第35回金融審議会総会・第23回金融分科会合同会合議事録

  • 1.日時:

    平成27年10月23日(金)10時30分~12時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

○岩原会長

ただいまから、第35回金融審議会総会・第23回金融分科会合同会合を開催いたします。

本日は、皆様お忙しいところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

最初に、開会に当たりまして、麻生副総理・財務大臣・金融担当大臣よりご挨拶をいただき、それに引き続き本審議会に対する新たな諮問をいただきたいと存じます。大臣、よろしくお願い申し上げます。

○麻生大臣

この度、金融担当大臣を拝命いたしました麻生太郎です。よろしくお願い申し上げます。

委員の皆様方には、常日頃から審議会のご審議にいろいろご尽力をいただき、まことにありがたく御礼を申し上げる次第です。

ご存じのように、安倍政権におきましては、資産デフレ不況からの脱却に向けた動きを確実なものとし、持続的な経済成長を実現するため、新たに6月に、『日本再興戦略』改訂2015を閣議決定し、さらに先日、新たに3本の矢を放つということを発表いたしております。新しい第1の矢に、希望を生み出す強い経済ということを挙げております。その中で、金融庁の役割は、9月に発表いたしました金融行政方針でも示しておりますように、経済の持続的な成長を金融面からも支えていくということであります。

振り返ってみますと、大変長く続きました資産のデフレーションによる景気の低迷、また、既にだいぶ状況は変わりつつありますけど、長く続いた資産のデフレに伴って起きた債務負担の増大によって、企業においては借入金の返済を最優先し、もって内部留保、なかんずく現預金によります内部留保を大変厚くする、また、家計においても貯蓄が現預金として眠ったまま置かれているという状況が長く続いております。これは他の先進国なんかに比べても、極めて現預金の比率が高いということははっきりしております。これからは、魅力と活力、そういったもののあります金融市場のもとで、企業経済の持続的な成長と家計の安定的な資産形成に資するような資産の流れが強まっていくように我々は対応していかねばならんところだと思っておりますし、また、その方向に行くように考えねばならんと思っております。

投資の促進に向けましては、投資される企業が魅力的なものであるということは当然ですが、市場が公正で透明なものでなければならんということもはっきりしております。このために、投資家が必要とする情報を適切に開示していくことが極めて重要であろうと存じます。ご存じのように、会社法、金融商品取引法、東証等の証券取引所上場規則が、3つあるわけですけれども、こういったものをうまくどうにかならんのかという議論は昔からあるところでありますが、そういった観点からも、これを一緒にするというわけにはなかなか難しいので、金融審議会の皆様で、ぜひそういったことを考え合わせた上で、新たに検討をいただきたく存じます。

それでは、金融審議会に対して、諮問を申し上げます。

金融審議会、会長岩原紳作殿。

金融担当大臣麻生太郎。

金融庁設置法第7条第1項第1号により下記のとおり諮問する。

企業の情報開示のあり方などに関する検討。

企業と投資家の建設的な対話を促進する観点も踏まえつつ、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するための情報開示のあり方等について幅広く検討を行うこと。

よろしくお願い申し上げます。

(諮問書手交)

○岩原会長

どうもありがとうございました。

麻生大臣は所用のため、ここで退席されます。麻生大臣、どうもありがとうございました。

○麻生大臣

ありがとうございました。

(麻生大臣退室)

○岩原会長

続きまして、牧島内閣府大臣政務官よりご挨拶をいただきます。牧島政務官、よろしくお願い申し上げます。

○牧島政務官

皆様、おはようございます。このたび第3次安倍改造内閣におきまして、金融庁担当の大臣政務官を拝命いたしました牧島かれんと申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、委員の皆様におかれましては大変お忙しい中、このように金融審議会総会にお運びいただきましたことを心から感謝を申し上げます。

日本の経済は、アベノミクスの3本の矢の実行により、企業収益の増大、そして雇用・所得環境の改善など、着実に回復基調にございます。引き続き、持続的成長に向けて経済再生に全力で取り組むべく、新3本の矢を放ちます。

金融庁としては、ただいま麻生副総理がおっしゃられましたとおり、アベノミクス、新3本の矢を金融面から支えていかなければなりません。特に地方創生の観点において、金融の役割は大変重要なものであると考えております。全国津々浦々にまで必要な成長資金が行き渡るように、地域経済の成長のパートナーとしての地域金融機関、そして地域への資金の流れを促進する金融市場が、十分に役割を果たすことが期待されております。

皆様におかれましては、適切な金融行政の実現、ひいては日本経済のさらなる発展に向けてご所見をお聞かせくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

○岩原会長

牧島政務官、どうもありがとうございました。

それでは、カメラの方々はご退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○岩原会長

それでは、議事に移ります。

まず、事務局に異動がございましたので、企画課長より紹介させていただきます。

○松尾企画課長

企画課長の松尾でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

委員の皆様方から向かいまして中央、今ご挨拶をいただいた牧島政務官の左側から順に、総括審議官の小野でございます。

○小野総括審議官

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

監督局審議官の西田でございます。

○西田監督局審議官

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

総務企画局参事官の白川でございます。

○白川参事官

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

総務企画局総務課長の栗田でございます。

○栗田総務課長

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

総務企画局政策課長の井藤でございます。

○井藤政策課長

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

総務企画局参事官の油布でございます。

○油布参事官

油布でございます。よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

次に、私の右側、総務企画局長の池田でございます。

○池田総務企画局長

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

審議官の長谷川でございます。

○長谷川審議官

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

審議官の森田でございます。

○森田審議官

森田でございます。

○松尾企画課長

参事官の中島でございます。

○中島参事官

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

信用制度参事官の佐藤でございます。

○佐藤信用制度参事官

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

市場課長の齋藤でございます。

○齋藤市場課長

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

企業開示課長の田原でございます。

○田原企業開示課長

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

調整室長の錦織でございます。

○錦織調整室長

よろしくお願いいたします。

○松尾企画課長

保険企画室長の曲淵でございます。

○曲淵保険企画室長

よろしくお願いします。

○松尾企画課長

以上でございます。

○岩原会長

それでは、まず、資料1の決済業務等の高度化に関するワーキング・グループの審議状況について、事務局の佐藤信用制度参事官より、ご報告をいただきたいと思います。

○佐藤信用制度参事官

それでは、私からご説明を申し上げます。配付資料、資料1と右肩に書いておりますが、この1枚をおめくりいただきたいと思います。

金融審議会「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」が、昨年の9月、金融審議会総会で金融担当大臣からの諮問がございました。諮問内容をここに記載しております。「決済サービスの高度化に対する要請の高まり等を踏まえ、決済及び関連する金融業務のあり方並びにそれらを支える基盤整備のあり方等について多角的に検討すること」という諮問でございました。

