明確ではなく、今後、この仮想通貨の利用が多方面で進む場合、新たな類型の業者が登場する可能性もあるところ、国内における利用の広がりやサービスの実態を留意しつつ、その点については機動的な対応が今後必要と考えられるということでございます。

次に、マネロン・テロ資金供与規制のあり方でございます。この交換所に対して、犯罪収益移転防止法というマネロン・テロ資金供与規制の法律、この規制を導入する必要があるということで、具体的にこの交換所を、犯罪収益移転防止法の特定事業者という法令上の用語がありますが、そこに追加し、この法律によって規定されている以下の義務、具体的には、本人確認とか疑わしい取引があった場合の当局への届け出等を課すことが考えられると。

次に、利用者保護のための規制のあり方でございます。基本的な枠組みにつきましては、仮想通貨の売買に伴った想定されるいろんな情報不足とか、先ほど申し上げました資産の逸失等のリスクに鑑みると、以下のような義務が適当と考えられると。

ここは箇条書きで書いているところは、以前の討議資料で書いていたものを基本的にそのまま書いております。利用者保護の、利用者の保護に対する誤認防止のための説明とか、情報提供、内部管理、名義貸し禁止、預託した金銭・仮想通貨の分別管理、情報の安全管理、財務規制等々が考えられるということでございます。

その次のページ、29ページで、分別管理、財務規制、また、自主規制について補足的に記載をしております。

まず、分別管理につきましては、利用者が預託した金銭あるいは仮想通貨の分別管理の方法に関して、この分別管理というものを我が国の金融法制では、供託で行うもの、信託で行うもの、または、自己の資産と顧客資産を明確に区分し、判別できる状態で管理するものに大別されると。

一方で、仮想通貨につきましては、現時点で私法上の位置づけも明確ではなく、供託・信託を行うことができないといった制約があると。こういうことを勘案し、3つ目の段落ですが、少なくとも、現時点では、顧客資産との区分管理を基本とし、一方で、この国内での破綻事例も踏まえると、区分管理の状況について、公認会計士または監査法人による外部監査を義務づけることが適当ではないかということでございます。

その次は、財務規制ということで、財務規制につきましては、中小零細事業者もあり、イノベーション促進の観点から、過度な規制にならないようにという要望があり、これに対して、売買等を行う交換所であれば、セキュリティ対策を含めたシステム構築など、最低限の初期投資のために、一定の資本が求められるという指摘もあり、これを踏まえれば、利用者保護とイノベーションとのバランスに留意しながら、仮想通貨の交換所についての適正な水準の財務規制が必要ではないかと。また、その財務規制の前提として、財務諸表の適正性が必要になるところ、この点について、外部監査の義務づけが適切であるということでございます。

30ページに行きまして、自主規制のところでございます。イノベーションの急速な進展等を展望すると、サービスの形態も急速に進化していくことが考えられ、そうした上で、基本的には法令による規制を設けるとしても、法令の規制に業界の自主規制を適切に組み合わせることによって、機動的な対応を行うことが重要ではないかと。

こうした点から、仮想通貨の交換所について、法令に基づく自主規制団体を設立することを可能とするとともに、金融ADR制度を設けることが適切であると。

その次の第6章は、継続的な取り組みということでございます。この高度化については着実に行動に移していくことが必要で、同時に、いろんな環境変化等を踏まえて、継続的に戦略的な取り組みを実行していくことも必要であると。そのためには、取り組みの進捗状況をフォローアップするとともに、海外での動向等を踏まえつつ、継続的に課題と行動を特定し、官民挙げて実行していくことが必要であり、金融庁にはそのための体制の整備に向けた取り組みが期待される。その際、決済システムの安定性や情報セキュリティの確保という課題についても、適切な対応がとられるよう留意していくことが重要であるということでございます。

最後、31ページ目は、「おわりに」という結びの記載でございます。以上が、本ワーキング・グループにおける審議の結果であり、適正な取り組みが進められることが期待すると。なおかつ、ITの発展や金融・ITの動きが、融合の動きがますます加速していくことが予想される中、イノベーションの動きに速やかに対応、ないしは、そうした動きを先取りしながら、国際的な動きの中で主導性を発揮することが必要であり、サービスのあり方や制度の不断の見直しを行っていく必要があり、関係者において、継続的かつ前向きな対応がなされることを望みたいということで結んでおります。

ちょっと長くなりましたが、事務局からのご説明は以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、討議に移りたいと存じます。どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたしたいと存じます。いかがでしょうか。それでは、永沢委員、お願いします。

【永沢委員】

ありがとうございます。

今回のワーキング・グループは、議論百出で、取りまとめは大変だったと思います。資金決済の分野での今後のイノベーションに対応できる業務横断的な法体系づくりに向けての一歩としては、大変すぐれた報告書ができたのではないかと私は思っております。

私からは、1カ所、修文のお願いと、多分おそらく今日で最後になると思いますので、意見を1つ申し上げさせていただきたいと思います。

まず、修文の検討をお願いしたいところでございますが、11ページの最後のところでございます。「サーバ型プリペイドカード発行者の加盟店管理義務等」について書いていただいたところの最後でございますが、文の入れかえを検討いただけないかというお願いでございまして、「本問題について」というところなんですが、割販法の見直し、今、「イノベーションを徒に阻害しないとの要請にも十分留意していくことが適切である」というのが文の終わりになっていますけれども、こちらを最初のほうに持ってきていただいて、割販法との見直しの動きも踏まえつつ、消費者被害の実効的な防止・解決策を講じるとの要請に的確に応えていく必要があるものと考えられると文の入れかえをご検討いただけたらと思います。原案ですと、少し逃げた感じの印象を受けますので、その点をお願いしたいと思います。

続いて、意見でございますけれども、スタディ・グループに続いて、ワーキング・グループにも参加させていただきまして、最近とても便利になっております支払い上のサービスの多くが、クレジットカード以外の、プリカというサービスの普及のおかげであるということがよくわかりました。

