第42回金融トラブル連絡調整協議会議事録

1.日時:

平成23年12月1日(木曜日)14時00分~15時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○山本座長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから第42回金融トラブル連絡調整協議会を開催いたします。本日は、皆様ご多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

まず、本協議会につきましては、前回会合でおおむね半年に1回程度のペースで開催するということを委員の皆様にご了承いただいていたところであります。それを踏まえれば、本来であれば42回の協議会は本年夏ごろに開催することが望ましかったところでありますが、先般の東日本大震災発生後、各機関におかれてはこれに対処するために相当の業務対応を行っていただいておりましたことや、今回開催のタイミングをずらすことによって、金融ADR制度の本格実施からちょうど1年間の各ADR機関等の業務の実施状況を皆様にご報告できるといった事情を考慮いたしまして、やや遅れたわけでありますけれども、本日の開催とさせていただいた次第であります。委員の皆様方には、何とぞご了承いただければと存じます。

それでは、本日の議事に入りたいと思いますが、まず事務局から、人事異動等に伴う委員の交代のご紹介及び資料の確認についてお願いいたします。

○橋本室長

今回から本協議会の事務局を務めさせていただきます金融庁総務企画局金融トラブル解決制度推進室長の橋本でございます。よろしくお願いいたします。

今回は委員の交代も多く、時間も限られておりますので、所属団体とお名前のみご紹介いたします。まず、消費者行政機関等といたしまして、日本司法支援センター第一事業部情報提供課長、大塚様。次に、指定紛争解決機関といたしまして、証券・金融商品あっせん相談センター副センター長、坂井様。次に、業界団体・自主規制機関といたしまして、全国労働金庫協会コンプライアンス室長、大西様。また、金融当局といたしまして、経済産業省経済産業政策局産業資金課、望月様。厚生労働省労働基準局勤労者生活課労働金庫業務室、幡野様。国土交通省総合政策局不動産業課不動産投資市場整備室長、横田様。農林水産省経営局金融調整課組合金融指導官、河野様、本日は代理出席になっております。金融庁からは、総務企画局企画課長の黒澤、監督局総務課長の長谷川でございます。

人事異動等に伴う委員のご紹介は以上です。

続けて、配付資料の確認をいたします。お手元にございます資料でご確認ください。まず、議事次第、委員名簿、配席図、でございます。各資料の右上に資料番号を付してありますのでご確認ください。資料1-1「各金融ADR機関の苦情処理手続実施状況」。資料1-2「各金融ADR機関の紛争解決手続実施状況」。次に、資料2「各金融ADR機関の業務実施状況」。資料3「各金融ADR機関の利用者利便性向上に向けた取組状況」。次に、参考資料になりますが、参考資料1はグラフ資料で「各金融ADR機関の業務実施状況」と題しております。参考資料2「各金融ADR機関の他の機関との連携状況」でございます。参考資料3「利用者利便性向上に向けたアンケート様式等」でございます。それから、ずっと後ろに行っていただきまして、参考資料4「業界団体における相談・苦情・紛争の件数」でございます。参考資料5「指定紛争解決8機関における苦情・紛争等の件数」でございます。最後に、パンフレット、「金融機関との間でトラブルをかかえている利用者の皆様へ」、23年4月の改訂版でございます。

以上です。ただいま申し上げましたお手元の資料に不足のある方は、今おっしゃってください。配付資料の確認については以上でございます。

○山本座長

それでは、議事に入りたいと思いますが、本日の議事の内容でありますけれども、まず、金融ADR制度の本格施行後、先ほど申し上げましたが、各機関が紛争解決等業務を開始してから1年が経過しておりますので、その間の業務実施状況等につきまして、事務局の方からご説明をいただきたいと思います。その後、これに加えまして、金融ADR機関が設置されていない業態の対応状況等につきまして、本日ご出席いただいている幾つかの業態の関係委員の方々からご説明をいただきたいと思います。これは、議事次第のⅢに当たる部分であります。次に、前回の会合において各委員からさまざまなご意見を頂戴しましたが、その中で、各金融ADR機関における利用者の利便性の向上に向けた取り組み等についてということがございました。それにつきまして、「利用者利便性向上に向けたアンケート」に関する取り組みを中心に、現在の対応状況を各金融ADR機関からご説明いただきたいと思います。これが議事次第のⅣに当たる部分であります。

なお、各委員の皆様からのご質問等につきましては、それぞれの説明が行われた後お受けする時間を設けたいと思いますので、よろしくご了解のほどお願いいたします。

それでは、まず各金融ADR機関の紛争解決等業務の実施状況につきまして、事務局の方からご説明をお願いいたします。

○橋本室長

それでは、ご説明させていただきます。昨年10月に指定紛争解決機関による裁判外紛争解決手続に係る制度、(以降、金融ADR機関、あるいは金融ADR制度などと申し上げますけれども、)金融ADR制度に基づく指定を受けた機関が金融ADR業務を開始して1年が経過しております。この間、平成23年4月には証券業界におきまして、証券・金融商品あっせん相談センター、(以降、略称のFINMACと申し上げさせていただきますが、)FINMACが新たに金融ADR業務を開始いたしまして、現在8機関が業務を行っております。

1つご留意いただきたいのですが、今回報告いたします計数の期間は、金融ADR機関が業務を開始してからの1年間、すなわち平成22年10月から23年9月まででございます。ただし、FINMACにつきましては、金融ADR機関としての業務の期間が平成23年4月から9月までの半年間ですので、FINMACについてのみ本日ご報告いたします資料等の計数は半年分でございます。また、本日お配りいたしました資料の計数につきましては、各機関にご苦労いただきまして算出してもらいました速報値であることをお含み置きいただきたいと思います。

1年間の実績等の説明の前に、お手数ですが、資料の後ろの方に参考資料5という1枚紙があるのでご覧下さい。「相談・照会」が約15万件、「苦情受付」約3万件という数字がございます。これは、1枚前の資料「業界団体における相談・苦情・紛争の件数(平成15~22年度)」の平成22年度における8機関分を集計した数の概数でございます。期間が平成22年4月から23年3月までなので、今回の報告とは計数の基準が半年違っておりますが、これから説明する計数のおおよその位置付けをご覧いただきたいと思って添付いたしました。大まかに申し上げれば、金融ADR8機関には年間約15万件の「相談・照会」があり、約3万件の「苦情受付」がある。そのうち、「苦情処理手続」に至った案件が6,214件、「紛争解決手続」が1,320件ということでございます。

なお、「苦情受付」と「苦情処理手続」が少々わかりづらいので説明いたしますが、「苦情処理手続」とは、苦情として受付けた案件のうちで、例えば金融機関や業界に対する一般的な批判とか、申出人が匿名、あるいは申出人が苦情の対象となった金融機関等への連絡を拒むなどにより、金融ADR機関が苦情処理手続に至っていない案件を差し引いたものでございます。つまり、金融ADR機関が業法上の苦情処理手続の対象とした案件です。

それでは、各機関の業務開始後1年間の業務実施状況等報告についてご説明いたします。本来であれば、各指定紛争解決機関の皆様の方からそれぞれご説明いただくところですが、時間の関係もあり、また、8機関の集計による全体の状況を説明する意味でも、事務局からご説明させていただきます。業務状況をわかりやすくお示しするためにグラフにしてありますので、最初に参考資料1のグラフをご覧下さい。「金融ADR機関の紛争解決等業務実施状況(平成22年10月1日~平成23年9月30日)」という内容のグラフでございます。1-1から5-2までございます。

1枚おめくりいただきまして、グラフの1-1見ていただきたいのですが、グラフの1-1は「苦情処理手続受付件数」が6,214件で、前年同期の3,691件に比べて68%、約1.7倍に増加したことを示しています。なお、資料にあります前年同期との比較でございますが、各金融ADR機関の多くは、従来から業界の協会団体が行っていた苦情・紛争手続の体制を、制度の施行とともに受け継いで業務を行っておりますので、金融ADR制度前の体制で対応した件数と制度後の件数の比較になります。棒グラフの中に、各機関の件数と対前年同期比伸び率を記載しております。金融ADR制度導入後で見ると、件数の多いところでは日本損害保険協会が2,380件で対前年同期比69%増加、全国銀行協会が1,946件で同じく343%の増加でございます。なお、棒グラフの一番上のところに日本貸金業協会が対前年同期比でマイナスになっておりますが、別の資料にありますように、対象業者数の減少などが要因とお伺いしております。