この諮問を受けまして、スタディ・グループが設置され、スタディ・グループの座長には、当審議会会長であります岩原紳作先生にお願いをいたしたところでございます。メンバーとしまして、金融関係、学識経験の方、また、ユーザー的なところで、例えば事業会社の方、あるいは商社系関係の方々などに広くご参画をいただきまして、決済サービスを巡る状況について検討を行ってきたところでございます。

もう1枚おめくりいただきたいと存じます。このスタディ・グループの開催状況につきまして、ここに簡単にまとめております。昨年10月以降、昨年末まで各方面からのヒアリングを中心に議論を行ってまいりました。このヒアリングの中では、最初の第1回ではリテール、第2回目以降では銀行関係、また全銀システムですとかキャッシュマネジメントサービスといったこと。また、我が国のみならず、諸外国の状況等も含めて、決済に関して足元で生じている動向、状況変化、また具体的に新しいサービスがITなどを活用してどのように展開をされているのか、こういったことを中心に幅広く有識者の方々から意見を聴取し、そして意見交換を行って論点整理を進めてきたところでございます。

年末までヒアリングを行ってまいりまして、年明け第9回からは、ヒアリングを通じて出てきた問題につきまして、ある程度論点を区切りましてご審議をいただいてまいりました。その中では、例えば第11回目にありますような欧米の決済サービスに関する法制度、あるいはインフラ等の見直しの状況などのご紹介もさせていただきながら議論を行い、4月に中間整理の公表に至ったところでございます。

もう1枚おめくりいただきたいと思います。ここで中間整理の概要を簡単に1枚にまとめております。中間整理そのものは大部にわたるのですが、主なポイントだけを記載しているものでございます。

まず、左の上のところにリテール分野を中心としたイノベーションという記載がございます。金融とITの融合、最近よく言われておりますFinTech、ファイナンスとテクノロジーをかけ合わせた造語が幅広く使われているなど、金融とITの融合が進展している。ITを活用した新しい決済業務やサービスのイノベーションが加速しているという状況。また、この決済を起点として新たな金融ビジネスを展開する動きが拡大しているのではないかという、まず状況のまとめでございます。

具体的にイノベーションとか新しいビジネスというところで、ご承知とは思いますが、例えばモバイルウォレットなり、あるいは携帯電話を活用した送金とか、従来の金融業者とお客さんの間を取り持って仲介するような新しいビジネスなど、ITの進化を利用して、さまざまなものが生じているということでございます。また、こういったさまざまなサービスが展開される中、従来の銀行業務のアンバンドリング化が展開して進んでいるのではないかといったようなご指摘もございました。

こういった状況変化を踏まえ、その下の矢印、下のところでございます。中間取りまとめとしまして、まず、多様なプレーヤーが参加する中で、競争的にイノベーションを促進することが求められるのではないか。銀行サイドでもITベンチャーとの連携など、いわゆる自前主義を脱してオープンイノベーションを重視した体制とビジネスモデルを構築し、戦略的にITの取り込みを図ることが重要ではないかということでございます。

そのお隣、真ん中ぐらいにありますが、今度は企業の成長を支える企業向けのサービスの高度化ということでございます。まず、現状認識として、企業経営においてキャッシュ・マネジメントや債権管理が重要な要素になっていて、これが国際的な競争力を高める上で重要なのではないか。他方、キャッシュ・マネジメント・サービスを見ると、欧米の銀行が先行している面がかなりあるのではないかという指摘がございました。

これを受けまして、その下のところでございますが、邦銀、特に主要行では、キャッシュ・マネジメント・サービスの強化に向けて、利用企業のニーズを酌み取りつつ、キャッシュ・マネジメント・サービスの経営戦略上の位置づけを明確化することが重要ではないか。また、電子債権記録機関、いわゆるペーパーベース的なものなどの手形を電子的に処理しようという機関でございますが、これの相互接続を図るなど、電子記録債権の活用促進策を検討することも重要ではないかという指摘がございました。

そのお隣、決済インフラの改革のところでございます。まず、現状認識としまして、金融・ITの融合が進む中、決済インフラについて念頭に置いていますのは、金融機関と金融機関の間をつなぐような決済上のインフラでございますが、銀行業務の将来像を見据えた戦略的な取り組みが重要なのではないか。他方、改革の広がりやスピード感が不足しているとの指摘がございました。

これを踏まえ、その下でございます。国内外を通じたシームレスな決済インフラの提供が重要なのではないか。例としまして、主立ったところでございますが、例えば国内送金と国際送金におけるフォーマット項目の統一などを検討することも必要ではないか。また、決済インフラの機能拡大・高度化を図ることが重要。例えば送金時の電文に、情報量に富んだフォーマットの導入を検討することによって、送金に伴う情報を広く活用するということも検討が必要なのではないかということでございます。

そのほか、多々観点があるんですが、下のところに主立ったところだけまとめております。決済高度化に向けて以下の観点も重要ということで、システムの安定性、また情報セキュリティ、イノベーションの促進とそれに相反する形の利用者保護の問題もあると。

その下に、今後の審議ということが書いております。中間整理を行いまして、一応スタディ・グループの審議に区切りをつけ、「スタディ・グループ」を改組して「ワーキング・グループ」を設置し、ワーキング・グループにおきまして、包括的な改革のためのアクションプランの策定や、必要に応じた法制面の検討を行うということで中間整理がなされたところでございます。

もう1枚おめくりいただきたいと思います。4ページにスタディ・グループからワーキング・グループに改組されまして、その後の開催状況、審議状況を簡単にまとめております。本年3月の金融審議会総会におきましても、中間整理で示された課題について、より深度ある検討を行うため、ワーキング・グループに改組するという方針が示され、7月からワーキング・グループの審議を開始し、特にリテール、ホールセール、決済インフラという、先ほど私がご説明しましたこの3分野を中心に、戦略的なアクションプランの策定や必要に応じた制度面の手当てに向けた検討を行っていくことが予定されております。