しかしながら、同時に、特に最近伸びてきておりますサーバ式プリカというものにつきましては、国民生活センターがスタディ・グループのときにお越しになり、報告されましたように、ネットでの取引に利用されるために、相手が見えなかったり、品物やサービスが見えないこともあって、利用者と加盟店との間でのトラブルが起こりやすく、また、悪質な事業者がやはりその中に入り込みやすいということがどうもあるようであり、消費者被害が発生しているということも事実であるようです。

また、クレジットカードと比べて、やはりこちらは前払いであるだけに、少額ではあるようですが、少額とも必ず言えないということも報告されており、契約の巻き戻しによるトラブル解決が非常に難しいということも報告されており、そういった問題が見えてきたことを特に注目すべきと思いました。

特にこのプリカといいますのは、クレジットカードよりも持ちやすいですし、持ちやすいというのは、クレジットカードが使えない方でも持てるということもありまして、これからの我が国の資金決済の中核になっていくと予想もいたしますが、その普及のためには、トラブルや被害が極力発生しないような仕組みづくり、一言で言えば、利用者保護というものが不可欠なのではないかというふうに考えます。

金融庁をはじめとする行政におかれましては、今回のワーキンググループでは、立法事実云々という議論もありましたので、トラブルの発生の状況と原因について、さらに調査を進めていただきたいと思っております。

また、前回のワーキング・グループのときに、悪質な加盟店というのが発生しているのはコンビニで販売されているプリカの中の特定のものなのではないかというようなご指摘もありました。

そういった実情も踏まえて、検査監督をもう少し厳しくしていただいてもよろしいのではないかしらとも思います。その上で、今後、被害がおさまるのかどうかというところも注視しながら、どうすべきかということは継続的に考えていただきたいと思っております。

それから、プリカの業界におかれましては、先日の金融トラブル連絡協議会でも出たやに聞いておりますけども、金融ADRがまだ設けられていないと聞いております。30ページの注73では、資金移動業については同制度が設けられているけど、プリカに関してはまだ設置されていないようですが、業界として設置に向けて動いいただきたいと思います。おそらく、この業界の自主規制団体への加入率がまだまだ低いからだと思われますが、多くのプリカ発行者に自主規制団体に加入を促すという努力を続けていただきたいと思います。

ビジネスの健全な成長のためには、金融ADRをこの分野でも整備ていただき、業界としてトラブル防止、それから、紛争解決への努力というものをしていただきたいと思います。

最後になりますが、前回のワーキング・グループには間に合わなかったそうですが、サクラサイトの弁護団の先生方から事務局宛に、サーバ式プリカの分野で訴訟になっているケースについてまとめた資料が届けられたと聞いております。悪質な加盟店がないわけではなく、被害が生じているということは事実なのですから、そのような悪質な加盟店を排除することに業界として努めていただきたいと思いますし、苦情処理、それから、利用者への注意喚起についても積極的なお取り組みをお願いいたしたいと思います。

以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

加毛委員、お願いします。

【加毛委員】

ありがとうございます。永沢委員からお話があった点につきまして、私も意見を述べたいと思います。これは前回の会合で議論された問題なのですが、前回、欠席しておりましたため、本日になって意見を申し上げることをお詫びいたします。

申し上げたいのは3点です。

1つ目は法概念の相対性にかかわります。11ページの下から3つ目の段落の最後の文章において「これに対して、当WGでは、『公序良俗違反』には犯罪行為のみならず社会一般的に悪質とみなされる行為が広く含まれるとの指摘もあった」とされています。前回の会合で、このようなご指摘があったものと理解しています。

このご指摘はその通りでして、私法上の公序良俗概念については、戦前において人倫道徳に反するものが典型例とされていたわけですけれども、戦後の一定時期以降、経済的公序と申しますか、経済活動に関連して公序良俗概念が広く用いられるようになりました。それゆえ、公序良俗概念が犯罪行為に限定されるとは、少なくとも私法上は理解されていないように思います。

他方で、ここで問題となっているのは、資金決済法10条1項3号の登録あるいは登録の取消しに関する要件ですので、私法上の公序良俗概念と業法上の公序良俗概念は異なり得ると思います。そのため、11ページの「これに対して」という接続詞は、この点を見えにくくしているように感じました。

2つ目は、資金決済法10条1項3号が一体何を禁じているのか、いかなる場合に適用されるのかという問題です。法律の規定によれば、加盟店から提供される物品や役務が公序良俗に反する、あるいは、そのおそれがあることが問題とされているように思います。

これに対して物品も役務も提供しない詐欺的な加盟店を考えますと、その加盟店の行為自体が公序良俗違反性を有する場合があるのだろうと思います。そうであるとすれば、そのような加盟店の行為を、資金決済法10条1項3号で捕捉できるのかには疑問を感じます。

消費者委員会の建議の内容の趣旨を十分理解しておりませんが、資金決済法10条1項3号が想定しているのとは異なるタイプの問題が生じていことを指摘しているのであれば、以上のような形で理解できるのではないかと思いました。

最後に、これが一番重要なのですけれども、公序良俗とは何かということを議論してもあまり生産的ではないと思います。前回の配布資料等で出ているような悪質加盟店については、そのような加盟店が入ってこないようにする、あるいは、そのような加盟店を排除するための手続・体制作りが必要になるのではないかと思います。何が公序良俗違反に該当するかとは切り離した形で、そのような手続・体制を議論すべきではないかと考えます。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

ほかの方、いかがでしょうか。関委員、お願いします。

【関委員】

今、お二人の方がお話しされた点も含めまして、幾つかちょっとありますので、全部とりあえず申し上げたいと思います。

ページの順番に沿って申し上げますと、まず、8ページの(3)決済をめぐる今後の法体系のあり方ということで、(3)の2つ目のポツですね。「また、そうした横断的な」で始まるところですけれども、これは修文のお願いなんですが、「横断的な規制体系の構築を検討していくに当たっては」というふうに修文したほうがいいんではないかと思います。趣旨は、その1個上のポツの記述と平仄を合わせるという趣旨でございます。

それから、次に、9ページでございますが、(イ)の表示義務ですけれども、これは以前からこちらから申し上げておりましたので、ぜひこの方向で進めていただければというふうに考えております。

