第10回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1. 日時:

平成14年2月18日(月)10時00分~11時50分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館 金融庁特別会議室

3. 議題:

金融トラブル連絡調整協議会における今後の取組みに係る論点メモについて

4. 議事内容

  • 日本商品先物取引協会の金融トラブル連絡調整協議会への参加が承認され、同協会の浜地自主規制部長が委員として参加することとなった。

  • 資料1「金融トラブル連絡調整協議会における今後の取組み(論点メモ)」について事務局より説明があった。

    • この論点メモでは、今後の協議会の進め方と積み残しの課題の両方が混在しているため、どちらが優先されるのか明らかにして欲しい。今後の協議会の進め方を優先する場合、実際の開催頻度が予算措置などにより制約を受けるため、この協議会に充てられる予算や人員を明かにして欲しい。一方、積み残しの課題を優先するのであれば、それらの課題を今後の金融分野の裁判外紛争処理制度の改善のために検討すべき論点と位置付けて今後の協議会の進め方を検討することとし、予算的なこと当面考慮する必要はないと考えてよろしいか。

    • 今後の進め方と積み残しの課題は両者が関係していると思われるが、まずは、何が課題として残っているかを検討した上で、今後の協議会のあり方を検討することでよろしいか。予算及び人員の問題については、事務局の方からお話いただく必要がある。

    • 最初から予算の枠を前提に議論することはどうかと思う。また、金融庁がお手伝いしているが、必ずしも金融庁だけが事務局的なことをやる必要な組織でもないと思う。まずは、積み残しの課題をご議論していただいたほうがよいと思う。

    • 一つ確認させていただきたいが、前回モデルに対する意見募集が新聞に報道されたときにこの協議会は民間団体と書かれていたものがあった。ところが、金融庁のホームページを見ると、この協議会は審議会等に分類されている。この協議会の位置付けを確認させていただきたい。

    • 法令に基づく審議会ではない。ここは、参加されている業界団体、消費者、弁護士、有識者の方々、関係する行政機関の人達が、金融トラブルへの対応について、協力しながらレベルアップを図っていく場であり、別に民とか、官とかいう話ではないと思っている。あくまで自主ベースの参加であり、志を共通している人達が集まっているものと考えている。

    • この協議会は、金融審議会の答申に基づき、行政側が協力する形で設けられたものであり、民と官のどちらが主体かは特にきまっているわけではない。事務局を務め、場所を提供する形で金融庁が協力をして、民間の方々に集まっていただき、お互いに協力して、金融トラブルを解決するためのADRを充実していく場だと理解している。だから、今言われたように、形式論としてどちらかがやっているものではなく、両者が協力して作っている場と理解している。審議会の一部といった形ではないことに大変なうまみもあるのではないかと理解している。

    • モデル案について、誰がどういう形で、実施状況を確認していくのか。例えば、協議会で相互に話し合っていくのか。

    • この協議会が確認のための場になると考えている。無論、金融庁にはいろいろ協力していただくし、その成果は今後の金融行政の中で活かしていただくことになると思っている。ここで議論したことは各業法上の強制的な性格をもつものではないが、金融庁がそれを反映した形で今後行政を進めていただくという意味は十分あると思う。何でも役所に頼るのではなくて、できれば民間が主体でお互いに自主規制という形でやっていっていただくのが一番いい。ただ、それだけでは足りないところもあるので、金融庁もいろいろサポートをしていただくと思う。

    • モデルのフォローアップは、今後の協議会で主に検討されるテーマになると思うが、その方法はどうなるのか。今回提出されている生命保険協会の取組みのように、随時、制度の改善に関する報告は提出されている。しかし、まだ取組み自体が開始されていない業態もあると思われるので、今後、一巡する形で各団体からモデルの反映に関する発表を是非お願いしたい。モデルの趣旨はそれほど異論なく同意をされたと思っているが、消費者から寄せられている相談・苦情の件数の実態を考えると、このモデルを実現するためには、単に、文章を変えるだけでなく、しっかりとした体制を業界でも整えてないと対応ができないと思う。また、相談のための予算や、相談担当者のトレーニング等について、相当大きな転換にならざるを得ないと思っており、条文だけではなく、全体の体制整備も含めての発表を一年ぐらいかけて一巡させてチェックをする形になればと思う。