その下に開催状況を書いておりますが、7月23日に第1回の会合を開催し、中間整理で示された主な課題について改めて整理的にご議論いただき、さらに金融界から決済インフラの見直しの取り組みの状況等をご説明いただきました。第2回は9月15日に開催いたしまして、金融分野におけるイノベーションの重要性と決済を巡る法体系のあり方、さまざまなサービスが登場していく中にあって、現在の法体系のあり方がそれと整合的であるのか、あるいはヨーロッパにおいては横断的な法制を検討しているということも踏まえて、今後の法体系のあり方をどう考えるかということについてご議論をいただいたところでございます。

これまで2回会合を開きまして、さらに各論点につきまして引き続きご議論をいただきたいと考えているところでございます。

最後のページは、スタディ・グループを改組いたしましたワーキング・グループのメンバーについてでございます。座長は現在、森下哲朗、上智大学法科大学院教授にお願いをし、各界の方にご参加をいただいているところでございます。

駆け足になりましたが、私からは以上でございます。

○岩原会長

どうもありがとうございました。

引き続き、資料2、金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループの審議状況につきまして、同じく事務局の佐藤信用制度参事官より報告をお願いします。

○佐藤信用制度参事官

それでは、引き続きましてご説明を申し上げます。資料2の表紙を1枚おめくりいただきたいと存じます。金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループについて、本年3月の金融審議会総会におきまして諮問がなされました。この諮問の内容をここに記載しておりまして、「金融グループの業務の多様化・国際化の進展等の環境変化を踏まえ、金融グループを巡る制度のあり方等について検討を行うこと」ということでございました。

もう1枚おめくりいただきたいと存じます。こちらはこの諮問の背景等について簡単に説明したものでございます。内容は多岐にわたりますので、ポイントのみ簡単にご説明を申し上げますと、最初に書いてございます、金融審議会では決済業務の高度化についての審議が進められているが、そこでの議論を通じ、こうした問題が金融グループのIT戦略、さらにはグループ全体の経営戦略の問題と密接不可分であることが認識され、また、足許、金融グループの多様化・国際化が進展している。こうした中で持株会社その他の金融グループを巡る現行の制度がこれらの実態に適合しているかどうかといった背景がございました。これを踏まえまして、その下、真ん中ぐらいに箱が書いておりますが、金融グループにおいて、持株会社がより一層実体を持った中核的な存在として機能を発揮することを可能とし、またグループ全体での柔軟な業務展開を可能とするため、金融グループを巡る制度のあり方についても検討が必要ではないかという背景があり、諮問がなされたということでございます。

その次のページ、3ページをお開きいただきたいと存じます。金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループの委員の方々のメンバー表を記載しております。座長につきましては、岩原金融審議会会長にお願いをしているところでございます。また、メンバーとしまして、金融関係、学識関係、その他さまざまな観点から有識者の方々にご参画を頂いているところでございます。

もう1枚おめくりいただきまして、4ページにお進みください。開催状況を記載しております。第1回から第5回にかけましては、主に事務局からの説明やヒアリングを中心に審議を行ってまいりました。ヒアリングの中では、例えば第2回は3メガバンクグループの状況について、第3回で地域金融機関の状況、第4回で外国銀行の状況、また、第5回では商法系の先生から金融グループのガバナンスと会社法との関係の諸論点についてご説明をいただきました。こうしたヒアリングを通じまして、各金融グループの状況や、会社法との関係等、いわゆるガバナンスに関するさまざまな論点が提供され、それを踏まえ、第6回の9月18日の会合では、金融グループにおける経営管理のあり方、グループ全体の経営管理、ガバナンスのあり方等についてご議論いただいたところでございます。第7回は、一昨日、21日水曜日に会合を行いまして、ここでは金融グループの中におきまして、共通・重複業務――例えば資産運用ですとかシステム運用など――特に最近、地域金融機関で持株会社を活用して経営統合を進めるという動きがある中で、コスト削減やシナジー効果を発揮する上で、共通・重複業務を持株会社や子会社に集約する、そういう必要性が提示され、そうしたときにどういう制度的な問題などを考えるのかということについてご議論をいただいたところでございます。

これまでの開催状況は以上でございまして、引き続き各論点について、ご議論をお願いしたいと考えているところでございます。

駆け足になりましたが、私からは以上でございます。

○岩原会長

どうもありがとうございました。

続きまして、次に大臣から本日頂戴した諮問事項について、事務局の田原企業開示課長より補足説明をお願いいたします。

○田原企業開示課長

それでは、本日の諮問事項に関しまして、私のほうからご説明をさしあげます。お手元の資料3、事務局説明資料(企業の情報開示のあり方等に関する検討)と記載しております資料をごらんいただければと思います。

1ページおめくりいただきまして、『日本再興戦略』改訂2015に即した検討ということになるわけでございますけれども、『日本再興戦略』改訂2015の中の日本産業再興プランの中に、「攻めの経営」の促進という項目がございまして、こちらの中で持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進ということがうたわれているわけでございます。この中で、企業と投資家、株主が建設的な対話を行っていくことが重要であると、このために投資家、株主の保護など幅広い観点から企業の情報開示について、実効的で効率的な仕組みを構築する必要があるというふうにされているところでございます。

こういった問題意識から、開示についても見直しを検討するということになったわけでございまして、先ほど大臣からご諮問いただきましたように、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するために、当審議会におきまして、企業や投資家、関係省庁等を集めた検討の場を設けまして、会社法、金融商品取引法、証券取引所上場規則に基づく開示を検証し、重複排除や相互参照の活用などについて総合的に検討いたしまして、情報開示のあり方について結論を得るということでございまして、今年度中に検討するということが、今年の6月30日に閣議決定をされているということでございます。

このうち、1ページおめくりいただきますと、一番大きな検討項目ということになりますけれども、3つの開示制度の中の重複排除、あるいはどういうふうに効果的、効率的な情報提供をするかということが主な検討内容となるわけでございます。

やや簡潔に整理しておりますので、少し誤解を招くような表になっているかもしれませんけれども、本表に基づきましてご説明をさしあげますと、一番左にありますように取引所規則というものにおきましては、決算短信という書類が開示されるわけでございますが、こちらの目的というのは、重要な会社情報を投資者に適時、できるだけ早く提供するということに主眼が置かれておりまして、例えば計算書類などは監査がされないというような形になっておりますし、書類なども右の2つに比べますと、比較的簡素な内容になっているということかと思います。