それから、次の10ページの(ハ)業務廃止に伴う払い戻し時の公告方法でございます。これにつきましては、現状、インターネット上で利用されるプリペイドカードについて記述がございますが、このネット専用以外のものにつきましても、引き続き、こういった同様のことが認められるようにご検討いただければというふうに思っています。そもそも新聞公告が十分な周知をする手段として果たして適切なのか、最適なのかという議論もございましたので、引き続きご検討いただければと思います。

それから、その下の(ニ)事業を譲渡する際の債権者異議手続です。これにつきましては、プリペイド発行者は、保有者を知り得ないと、個別承諾を得ることができないという課題がここにも書いてありますけれども、その点がどうしても課題としてありますので、引き続き、その救済の方法についてご検討いただければと思っております。

それから、次のページの11ページ目、これは、先ほどからご意見いただいているところですけれども、まず、11ページのこの記述については、現在の案を私としては支持いたします。この加盟店管理の問題につきましては、以前、議論がなされたわけですけれども、その際に、そもそも問題の所在はどこにあるのかとか、あるいは、現行法で実務上で対応に限界があるのかといった点での十分な議論がなされてはいなかったと承知しております。

したがいまして、この報告書の中で、法的な面でありますとか、何らかの措置が必要であると記述するというところまで議論が深まっていないと考えておりますので、現在の案を支持いたします。いずれにしましても、リスクに応じた形での制度という検討が必要かなと思います。

それから、すみません、27ページ目ですね。仮想通貨のところの(1)の規制の対象のところで、やはり定義の問題、以前も申し上げましたけれども、これが法文上の定義としてどういう形になるのかということについては非常に関心がございます。その対象が広がり過ぎないように、ぜひ留意いただきたいと思います。

また、その定義を検討するに際しては、関係する業界の者の意見をぜひ聞いていただければと思います。いずれにしましても、イノベーションを阻害しないような規制の内容をすべきだと思いますので、ぜひそういった点をご留意いただければと思います。

以上、とりあえず以上になります。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。長楽委員。

【長楽委員】

決済業務の高度化に関する多岐にわたる論点というのにつきまして取りまとめていただきまして、ありがとうございました。

当方から2点ほどですけど、ご意見というよりはお願いという形でさせていただければと思います。

1点目なんですが、本報告案では記載がございませんけれども、中間整理で示されました問題提起の中にございました資金移動業の1回当たりの送金限度額の件でございます。平成22年4月1日に資金決済法が施行されまして5年が経過し、27年11月末現在でございますけど、資金移動業者の登録者数は41社、年間、26年度の年間送金件数は2,000万件、年間取り扱い金額は4,216億円、1件当たりの平均取り扱い金額が2万円となっております。

このような中で、資金移動業者の中から商品仕入れ資金とか海外留学資金、医療品などを中心に、100万円超の送金ニーズがあるお客様からのご相談やお問い合わせとかございますわけでございますが、お断りをせざるを得ず、利用者のニーズに十分応えられないとの声が業界に寄せられているということが1つございます。

あと、G20のサミットの首脳コミュニケでも、世界平均の送金費用を5%まで削減するということがコミットされている中、資金移動業者は総じて安い手数料でもってグローバルに送金サービスを提供しておりまして、国際送金市場におきましても一定の役割を果たし得る存在になると我々は期待しております。

資金移動業者におきましては、利用者のニーズに十分応えるために、資金移動業の送金限度額の引き上げが必要と考えられますので、継続的な検討をお願いしてまいりたいと思います。

2点目が、世間からあった報告、7ページから8ページにございます業務横断的な規制体系の構築についてでございます。前にも申し上げたんですけど、前払い式支払い手段発行者、資金移動業者とも総じて、小規模事業者が多いものとなっております。また、両者とも、比較的少額な決済手段に利用されており、リスクは総じて限定的と考えられます。

仮に、他の業態と同様の規制体系となった場合には、既存業者の場合であれば、事業継続の重大な支障、あるいは、イノベーションの進展にも影響が生じることが考えられますので、業務と業界の実態やリスクの程度等を十分に踏まえた検討をお願いしたいと思います。

以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

古閑委員、お願いします。

【古閑委員】

私も今、最後の点ですね、8ページのあたりのところですけれども、業務横断的な規制体系の構築というところで、規制体系もそうなんですけれども、総合的に何かサービスを提供しようとするときに、当然、当局にいろいろご相談をしたり、監督とか検査を受けたりとかということをすることになると思うんですけれども、そのときに、総合的にやろうとしているんですけれども、相談先がばらばらとなってしまうというようなことがありますと、そこが実務的には負担だったりとかすることもありますので、規制をどうするかということもそうなんですけれども、ここを検討していただくに当たっては、そちらもあわせてご検討いただければと思っております。

それに関連して、どういったものがこの横断的な規制体系の構築ということで検討がされるのかという点ですけれども、6ページのあたりを拝見しますと、資金決済法であるとか貸金業法のところ、そうですね、貸金業法のところが想定されているように見えますが、総合的にサービスを提供していくときって、もうちょっといろんな制度がかかわってくることもあるかなと思っておりまして、ここに書かれているものに限定されずに、例えば、銀行代理業の制度であるとか、そういったものも含め、どういったものがその整理の対象になるかというところも引き続きちょっと業界の意見ももしヒアリングをいただければ、非常に助かるなと思っておりますので、そこもお願いしたいところでございます。

それから、仮想通貨のところについて、まだ定義というものがここに載ってきていない、27ページあたりですけれども、載ってきていないと思いますけれども、ここも既存の仮想通貨とは多分一般的に思われてないようなサービスに影響が出るかどうかというところは結構重要なポイントになってくるかなと思いますので、ここも引き続き、業界等の意見も聞いていただけるとありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。では、山上委員、お願いします。