    • 今まで協議会で議論して感じたことは、ワーキンググループ(以下「WG」という。)は実務者が出席して、協議会には責任ある立場の方が出席されている団体が多いと思われるが、具体的な問題はWGの方でかなり出てきたと思う。ただ、協議会とWGの関係では、例えばWGの委員が団体に持ちかえったときに、業界の意見で、WGで決まったことが覆されるなり、意見書が出てくるといったことの繰り返しが結構あった。実務の方々がこう進めたいと思ってもなかなか業界の個別の事情で進まないケースが多かったので、実務者がネットワークを組んでパワーを出していただくことが必要と思ったのが、この実務者レベルのネットワーク会議の設置の提案のきっかけである。また、このネットワークを広く知らしめるためには定期刊行物の発行や、掲示板を備えた共通のホームページなど、関係者の皆さんや消費者が双方向性を活かしてADRの機能を向上するための媒体を作っていくのが効率的ではないか。さきほどご説明があったように行政はあくまでも協力するものであって、このネットワークは民で持ち回りなり、委員を決めるなりして運営した方が良いのかと思う。この協議会では業界の方々は意見を求めないと発言しない風潮があり、業界の方々が主体的に取り組むためのもう一つの場が必要なのではないかと思う。

    • 私共が実施していることの紹介だが、相談実務者の横の連絡会として金融団体相談所連絡会を定期的に開催していて、銀行業務に近い預貯金取扱機関の地銀協、信用金庫協会、商工中金等かなり広い範囲で集まって、年数回連絡会を開催している。それから、会員銀行のお客様サービス部門の相談員の方と銀行よろず相談所の相談員の会合を年数回開催しているなかで、消費生活センターの相談員の方も交えての意見交換会も毎年開催している。この協議会のメンバーで実務者全員が集まってとなると、かなり範囲が広くなってしまう感じがする。

    • 機関間連携にポイントを置いて、この実務者ネットワーク会議を作る必要があると思う。同じ業の中では比較的作りやすいと思うが、この会議で課題とすべきことは、第一に、それぞれが研鑚を重ね合って自主規制機能を発揮すること、第二に、業の谷間やたらい回しなど、横断的にフォローしなければいけない事案を念頭に置いて、いわゆる金融の新しい時代にふさわしいADRをどう改善していくかということがもう一つの問題としてあると思う。この協議会でもいくつか谷間に落ちている新しい金融商品・サービスの問題が指摘されており、業界横断的な実務者ネットワークを構築する必要があると思う。例えば投資信託のように販売業者がいろいろな業態にまたがるときの問題、それから信託とか保険の窓販とか、いままでのメーカー直売ではないような販売形態が増えてくるが、消費者の立場に立つと、業の谷間に落ちる問題が一番心配である。例えばこの課題にしぼって今どういう問題が起きているのか、それぞれの業で本当に連携し得るのか、どういうことが必要なのかといったことをお考えいただきたい。

    • 業界団体・自主規制機関と消費者行政機関との連携についてだが、私共は民間団体であるが相談室を持っている。相談室を持っているといろいろな相談が寄せられ、金融もその例には漏れない。従って、業界団体・自主規制機関と消費者行政機関だけではなく、民間の消費者相談室を持っている団体との連携も図る必要がある。この協議会に私共の協会も参加しているので、私共の団体は一つ連携がとれたと思っているが、他にも相談を受け付けている民間団体もあるので、そうしたところにもどうアプローチすべきかと考えている。

    • 3ページの移送ルールの検討だが、移送ルールの設定についてかなり具体的なご提案があったが、これについてご意見はあるか。何か補足などあれば。

      • 私共は先程からお話のある隙間の不動産の金融商品を扱っている団体であり、従来からの金融商品について既にこういうルールがあるかと思ってたところもあり、私共がここに参加させていただいて、逆に同じルールを適用していけるかという問題意識を持っていた。しかし、そうしたルールがあまり整備されていないとのことなので、それならば何かここに書いたことはできないかとの趣旨で申し上げた。現実には私共まだ商品自体がそう大きく膨らんでいないので、個人の方が購入される事例も他の金融商品に比べると非常に小さいので苦情が出ている状況にはない。想像でこうしたものが必要なのではないかと思ったのであって、具体的にそういう事例を持っている団体でどうお考えか是非伺いたい。