それから、会社法に基づきます事業報告、計算書類といった書類につきましては、これは会社法上のシェアホルダー、ステークホルダーであります株主の方ですとか、債権者の方に対する情報の提供ということを目的としているものでございます。

また、一番右側にあります金融商品取引法に基づきます有価証券報告書などでございますけれども、こういったものは、皆様も当然ご承知のとおりでございますが、投資者の投資判断に必要な重要な情報の提供ということでございまして、目的を少しずつ異にしておるということでございまして、内容につきましても、少しずつ異なっている、あるいは開示の仕方についても異なっているということでございます。

一方、こういったことにつきましては、1ページおめくりいただきますと、それをいかに効率的、効果的に提供するかということにつきましては、大臣からも少し言及ございましたけれども、制度上いろいろ難しい面はございますが、もう長く長く検討がされて、実際に実施をされてきて、かなりその重複などは排除されてきたということでございます。

平成に入りましてからも、例えば平成11年の商法改正の際には、金融商品の時価評価制度というものを商法に取り入れることで、証取法との調整を図ったりしておりますし、平成15年の商法施行規則改正におきましては、商法関係の書類と有価証券報告書との記載の共通化ですとか、用語の不一致の解消といったものが図られているものでございます。

また、平成18年には、会社法と会社計算規則の施行がなされましたけれども、この中で有価証券報告書提出会社につきましては、決算公告を不要にする、あるいは計算書類などを、書式ですとか内容を統一化するという取り組みがなされているところでございます。

また、先ほどの表の一番左側の決算短信につきましても、平成19年ですとか平成23年、ここに書いてあるものが全てではございませんけれども、継続的な取り組みとして、例えば平成19年には投資者が必ずしも決算発表時に必要としないと考えられる情報を有価証券報告書に委ねるですとか、平成23年には、決算短信をサマリー情報と添付資料に分離をいたしまして、添付資料の様式を廃止することで、有価証券報告書との記載の共通化を図るというようなことがされたということでございます。

また、金融商品取引法の分野におきましても、例えば平成21年に、皆様ご承知のとおりかもしれませんけれども、株主総会前に有価証券報告書の提出が可能とされましたり、あるいは平成26年は直近でございますけれども、単体情報の簡素化をいたしまして、会社計算規則に基づきまして作成した財務諸表を有価証券報告書に記載することを可能とするというような取り組みをしているところでございます。

しかしながら、これにつきましても、まだ、もう少し工夫ができないのかというお声をいただいているということでございますので、さらに工夫をしまして、一歩前に進めないかといったことを通じまして、先ほど申し上げましたように、攻めの経営の促進ですとか、建設的な対話に貢献できないかという取り組みをお願いしたいということでございます。

また、これにあわせまして、その他、企業開示につきまして幅広いご検討を頂戴できればと考えている次第でございます。

以上、ご説明とさせていただきます。

○岩原会長

どうもありがとうございました。それでは、以上の事務局からのご説明に関しまして、委員の皆様からご意見、あるいはご質問をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

原田委員、どうぞ。

○原田委員

ご説明ありがとうございました。意見といいますよりも、ご検討いただければと思うことが1点ありまして申し上げます。

資料1でご説明いただきました日本でのFinTechに関する議論に関連して、議論は進んでいるかと思うんですけれども、FinTech関連の研究分野としてはあまり蓄積が進んでないように思います。審議会の議事録などを見ていましても、私は専門家ではないというのがあるかもしれませんけれども、審議がどのくらい進んでいるのか、どのくらい検討する事項があって、そのうちのどのくらいが現在検討済みなのかといったところもなかなか分かりにくい面があります。専門家というのはどういう人たちが関わってくるのかということも考えてみたことがあるんですけれども、この分野は学際的な面があるところかなと感じております。先ほど佐藤参事官のほうから「アンバンドリング」という言葉でもご説明がありましたように、さまざまな人がかかわってくる可能性がある、実際に関わっていらっしゃるかと思います。FinTech関連の研究の横断的な情報をどこかに上げていただければ、さまざまな分野の人にとって有益な情報が、例えば1つのサイトから得られるですとか、メリットがあるのではないかと感じた次第です。アンバンドリングした結果タコつぼ化しがちで、参入しにくくなる面がこの分野にあるとすれば、もう少し門戸を広げるような工夫をどこかで考えていただければということを思いました。

以上になります。よろしくお願いいたします。

○岩原会長

はい。佐藤参事官、どうぞ。

○佐藤信用制度参事官

貴重なご意見をありがとうございます。まず、FinTechにつきまして、我々もいろんな角度から勉強しているところでございます。勉強、研究しているところでございまして、FinTechというのは非常に広がりのある概念であろうと思っております。ファイナンスとテクノロジーの融合という点で、新しいテクノロジーもあれば、既存のテクノロジーをうまく活用する、その活用の仕方にまた新味があるようなところもありまして、これが金融にどういう影響を及ぼしていくのか、日常的にもさまざまな方々からお話をお聞きして、あるいは自分たちでもいろんな情報をとって勉強しているところでございます。

その中で、審議会において、例えばFinTechの中では、個別の業者さんの事業に関するお話、個別の事業者の製品などに関連することもあり、どういうふうに取り上げていくのかというのは、頭の整理もする必要があると思っております。

また、情報を横断的にというところ、これもどういう工夫があるのか、考えていきたいとは思っております。ただ、個社の競争上の問題ということもありますので、そこはまた慎重な検討が必要なのかと思っております。

ただ、我々も勉強した成果、また、関係省庁としまして、経済産業省とか、総務省などでもいろんな勉強をしているところでありまして、政府が縦割りになるのではなくて相互に連携をしながら、日本全体としてよりいいものを、なおかつ、より有益な情報発信ということで、いろんな角度から引き続き検討してまいりたいと思っております。貴重なご意見、ありがとうございました。

○岩原会長

はい。家森委員、どうぞ。

○家森委員

ありがとうございます。諮問の件に関してでありますけれども、金融行政方針の4ページに示されているように、今後、企業統治改革を「形式」から「実質の充実」へ向上させていくという観点で、今回、開示について議論していただけるとありがたいと思います。