【山上委員】

事務局の皆様、資料の取りまとめ、大変ありがとうございました。2点ほど、意見といいますか、お話をさせていただきます。

大体ページ数でいきますと、2ページから5ページぐらいのところに、FinTechとかイノベーションというのが何度か登場するんですけれども、このスタディ・グループが開始になった時点でのこのFinTechに対しての注目度とか認知と比べますと、このほぼ1年ぐらいの間で随分いろんな意味でステージが上がってきたのかなと認識しております。

ただ、あくまでもFinTechというのはイノベーションの道具としての一つの断面なのかなという認識もしておりまして、これからテクノロジーの進展、特にIoTと言われるものやAIというものが普及していきますと、世の中全体がデジタル化していく中で、ちょっとわかりやすく変な例えになりますけど、冷蔵庫が、じゃあ、浄水器を勝手に注文するマシンとマシンの世界というのは、FinTechであれば、どっかのノンバンクがどうだ、こうだからというので何らかのやり玉に上げればいいんでしょうけど、マシンをどうするんだという話になりますと、まさに金融機関のビジネス・モデルをどうあわせていくのかというより深い議論が必要なんじゃないかなというふうに思っております。

そういう意味でも、今回、オープンAPIですとか、携帯からできる、携帯番号でできる決済というのを取り上げてくださったのは非常にそういう世界も含めた観点になっているなというふうには思うんですけれども、今申し上げましたようなその構造的な変化というのがこれで終わるわけではなくて、むしろ広がるという中で、今度のIoTというのはむしろ実業ドリブンといいますか、製造業とか、金融がむしろ世の中のいろんな経済活動を支える立場としてやらなくちゃいけないということになりますと、金融庁が前に出ていろんなことができるものではないんでしょうが、最終的にビジネス・モデルが大きく変わるという意味でいうと、インパクトはより大きいのではないかと想定しております。

そういう意味でも、最後のページで触れていただいた金融庁に設置される継続的な検討の母体というようなところで、ぜひ新しいテクノロジーを、デジタル化でもいうんでしょうか、そんなような形での捉え方をなさってはいかがかなというふうに思いました。

もう一点は、実は中間の取りまとめのときにも少し質問させていただいたんですが、ぜひこれを英語化するというようなお話はいかがでしょうかというふうに、そのときも申し上げたんですが、今回はいかがなぐあいでございましょうかという2点でございます。

【森下座長】

お願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

まず、英語化のほうは、前回もお答えしたかもしれないですが、予算の制約ということもあり、ただ、前回は中間整理ということでありましたけれども、今回この方向性でご賛同いただけると、このワーキング・グループでの報告ということになりますので、英文化したものを作成する方向で作業を進めていきたいと、そういうふうに考えております。

【森下座長】

ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。では、堀委員、お願いいたします。

【堀委員】

昨年の9月からの取りまとめの結果がここに結実されているというふうに拝見いたしまして、事務局の取りまとめのご苦労に大変感謝申し上げます。

私としては、いずれの方向性についても賛成でございまして、金融機関、それから、ノンバンク・プレーヤーがより事業をやりやすくするという観点で、また、本報告のみならず、持株グループ・ワーキングについての取り組みや、昨今サポートデスクを設置するなど、FinTech全般に向けた、これを肯定的に捉えて後押しをする仕組みを構築されているということに関して、金融庁の取り組みに敬意を表しております。

この報告書の観点で2点ほどご指摘をさせていただきます。

12ページ目でございます。資金移動業の一部廃止に係る手続のところで、この資金移動業の業務の一部廃止の場合の手続を規定されるというご記載がございました。念のための確認でございますけれども、複数の種類のカードを発行し、そのうちの一つを廃止する場合があるということが例示で書かれておりますが、資金移動業の中でも、例えばアカウント型ですとか、カードを持たないタイプでも複数の種類のサービスを提供している事業者がおりますので、これも含めて、業の種類というものを分割的に認識した上で一部廃止する場合というものも、広くこの手続、一部廃止の手続に乗るものと考えておりますが、このような理解でよいかという点が念のためのご確認です。

2点目は、その下、デビットカードを活用したキャッシュアウトサービスでございます。ここのところですが、昨今のいろいろな金融機関と事業会社の提携の取り組みを拝見いたしますと、必ずしも店舗で引き出すというだけではなく、例えば、資産管理画面みたいなものを見せつつ、画面上で操作をして引き出すですとか、いろいろな預金口座からの引き出しについての取り組みというものが実例として出てきているところでもございます。

この店頭で受け取るということに限らず、事業者が、例えば非対面取引の中でも何か連携する仕組みみたいなものに活用でくる可能性があるのかですとか、そういったところが非常に興味があるところでございます。

ここで(3)のところ、この内容はこの内容としていただいて結構なのでございますけれども、例えばデビットカードのみならず、キャッシュカードもこれに含むのかどうかとか、このような店頭で受け取る以外の場面で具体的なニーズがあれば、それが読めるようにならないかですとか、また、カードの引き出しについては、もともと考え方がさまざま複雑だというふうに認識しておりまして、預金の払い出しという整理なのか、為替取引というふうに見るべきではないのか、いろいろな考え方もあるところでありますので、これらの点は、引き続き、制度整備までの中で考え方の整理が必要ではないかと考えております。考え方が区々とならずに、整合的な考え方で制度整備をしていただくというのが予見可能性もあってよろしいのかと思いました。

以上、2点、ご指摘させていただきましたが、繰り返しになりますけれども、法人、個人ともに、新しいサービスが生まれて、金融サービス全体の後押しをするという取り組み、報告書の内容になっていると思いましたので、大変今後の事業の発展に期待しております。

以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

【黒井総務企画局企画課信用機構企画室長】

先ほど、1点、ご質問いただきました資金移動業の一部廃止の手続につきましては、ここで上げているのはあくまでここに書かれておりますように例えばという事例でございますので、ご指摘いただいた場合も含めて、読めるような形のことを考えておるところでございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

今の堀委員の2点目のキャッシュアウトに関係するところで、今、ご指摘いただいたところ、具体的にどういうサービスなのか、まだいま一つイメージが湧かないところもあります。