隣の1-2のグラフは四半期ごとの推移でございますが、期の途中にFINMACが参入したこともございまして、最近に近づくほど受付件数が増加しております。

次の2-1をご覧いただきたいのですが、これは紛争解決手続受付件数でございます。これも、1,320件で前年同期の402件に比べまして228%、約3.3倍と大きく増加しております。隣の2-2の四半期別の受付件数でも、苦情と同様に最近に近づくほど増加しております。2-1の棒グラフの中を順に申し上げますと、全国銀行協会が675件で対前年同期比472%の増加。信託協会は2件で皆増、皆増とは、前年同期は0ということでございます。生命保険協会は218件で56%の増加。日本損害保険協会は293件で372%の増加。FINMACは112件で35%の増加です。また、日本少額短期保険協会は5件、保険オンブズマンは8件、日本貸金業協会は7件でございますが、これらの3機関は金融ADR制度開始後に新たに紛争解決手続を実施いたしましたので、前年比較はありません。

次の資料、3-1をご覧ください。これは、苦情処理手続が終了した件数が8機関で4,932件ございますが、これを金融ADR機関別に示したものでございます。それぞれ件数と全体に占める割合を示しています。例えばグラフの左下にあります日本損害保険協会が1,722件で全体の35%、右上にございます全国銀行協会が1,673件で同じく34%でございます。

隣の3-2のグラフは、終了した苦情の終了事由別でございます。解決が3,175件で64%を占めておりますが、苦情から紛争解決手続に移行した案件が1,071件で22%、申立人の納得が得られなかった不調が310件で6%となっております。

次のページの4-1は、紛争解決手続終了件数741件を金融ADR機関別に割合で示したものです。ご覧のように、全国銀行協会が383件で8機関全体の紛争解決手続終了件数の52%を占めておりまして、その後大きい順から日本損害保険協会が180件で24%、生命保険協会が109件で15%、FINMACが55件で7%などの割合となっております。

また、隣の4-2は、「紛争解決手続終了件数(終了事由別)」でございます。紛争解決手続によって和解した案件が256件。それから、「特別調停」とありますが、これは、制度上金融機関に原則として受諾義務が課せられているものでございます。これにより和解した案件が27件、4%でございます。グラフには数字は直接記載しておりませんが、和解と特別調停による和解の両方を合わせた和解は、283件で全体の741件のうち38%を占めます。一方、紛争解決手続を実施いたしましたが、紛争解決委員が紛争解決手続によっては和解が成立する見込みがないと判断して終了した案件を「見込みなし」としております。これが422件、57%でございます。そのほか、手続きの途中で当事者が離脱した案件などが見られます。

次のページの5-1は、苦情処理手続の所要期間でございます。苦情申立てがあってから「解決」、あるいは「移行」、「不調」などに至った期間を示しておりますが、申立てから「1カ月未満」が49%とほぼ半数を占めております。隣の5-2ですが、紛争解決手続の所要期間でございます。こちらも、紛争申立てがあってから「和解」、「見込みなし」などに至った期間を示しております。紛争解決手続終了件数741件のうち、「3カ月以上6カ月未満」が360件で49%、「1カ月以上3カ月未満」が245件で33%となっております。

続いて、恐縮ですが、A3版の大きいペーパー、資料2をご覧ください。各金融ADR機関の業務実施状況を記載しております。先ほど参考資料1でグラフをご覧いただきましたが、それに則した苦情・紛争の手続件数と増減要因、苦情・紛争の事例、あるいは傾向を示しております。「増減要因」の欄を右にたどっていただきまして、「全体の状況」の欄に記載しておりますけれども、今回苦情・紛争手続案件が大きく増加いたしました要因としては、まず、金融機関等が行う周知活動によりまして金融ADR制度の認知度が向上したということがあげられると思います。加えて、この1年間円高等に伴いまして、デリバティブなどのリスク商品に関する苦情・紛争事案が増加したことも一因かと思われます。苦情・紛争の事例や傾向を各機関別に記載しておりますが、各業態の業務内容等に応じまして苦情・紛争の対象商品や業務態様等にそれぞれ特徴があるように思います。例えば全国銀行協会では、デリバティブや投資信託などのリスク性商品に関する案件が多い、信託協会では事務ミス等を原因とした信託案件、生命保険協会では契約時の説明不足や給付金の支払いに関する案件、日本損害保険協会では自動車保険の保険金支払いに関する案件、保険オンブズマンでは事務手続や保障対象に関する案件、日本少額短期保険協会では家財保険等の保険金支払いに関する案件、FINMACはリスク商品の説明不足等に起因した案件、日本貸金業協会は過払金返還請求等の案件などが代表的な事例として掲げられております。

なお、日本損害保険協会や日本少額短期保険協会の欄にもございますが、今年3月の東日本大震災によりまして、その直後には被災者の方から保険業界や銀行業界の金融ADR機関に対しまして、保険金支払いや預金、ローン等に関する「相談・照会」などが多く発生しましたが、夏以降は減少傾向になったと伺っております。

続きまして、別の資料、A4判の資料1-1と1-2をご覧いただきたいと思います。これは、各機関別の数字が入ったものでございます。先ほどのグラフを表形式で表したもので、各機関ごとの状況を示しております。計数は先ほどご説明いたしましたので、この表の見方だけを説明します。先ほど申し上げた「苦情処理手続件数」6,214件は、資料1-1の表の左から2番目の欄に、当期の受付件数1,946という数字がございますが、そこから始まる計数を下に集計したものでございます。これに制度が施行される以前の受付件数を加えました「受付件数計」が、当期の苦情処理手続の対象になります。当期に解決または不調など終結したしたものが「当期の既済件数」、その差し引きが「当期の未済件数」ということになります。次の区分は、苦情処理手続の終了事由別でございます。一番右側の区分は、苦情処理手続に要した所要期間です。いずれも、先ほどグラフでご覧いただきました計数を機関別に示したものです。

なお、説明が遅くなりましたが、前回の協議会の際に本表の中に「移行」という欄がございますが、この「移行」の考え方について意見がございました。すなわち、資料1-1の右下に凡例というところがあって、小さい字で「不開始」に始まりましていろいろな定義が書いてございます。このうち、「移行」の定義のところがございますが、これを前回では「苦情処理手続を実施したが申立人の納得が得られず、紛争解決手続を案内したもの」としておりました。したがって、これをもって、案内すれば顧客が紛争手続を選択せずに、実際に移行しなくても移行にカウントされるという誤解を招くおそれがあるということでございました。そこで、今回の集計では、各機関の取り扱いを統一いたしまして、「苦情処理手続を実施したが、最終的に紛争解決手続へ移行したもの」という定義に変更して、紛れをなくしております。

次の資料は1-2でございます。これは、ただいまの表を紛争解決手続について表したものでございます。これも同じように、左から2番目の欄、「当期の受付件数」675件の欄を下に集計いたしますと、先ほどの当期の紛争受付件数1,320件となります。これに前期までの受付件数を加えた「受付件数計」が、当期の紛争解決手続対象になります。当期に「和解」、または「見込みなし」などにより終結したものが「当期の既済件数」で、差し引きが「当期の未済件数」になります。真ん中の大きな区分のところは、「紛争解決手続の終了事由別」です。一番右側の区分は、「紛争解決手続の所要期間」でございます。

以上で、各機関の業務開始後1年間の業務実施状況報告に関する説明を終わらせていただきます。

○山本座長

ありがとうございました。統計に基づきまして、大変詳細にご説明いただけたかと思います。本日は、実際に現場で実務を担当されている方々にもご出席いただいておりますので、もし各機関におきまして追加的にご報告いただけるお話がございましたらご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。竹中委員、どうぞ。

○竹中委員

生命保険協会でございます。先ほどの資料の中で、苦情が1.7倍に増加という表、グラフがございました。確かにこのとおりなんですけれども、表現に誤解を生じてはいけないかなと思って、補足をさせていただきたいと思います。

私ども生命保険協会の場合は、ご承知のとおり、不支払い問題が起きたころからかなり業界全体を挙げて改善に取り組んでまいりました。その結果、協会に入ってくる苦情受付件数は減少傾向を続けております。ここで書いてある増加している分というのは、お客様から裁定審査会にも諮ってもらいたいという申し出が多くなってきているということ、それから、苦情解決を会社の方に依頼した件数、苦情処理手続を開始した件数が増えたということであって、総体的な苦情件数は減っております。苦情件数が減っている中で、件数増加の背景には紛争解決を望む方、利用者が増えているとご理解いただければと思います。

以上です。

○山本座長

ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、後のご議論の中で補足をいただくことがあろうかと思いますけれども、とりあえずは続きまして、今度は金融ADR機関が設置されていない業態のADRの対応状況等についてもお話をいただければと思います。本日は、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会及び日本商品先物取引協会からお話を伺いたいと思いますが、まずは全国信用金庫協会の相澤委員からお話をお願いいたします。

○相澤(晃)委員

全国信用金庫協会の相澤と申します。私からは、信用金庫業界の金融ADR制度への体制整備と、金融ADR案件の取り扱い状況等についてご報告させていただきます。

まず、信用金庫協会の金融ADR体制の整備についてですが、信用金庫業界では金融ADR制度の施行に対応するため、従来から仲裁センターの利用について協定を締結していました東京三弁護士会と平成22年10月に、紛争解決のために新たな協定を締結しました。それにより、信用金庫業界全体としての体制整備を行っております。それに加えまして、地元での紛争解決ができるようにというお客様からのご希望で、地区協会や信用金庫が各地で地元弁護士会と紛争解決のための協定を締結しております。そのため、信用金庫によっては、東京での紛争解決手段のほかに、地元でも紛争解決のための場を持つことが可能となっております。今後とも、こうした拡大は続けていかれるのかなと思っております。