近年、金融庁さん、あるいは東証さんのご努力によってコーポレートガバナンスコード、あるいは日本版スチュワードシップ・コードなど、いろいろと進展していますが、そういう中で考えると、例えば事業会社の政策保有株式の取り扱いをどういうふうに開示してもらうか、してもらわないかということが、これについては金融機関に関してはかなり進展してきたと理解していますけれども、事業会社についてこれがどういう形で今後進んでいくのかということが一つの論点だと思います。あるいは、スチュワードシップ・コードに関して従来議論があったように、現在は機関投資家は、今年の総会でこういう類いの案件では50件に賛成したといった総数に関する情報を開示されていますけれども、個別の案件についての賛否の開示をどうするかといったことも、もしかしたらこの開示の問題の中に入るのかと思います。

それからもう一つ、ちょっと観点は変わりますが、現在、株主総会について紙ベースでたくさんの資料をいただいているんですけれども、あの資料が果たして必要なのかと言う点の問題提起もしておきたいです。大きなコストがそれぞれの事業会社にかかっているのではないかと思うので、電子化の促進による開示コストの軽減という観点も広い意味で開示の問題に含まれると思いますので、開示の実質的な充実という観点で議論していただければありがたいと思います。

全部、要望でございまして、特段の質問ではございません。ありがとうございました。

○岩原会長

はい。大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

私からも本日諮問いただいた情報開示のあり方に関する検討について、若干意見を申し上げたいと思います。

今、制度が複雑になっておって、ある種の事項については重複感があるとか、場合によっては相互に矛盾まではしていないにしても、技術的な整合性をとるためだけの、企業にとっては無用な手間がかかっているということもあろうかと思いますので、そういった、上場企業等にとって無用の負担をかけているような事項について整理していくということは積極的に検討するべきだと思うんですが、他方で、実質的に投資者の保護という観点から、必要な情報が提供されなくなるようなことはあってはならないと思っております。当然実務に携わる人の中からは、いろんな開示というのは、極端に言えば、全部面倒くさいというふうに言いたくなるような実情もあると思うんですけれども、その面倒くさい手間をかけていただくことによって投資者の保護を図っていくという、法の本来の趣旨が忘れ去られるような検討にならないようにぜひ議論をしていただきたいと思う次第です。

○岩原会長

はい。ほかにいかがでしょうか。特にございませんか。

特にないようでございましたら、どうも貴重なご意見をいただきありがとうございました。決済業務等の高度化に関する検討及び金融グループを巡る制度のあり方に関する検討については、本日、委員の皆様から頂戴したご意見を踏まえて、各ワーキング・グループにおいて議論を深めていただくようにいたしたいと存じます。

本日諮問されました企業の情報開示のあり方等に関する検討につきましては、具体的な検討を進めていくため、ディスクロージャーワーキング・グループを設置したいと存じます。こちらも、本日、委員の皆様からいただきましたご意見を踏まえて議論を進めていくようにいたしたいと存じます。

なお、ディスクロージャーワーキング・グループの座長につきましては、神田臨時委員にお願いしたいと思います。本日、神田委員は所用によりご欠席でありますが、本件につきましてはご本人から事前にご了承をいただいております。

その他のワーキング・グループのメンバーについては、私にご一任いただきたいと存じますが、皆様よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○岩原会長

どうもありがとうございました。

続きまして、金融庁は、このほど、平成27事務年度金融行政方針を取りまとめ公表しております。金融行政が何を目指すかを明確にした上で、幅広い方々との議論を通じてさらなる改善を図るというPDCAサイクルに沿って金融行政を遂行していくものと理解しております。金融行政の大きな方針が示されたということでございますので、この機会に事務局から説明を伺いたいと存じます。事務局の油布参事官より説明をお願いいたします。

○油布参事官

それでは、私からご説明申し上げます。お手元に金融行政方針の白い冊子をお配りしていると思います。この冊子は、真ん中にまさに文章で金融行政方針そのものがついておりまして、それぞれ巻末と巻頭にパワーポイントの資料がついておりますが、本日は巻末のほうのパワーポイントを使ってご説明申し上げたいと思います。

右下にページが打ってありまして、まず目次というところをごらんいただきたいと思います。これは金融行政方針のサマリーでございますが、行政方針自体は、はじめにというパート、それからI金融行政の目的、IIといたしまして、金融行政の目指す姿・重点施策ということで、これは私どもが進める金融行政の中身そのものでございます。そして、IIIとして金融庁の改革、私ども自身のことについても記載をしてございます。順次、ご説明申し上げたいと思います。

1ページおめくりいただきまして、右下のページの2ページ目になります。金融行政方針は、本年度初めて監督機能、検査機能に加えまして、企画・立案機能や、あるいはインターナショナルな交渉といったものも含めて幅広く作成したものでございます。その狙いといたしましては、最初の四角のところにございます、金融行政が何を目指すかを明確にするということで、金融庁がどういうことを考えているのかということを私どもとして明らかにしたいと。その実現に向けて、この事務年度、どういう方針で金融行政を行っていくつもりであるのかということを整理したものでございます。このことによりまして、金融セクターだけに限らずに、例えば経済界ですとか、内外の投資家の方とも、できれば私どもと理解の共有と申しますか、認識の共有を図ってまいりたいと思っております。

記載の仕方も、こういう考え方に基づいてつくりましたので、具体的にいつまでに何をやるとはっきり決めている項目を具体的に書くというやり方ではなくて、ありていに申し上げますと、まだ一種、手探りのような状況のものも、私どもが考えている問題意識を明らかにするという意味合いがあると思いますので、そうしたものも含めて記載をさせていただいております。それから、今、会長からもお話がございましたけれども、この方針についてはPDCAサイクルを回しまして、6月には金融レポート(仮称)という形で、検証、評価を行いたいと思っております。

3ページでありますが、金融行政が何を目指すのかというところを私ども内部で議論を重ねまして、このように整理いたしています。

まず、金融行政を取り巻く環境が急激に変化する、こういった中においても、マル1とございまして、直接金融、間接金融、双方に関することでございますが、質の高い金融仲介機能が景気のサイクルにあまり大きく左右されないで発揮されるようにすること。それから、マル2にありますように、その前提といたしまして、将来にわたり金融機関・システムの健全性の維持でありますとか、市場の公正性・透明性の確保、こういうことを考えています。