    • 全銀協では、細則において生保、損保、証券への移送ルールを定めている。

    • そうすると、もう実行されているところはあるわけだが、まだ整備されていないところで、今後、全銀協のような先行事例にならって進めていただきたい。また、そういった情報を全銀協のようにすでにルールを作っているところから情報提供をしてもらって、他のところの参考にして欲しい。

    • 全銀協の移送ルールは公表しているのか。また、移送ということに限って何か消費者にわかるようなことはしていないか。

    • 移送ルールは規則・細則に規定しており、ホームページ等にも掲載している。このため、ホームページを見てもらえれば、例えば、銀行で販売した投資信託に係る苦情等も、銀行よろず相談所からしかるべく証券業協会に移送される仕組みがわかるようになっている。

    • 金融審答申の5項目は早急に実施すべき項目に位置付けられているが、その中の一つに苦情紛争処理手続きの透明化という項目があり、これは苦情紛争処理制度があるという前提である。しかし、以前のアンケート回答では17団体中、あっせん調停制度があるのは3団体しかなかったと思うが、いろいろな改善点は、あっせん調停制度がなければはじまらない。このため、紛争解決支援手続の重点的な整備を検討項目の中でとりあげて、各団体毎に順番にやっていく方法もあるかと思うが、大変時間がかかってしまう。そこで、毎回各団体の取組みに関する進行表等を提出してもらえれば、一目瞭然で整備状況が分かるので、それをまず最重点項目として取り上げるべきではないかと思っている。金融審答申でも国や自治体のサポートが不可欠であり、行政の積極的なリーダーシップが期待されると提言されているので、そこを生かしていただいて、もう少しテンポ良く実施の方向に進めるべきではないかと思っている。

    • 苦情相談窓口のある業界団体が紛争解決ためのADRを作るべきかどうか、また、弁護士会への委託を是とするのか、明確にすべきと思っている。

    • 第三者評価については言うは易く、実際に行うのはとても難しいと思っている。今回のエンロンの事を見ていても痛感するが、開示される情報量によって、第三者評価もどこまでができるかが変わってくる。自動車PLセンターでは、相談者に対して処理結果に関する満足度調査を実施しているが、他のPLセンターはそこまで踏みきれないところがあり、必ずしも常態化しているわけではない。自動車PLセンターの場合満足度が高いが、その理由は、調査に回答してきた人からパーセントを出しているからと思われる。したがって、回答してこなかった人はおそらく不満ではなかったかと思われる。このため、実際に相談を持ってこられた方の満足度測るため上で、どれが最良の方法かということも大変難しく、おそらくいろいろな手法を組み合わせないと本来の評価にはならないと思っている。ここに銀行のよろず相談所の運営懇談会の話がでているが、これを一つ設けているからいいということではなく、いろんな方法を組み合わせてみる必要があると感じている。

    • 苦情と相談の適切な区別について、モデルの中に定義が定められているので、それに基づき、それぞれの団体の体制を整理していただくことになるかと思う。だから、モデルが正式に決まった後でそれを踏まえた取組みをこの場で報告をしていただくことになるのではないか。

    • 最初の頃だが、苦情と相談、苦情と紛争の区別が、私共がこれまで相談を受けていた内容とは違う形で発表されたこともあり、非常に驚いた。苦情と紛争の定義が提示されたので、今座長がおっしゃったように、これに当てはめて苦情、相談、紛争を分類した時のこれまでとの変化を知りたいし、それから、今までの分類について、業界団体で検討又は反省をしていただきたいと思っている。

    • 今のところは明確な定義に基づく運用が第一歩だが、実際には多分に評価的な要素が出てきて、申立人が言っていることに関するふりわけといった微妙な問題がある。私の家電PLセンターにおける経験から言うと、処理方法に関して定期的に報告を受けながら、本来苦情として対応すべきものなどを練り上げてきて、除々に顧客満足度が上がってきていることから、そうした作業が必要だと思う。だから、あっせん調停の段階が設けられていると、あっせん調停事案の処理の仕事が多くとも、必然的に、全体の運営も定期的にチェックする形になる。しかし、圧倒的な多数のところが苦情段階で完結しているわけだから、非常に早い段階であっせん調停制度も立ち上げていただくのが一番いいわけだが、そうでないのであれば、先程の第三者評価のようなものを早急に設けないと、問題となる。