次に、紛争解決等に係る受付状況についてですが、平成22年度下期は相談が895件、苦情が43件となっています。そして、その間の紛争案件としましては4件の申立てがありまして、既に全件とも解決しております。また、平成23年度10月までの相談が887件、苦情が49件となっておりまして、紛争案件としましては5件の申立てがあります。いずれも、現時点では係属中となっております。

3点目に、紛争の案件の内容についてですが、これまで申立てのあった紛争案件9件のうち6件は貸出に関するもので、その他としては預金、相続、保険で各1件ずつとなっております。特徴的な案件の概要としましては、預金は過去の支払い事実の確認について、相続は親族間に関する案件、保険は親の保険契約の解約に関する案件となっております。

それから、ADR制度への取り組み方ですが、平成22年10月からの金融ADR制度の施行に当たりまして、お客様が紛争解決を行い易くするために、全信協のホームページでも公表していることはもちろんのこと、信用金庫でも法令等に基づきホームページやディスクロージャー誌で取り扱う紛争解決機関の名称、連絡先等を公表しておりますので、お客様が解決機関を容易に目にし易くなっていると考えております。それに加えまして、信用金庫において経営陣が金融ADR制度を活用して解決する方法を指示しようといった例も見受けられますし、経営陣の意識改革や紛争を早期に解決していこうとする取り組み姿勢が感じられるところです。

最後に、信用金庫として今後もお客様のニーズに応えていくため、金融商品の多様化等が図られるかと思いますが、同時に、お客様からの相談、苦情等の受付体制はより一層重要なものになると思われますので、利便性の向上に配慮して体制整備の充実を図ってまいりたいと思っております。

私からは以上です。

○山本座長

ありがとうございました。それでは続きまして、全国信用組合中央協会の近藤委員からご説明をお願いいたします。

○近藤委員

全国信用組合中央協会の近藤と申します。信用組合業界の金融ADR制度の体制整備状況についてご報告させていただきます。

私ども信用組合業界では、苦情処理は組合内において対応を行い、紛争解決については弁護士会の仲裁センターさんにおけるあっせん仲裁手続によるものとして、従前同様同センターにお願いする仕組みを採ることといたしまして、昨年10月に弊会が代表して東京三弁護士会と新たな協定を締結し、すべての信用組合が協定の受諾書を提出しているところでございます。併せて、各組合はその実情に応じて個別に地元弁護士会と協定することとしております。

なお、これらの体制を支援するものとして、私ども全国協会と6つの地方協会に相談所を設置しているところでございます。会員組合では、自組合における取組みについて、契約関係書類やホームページによる公表、ディスクロージャー誌への掲載等を行っております。私ども協会のホームページでも、業界における取組み、苦情・紛争の申し出先、受付状況について公表しているところでございます。また、業界における苦情等への対応能力向上のため、毎年、組合及び協会の担当者向け研修講座として、苦情対策研究講座を開催しているところでございます。

次に、相談所における昨年10月から今年9月の1年間の受付件数につきましては、照会・相談が265件、苦情が76件となっております。紛争申立ての件数は、借入金のリスケにかかわる案件について1件発生しておりまして、合意成立済みとなっております。最近の苦情件数につきましては、特段目立った増減はございませんけれども、強いて言えば苦情案件について貸付条件緩和、変更に係わる申入れが若干増えているように感じております。ちなみに震災、集中豪雨にかかわる苦情については、預金が1件、融資が2件いただいております。

金融ADR制度への今後の対応につきまして、金融商品、サービスへの信頼性向上を図るという金融ADR制度の趣旨を踏まえまして、日々の活動の中でのお客様への真摯な対応、説明により一層努めるとともに、この1年継続して構築してまいりました体制の強化、充実に今後も努めてまいりたいと考えております。

簡単ですが、以上でございます。

○山本座長

ありがとうございました。それでは、最後に日本商品先物取引協会の中曽根委員からご説明をお願いいたします。

○中曽根委員

日本商品先物取引協会の中曽根です。それでは、本会の苦情紛争処理の体制につきましてご説明させていただきます。

まず、本会でございますが、平成11年4月1日の当時の商品取引所法がございますが、その改正によりまして、主務大臣の認可を受けた自主規制機関といたしまして、従来の苦情解決につけ加えまして、紛争の解決ということで紛争処理を行うようになりました。また、本年1月1日の商先法の完全施行によりまして、これまで対象となっておりました国内商品市場取引に加えまして、外国商品市場取引と店頭商品デリバティブ取引が今後私どもの相談業務、紛争処理業務の対象となってまいります。

ちなみに本会は、「裁判外紛争解決手続の利用促進に関する法律」に基づく法務大臣の認証は受けてございません。業界の自主規制機関としてやってございます。業界といたしましては、私ども協会の苦情・紛争処理の体制と各会員が設けております顧客管理部門がございますので、そちらで直接苦情を受付けて処理をするということもやってございます。また、私ども協会の広報につきましては、ホームページで苦情・紛争件数を公表してございますし、契約締結前交付書面の方で私どもの機関を紹介するという状態になってございます。

処理の方法、体制につきましてご説明させていただきます。苦情の解決につきましては、苦情処理規則というものを定めておりまして、お客様から商品先物取引業務に関する苦情の申し出がございまして、解決して欲しいというお申し出がございました場合には、苦情として受付けをさせていただきまして、その対象である会員に連絡し、お客様と会員の話し合いを促進する。そこで、お互いに話し合いをしていただいて解決ができれば、苦情として解決するということでございます。この間におきまして、協会といたしましては、あっせん調停といった案を提示するということは一切してございません。

次に、紛争処理でございますが、これも主務大臣の認可規程でございますが、紛争処理規程を定めてございます。会員と顧客、会員間という2つのものがございますが、紛争が生じた場合にはお客様から書面によりお申し出いただくということになります。却下事由に該当しなければ、その時点で受付けをさせていただきまして、紛争仲介の手続きに入っていくという状況でございます。私どもの紛争の処理につきましては、あっせん調停委員というものを設けてございます。この委員になっていただいている方々につきましては、弁護士さんとか大学の法律専門家ということでございまして、現在東京、名古屋、大阪等で29名の方にお願いしてございます。そして、1件ごとに担当あっせん調停委員という方を指名させていただきまして、弁護士の先生方に当事者双方から話を聞いていただいて、話し合いを促進し、当事者で合意ができればあっせん成立というものになります。

もし当事者間で解決できない、あっせんで解決できないということになりますと、担当あっせん調停委員が必要と判断すれば、今度は調停案を書面により提示することができるということになってございます。先ほどご説明がありました特別調停ということで金商法、銀行法とかにありますけれども、私どもの商先法ではそういった規定はございません。ただ、私どもの紛争処理規程の中におきましては、顧客が受諾したにもかかわらず会員が調停案を蹴ることができないとなってございまして、もしそれを拒否する場合には、協会から呑みなさいという指示を出す。その指示をさらに呑まない場合には、解決はできませんが、会員に対して必ず制裁するかどうかは別ですけれども、協会として何らかの措置を講ずるという仕組みになってございます。

申し出件数につきましては、今日の参考資料4で私どもの協会の件数が出ておりますけれども、ここに掲載しております件数でいきますと、平成15年が相談、苦情ともピークということになってございまして、その後減少しております。紛争につきましては、平成16年度が250件でございますが、現在29件ということで減少しておりまして、相談と苦情に関しましては7分の1程度に減少しております。紛争につきましても、8分の1ということで、相当数件数が減少してございます。

この背景としましては、平成17年5月に改正商品取引所法が施行されまして、勧誘規制が相当厳しくなったという背景がございます。それと、平成18年6月に金商法の国会審議におきまして、参議院において、商品先物取引に関しましても不招請勧誘の禁止を検討すべきではないかという附帯決議が出たこともございます。商先法の完全施行に際しましても、不招請勧誘の原則禁止が導入されているという状況もございまして、残念ながらこれまでいろいろな問題を起こしてきた会員がいたのは事実でございますが、行政の厳しい指導、また、こういった勧誘規制等が入った結果をもちまして、相当数といいましょうか、それなりの会員が廃業、撤退していったということもございまして、現在件数が減ってきている。それに伴いまして、残念ながら取引も縮小しているわけでございますが、取引量の縮小よりも苦情の方が大幅に減っているということで、私どもとしては会員の方のコンプライアンス等の徹底が進んでいるのではないかという評価をしたいと思っております。