究極的には、この2つを通じまして、矢印を書いておりますが、企業・経済の持続的成長、それから家計金融資産などが代表例としてあると思いますが、安定的な資産形成等ということを通じまして、国民の厚生ないし国民の経済厚生の増大をもたらす、これが大事なことであろうと考えておりまして、金融庁としては、こうした姿の実現を目指して行政を行っていくという整理をいたしております。

1枚おめくりいただきまして、4ページは、本日は時間の関係で割愛させていただきます。

5ページ以降に、今申し上げたような行政目的のためにどういうことをやっていくのかということを順次記載しております。

まず、5ページに書いておりますのは、資本市場関係のことについて私どもなりの頭の整理をしております。5ページをごらんいただきますと、上と下に黒い丸が2つございまして、上のほうの黒い丸は、経済の持続的な成長に資するより良い資金の流れ、それから下のほうの黒い丸は、その前提としてということで、市場の公正性・透明性の確保に向けた取り組みを強化する、こういう整理をしております。いわばコインの表裏のような関係であると思います。

その中で、私どもが考える課題と目指す姿というのを資本市場について整理しております。右側の目指す姿というところをご紹介いたしますが、まず家計については、やはりこれはいたずらにリスクをとるべきであるということでは全くございませんが、中長期で分散投資という手法を通じて、もう少し安定的な資産形成の実現が図られるほうが望ましいのではないかと私どもは考えております。

そのためにも、次の段、機関投資家/運用業者というところでありますが、資産運用やリスク管理をもう少し高度化していくような、そのことによってリターンを安定的に向上させるような、そういう姿を目指すべきであろうと考えております。

これを仲介します販売会社、3つ目の欄になりますが、銀行、証券、保険会社等と書いてございますが、こちらも真に顧客のためになるような質の高い金融商品やサービスを提供していただくという姿を目指すべきだろうと思っております。

この結果、市場・経済というところにございますが、リスクマネーの適切な供給が図られたり、株式市場、清算機能の強化も図られる、それからグローバルな金融機関の集積による市場の活性化ですとか、こういった機関の集積に伴いまして、質の高い市場情報も流入してくるという姿を想定しております。

今申し上げました資本市場関係の続きでございますが、6ページ、7ページをお開きいただきたいと思います。6ページと7ページに記載しておりますのは、コインの表側と申しますか、経済の持続的な成長に資するよりよい資金の流れの実現のために、どういうことをやっていこうとしているかということを整理しております。

まず、NISAにつきましては、矢羽根が3つございますが、3つ目をごらんいただきますと、制度のさらなる発展を念頭に置きまして、本事務年度は実際どういうふうに使われているのか、どのあたりに課題があるのか、というふうに利用状況を検証してまいりたいと思っております。

それから、その下の四角のところには、企業統治関係のお話でして、先ほど家森先生からもお話がございましたけれども、これは形式から実質の充実へ次元を高めていく必要があると考えております。2つのコードの策定はゴールではなくスタートであり、企業統治のさらなる充実に向けて、フォローアップ会議を設置して情報発信を行うということで、この会議は足元までに2回開催されております。

それから、7ページでございますが、これは先ほど目指す姿のところで申し上げましたので割愛させていただきますが、それぞれ資産運用の業務に携わる方、販売に携わる方、それから成長資金の供給の促進等について記載しています。

もう一枚おめくりいただきまして、8ページと9ページをごらんいただきたいと思います。こちらが資本市場関係の大変重要な前提となります市場の公正性・透明性の確保について記載をしております。

まず最初に、8ページの一番最初の黒い四角のところでございますが、これは金融取引がいろいろとグローバル化、複雑化、高度化、急速に進んでおります。この中でも、証券取引等監視委員会の態勢を含めまして、こういった監視機能を強化していきたいと、重要な課題であると考えております。

それから、2つ目の四角でありますが、会計監査の信頼性を確保するとございます。1つ目の矢羽根のところについて申し上げますと、会計監査のあり方について検討いただくということで、会計監査の在り方に関する懇談会を開催してご意見を伺っているところでございます。10月6日に初回の会合が開催されております。

それから、9ページでございますが、これは引き続き力を抜くことなく続けていくべきお話も含まれておりますが、その例としまして、IPO、エクイティ・ファイナンスの適切性の確保でありますとか、それから開示、会計基準のところでは、国際会計基準の任意適用の拡大といった話を書かせていただいておりますが、その下、開示、会計の2つ目の矢羽根のところに本日の諮問のお話を記載させていただいています。投資者が必要とする情報について、より効果的・効率的な提供を図るため、金融審議会において企業の情報開示をめぐる論点を幅広く検討いただくということを記載しております。

1枚おめくりいただきまして、10ページをごらんいただきたいと思います。こちらかは、大きな2つ目といたしまして間接金融関係の記載がございます。黒い四角が2つございまして、こちらもいわばコインの裏表と申しますか、まず金融仲介機能の十分な発揮を促すということで、その重要な前提といたしまして金融システムの健全性を維持すると整理しております。

まず、金融仲介機能の発揮のほうでございますが、11ページをごらんいただきたいと思います。企業の価値向上、経済の持続的成長と地方創生に貢献する金融業の実現ということでございまして、黒の四角のところには、例えば私どもが力を入れております事業性評価の実施といったことも記載しております。

具体的に、本事務年度については、矢羽根を4つ立てておりますが、1つ目の矢羽根、これは金融機関だけではなくて、その向こうにいらっしゃるお取引先の企業の方に、全国、これは中小企業も中堅も含めまして、全国1,000社程度にじかに、財務局の手をかりてお話を伺ってみようと考えております。その結果をもとに、さらに金融機関側と対話を深めていきたいと思っております。

それから、2つ目の矢羽根のところでございますけれども、これは金融機関側において、これだけ金融環境が大きく変わってきている中で、さらに中長期的に先を見通した議論などが自由にできているかどうか、そういった検討ができる状況にあるかどうかという観点から、金融機関のガバナンスの実効性を見てみたいと思っております。

それから、事業性評価と申しますと、なかなか定量的に評価することは難しいという面もございますが、1つや2つの指標ということではなくて、定性的なものも含めまして、いろんな指標を10あるいは20ぐらい組み合わせてみると、大まかな進捗がわかるのではないかという考え方から、どういうベンチマークがあり得るのか。つまり多様なベンチマークということになると思いますが、それを検討してまいりたいと思っております。