現金を払い出すという場面なのか、あるいは、インターネットバンキングのように、どこか別な口座に送金するようなことであるのか、おそらくいろんなケースがあって、資産運用のことでいうと、引き出すというよりは、別の口座に要するに送金をする、それをおそらくお客さんの同意も得た上で、中間業者という表現がいいのかどうかわからないですけど、中間的な業者も関与して処理するということかと思いました。インターネットのサービスなどを使うときに、例えば証券会社の口座に銀行口座から送金をするときに、証券会社の画面を見ると、銀行のインターネットバンクの画面に飛ぶようになっていて、飛ぶことによって送金をするとか、いろんな形態があるんじゃないかと思います。

そういう形態というのはおそらく今後もどんどん出てくるのではないかと思われるところ、そういうものを含めて、中間的な業者として捉まえるのか、あるいは、キャッシュアウトサービスの延長と捉まえるのか、我々も頭の整理は引き続きやっていきたいと思っております。

堀委員のご発言に限らず、皆様方から出てきた意見の中で、サービスの境目がどういうふうに捉まえられるべきなのか、シームレスになってきているという感じがいたしておりまして、制度的にどう見ていくのか、あるいは、監督の面でどう見ていくのか、あるいは、ビジネスのサイドの観点から、安全性とかセキュリティの観点も含めて、そういう融合するサービスをどう整理していくのか、引き続き検討していく必要があるのかなと感じております。

その観点で、我々も事業者サイドと対話を継続して、こういう問題があるんだ、こういう問題を、こうすれば合理的に解決できるんではないかとか、そういうことは引き続き対話をさせていただいて、いい解決策を見いだしていきたいと思っております。

【森下座長】

よろしいでしょうか。

それでは、いかがでしょうか、ほかのご発言。沖田委員、お願いします。

【沖田委員】

まず初めに、報告書案の取りまとめに関して、非常にすばらしいものだと思いまして、私も先ほどの堀委員と同じでございまして、全ての方向性において賛成させていただくものでございます。

そういう意味では、2点、少し大きな枠組みで意見とお願いを申し上げたいなと思うのですが、1点目は、8ページ目の、幾つかの議員の方もおっしゃられていました業務横断的な規制体系の構築というところに関してなんですけれども、この報告書案の中でも、イノベーションの進展を阻害しないようにというご記載について、今後、検討を進めていくという中に当たっては、ぜひ消費者の利便性の向上というところと、それから、民間の活力を高めていくという方向性ですね。そういったものをそぐようなもの、そぐような過剰規制ではなくて、産業の育成と、その結果として消費者の利便性が向上するといったもの、こういったものをつくられていくというところについて、強く期待したいなというふうに考えております。

もう一点は、30ページ目の第6章、それから、次ページ目の「おわりに」という中でも、繰り返し、継続的にという表現ですとか、それから、官民挙げて実行に移していくというような表現がございますけれども、これは従前からの議論のとおりで、やはりこういった分野というのは非常に産業の進展ですね、動きの早い分野でございます。それから、いわゆるFinTechというものについてはむしろここからスタートしていくというような段階でもございますので、この報告書案にありますように、継続的、それから、前向きな議論の場というのを今後も持っていただくようにというところを期待したいと思います。

どうもありがとうございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

戸村委員、お願いします。

【戸村委員】

ありがとうございます。私も沖田委員に続きまして、6章についての感想を述べさせていただきたいと思います。

私も、ほかの委員の皆さん同様、報告書の全体の方向性については異論がありません。特に銀行業務のアンバンドリング化が進んでいく中で、横断的な規制体系が必要という視点については特に重要な点かと思います。

私、この点と、6章に関連した感想を申し述べさせていただきたいんですが、この銀行業務のアンバンドリング化に対応する点としては、今回のワーキング・グループでは一定のレベルでの法制度の変更、もしくは、改善というようなものが議論の中心であったと思いますけれども、今後は、リテールのみならず、決済システム全体を見通したシステムデザインもこのアンバンドリング化というものが政府側に要求していくものではないかというような感想を持ちました。

一例としては、中央銀行の取引相手というのは基本的には預金取り扱い機関でございますけれども、今後、アンバンドリング化の中で、従来の銀行業務の一部を担う新しい決済サービス業者にも日本銀行との取引を許すべきなのかという問いは、今後の資金決済業の発展も見ながら、事業者との対話を踏まえて、公共政策的観点から継続的に検討されるべきだろうと思いました。

もう一つの例としましては、APNのような国際決済ネットワークの形成に当たっては、もちろんここの場で議論がありましたように、ACHの接続というものも大変重要でございますけれども、ACHの決済尻をどのような通貨で決済するのかというのも重要な点だと思います。そういう意味では、ホールセール、リテール一体として、民間事業者の努力をどのように援護できるのかというものも、そういう視点も必要じゃないかと思いました。

今申し上げたのは、こうするべきだというよりも、単に例に過ぎませんので、今後はホールセール、リテールと分けないで、銀行間、ホールセール、リテール、一体として、日本の決済システムの改善を進めていくという視点が必要かと思いました。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。鳥海委員、お願いします。

【鳥海委員】

私も報告書の書きぶりについては特段意見はございませんが、その上で、3点ほどコメントをさせていただきたいと思います。

21ページの第4章でございますけれども、ここは全銀システムを中心とした決済機能の強化について取り上げていただいておりまして、XML化ですかと、国際フォーマットに関する論点整理など、いずれも私どもの協会の会員、外国金融機関にとっても関心の高い分野でございます。

中でも、この非居住者口座に係る円送金の効率性の向上という点につきましては、早ければ平成28年度中、来年度中にも取り扱いを開始するということでございますので、私どもとしましても、全銀ネット様、あるいは、財務省様をはじめ、関係省庁様ともご相談をさせていただきながら、決済の高度化に少しでも貢献させていただければというふうに考えております。