    • 今日いくつか意見が出たものについて、その通りだとは思うが、その実現方法に興味がある。緊急性や必要性は分かるが、それを言うだけでは進まないという閉塞感も感じている。例えば、紛争解決機関を設けるにしても、何らかのルールを作るにしても、それを推進する方法は大きく分けて二つくらいしかないと思っている。一つは法律等により義務付けることと、もう一つはやったほうが儲かる、もしくはやらないと損をする、として業界が進んでやりたくすることの二つだと思う。この協議会は二つ目の方向で物事を進めている自主機関だと理解しているので、やるべきことが最初にあるのは分かるが、その次にどうすれば、それを得なことにするためのアイデアを出す場として考えられないかと思う。その意味では取組み状況を報告することも重要だが、消費者団体の方からも、きちんとした機関を設けているところの金融商品は買う、そうではないところは買わない、トラブルもきちんと公表しているところは信頼性が高まるといった差別化が消費者の側からもできるといった形で消費者教育を実施していただき、それが進めば業界からも実施のためのお金が出やすくなるのかと思う。やり玉に挙げるやり方もあるが、誉めて育てるやり方もあるので、まだまだ不十分だと思うが、取組みを進めているところをどんどん取り上げて誉めれば、よそもこんなことがPRになるのかと考えることもあるかと思う。そういう場としてつかうのが、自主的な団体のやり方だと思う。それは法律で決めることに比べると時間はかかるかもしれないが、法律でやらされるよりは、最終的には早道だという感じがしている。

    • みんなで話し合って、方向性を決めてやってみようという御提言があったが、まさにそうである。この中のメンバーにいながら、今般のモデルに対する意見募集に対して当方の事務局長名個人であえて出させていただいた意見の中に、しっかりしたADRを持っている組織については、例えばマーク制度も視野に入れながら、消費者に分かりやすく公表していったらどうかというものも出させていただいており、まさに同じ気持ちでいる。消費者は選択をしたいが、情報がないと選択できないので、本当にしっかりした機関を持っているところにはマークを導入するといったことも合わせて考えていいと思う。

    • マークについては以前から意見申し上げてきたが、井上先生のご意見にも全面的に賛同している。ただ、今までの業界の取組みを、ADRのみならず全体で見た場合に、消費者が評価しようと思っても評価できないと思われる。例えば金融商品販売法の勧誘方針の公表にしても、「出してない」、「同じことしか書いてない」といった指摘しかできないことに情けなさを感じた。前向きなところをマスコミで取り上げようと思って調べたが、わずか一行ぐらい違うことが書いてあることを見つけるのも大変だった。だから、今後も取組みを進めて欲しいが、例えば他の業界での取組みから提案で申し上げると、こうした協議会などで優良企業とか優良団体表彰のコンテストなど、対外的に目に見えるようなものを実施すれば、消費者がもっと前向きに評価する手立てになると思う。

    • 自動車と家電のPLセンターが、なぜうまくいっているのか、その経緯、機関が制度を発展させてきた理由を教えていただきたい。

      • 金融審議会に所属して4年位、金融機関とお付き合いをする中で感じているのは、金融業界の消費者志向の遅れである。それまでの大蔵省のもとで金融機関同士がそれほど差もなく商品も差がなかったので、消費者があまり情報を欲しがることも、チェックや評価をすることもなかったため、金融業界は消費者志向が遅れている業態という印象が大変強い。ところが家電、日用雑貨、自動車などは、日々消費者に商品を販売するので、消費者への情報提供や苦情相談に関する歴史がとても長い。15年、20年前は苦情がきていることは全然外に出さなかったが、それは変わってきており、情報が出ることで消費者も評価できる関係になってきていると思う。そのために家電や自動車のPLセンターができたときも、ためらわずに消費者側から評価してみようとなったと思う。あと、そういった業態については経産省のほうで、優良企業の表彰制度というのを10年位やっている。この10年、20年の他の業態が消費者志向を強めてくる中で、金融は大変遅れをとっていると思う。まだ開示されている情報が非常に少なく、大変評価しにくいと思っている。ただ、金融オンブズネットというグループ活動で、徐々に金販法の中の勧誘方針がどのような策定をされているかに関する評価等も始めていて、当初銀行を取り上げ、あの中にも、埋もれているが、コメントで誉めているところがある。今、証券をまとめているが、証券はもう少し具体的な標記になっている。一足飛びには難しいかもしれないが、これから消費者と金融機関、金融の事業体との関係は徐々に変わっていくだろうと思う。