こういった点をご議論いただく、あるいはアドバイスをいただくという観点から、外部の方に助言をいただくような会議を開催することも考えております。

1ページおめくりいただきまして、これは間接金融の中でその重要な前提となります金融システムの健全性維持のところでございます。黒い四角が幾つかございますが、かいつまんで申し上げますと、まず1つ目の黒い四角は、いわゆるマクロプルーデンスと言われる新しい監督手法を積極的に取り入れていくということでございます。この7月に金融庁の中にマクロプルーデンス総括参事官室という専担の部門を設けて取り組みを進めております。

1つ飛ばしまして、3つ目の黒い四角のところでございます。先ほども委員の方から少しお話がございましたけれども、政策保有株式について、ここは金融機関の株式リスク・金利リスクという書き方をしておりますけれども、政策保有の縮減等についても検証していきたいと思っております。

それから、13ページをごらんいただきたいと思います。3つ目の大きな柱は、顧客の信頼と安心感の確保ということでございます。これは、例えば消費者保護的な観点のものでありますとか、犯罪防止といった観点のものを取りまとめて1つに記載しております。

さらに1ページおめくりいただきまして、14ページをごらんいただきたいと思います。こちらも本日のお話と若干関係するところでございますが、4つ目の大きな話といたしまして、IT技術の進展による金融業・市場の変革への戦略的な対応ということを4つ目の柱に掲げております。14ページの黒い丸でございますが、FinTechと呼ばれる金融のITの融合の動きが顧客利便の向上をもたらすとともに、将来の金融業・市場の姿を大きく変えていく可能性があると思っております。他方で、その2つ、次の丸のところでございますけれども、サイバー攻撃でありますとか、こういったマイナスの側面の問題も伴っているということでございます。

これに対しまして、15ページでありますが、どういう取り組みを進めていくかということですが、まず、FinTechへの対応というところです。海外調査や内外の担い手との対話を通じ、FinTechの動向をできる限り先取りして把握してまいりたいと思います。私どものほうでも、いわばFinTechについて明確なイメージをまだ持っておりませんので、あえて申し上げると、基礎研究的に、特に金融セクターの方に限らず、実際の担い手の方でありますとか専門家の方にぜひお知恵をかしていただきながら、FinTechについては私ども検証、勉強を進めていきたいと思っております。

それを踏まえまして、次の四角のところですが、本日の金融審議会のお話とも関連すると思いますが、利用者保護等の金融行政上の課題と両立させつつ、将来の金融業・市場の発展、顧客利便の向上につなげる。また、内外の専門家の知見を積極的に活用して、技術革新がどういう発展につながっていくのか、そのための環境を整備してまいりたいと思っています。

サイバーセキュリティの強化についても、これは7月に私どもは包括的な取組方針を発表しまして、専担の対応室も設置をしております。

おめくりいただきまして、16ページですが、こちらは国際的な課題への戦略的な対応について、5本目の柱として記載しております。ご案内のように、2008年の世界的な金融危機以降、毎年のように新たな金融規制が国際的には提案され、その動きがずっと継続しております。こうした規制は、一つ一つは合理性があるものである場合であったとしても、それぞれの副作用、これだけ数多くの規制強化が全体として、例えば成長資金の供給にどういう影響を及ぼしているのか、あるいはあまり想定していなかったような影響、銀行規制を強化することによって例えばシャドーバンキングが肥大化するといった点についても懸念がされるところであります。

これを踏まえまして、具体的重点施策と真ん中に書いてございますが、国際的な規制改革の取り組みに対して戦略的に対応してまいりたいと思っております。なかなか言うは易く行うは難しいところもございますが、経済成長と金融システムの安定との両立を確保して、規制の複合的な効果による悪影響などにも配慮した、全体として最適な規制の構築を推進すべく、積極的に発信・貢献をしてまいりたいと思っております。

それから、17ページになりますが、こちらにはその他の重点施策ということで、本日はご紹介いたしませんけれども、それぞれ一つ一つは重要な項目を金融行政方針の中に盛り込んでおります。

最後に、おめくりいただきまして、18ページ、19ページをごらんいただきたいと思います。こちらが金融庁自身の改革のお話でございますが、まず18ページ、金融庁のガバナンスということです。金融環境は非常に大きく、かつ急速に変化を遂げるわけでございますが、それに遅れをとらずに、むしろできれば先取りしていくような金融行政の態勢を構築していく必要があるだろうと思っております。そのためには、やはり私ども公務員だけではなく、外部の実際のプレーヤーの方、専門家の方、そうした方からご意見を聞かせていただきながら、あるいは批判を聞かせていただきながら、それを金融行政の新たな方向に取り入れていくという開かれた体制の構築を目指したいと思っております。

それから、18ページの下のほうになりますが、金融庁の職員自身も、いわゆる庁益と申しますか省益ではなくて、国益への貢献といった最終的なゴールを常に念頭に置いて、難しい課題にも先んじて取り組んでいくような、そういった職員を評価するような体系をつくり上げていきたいということであります。

最後になりますが、19ページです。これは金融行政の進め方といった点になりますが、これについては、黒い四角が3つございますが、3つ目の四角をまずごらんいただきたいと思います。法令等のルールは、ある意味で一定の対象に対しまして画一的に義務づけを行うものでございます。したがいまして、ある意味最低限でやっていただかなければいけない、最低限必要なミニマムスタンダードという側面がありまして、この遵守に課題があるようであればもちろん私どもも厳正に対処していくわけでございます。ただ、その際にも、できれば問題の根本原因のほう、ガバナンスに、あるいはビジネスモデルに、あるいは金融機関のコーポレートカルチャーといったところに問題がないかといったところを検証して、根本的な改善につなげていきたいと思っております。

このミニマムスタンダードの遵守に加えまして、黒い四角の一番上をごらんいただきたいと思います。こういった面に加えて、各金融機関にはそれぞれみずからに応じたやり方、創意工夫を凝らした上で、よりすぐれた業務運営を目指していただきたいと思っております。各金融機関がそれぞれのやり方で、こういう手法をとっていくということが、全体として我が国の金融の質の底上げにつながるだろうと考えております。

19ページの一番下には、四角で囲って書いてございますが、金融機関の個々の活動一つ一つを細かく規制したり指導したりするというやり方ではなくて、むしろ金融機関の創意工夫を引き出していきたい。そのことによって、全体として金融サービスの底上げ、質の向上を図っていきたいと考えております。