2点目は、25ページの第5章でございまして、仮想通貨に関するものです。今回、法定通貨との交換所に着目した規制の枠組みが導入されることで、第一歩を踏み出したということだと考えております。仮想通貨につきましては、現在、主に決済機能、それから、若干、投資というんでしょうか、資産保有の機能というのも着目されているわけですが、仮想通貨を用いた預け入れとか与信行為も可能だと存じます。このあたりは、前回、私、欠席いたしまして申し訳ございません。たしか翁委員からもこういった趣旨のご発言があったというふうに伺っておりますけれども、このように、与信、預金金融機関に類似の機能も発揮し得るということだと存じますので、仮想通貨で完結する経済活動の中で、利用者保護の観点から何か懸念すべき点はないかどうか、今後留意していく必要があるのではないかなというふうに考えております。

また、法定通貨でいうところの通貨の製造費とか、あるいは、発行益、シニョリッジと申していますけれども、こういったものが果たして仮想通貨の世界の場合に、どのように負担されたり、分配されているのか。社会構成の観点とか、あるいは、利用者の保護の観点から問題はないのか。こういった論点も今後、検証課題として浮上してくるのではないかなというふうに考えております。

3点目は、先ほど……。その前に、仮想通貨の絡みでもう一つだけ補足しますと、これは金融規制と申すよりも、主に税制の文脈での問題だとは思うんですが、OECDが主導する形で、CRS、共通報告基準という制度が今後導入されることになっておりまして、我が国においても、金融機関から、非居住者顧客が保有する金融資産について、税務当局にデータを報告するといった制度が開始することとなっておりますけれども、この名宛て人、規制の名宛て人は金融機関でございまして、そうしますと、現在、金融機関で仮想通貨を預金として受け入れているということはないと理解しておりますので、仮想通貨で持っている部分の金融資産については報告漏れが起きるということになります。

特にマイナーというんでしょうか、発掘者と言われるような方々は、必ずしも交換所を経由する必要はございませんので、彼らの保有高は少なからずこの捕捉ネットから漏れてしまう。交換所を仮に規制の名宛て人としたところで、おそらく必ずしもカバーできないのではないかなというふうに考えられます。

したがいまして、今回は報告書の中では触れておられません、いませんけれども、保管所に、あるいは、その類似した機能を果たすエンティティについても規制の視野に入れる必要があるのかどうか、こういった点についても今後検証していく必要があろうかと考えます。

3点目は、先ほど、長楽委員がおっしゃったポイントについてのコメントなんでございますけれども、スタディ・グループのときから、たしかリスクに応じためり張りのあるルールづくりといった考え方が事務局の資料にも記されていたというふうに思います。先ほど、1件当たり2万円程度というふうにおっしゃられまして、実は私どもの会員銀行でも、クロスボーダーの小口送金をなりわいとしている会員がございまして、そこでも大体1件当たりの平均金額は5万円程度でございます。ですので、おそらく全ての送金取り組み件数のうち、100万円に張りつくとか、それを超えて送金したいというニーズは、数としてはそんなにないんだろうというのが実感でございます。

実際に私ども、調べたところ、例えばマネーグラムの全世界のいろんな拠点での送金限度額というのはおおよそ大体1万米ドル、日本円ですると今でいうと120万円程度ということでございますので、クロスボーダーの文脈に限って申しますと、日本だけ、そこのバーを上げることにはほとんど意味がないのかなと考えております。あるいは、国内の文脈でおっしゃられているのかなとも拝察いたしますけれども。

それから、手数料をG20で5%程度といったところまで引き下げるべしといったメッセージが出ているということでございますけれども、これはおそらくファイナンシャル・インクルージョンの文脈でそういったメッセージが出されていると理解しておりまして、要は、全世界で銀行サービスを享受することができないような方々にアフォーダブルなサービスを提供するという趣旨でございまして、例えばよく知られている例としては、ケニアのエムペサとか、要はもう我が国で登録している資金移動業者よりもっと先に行っているサード・ジェネレーションみたいなテクノロジーのプロバイダーさんたち、こういった方々がそういった低廉な価格でサービスを提供し得るんだと思いますけれども、おそらくそういったコンテクストで、このG20コミュニケというのが書かれているはずでありまして、その辺はよく問題点というか論点を整理して、ぜひご検討、検証をしていただきたいなというふうに考えております。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。翁委員、お願いします。

【翁委員】

私も今回のこの取りまとめにつきましては、今の非常に大きく動いているITの分野の動向や国際的な動向を踏まえて、イノベーションをサポートするという方向で対応を進めるという、そういう考え方が底流しているレポート、報告書だと思いますので、この点については私としても賛同したいと思います。

特に最後の第6章のところでございますけれども、やはりこれから、特にこのセキュリティの分野などにつきましては、やっぱり先進的な技術革新とか、あと、特にビッグデータというか、データの分析でどういうふうに安心を確保できるかというような、そういった取り組みというのが非常に重要だというふうに思っております。

ですから、そういった重要性が、規制で安心を確保するということと、それから、いろいろなイノベーティブな技術革新やデータによる分析と、この相対的な位置づけが非常に変わっていくというふうに思っておりますので、どういうレギュレーションがいいのかということを、まず、そういうのを生かしながらやっていくレギュレーションというのを考えていただきたいなというふうに思っております。

それから、先ほどからいろいろな方がご発言されていますけれども、やはりこの分野はどんどん多様なビジネス・モデルが継続して出てくるんだろうというように思っております。そういう意味で、多様なビジネス・モデルの継続的な出現ということを前提として、どういうレギュレーションを考えていくか、ダイナミックで柔軟な規制ということを志向していくということがとても大事なのではないかというふうに思っておりますので、そういった方向でぜひお取り組みをお願いしたいなというように思っております。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。それでは、牧野委員、お願いします。

【牧野委員】

どうもありがとうございます。私としては、企業の勤めている者として、感謝の弁を申し上げたいと思います。

安全、安心を前提としたという条件ではあると思いますけれど、効率性という面でとてもいろんな観点でポイントを入れていただいて、例えばCMSのところについては、邦銀の高度化といったところ。

ただ、ここについては、ちょっと私の発言がちょっとここの文章にちょっと書いてありますけど、最近聞いた邦銀さんの話でいくと、例えばプーリングについても、逆時差対応ができるようになっているとか、この数年においてはかなり投資もしているというような話もありますんで、格差というのが大分縮まっているというような話は。ただ、それは実際、仕組みはつくったけど、それをユーザーがどなたが使うかといったところまでは行ってないという話は聞いていますけど、大分そういったところで邦銀さんのほうも一生懸命頑張ってくださっているという話を伺っております。