    • 家電はうまくいっているといっても、厳しい意見が多く、消費者側から満足がいっているわけではない。私は立法の経過から日弁連の推薦委員としてずっと入っているので、批判される立場ではある。ただ、PL法制定のときと比べてみると、メーカーの対応が早い。PL法自体は必ずしも消費者側から見て、あまり芳しい法律ではなく、不十分との意見が多かった。しかし、そこは運用で表示を改善したり、各業態毎に民間型ADRを作ったわけである。

      それと今回の金融の問題にしても、井上先生が言われたようにメリットがある形が理想的だし、できるだけ誉めるようにしている。確かに改善点はいろいろあるし、特にこの証券業協会はあっせん調停が一桁台から今三桁の数に急増しているので、そこは評価している。ただ、それが全体の中から見ると、目に見える形で進んでいるところが少ないことと、なかなか、メリットが各社に直結してこないことが問題である。勧誘方針などの場合、マーケットメカニズムによりいい業者を消費者が選択するという話になるが、実際は全部横並びでマーケットメカニズムが働きにくい。ADRの場合には各業界に一つなので、証券と銀行を比べて、証券のほうがADRは整備されているから、私は銀行と取引しませんとはいかない。だから、どうしても銀行は銀行、生保は生保と選択せざると得ない部分は必ずあり、保険と証券は代替多少可能な部分もあるかもしれないが、銀行と生保の代替は無理な話である。このため、やはり各業界ごとにきちんとしなければいけない。あと、メリットについても、目先のことを考えるとできるだけ手間かけずにコストもないほうがいいとなるので、短期ではメリット主導に限界が出てくる。ただ、中長期的に見るとそこは金融の信頼性が非常に高まって、大いにメリットをもたらすはずである。イギリスの個人年金事件で非常に多額な補償金を払って個人年金事件の解決スキームを立ち上げているが、現地に聞いてみると、信頼性が傷つくのが一番致命的であり、信頼性を維持するためにはコストをかけなければいけないという文化がある。あまり目先のことのみならず、大きな目で見て、全体的に金融に対する国民の信頼が高まって、円滑にまわっていくのではないかと思う。

    • 今まで協議会に参加して感じたが、複数の委員の方々が、苦情はもともと個別企業で解決すべきという考えを持っていることが分かった。ただ、個別企業で解決しないからADRが必要というのが消費者側の言い分であり、それぞれの団体がその個別企業へのリーダーシップを発揮していただけないのか。そのためにこの場をもっと活用していただけないのか。こうしたことは先程から言っている実務者のネットワークという構想の中に入っている。他業態ではお客様相談室等の部門の方は、例えば消費者関連専門家会議(ACAP)や、女性の消費者問題専門家及びお客様相談窓口にいる人たちの団体である日本ヒーブ協議会等、業態横断的な専門家の会議にいろいろ所属している。これらはかなり活発に活動していて、先程申し上げたコンテストや表彰を個人又は企業に対して行なっており、他の個人がこういう取組みをしたということで外から評価されるとその企業の中での顧客業務重用が広まったり、他の業界団体においても同様の取り組みが広がっていくことがある。例えば苦情対応マネジメント指針というのはACAPがJIS化をはかったものである。そこは金融業界の人も参加自由だが、銀行と保険会社の一部が参加しているだけで、存在も知られていないかもしれない。ただ、保険協会など業界団体はそれらに参加しているので、各個別の企業にそういう団体に参加して研鑚することを広めてくれたら、随分違ってくるのでないかと思う。だから、実務者のネットワークを作って、金融に関しても、他業態と競っても恥ずかしくない苦情処理・紛争処理の実現に向けての工夫をするための自主的な取組みの第一歩をやっていただきたいと思う。

    • 苦情や相談をどう位置付けるかは、その企業の経営トップの考え方が大きいと思っている。長期に考えると非常に消費者に満足のいく解決は企業にとっていいこととは理解されているが、目先のところでは、足を引っ張っているとか内部告発的な要素に見えてしまうとか、あまりオープンにしたくない、件数があることも、伸びるということも認めたくないという雰囲気がとても強いと私は思っている。この殻又は壁を突き破らないと、そのACAPに参画して横断的に苦情処理の規格をつくるところまでは行かないと感じている。だから、この協議会で話をしなければいけないこともあるが、やはり金融庁がきちんとした苦情処理・紛争処理のシステムを経営のトップに向かって作るべきと強力に言うべきと思っている。今の金融機関の各苦情や相談を担当している人と話をしていると、あまり情報開示はしたくないし、トップに上げることが自分達の評価につながるのかというところも危うさのようなものも感じているので、是非それはバックアップしていただきたいと思っている。