それと、代表的な案件でございますが、先ほど金融ADRの方のご説明もいただきましたけれども、やはりリスク商品、デリバティブ取引を扱っておりますので、どうしても勧誘の行為とか「言った、言わない」ということにもなってしまうわけですが、断定的判断の提供があったとか、不必要な勧誘があったということで、不当勧誘という分類にあえて分けるならばですが、不当勧誘類型と思われるものが6割程度を占めているという状況になってございます。苦情につきましては、当事者間の話し合いを促進するということでございますし、紛争につきましては、あっせん調停委員の先生が当事者からお話を聞いて、促進をして進めていくという方法をやっております。引き続き協会といたしましては、同じ体制で適切に処理をしていきたいと思っているところでございます。

以上です。

○山本座長

ありがとうございました。それでは、一通りのご説明をいただきましたので、ここまでのご説明につきまして各委員の皆様からご質問、あるいはご意見をちょうだいできればと思います。よろしくお願いします。どうぞ、森委員。

○森委員

森でございます。先ほど全国信用金庫協会さん及び全国信用組合中央協会さんの方から、弁護士会とのADRについての協定のお話が出ておりましたので、弁護士会におけるADRについて、金融ADRの取り組みということで若干補足して説明させていただきたいと思っております。

先ほど協定のお話がございましたけれども、弁護士会のADRにおいては、もちろん指定紛争解決機関ではないので、そのままですと特別調停案だとか手続応諾の義務が課されないんですが、手続応諾だとか資料提出要求に対する応諾及び特別調停案が出された場合の受諾、申立手数料の金融機関側負担といったものを協定の中に織り込んでおりまして、指定紛争解決機関並びの制度的な担保がなされるような形での協定を提示させていただきまして、それを受け入れていただく金融機関及び団体と協定を結んで、金融ADRの仕組みを作っていくという形を採っておりまして、先ほどの受諾書を出していただいているというお話も、団体で締結された場合には、個別の金融機関についてもそのような制度の枠組みでやっていただくということについての受諾書を出していただいて、行っているという次第でございます。

協定の締結としましては、団体の方がどうしても東京三弁護士会との締結がほとんどでございまして、それぞれの地域における金融機関と弁護士会との協定締結は必ずしも進んでいないという状況がございまして、そうしたところを受けて、東京三弁護士会との間で協定を締結しているところの案件でも、地方の申立てもあるものですから、東京三弁護士会の方で受けた事件についても地方で取り扱えるように、各単位弁護士会との間で移管調停と現地調停の2種類の制度を用意いたしまして、1つは、弁護士会ADRそのものが地域にある場合には、現地の方の調停員もあわせて選任して、現地の方で申立人が出頭して手続きが行われる仕組みを提供する。

もう一つは、各弁護士会の方で必ずしも全部が全部設置されているわけではありませんで、現在28会は設置されていますけれども、残り22回は未設置でございますので、そうしたところについては現地調停ということで、推薦していただいた方を調停員に選任して行う。設置会、既に弁護士会ADRが設置されているところについては、そこの弁護士会の方に移管させていただいて手続きを行っておりまして、今26会との間では東京三弁護士会の方で今の移管及び現地調停の協定を締結させていただいているということで、体制の整備自体は徐々にできているということかと思っておりますけれども、事件の受理は必ずしも進んでおりませんということでございまして、先ほど信用金庫協会さんの方から件数のご紹介がございましたが、東京三弁護士会を合わせても十数件の申立てということで、まだまだ周知と利用のところについては課題が残っているんじゃないかというのが現状認識でございます。

以上です。

○山本座長

補足的なご説明ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、犬飼委員。

○犬飼委員

それじゃあ、質問させていただきたいと思います。資料1-1並びに1-2に関して、どなたにご質問していいかわからないんですが、まず表の見方から分からない部分がございますので、お教えいただければというところから入っていきます。まず、資料1-1の「(2)苦情処理手続の終了事由別の内訳件数」の「移行」の欄でございますけれども、例えば全国銀行協会が635、1つ飛んで生命保険協会が163、日本損害保険協会が179と書いてございます。

それで、1枚めくっていただきまして、資料1-2の一番左の「(1)紛争解決手続件数(当期の状況)」のところの当期の受付件数を見てみますと、前のページで全国銀行協会の場合に635移行されたものが、移行を含んでおそらく675という数字になっているのかなと。ということは、移行以外で直接紛争解決にダイレクトに来たものが40存在する。そして、生命保険協会の場合には、163の移行に対して218ですから、直接のものが55存在する。損保さんの場合には、179に対して293ですから、紛争解決に直接来たものが100以上存在する。そんなふうに読めるのかどうか、ダイレクトに来るというのはどういう状況であるのか私は想像が難しいものですから、もし主要なところをお教えいただけるとありがたいというのが1つでございます。

もう一つが、資料1-2でございますけれども、右の方の「(3)紛争解決手続の所要期間」を見てみますと、良い、悪いは別でございますが、証券・金融商品あっせん相談センターが新しく開始されて間もないにもかかわらず、過半のものは1カ月以上3カ月未満で処理というか解決に向かっておられる、6カ月以上のものはないとここで見受けられるわけでございますけれども、その他の協会さんのどこがいい、悪いというのは言えないと思うんですが、なぜこれだけの迅速な対応が可能になっているのかということをお教えいただければと思います。すいません、長くなりました。

○山本座長

それでは、まず第1点の移行と受付の数字の乖離で、ダイレクトの申立てがあるのではないか、それはどういう場合かということですが、坂本委員、お願いいたします。

○坂本委員

では、日本損害保険協会の事例についてご紹介申し上げたいと思います。基本的な考え方は犬飼委員がおっしゃられたとおりでございまして、苦情処理手続で移行としてカウントされている件数は、資料1-2「各金融ADR機関の紛争解決手続実施状況」の当期の受付件数の中に含まれるものでございます。ただ、この件数の差は、ご指摘のとおり直接紛争の申立てが寄せられたものということです。

これは、それぞれの機関の手続きに規定上も若干の違いがあると思いますが、私ども日本損害保険協会においては、苦情の完全な前置主義を採っておりません。原則としては、苦情処理手続から紛争解決手続に進んでいく規定にしていますが、お客様の状況によって、既にご本人と保険会社との間で相当のやりとりがあって、それでもらちがあかないということで紛争解決手続を利用したいという申し出がございましたら、最初から紛争という形で受けるようにしております。

以上です。

○犬飼委員

ありがとうございます。

○山本座長

竹中委員、どうぞ。

○竹中委員

生命保険協会ですけれども、今の日本損害保険協会さんと若干違う部分は、私どもは原則的には苦情前置主義をとっているということです。それで、苦情件数よりも紛争に至った件数が多いのは、指定を受ける前に受付けていた苦情の分が、指定後に紛争としてステージに上がってきたものが、その差分ということでご理解いただければよろしいかと思います。なお、原則という形で苦情前置主義を採っていると申し上げましたけれども、基本的には1カ月間私ども協会、相談所が間に入って当事者間でなかなか進行しない、じゃあ、これはステージとしては紛争にあげましょうという原則はありますが、やりとり等を見まして、1カ月経たずともご案内するケースも当然ございます。

あと、時間的なものは、各団体の商品性の問題があるのではないかなと考えております。私ども生命保険の場合は、いわゆる人の生き死にというところを扱いますので、医学的な問題を見ていかなきゃいけないというほかの団体さんの商品と大きく異なるところで、差があるのかなと考えております。

○犬飼委員

ありがとうございます。

○山本座長

ほかは。相澤委員、どうぞ。

○相澤(直)委員

全銀協の相澤でございます。まず、1点目の件数のずれは、生命保険協会さんと同じということでございまして、全銀協も苦情前置主義を採っておりますので、必ず一旦は苦情の手続きに入る。ただし、相手銀行に苦情の受付の状況を聞きまして、既に苦情対応が十分に行われており、当事者間では解決の見通しが立たないということであれば、すぐに紛争の手続きに移行できるということにしております。

それから、和解終結までの期間が6カ月以上の事案があるという点ですが、法人の事案で、和解にあたり取引の解約が必要なときに、精算金の一部をお客様側が支払うことにより取引を終了させるということがありますが、和解の内容は決まったけれども、それを支払うための資金手当等により、実際に和解契約書に調印するまでに一定の期間がかかるものがあるということで、こういった数字になっているということでございます。

○犬飼委員

ありがとうございます。

○山本座長

統計の確認ですが、FINMACの数値は平成23年4月1日以降の受付業務だとすれば、9月30日時点で6カ月以上はないのは当たり前とも思われるんですが、そのあたりはどうですか。

○坂井委員

ご指摘のとおりです。あっせんの紛争解決手続の期間が6カ月を超えるものは、これ以前に受理した事案についてはもちろんございます。たまたまこの統計上出てこないということでございます。