第2点目としましては、その法規制のところで、貸金業だとか外為報告等々についても、いろいろな点で、自動で流れるだとか、そういった点というのを書いて、こちらに書いていただいているように、それもすばらしいなと思います。

最後の決済インフラのところで、前回のこういった会合のときも言わせていただいたんですが、やはり一番初めに書いてあるXMLというのはとてもやはり企業側としてはかなり効率的になる。それは、例えばうちみたいな業界だけじゃなくて、実証実験の中の一つの業界団体でいくと、自動化で90%以上削減するというような、90%といえば、例えば10人でやっていた仕事が1人でできてしまうだとか、そういうような形も出ているんで、ぜひとも、こういったことをやりながら、効率性だとか追求できたらいいなというふうに思いました。

金融庁及び全銀協の会長行様も含めて、いろいろここはいろんなディスカッションがあって最終的にこうなったと思いますが、ほんとうに感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。與口委員、お願いします。

【與口委員】

すみません、取りまとめ、ありがとうございました。特にこの報告書の中身に異論があるわけではございませんので、特に発言というよりも、委員として最後に感想的なことで大変恐縮なんですけれども。

この中で、いわゆるリテール分野についての部分でございますけれども、どうしてもリテール分野ですと、金流に関する、金流に所属されます事業者さんと、それから、商流の分野の事業者さんと何らかの関係性を持っていく必要がでてくる、顕著なのは加盟店契約であるとか利用契約のようなものかもしれませんけれども、そういったようなものを、持たざるを得ないというか、持っているとみなされるような状況というのが出てくるかというふうに思います。

そのときに、やはりもう再三出ていますけれども、大多数の利用者の方というものの利便性と、それから、もう一つ、コストというものの考え方も重要ではないかなというふうに思います。非常に大きな規制が課されれば、重い規制が課されれば、事業者に対してやっぱりコストが発生しますので、それはめぐりめぐって利用者の方に返ってくるというようなこともございますので、そういう点からも、十分に配慮されたほうがいいのではないかというふうに思ったりしております。

それから、ちょっと例はよくないのかもしれませんけれども、報告書の中で、今後、携帯電話を利用した送金サービスのようなものを考えられていく、検討されていくというようなことがあります。こういうときに、例えば同じように携帯電話というものについて言うと、これは人様の話なので、我々が言うのもあれなんですが、キャリア決済というような形で呼んでおりますけれども、携帯電話の料金と一緒にいろんなコンテンツの利用料金を引き落とすというようなサービスでございますけれども、こういったほかの業態の事業者さんが取り組まれているような類似性のあるサービスがある中で、送金業対してある種の規制をかけていくと、そちらのサービスにも影響を与える可能性というのもやっぱり出てくると思いますので、この報告書に出てくる人たちだけではなく、それ以外の業態、業種、それぞれの関連する分野にどういう影響があるのかという点も十分ご配慮いただいた上でご検討いただけるといいのかなというふうに思ったというところでございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。廉委員、お願いします。

【廉委員】

取りまとめほんとうにご苦労さまでした。ありがとうございました。

全体として、それほど違和感はありませんが、ちょっと気になっているのは、19ページのでんさいのところのマル1マル2にかかわる話です。まず、マル1には、電子記録債権の電子債権記録機関間の移動を可能とする制度整備とあります。ただ、全国銀行協会が設立したでんさいネット以外の3メガバンクが設立した3つの電子債権記録機関は、支払い企業と納入企業は同じ銀行と取引を行っているので、事前に支払い企業の審査を終え、当該電子記録債権を持つ納入企業である顧客に対して無審査で電子記録債権を買い取りますとセールスできます。しかし、電子債権記録機関間での移動が可能となりますと、支払い企業と納入企業の取引銀行は、必ずしも同じ銀行とは限らなくなるなり、無審査ではなく、審査する場合が発生します。

そうなると、支払い企業や納入企業と取引銀行の間で、“そもそも無審査じゃなかったのか”と言ったトラブルが起こり得ますし、既存の電子記録債権を活用したビジネスモデルが毀損しかねないということになります。こういった事態をまねかないような配慮が必要ではないかと考えます。

次にマル2のでんさいファクタリングの導入です。ここではファクタリングサービスとありますが、ファクタリングというのは平たく言えば融資です。従って、融資が発生するとなると、さまざまな管理体制が必要となりますので、こういったことをしっかり意識して行っていただきたいと思います。

最後に、1つちょっと気にしているのは、先週、バーゼル委員会から、信用リスクの標準的手法の見直しの第2次案が出ましたが、その中で、いわゆる預金当座貸越の空き枠について、コミットメントラインの空き枠と同等のリスクウエートがかかることになっていると私は承知しております。この見直しは、この電子記録債権にも影響するのではないかと懸念しております。

つまり、通常、3メガが運営する電子記録債権機関が扱う電子記録債権の場合、支払い企業に対し、電子記録債権を発行できる極度を設定をしていると思いますが、その極度設定の仕組みによっては、預金当座貸越と同等と看做され、支払い企業に設定した極度の空き枠にリスクウエートがかかる可能性があるのではないかと思っております。こうした点にも配慮しなければならないと思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

あとはいかがでしょうか。鳥海委員。

【鳥海委員】

先ほど、堀委員が、もう一つのワーキング・グループ、あり方ワーキング、金融グループのあり方に関するワーキングについて言及されましたので、私、1点だけちょっと気になっている点ついて、事務局にお尋ねさせていただきたいんですけれども。