私からのご説明は以上でございます。

○岩原会長

どうもありがとうございました。それでは、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等があればお願いいたします。いかがでしょうか。

福田委員、どうぞ。

○福田委員

金融庁というのは、言うまでもなく金融機関を検査、監督する立場であるわけです。けれども、そういう検査、監督する立場の人をどう監督するかというのは非常に重要かつ大きな問題で、これは経済学でも「Who monitors the monitor?」と言ってなかなか難しい。今回の行政指針というのは、まさにそういう枠組みの中で、金融機関を検査、監督する金融庁自身のガバナンスをどういうふうに確立していくかという第一歩だと思いますので、非常に歓迎したいと思います。

なおかつ、こういう指針を出したときに重要なのは、それに対する事後評価であって、実際それが実行されているかどうかということをチェックするということが非常に大事だと思います。お話によると、来年、金融レポートという形でそういう事後評価も発表されるということですので、そちらのほうも充実していただいて、金融庁自身のガバナンスをしっかりするという試みをこれからもやっていただければと思います。

○岩原会長

はい。永沢委員、どうぞ。

○永沢委員

ありがとうございます。私は、金融行政方針に関しまして、3点、意見を申し上げたいと思います。

まず1点目ですけれども、冒頭のところ、2ページですけれども、「フィデューシャリー・デューティー」という言葉を、金融機関が口々におっしゃられるようになりました。金融庁が率先してこのことを提唱くださっていることを大変ありがたく思っております。

私どもが2004年に「良質な金融商品を育てる会」という消費者市民グループを立ち上げ、4つの基準を作ったときに、このフィデューシャリー・デューティー、受託者責任を全うしていただきたいということを申し上げましたが、なかなかご理解いただけませんでしたが、金融庁が今回この概念を出していただきましたことで、これから国民・投資家にも広まっていくと思います。大変歓迎しております。

ただ、これが横文字なことが気になっております。おそらくこれは海外から来た概念ですので、適当な日本語に直すことが難しいとは思うんですけれども、金融機関各社に対して、自分の言葉で、この言葉をどのように具体的に考えるのかということを説明するよう促していただきたいと思っております。金融庁におかれましては、7ページの括弧書きで示唆されていますが、個々の金融機関が考えられるべきことだと思いますので、本日は金融機関の方がたくさんいらっしゃっていると思いますので、この機会にその点を(金融機関の皆様に)お願いしたいと思います。

それから2点目ですけれども、3ページ目にベンチマークとか客観的な評価ということが出てきました。今回のことに限らず、こういった動きは有用なことだと思っておりますが、一方で、数字での評価というのは、その数字を達成することに意識が行きがちで、時に結果さえそろえばいいということになってしまいがちです。今回マンションの問題がいろいろ出てきておりますけれども、結果を揃えるというところに業者のほうは気持ちが行きがちではないかというところを、私としては懸念しております。

金融庁では、ここのところモニタリングレポートを出していただいております。特に今回のモニタリングレポートは、投資信託のところを、私どもは中心に活動しておりますので拝見しましたが、かなり踏み込んでいろいろと書いていただいており、業界、それから投資家からも大きな反響があったと思っております。こういったモニタリングレポートを通じて、数字に基づいた分析に加え金融庁のお考え、定性的な評価を示していただき、今後はそれを読んだ人の意見を拾っていただいて、モニタリングにも活かしていただけたらと感じた次第で、いい動きであると思います。

それから3点目は、ガバナンスに関しては、金融庁の透明性、それから対話しようという姿勢が見えてきたということに関しては、歓迎したいと思います。金融審議会の委員をさせていただいておりますと、若手の実務担当者の方々がいろいろいいアイデアを持ってきてお話をしてくださるんですけれども、「ああ、すばらしい考えですね」と聞くしかなく、また、おそらく金融庁の職員の方にもいろいろ働きかけは行っておられるのではないかと思いますが、金融庁のトップにまで声を届けるのは難しかったと思います。批判もですけれども、実務担当者の方が抱えている、会社を超えた業界全体の利益になる、金の卵になるようなアイデアもあると思いますので、そういった声も積極的に拾っていくということもメッセージとして出していただけると、実務担当者の方々も勇気付けられ、会社を超えて、日本の金融をよくしようというふうに動いてくださるのではないかと期待しております。

拙い意見ですが、以上でございます。

○岩原会長

はい、どうも。大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

ありがとうございます。今回、こういう金融行政方針という形で、今後の金融庁の活動の方向性というのを字に書いてしっかり出していただいたということは、関係者の間での予測可能性を高めるといいますか、そういった観点から非常に意義があることだと思っております。

また、金融機関の自主的な取り組みに期待するということが端々に出ていることも、かつて「護送船団行政」なんていう言葉もございましたけれども、いわば画一的に指導していくというのではなくて、個々の金融機関の創意工夫を促進するということで非常にいいことだと思っております。

ただ、一方で、きちっとした免許や登録を受けてやっている金融機関はそれでよろしいんですが、残念ながら、世の中には正しく受けるべき登録や免許を受けずに、それに類似したような行動をとっている、そもそも金融機関というふうに言っていいのかどうかわかりませんが、人たちも間々おられまして、現実に消費者の方が大変な被害を受けるような事件というのは、大概そういった人たちによって引き起こされておるんです。

たぶん、金融庁の監督という観点からすると、きちっと手続を踏んだ上で、検査をきちっと受けている人たちに対していろいろ指導するほうが、ある意味簡単だと思うんですけれども、そういうきちっとした道を踏まないで行動している人たちを、より厳しく、びしびしとやっていただきたいと思っておりますので、ぜひその辺、お願い申し上げたいと思います。

○岩原会長

はい。ほかにいかがでしょうか。ほかにご意見、ご質問等ございませんでしょうか。よろしいですか。

どうもありがとうございました。それでは、本日予定した議事を全て終了いたしましたので、以上をもちまして、本日の金融審議会総会・金融分科会合同会合を終了したいと存じます。

なお、本日の議事の模様につきましては、事務局のほうから後ほど記者レクを行わせていただきますので、ご了承いただきたいと思います。

また、今後の日程などに関しましては、事務局よりご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

皆様、本日はお忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企画課

(内線3645、3520)

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