○山本座長

犬飼委員、大体よろしいでしょうか。

○犬飼委員

ありがとうございました。

○山本座長

それでは、ほかにいかがでしょうか。

○唯根委員

すいません、質問で。

○山本座長

どうぞ、唯根委員。

○唯根委員

苦情処理手続の終了事由で、その他に分類される、ほかのものに分類されないという案件が8%ぐらいあるようですが、これは各機関によって事情とか内容が違うんでしょうか。

○山本座長

どうぞ、相澤委員。

○相澤(直)委員

その他に入る例としては、1つは、苦情の申立てをされた方と連絡がとれなくなるという場合があります。ある程度の期間連絡がとれないということになりますと、一旦終了する扱いにしております。また改めて申立てがあれば、改めて受付けるという形になります。あるいは、苦情対応を相手銀行にお願いしたもののもどうしても平行線で、かつ紛争手続への移行もできず、静観せざるをえないという場合に、一旦終了扱いにするものもありますので、その他にある程度の件数があがっているということでございます。

○山本座長

竹中委員、どうぞ。

○竹中委員

私どもは、苦情の方が28件という数字かと思いますけれども、基本的に移行の163件というのは私どもで言う裁定審査会の方で受理されたものを指しているんですが、この28件は先ほど申し上げた苦情手続を1カ月を経過して、私どもからお客様に申立書用紙をお送りしましたけれども、その申立書が一定期間全然帰ってこないというもの。そこの確認は常にやるんですけれども、連絡がなく一旦終了しますという通知文書を発信したものをここに分類させていただいています。そういう方で、改めてもう一回やりたいとの申し出があり、申立書を送付する場合には、苦情手続を経ずに紛争のステージに直接上げさせていただいています。そのような状況のものを28件入れさせていただいています。

○唯根委員

続けてよろしいですか。

○山本座長

どうぞ。

○唯根委員

この1年私が相談現場におりまして、80代、90代の方からの金融機関へのご不満で、ADRをご紹介して、その後どうなったか追えないという案件がございまして、今の説明を伺いますと、連絡がとれなくなった方々の中にこういったご不満を持った方がいないのか疑問に思うのです。連絡が取れないお申し出の年代とかまではわからないのでしょうか。

○山本座長

相澤委員。

○相澤(直)委員

例えばリスク商品を買って損をしたという方であれば、言いっ放しで終わってしまって、連絡がとれなくなるというのはまずないんですね。リスク商品について例えばあっせんを考えるということであれば、こちらの方もフォローしておりますので、そういった方と連絡がとれなくなるのは、ほとんどないと思っております。

○山本座長

竹中委員、どうぞ。

○竹中委員

年代のことについては手元にデータがございませんが、私の知る感覚では年代は関係ないと思っています。基本的には書留でお送りしますので、いつ到着しているかというのは当然追えるものですが、なかなか返事が来ないという状況だとご理解いただきたいと思います。

○唯根委員

ありがとうございました。

○山本座長

それでは、ほかにいかがでしょうか。どうぞ、石戸谷委員。

○石戸谷委員

私どもの方でも大分ADRが活発化してきているということで、大変結構だと思っているんですが、今日の協議会に備え、メーリングリストで各地の状況を聞いてみたら、先ほどFINMACの処理期間のお話が出ましたが、たまたま申立てて、その期日に入るのに半年ぐらいかかっている。それだけ申立てが多いので、そのぐらいの期間を要することになっているのかなと思ったんですけれども、実際はどうなんでしょうか。この数字だけ見るとわからないということが、先ほどの話でわかったんですけれども、実際に運用上で大体今申立てがどのぐらい先、前はたしか3、4カ月で期日入っていたと思ったんですけれども、かなり延びているんでしょうか。

○坂井委員

FINMACの状況について申し上げますと、申立書をいただいてから半年なんていうことは全くございません。通常ですと、1、2週間では受理しております。最近通貨オプションに関する事案が増えておりますけれども、1カ月を超えるようなことはございませんので、半年と言われると正直心外でございます。

○石戸谷委員

えっ、1、2週間。要するに、期日までの間、1、2週間ということですか。

○坂井委員

受理までです。申立書をいただいてから受理するまで。

○石戸谷委員

そりゃそうですよね。

○坂井委員

期日の設定までは、受理してから1カ月半ぐらいが目途でございます。それは、受理をした後に相手方から答弁書を出していただきます。証券会社や銀行から答弁書を出していただくに当たって、その作業のための期間としておよそ3週間から1カ月程度かかっておりますので、期日設定は1カ月半ぐらいになっております。

○山本座長

よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。

私からも1点お伺いしたいのですが、紛争解決の成立のところで特別調停案というのが先ほど出ていましたが、資料1-2を見ると、特別調停案が使われているかどうかというのは各ADR機関によってかなり違っているようで、その数は結局あるところは生保協会と損保協会だけで、でも、生保協会、損保協会はともに和解よりも特別調停の方が多いという統計上の数字になっているんですけれども、これは、1つは、和解あっせんで話がつかなくて、どうしようもなくて特別調停を出すという件数がこれほど多いのかどうか、特別調停案提示の運用の状況をお伺いしたいというのと、特別調停案が提示された後、訴訟提起などが行われるということがあるのかどうか、そのあたりの実情を。坂本委員、お願いします。

○坂本委員

ありがとうございます。こちらの統計上の数字ですけれども、私ども損保協会の内部運用によるものでございます。といいますのは、私どもの事案の中で保険契約の契約者の方と保険会社とのトラブルの案件につきましては、ADR機関に移行する前の業界内ルールにおける制度の中で、基本的には訴訟移行以外は保険会社側に受諾義務を課す制度にしておりました。

したがって、今回金融ADR制度に移行するに当たって、そこの強制力を落とさない形で運用しようということで、基本的には今申し上げました保険契約者と契約先の保険会社とのトラブル事案については、最初の和解案の提示自体を特別調停案という形で運用しているところでございます。これまで、特別調停案について事業者側が拒否したという事例は1件もございません。

○山本座長

ありがとうございます。竹中委員。

○竹中委員

私どもはほかの団体さんと違い、裁定という形式を採用していますが、事実関係を委員の中でよく調べていって結論を出していこうというスタイルです。私どもの和解の3件は、お客様の申立書を会社の方に送り、会社から答弁書をいただくわけですけれども、そのやり取りの中で会社の方から和解案が既に自主的に示されてくるものを和解という位置付けにします。その場合は、裁定審査会の名前でお客様の方にこういう提案があるがどうかと流させていただく。特別調停は、私どもの言葉で言えば和解案の受諾を勧告するという形の裁定書を双方に出すというものです。会社側から訴訟提起があるかということについては、指定を受ける前、指定を受けた後も含めて十数年やっておりますけれども、1件もございません。

○山本座長

ありがとうございました。ほかによろしいですか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員

参考資料1の4-2、「紛争解決手続終了件数(終了事由別)」というのをまとめていただいているんですが、「見込みなし」が422件で57%という話で、6割近くあるということでありまして、これはいろいろな理由があると思うんですけれども、主に事実の認定のことが原因でまとまらないのか、法的な評価の違いでまとまらないのか、違った理由でまとまらないのか、およそのあれで結構ですので、まとまらないのがかなりあるのをどうお考えになっているのかというのは、どこにお伺いすればいいのかわからないんですが。

○山本座長

これは、ADRとは違うかもしれませんが、坂本委員、どうぞ。

○坂本委員

私ども損保協会も、資料1-2でご覧いただけるように、見込みなし終了が結構なウエートを占めておりますので、損害保険協会の状況を簡単にご説明申し上げます。

まず、見込みなし終了の中には大きく2つございまして、1つは、和解案を提示したものの、顧客側、すなわちお客様の方がそれを受諾いただけなかったという案件で、これも一定程度ございます。それと、多いのは、紛争解決委員が手続きの過程で和解の見込みがない、まさに見込みなしという形で中途で終了する事案です。こういった事案は多くが事実認定にかかわる事案です。損保特有の部分なのかもしれませんけれども、例えば盗難事故による保険金支払いにかかわるトラブルにおいて、そもそも盗難されたと主張する物品自体が存在していたのかどうかというあたりが争いになっている事案はかなりございます。そういった事案については、ADRの調査権限という面では強制的な調査ができませんので、一定程度そういった事案については終了せざるを得ないというものが生じてきます。

それと、確かに見込みなし終了の件数が目立ちますが、金融ADR制度は全体として苦情処理手続と紛争解決がセットになっている制度でございます。確かに先ほど申し上げましたように、損害保険協会においてはいきなり紛争解決の申立ても受けているものではございますが、トータルで苦情の手続きとセットで考えていきますと、まず苦情の手続きのところでほとんどの事案は解決に至っている。ここで解決に至らないものが紛争の方に多くは持ち込まれるということです。すなわち、苦情の時点で解決できないような事案の中には、事実認定のところで保険会社とお客様との間で対立があるものがどうしても多くなるというところがございます。