基本的に、報告書案は了承されたと理解しておりますので、特に内容については違和感はないんですが、金融グループ、持ち株会社形態を主とした金融グループを想定した場合に、その共通、あるいは、重複業務について、これを集約するとか、あるいは、FinTechと称されるようなノンバンクについての個別認可方式といったものが書き込まれている一方で、これは報告書のほうでいうと、11ページの2.、あり方ワーキングのほうの報告書の11ページの2.ですけれども、IT・決済関連業務の出資の容易化、それから、13ページのほうになりますと、銀行グループの内外の決済関連事務等の受託の容易化という文面で、いわゆる従属業務の中のそのIT・決済業務について、他グループからの受託も受け入れられるというふうに書かれているわけなんですが、この後者の従属業務の文脈の中でおっしゃられる場合に、ここには今、このこちらのワーキングで議論しているようなFinTech、最先端のFinTech業務というのも、他グループとの間で協業といいますか、することが許されているのかどうか、そこをお尋ねしたいんですけれども。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

まず、今のお話、ほかの委員の方々には十分におわかりいただけないところもあったかと思うので、まず、鳥海委員のご発言、私なりにかみ砕いて、背景をご説明申し上げますと、金融グループを巡る制度のあり方というもう一つのワーキング・グループにおきまして、銀行による戦略的なIT投資を容易にする、そういった文脈で、昨日、審議を行ったのですが、その際に、報告書案の段階で2つの話がございました。

1点は、銀行を中心とする金融グループが、子会社として、あるいは、関連会社として出資できる範囲が限定的になっております。それは法令で限定されておりまして、例えば、従属業務を行う会社があります。従属業務というのはイメージ的には銀行の業務を下請するようなもの、例えば、システム関連の管理ですとか、そういうものが従属業務に入っています。

銀行は、本来であれば、一般事業会社に5%、持ち株会社であれば15%までしか出資できないところを、従属業務に当たるとするならば、100%まで出資できるという枠組みがあります。

ただ、FinTechの進展を考えると、もう少し柔軟にITベンチャーなどへの出資ができるようにということで、銀行業務に資するようなもの、あるいは、その資する可能性のあるようなものについては、金融当局の認可を受けて、柔軟にこの出資ができるような道を広げていくことが必要ではないかというのが、1点目の話としてありました。

もう一つとしまして、従属業務の内容なんですけれども、システム関連の管理というもの、あるいは、従属業務には例えば労働者派遣なども入っているんですけれども、労働者派遣とかシステム管理とは、よく考えてみると、銀行業務そのものとは相当程度遠いものであります。

何ゆえに、グループ内の子会社で行うことができるかというと、銀行とのある程度の一体性が求められる必要があるんではないかということで、収入依存度規制と言われている規制が設けられております。これは、従属業務を行う子会社の収入に占める親銀行グループからの収入が50%以上であるということ、これが収入依存度規制として求められています。

足元の状況を見ると、例えばシステム投資などでも、ITの進展を踏まえると、かなり、今後、費用の負担もかさむ可能性があると。ただ、ITのようなものについては、例えば、規模の経済性が働いて、初期投資が多額であっても、その後、いろんな人が利用して加わってくることになれば、1件当たりのコストは低減していくということを考えると、親銀行グループからの収入が50%以上というような収入依存度で一律に規制すると、かえって戦略的なIT投資が進まないのではないか。ゆえに、IT投資的なものについては、50%という収入依存度を緩和することが適当ではないかと、2つ目の話が出ました。

そこで初めてご質問のところに戻るんですけれども、決済の関連では、おそらくいろんなものが考えられるのではないかと思います。従属業務は限定列挙されていまして、システム管理とか、労働者派遣などが対象となっておりますが、そういうものであれば、従属業務として、収入依存度規制のもとで行うことができ、ただ、その収入依存度規制について、ITの投資の関連するようなものについては、50%という数字を引き下げていこうという方向性にあるということです。

この場で議論している話というのは、決済に関連するものということでも、銀行がやっているものがあれば、ノンバンクがやっているものもあり、さらに、その内容を見ると、投資が必要なものもあれば、取り次ぎだけをやるような形態のものもあると思われます。

多分さまざまなものがありますので、ご質問についてストレートにお答えしがたいところもあるんですけれども、収入依存度規制の緩和に関連するものもあれば、必ずしも関連しないものもあるんではないかと思っています。

うまい説明ができたかどうか自信がないんですが、もし必要とあらば、また改めてご説明申し上げます。

【鳥海委員】

ご丁寧なご説明、ありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございました。

いかがでしょうか。この報告書に関連して、何かほかにご意見、ご発言などございましたら。よろしいでしょうか。

何人かの委員の方々からもご発言がありましたように、今回の報告書は、これで作業が終わりましたというような性格のものではなくて、この報告書をきっかけにして、いろいろ継続的に戦略的に取り組みを進めていかなければいけないという性格のものだと思います。官民協力が大事だというお話がありましたが、研究者もしっかりと努力をしていきたいと思っておりまして、仮想通貨の件など、検討が必要な部分も多々あろうかと思っております。

そういった観点から、本日も多くの大変有益なコメントをいただいたのではないかというふうに考えております。今後、環境も変わってくると思いますので、官民、プラス、研究者も含めて、緊密で建設的な対話を重ねていくということが非常に重要なのではないのかなと感じております。

報告書の内容につきましては、幾つかのコメントを頂戴いたしましたけれども、おおむねご賛同いただいたと理解をしておりますが、そのような理解でよろしいでしょうか。

そういたしましたら、最終的な多少の修文ですとか、あるいは、てにをは等の表現ぶりにつきましては、座長であります私に一任していただきまして、必要に応じて修正したものをもって、本ワーキング・グループの報告書という形で取り扱わせていただきたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

あと、あわせて、公表などの取り扱いにつきましてもご一任をいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

本ワーキング・グループにつきましては、本年7月23日以来、7回の会合を重ねてまいりました。メンバーの皆様方には、大変ご多忙のところ、精力的なご議論を賜りまして、まことにありがとうございました。

座長として、不手際もあったかと思いますが、皆様のご協力があって、非常に充実した議論を検討を重ねることができたのではないかと感じております。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

それでは、事務局のほうから何か連絡事項がございましたら、お願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

特にございません。

【森下座長】

よろしいでしょうか。

それでは、以上をもちまして、本日の決済業務等の高度化に関するワーキング・グループを終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3684、3570)

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