    • モデルに半年以上関わっていて、このモデルは必ずしも完璧なものではなく、非常に気になっているところが三点ある。紛争処理では、例えば資料提出請求も、紛争処理機関ではなくて委員会に権限があるとしたが、その権限が本当に発揮できるかどうか、それから二つ目がADRの利用と裁判の比較である。裁判は公開であり、公開をされたくないとADRに来るかと思うが、この情報開示のあり方が裁判との比較からも妥当だったのかどうか。それから、三つ目だが、金融関係のトラブルは立証の壁により訴訟に上がると消費者側が敗訴するというパターンが大変多いが、ADRではどう軽減をされるのか、立証をあまり求めずに納得に重点を置くのかという点である。具体的に立証の問題を検討したわけではないので、その三つがモデルで妥当だったのかどうかが気になっているので、このモデル自体の検討もいずれかやってみたいと思う。一方で、司法制度改革の議論が進んでいて、具体的にADRの検討会が1年か2年かけてADR基本法を目指す形でスタートしており、いろいろな成果が出てくると思うのでそれも取りこめる形にしたいと思うので、モデルのどこかの段階での見直しも入れておいて頂きたい。

    • このモデルではこれまでの協議会における議論のかなりの部分を取りこんでいるため、モデルのフォローアップが大事である。どうフォローアップを行い、この場をどう活用していくかが一つ大きな検討のポイントと思う。国際社会でも、どこかが法律を決めるわけにはいかないため、よく用いる手法がある。一つはこうしたものを作ったときに、まずはSelf assessmentといって、自分でどの項目は実施しているかを確認する。ただそれでは、大体みんな○(まる)がついてくるので、もう少し細かいレベルに質問を分けてみるとか、出てきたものについて細かいレベルではどうなるかを見て、○×をつけてみるといった手法を用いている。また、例えば、これはマネーロンダリングで用いている手法だが、相互審査といってお互い委員の中から何人か選んで、その人に評価してもらうやり方もある。あるいはバーゼルの銀行監督みたいに金融のいろいろな原則、銀行監督の原則であれば25あるが、それをチェックする。ただし、それは専門的だから専門の事務局(IMF)が世界中の国を順番に見るとか、あるいはそれをフィードバックする方法もある。また、一番極端な話で、マネーロンダリングの関係で言うと、これは通称Good, Bad and Uglyと称するが、良いところ、悪いところ、とんでもないところを公表する方法もある。これはマネーロンダリングの性格上、一つの国がまずいとそこを通った金が全部分からなくなるので、やはりそこはもう少し改善しようということとなる。今回は自分達がADRの向上を図ることが業界の利益になるというものなので、そこまで極端な方法は必要ないと思うが、こうした点検を通じて、制度はできても実務はできないといった問題もあぶり出されてくるであろう。フォローアップも、抽象的に考えるのではなくて、個別的にそれぞれの実情を点検して照らし合わせることによって、モデルの改善も進むのではないか。まさに能力の問題があって、つまり、先程の話ではないが、点検に当たって専任事務局みたいなものを雇ってそこでできるかというとそこはなかなか難しい。あるいは、各関係者がお金を出し合って、例えばコンサルタントを非常勤で雇うかといった、いろいろとやり方はあると思うので、今後、全体としてお考え頂ければと思う。

  • 今後の取組みの策定に向けての手順について、まず、意見募集を踏まえたモデルの確定作業を行い、モデルが確定した後に、本日の論点メモ及び委員の意見及びモデルの修正点を踏まえ、事務局の協力を得て、岩原座長と山本座長代理で今後の取組みの原案を作成して、協議会に諮ることとなった。

  • 資料の公表について了承された。

  • 裁判外紛争処理制度の改善に向けた取り組みについて、生命保険協会から報告があった。

  • 次回協議会においては苦情・紛争解決支援のモデルについて、一般からの意見を踏まえて議論することとなった。

問い合わせ先

総務企画局企画課
電話03-3506-6000(内線3517)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。

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