なお、補足的に申し上げますと、資料1-1の「苦情処理手続の終了事由別の内訳件数」で、真ん中の段の日本損害保険協会は不調が115件となっております。これは、日本損害保険協会として苦情で受付けた事案が、日本損害保険協会以外のADR機関の方に解決が付託されたものということであり、特に多いのは、損害保険業界と日弁連さんとの間で設立した交通事故紛争処理センターに、交通事故関係のトラブルの申立てが行われた事案で、この中のほとんどを占めているというところでございます。

以上です。

○山本座長

ありがとうございました。竹中委員。

○竹中委員

石戸谷先生からのご質問のありました「見込みなし」という部分については、私どもの裁定審査会の表現からすると、お客様の申立て内容を認めるまでに至らないだろうという結論を、紛争解決委員の中で出したものとご理解いただきたいと思います。私どもは、契約時に説明があったか、なかったとか、なぜ支払われないのかとか、多岐にわたる問題がございますけれども、私どもの紛争解決委員の構成は弁護士の方、消費生活相談員の方、協会の職員という3者で構成しており、法律的な観点のみならず、消費者サイドの視点からも物を見てご意見をいただきながら、最終的な結論を出しているというところでございます。

○山本座長

ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。相澤委員。

○相澤(直)委員

見込みなしというところなんですけれども、ご指摘があったとおり事実関係だけを争っているもので、例えばお客様は現金を100万円手渡したはずだと言っているが、銀行が数えたら99万円しかなかったといった事案も結構多くて、そういった第一段階で不受理になるものがあるということと、事情聴取までやってみたけれども、結局当事者双方の主張が真っ向から対立したままで、あっせん委員としても歩み寄りの線を示すところまで至らないということで、打ち切りにするものも含まれております。

○山本座長

ありがとうございました。井上委員、どうぞ。

○井上委員

話が変わってしまうのですけれども、使われ方の問題なんですが、基本的には個人顧客がほとんどなのかなと思いますけれども、個人あるいは事業者という中小企業とは違うタイプの、比較的大規模な法人とか会社による金融ADRの利用はあるのでしょうか。それが一体どういう内容なのかについて、あまり個別の話にわたらない範囲で、やや想定と違う金融ADRの使われ方があったのであれば、教えていただきたいと思います。

○山本座長

どうぞ、相澤委員。

○相澤(直)委員

全銀協について申し上げますと、史上最高水準の円高がずっと続いているということもありまして、為替関係の損失を抱えている法人からの申立てが非常に増えてきておりますが、申立人もあっせん委員会の場で解決を図りたいんだというご意思があるのであれば、法人であってもお使いいただくのは目的にかなったものだと考えております。

○山本座長

ほかの機関は。瀧下委員、どうぞ。

○瀧下委員

保険オンブズマンでございます。私どもの規程では、企業であろうと企業規模によらず苦情処理はお受けするんですが、紛争解決については個人と中小企業基本法に定義する中小企業のみでございます。現実に、どなたもご存じのような大手商社から苦情の申立てがありましたけれども、これは不調で終わったので、紛争解決手続はできませんので、それで終わっております。

○山本座長

ありがとうございました。どうぞ、竹中委員。

○竹中委員

私どものところは、数は多くないんですけれども、個人、法人問わずという形で法人からも受けております。法人の方からのお申し立てについては、弁護士をつけてこられる方もおられます。ですから、裁判でやっていただいた方がよろしいかなと思うところはありますが、そこは分け隔てなく受付けざるを得ないというのが実態でございます。

○山本座長

どうぞ、坂井委員。

○坂井委員

私どもFINMACも個人と法人両方扱っておりますが、法人につきましては、公益性の高い法人の利用が目立っているところがあるかなと感じております。例えば宗教法人ですとか学校法人、あるいは財団といったところは、あっせんが非公開で行われるものですから、訴訟ではなくてあっせんでという希望があるのではないかと考えております。

○山本座長

坂本委員、どうぞ。

○坂本委員

日本損害保険協会も同様に、法人、個人を問わず受付けるということにしておりますけれども、実際に申立てのあった紛争の内容に応じて、非常に額も大きく紛争解決手続よりは訴訟の方が望ましいというものがあれば、そういったものは一旦受けたものの、紛争解決委員の判断で中途終了するという対応になる可能性があります。そういうものは、先ほどの統計上は「見込みなし」というところにカウントされてきます。

実際にあった例としては、大規模会社ということではなく、結果としては損害保険に関する専門的知識を有する損害保険代理店からの申立てだったということで、紛争解決手続としては終了にしたという事例もございますけれども、いずれにしても、そういったものもすべて「見込みなし」の中にカウントされております。

○山本座長

ありがとうございました。どうぞ、森委員。

○森委員

今のお話の関連で、坂本委員と竹中委員にお伺いしたいんですけれども、そうすると、わりと今は弁護士さんがついているとか金額が大きいとか、紛争性の高いといいますか、例えば約款解釈が争いになるとか法的にいろいろ見方が違い得るというものについては、基本的には紛争解決手続の中というよりは、訴訟を念頭に置いて終了されるという運用の扱いをされていらっしゃるという理解なんでしょうか。

○坂本委員

日本損害保険協会は必ずしもそういうわけではございませんで、あくまで紛争解決委員の専門の方々のご判断に委ねております。実態としては、基本的にはほとんどの事案は紛争解決手続の中で受けているということで、訴訟誘導ということはこれまでの事例の中ではほとんどございません。

○山本座長

竹中委員。

○竹中委員

私どもも、日本損害保険協会さんがおっしゃったとおりで、同じでございます。ただ、訴訟に向けた方がよろしかろうと判断することも、今後は多分出てくるんだろうと思います。というのは、調査権がないADRの中で、例えば生命保険の場合は億の単位まで金額が想定されるわけですけれども、そういうものをADR機関で扱って公正な判断としていけるかどうかというところは、考えなきゃいけない部分も今後は出てくるのではないかなと思います。

○山本座長

ありがとうございました。既におおむね予定された時間が経過しておりますので、なおご質問があろうかと思いますが、この点についてはこの程度にさせていただければと思います。活発なご質疑をいただきまして、私自身も金融ADRのイメージがクリアになった感じがいたします。本協議会においても、引き続きADRの運用状況について議論していければと思います。

議題としては2番目になりますが、前回の会合におきまして各委員の皆様からさまざまなご意見をいただいたうち、利用者の利便性の向上に向けた取り組みということで、現在の状況を各機関からご説明を受けたいと思います。なお、大変恐縮でございますが、時間の関係がございますので、ごく簡略ということになるかもしれませんけれども、各機関数分程度でご説明いただければと思います。また、各委員の皆様からのご質問につきましては、後ほどまとめて時間を設けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、委員の皆様には資料3をご覧いただきながら、まずは全国銀行協会の相澤委員の方からご説明をお願いいたします。

○相澤(直)委員

一番上の欄にございますとおりでありまして、この10月から「苦情対応・紛争解決手続改善のためのアンケート」を実施いたしております。アンケートそのものは、後ろの方に添付されております。実施の目的なんですけれども、手続きの改善ということでございまして、よって、結果を公表する予定はないということでございます。

実施の対象ですが、紛争事案において和解ができたものについて、申立人、銀行の双方からアンケートをとるという形にしております。内容といたしましては、苦情申立て先であります全銀協相談室をどういう形で知ったのか、相談員の対応がどうだったのか、申立書等の記載の負担がどうだったのか、あっせん委員の対応はどうだったのか、一定の期間がかかりますが、所要期間についてどういう感想があるか、一連の手続きについて満足されたかどうかといったことをお聞きしているということでございます。

○山本座長

ありがとうございました。続きまして、信託協会の岡本委員、よろしくお願いいたします。

○岡本委員

信託協会です。私どもも今年の10月よりアンケートは準備済みでございます。実施対象は、紛争事案のうち和解に至った事案の当事者としており、10月以降、紛争案件が発生しておりませんので、アンケートはまだ実施しておりません。

また、実施の目的、内容についてですが、私ども信託協会と手続実施基本契約を締結しております主要な金融機関は、全銀協さんのメンバーと重複しておりますので、全銀協さんのアンケートを参考に、ほぼ同様の内容としております。

○山本座長

ありがとうございました。続いて、生命保険協会の竹中委員、よろしくお願いします。

○竹中委員

私どもは、ただいま鋭意検討、作業中ということで、遅くとも来年の4月までには実施する方向で検討しているところでございます。

まず、実施対象につきましては、回答率を期待できるということで和解成立事案から始めまして、その後申立人すべてを対象にするという方向で今検討を進めているところでございます。また、ADRそのものについては、お客様だけでなく事業者側の協力等も当然必要でしょうし、当事者間の公平性を考えた場合には、保険会社側からもそういうものを取得したいと思っておりましたけれども、私どもは現在年2回研修会と称して事業者側から直接声を聞くようなこともやっておりますので、事業者側は研修会で代替しようかなと思っています。

あと、設問内容等につきましては、手続面を中心にお聞きして、運用上の改善に資するものを集めたいと思っております。

以上です。

○山本座長

ありがとうございました。続きまして、日本損害保険協会の坂本委員。

○坂本委員

日本損害保険協会も、今アンケートの項目の詰めを行っているところでございまして、年度内には実施したいとは思っております。

内容としては、まず実施の対象は、当面は紛争解決事案で和解に至った事案の申立人サイド、要するにお客様の方からスタートして、状況を見ながら拡大の可否も含めて検討していこうと考えております。項目自体は6、7項目を5択ぐらいで回答し易い形で選択制にしていこうと思っておりますが、内容はこれまでご報告のあった機関さんと同様に、手続面、あるいは紛争解決委員の応対振り等についてどうだったかというところを教えていただくとともに、フリーアンサーとしてご意見などもいただくような形を想定しております。

○山本座長

続きまして、保険オンブズマンの瀧下委員、お願いします。

○瀧下委員

資料にはそっけないことを書いてございますけれども、実施の方向でございまして、ただ、紛争解決事案がまだ数少ないので、解決といっても実は解決ではなくて、取り下げられているものですので結果を得ていないということで、今後事例が増えていったところで実施したいと思っております。私ども保険オンブズマンに、業務をレビューする運営委員会というところがありますので、改めて運営委員会に内容等を諮った上で、来年あたり実施したいと思っております。

○山本座長

ありがとうございました。それでは、次に日本少額短期保険協会の齋藤委員、お願いします。

○齋藤委員

齋藤でございます。私どもの協会も、一応来春を目途に実施の方向で検討しております。ただし、私どもは紛争案件がまだ件数的に非常に少ないものですから、少ない件数をやってもあまり効果的な結果が出ないということも考えられますので、実施する場合は、苦情案件、苦情処理の中で事業者との和解がうまく成立したケースも幅広目に対象とすることが良いのではないかなと検討しております。

○山本座長

ありがとうございました。続いて、FINMACの坂井委員、お願いします。

○坂井委員

私どもは、9月中旬からアンケートを実施しております。実施の目的は、あっせんの手続きの改善、より良い手続きにするためということで、結果については非公表と考えております。

実施の対象は、和解したとか不調になったとかにかかわらず、すべてのあっせん手続きを利用された方に対して実施いたします。むしろ、不調になった方からの意見の方が重要ではないかと考えておりますので、両方に対して実施しております。ただ、不調になった方のご意見にはどうしても偏りが出てくると考えられますので、申立人と被申立人だけではなくて、そこに同席した相談員、事務局の職員の評価のシートも用意しております。したがいまして、双方プラス事務局の担当した相談員が評価をするという形にしております。

それから、ご参考までに、昨日までの時点で回収できたアンケートの件数をご紹介いたしますと、和解になった方から14件回収できております。そのうち9件は双方からの回収、申立人からのみが3件、被申立人からのみが2件でございます。不調打ち切りになった事案では8件回収できておりまして、双方からの回収が5件、申立人からのみが1件、被申立人からのみが2件という状況でございます。アンケートの中で5段階の評価をしておりますが、幸いこれまでのところ、不調の方についても3以上の評価をいただいているということでございます。また、ネガティブな評価がないということと、特段の意見を書かれた方は多くはなくて、例えば不調の方で1つだけ紹介いたしますと、「残念な結果になりましたが、仕方がないと思います。いろいろありがとうございました」といった簡単なコメントをいただいているような状況でございます。

以上でございます。

○山本座長

ありがとうございました。それでは、最後に日本貸金業協会の八木委員、お願いいたします。

○八木委員

当協会ではアンケートは実施しておりませんが、実際に実施している取り組みについて申し上げます。

ポイントだけ申し上げますけれども、まず、一番上の枠、「『利用者利便性向上に向けた利用者アンケート』等に係る取組状況」でございますが、丸の2番、紛争については、和解が成立したものについて満足度の確認を行っております。紛争解決委員が弁護士さんでございますので、弁護士さんからこれでよろしいですかということで必ず確認をしております。

それから、和解が成立しなかったもの、その他というところに入っておりますけれども、手続きを終了せざるを得なかったもの、一例を挙げますと、裁判手続が係属中であったものの判決が確定したために、紛争手続は終了せざるを得ないといったものについても、紛争解決委員から説明をきちっとするようにしております。

それから、遠隔地対応でございますけれども、当協会は全国に支部がございますが、これまでの紛争解決手続におきましては、ほとんど遠隔地の方は利用者の自宅で聴聞が行える電話会議システムを取り入れておりまして、これまでまだ7件ほどの実績でございますけれども、今までのところ不満は特に出ておりません。

それから、高齢者や判断能力の衰えている利用者への対応でございますが、これまで高齢者の利用はございませんけれども、利用者におかれましては、紛争解決手続の書面の申立てで主張をまとめることが難しいようでございますので、そういったところに丁寧な説明をして助言をきちっとすることに努めております。

以上でございます。

○山本座長

ありがとうございました。ということで、先ほど申し忘れましたけれども、資料としては参考資料3に、今お話があった既に実施しておられる全銀協、信託協会、FINMACについてアンケートの様式等が載っておりますし、さらに、参考としては、金融庁の金融サービス利用者相談室で行われたアンケート、満足度調査の結果も掲載されておりますので、ご参考にしていただければと思います。

それでは、ただいまの各機関からのご説明につきましてご質問、ご意見等がおありであれば承りたいと思います。じゃあ、丹野委員、先にどうぞ。

○丹野委員

初めての参加でご質問させていただくので、多少ついていっていないかもしれませんけれども、その辺はご容赦いただきたいと思います。今のアンケートのお話でございますが、資料3を拝見しますと、金融庁の金融サービス利用者相談室の調査は満足度調査ということになっております。要は、この相談室はADRでは決してありませんので、一定の解決をするところではないから、満足度調査をなさったんだろうと私が勝手に思っております。

今回、資料をつけていらっしゃる全銀協さん、信託協会さん、FINMACさんのを拝見していると、斜めにパーっと拝見したのですが、早かったか遅かったか、説明がわかりやすかったかという、満足とは別の部分で、あくまで手続きという部分でアンケートをとっていらっしゃるのかなと思います。今回のアンケートをとる目的が何なのかということから、利用者利便性の向上に向けた取り組みということであれば、こういうものにならざるを得ないのかなと思います。そういう意味では、先ほど業界の方が皆さんそれぞれにおっしゃっていたことから申し上げれば、あっせん解決をした方だけではなくて、全申立人からおとりになるのが筋ではないのかなと思いました。意見でございます。

○山本座長

和解が成立したところに限っておられるということについて、何かコメントがおありであれば。相澤委員。

○相澤(直)委員

全銀協では、現状は和解が成立したお客様と相手方銀行に限っております。あっせんが不調になった方は、それ自体に非常に不満を持たれていて、あっせんが不調になったことで苦情を言ってくる、やり直せという話を繰り返しされるという状況でありますので、そういった方にアンケートをお願いするような取りつく島がないのが実情ということと、仮に書いていただいても、結局、結果に対する不満はおそらく書かれてくるであろう、結果が不満であれば、手続きも不満だという人が大半ではないかなと。

実際に不調になった方からお礼の言葉をいただくというのは、先ほどFINMACさんの例でちょっと驚いたんですけれども、手前どもの経験で言いますと、不調になったけれどもありがとうございましたという方は、あっせんの場で腑に落ちました、今日の説明を聞いてわかりました、こういうことだったんですねということでその場で感想がわかるんですね。そう言っていただけると、こちらも取り上げて非常によかったなと。結果的には金銭的な解決は図られないにしても、銀行の説明がうまくなかった、不足していたから自分が誤解していた、それがよくわかったということであれば、その場でわかるというのもあるんですけれども、そうではない方、あくまでも金銭的な補償が欲しいという方が不調に終わって、手続きについては満足しましたというのを、期待するのはなかなか難しいのかなとは思っております。

○山本座長

どうぞ、丹野委員。

○丹野委員

満足ではなくてというところを申し上げたつもりでおります。おっしゃっていることは非常に条理に基づいたお話で、とてもよくわかるんですが、それを踏まえてあえて利用者利便のためにアンケートをお取りになるのであれば、筋から言うと、どんなお答えが来るかわかりませんけれども、多少バイアスがかかったものが来るのかもしれませんが、全員お取りになるのが筋ではないかなと思っておりますので、ご検討をお願いしたいと思います。

○山本座長

それでは、石戸谷委員。

○石戸谷委員

協議会発足以来、ずっと全銀協の方には注文ばかりつけてきていますので、たまには評価しようかというか、「その他の取組状況」というところで、あっせん件数が非常に増えているのでデリバティブ専門小委員会をつくって、体制を強化してやっているということで、ここは大いに評価できると思うんです。

先ほどの法人か個人かという話とも関連してくると思うんですけれども、ADRの基本的な考え方の問題で、消費者保護的、簡易、迅速性を重く見るのと、専門性、金商法、金販法などの法の実効性なんかを重く見るので考え方が分かれてくると思うんですが、金販法も金商法も消費者、非消費者という切り分けはしていないので、ぜひ法人も含めてやっていただきたい。為替デリバティブ、ゼロコストオプションなんかだと、中小企業が多いのかもしれませんけれども、ほとんど法人だと思いますが、こういう取り組みは非常に評価できるんじゃないかと思いますので、ぜひそういう方向でやっていただきたいと思っています。

○山本座長

ありがとうございました。よろしいですか。ほかに何かございますか。どうぞ、唯根さん。

○唯根委員

意見です。消費者団体として、また行政の窓口で相談をやっている者として、先ほども申し上げたんですが、この1年間で金融ADRをご紹介して、「お話にならない、私の話を聞いてもらえない、手続きがわからない」という方たちが私たちの所へ戻ってきたケースが結構ございました。もしできれば、行政の消費生活センター等へも利用者の利便性のアンケートをしていただけるとよりよろしいのではないかと思います。

というのは、私もADRをご紹介して「手続きがわからず何度文書を書いても予約がとれない」という相談で、ADRとの間に入ってご連絡をとったケースがあるんですが、ADR機関の相談窓口の方が、専門用語をお使いになるんですね。消費者センターの私たちでさえ、専門用語をきちっと消費者の方に理解していただくのになかなか苦労いたします。高齢者の方や、金融機関とのトラブルが初めての方にとって、専門用語を羅列して説明するという部分がまだ消費者の視点をご理解いただけていない。ADRを利用していただきたい方たちが利用できない。諦めてしまう。先ほどの見込みなしの中に入っていないといいなと思うようなケースがまだあるのではないかと思います。そのため、アンケートについては消費生活センターの相談員にもADRの利便性について聴いてみてはいかがでしょうか。

○山本座長

ご意見として承っておきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。特によろしいですか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員

ないのであれば、せっかくの時間ですので。褒めた後でまた注文をつけるのはあれなんですけれども、すいません。メールで各地の弁護士の利用状況なんかを聞いた意見で、あっせんを申立てるときは、当然そこで解決したいということで申立てるわけでして、我々の方も依頼者を抱えていますから、あっせん委員がこういう方でというのは当然説得の際の材料になるわけでして、そういう意味では、あっせん委員がどういう人かというのをFINMACはネット上で公表しておられるが、全銀協はそこが出ていないということで、まとめるときに依頼者と話をするのに、どういう人か全然わからないけれども、立派な人だから尊重するようにというわけにもいかないので、ネット上でオープンにするのはいろいろ支障があるのであれば、当事者に対してあっせん委員はこういう人だからというのをあっせんに先立って通知するとか、せめてそういった工夫をお願いできないかという声がありました。

○山本座長

相澤委員、どうぞ。

○相澤(直)委員

全銀協としては、それはできないと考えております。誰があっせん委員会として担当するんだということを事前に聞かれる方がいらっしゃるんですけれども、申立人以外のいろいろな方が関与してくる可能性もあるわけでありまして、それが弁護士とは限らないわけであります。言葉は悪いですが、いろいろな形であっせん委員に対して個別に働きかけをしようという方もないとも限らない。一方、不調に終わった場合に、あっせん委員に対してどこの誰なんだ、追いかけ回してやるからなといった話をされる方も中にはいて、安全上の問題もあり、全銀協では公表していないということであります。

○山本座長

この点は、モデルをつくるときから問題になっていた懸案ではありますけれども、今のところはそういう状況だということかと思います。ほかにいかがですか。

○依光委員

今のお話なんですけれども、私は消費者の目からといいますか、ADRはとてもブラックボックスというイメージがあるので、どなたがとまでは出せないというお話でしたが、お願いする側からどういう方たちがどう携わっているのかもう少しわかりやすく、専門用語を使われるというお話もありましたけれども、周知を徹底していただけるとありがたいかなと思います。

それと、先ほどのアンケートの件ですけれども、和解に至らなかった方たちでも、とりあえず申立てされた方には一応とるべきじゃないかと私も思います。不調だったからといって、いろいろな声が出てくるというお話がありましたが、それを選り分けて、今お話もありましたように、その中にも聞いてもらって満足だったという方もいらっしゃると思うので、不調だったけれどもどこが満足に至ったのかというところをきちんと見極める必要もあると思いますので、是非入り口のところできちんと皆さんにご意見をいただくのが大事なことじゃないかと思います。それで、ある程度アンケートを取った後に、一定の期間が経ちましたらきっと皆さん振り返って改善につなげていかれると思いますので、そのあたりも今後どのようにされたのかというところまできちんと教えていただけるとありがたいと思います。

以上です。

○山本座長

ありがとうございました。瀧下委員。

○瀧下委員

要望ですが、よろしいでしょうか。2点ございまして、1点が当局、1点が弁護士会にお願いしたいことで、運営上非常に困っているんですけれども、ある紛争解決事案で調停委員会を1回開いたんですが、傷害保険のお客様で、被保険者がご主人で、保険金受取人の奥様が紛争解決を申立てられて、2,000万円の死亡保険金を請求されてきた。調停委員会を開いたところ、調停委員は3名とも2,000万円支払うべきだと言ったんですが、僕はだめですと。2,000万円の保険金請求で、2,000万円を認めることはできません。なぜなら和解を勧告しなきゃいかんので、2,000万円をそのままやったらば100%認めることになるから和解になりません。日本の民法では和解ではありませんと申し上げて、じゃあ1万円削ろうかという話だったんですが、業法でも金融ADR法では和解という言葉を使っているので、これを是非ともやめていただきたいというのが第1点。

もう一点は、弁護士さんに対するお願いでして、弁護士が結構紛争を起こしているんです。紛争の種をつくっているんです。私どもの会員は外国会社で、弁護士委任する事例が多いんだと思うんですが、弁護士委任すると弁護士がお客様に対応される。そうすると、なぜ支払わないのか説明してくれとか、何で減額するのか説明してくれと言うと、そんな必要はないと言うんだそうです。申立人からそういう話が非常に多い。苦情申立てがあった場合も、今は禁止していないので保険会社が弁護士に対応を委任すると、その中でも同じようなことをやっているんです。紛争を拡大している。弁護士はけしからんといってお客は怒ってくるということで、弁護士会の方でもコード・オブ・コンダクトで説明義務か何かを決めていただけないかなと。法律上決まっていないから、そんなことは言う必要はないということだと思うんですが、保険会社の代理なんですから顧客に説明する。その辺を是非とも何とか改善していただきたいと思います。

○山本座長

何かコメントは。森さん。

○森委員

まず、和解の点に関しては、おそらく費用等の譲歩でも別に問題ないという理解だと思いますので、多分1万円削らなきゃいけないというのは理屈上ないと思いますが、それは誤解に基づくものだろうと思いますが、後段の方の部分については、弁護士の中にも制度の無理解というか、きちんと理解されていないことに基づく間違ったアドバイスも確かにあろうかと思っています。

そのあたりについては、弁護士会としてもきちんと周知徹底を図らなきゃいけないということで、毎年いろいろな研修を行っているんですけれども、今年度ADR委員会でも、金融ADRを3月13日に全会員に向けて特別研修ということで実施させていただく予定でおります。それで、指定紛争解決機関の方々には、ぜひ講師派遣等についてこの場を借りてお願いしたいと思っていますし、先ほど全銀協さんにお願いしようとしたら、どの方が紛争解決機関かわからないということもございましたけれども、いずれにしてもご協力いただきたいと思っていますので、お願いいたします。

○山本座長

第1点は、私は民事訴訟法学者ですが、民事訴訟法における和解についても同じ解釈がなされていると思います。全額支払っても、費用等をお互いが負担し合うという程度であれば互譲があったとふうに、和解における互譲はかなり緩やかに解されているというのが、民訴のみならず民法学会においても一般的な理解だろうと思います。

○瀧下委員

私どもは、費用も全部事業者持ちなんです。

○山本座長

紛争をやめるということだけでも互譲になるという理解も、有力にあるんだろうと思います。

○瀧下委員

じゃあ、山本説を採用させていただきます。

○山本座長

私の説ではあまり説得力がないと思いますけれども。

それでは、予定された時間を既に超過しておりますので、本日の協議はこの程度にさせていただければと思います。次回でありますけれども、43回ということになりますが、これから半年余りということで、年度の変わり目は皆さん大変かなということがあると思いますので、来年5月から6月ぐらいを目途として次回の会議を開催できればと思いますが、いずれにしても、詳細は追って事務局の方からご連絡いただきたいと思います。

それでは、本日の協議会はこれで終了いたします。大変活発なご議論、どうもありがとうございました。

(以上)

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総務企画局企画課金融トラブル解決制度推進室(内線3528)

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