第27回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1.日時:

平成16年9月10日(金)15時30分~17時00分

2.場所:

中央合同庁舎4号館 金融庁特別会議室AB

3.議題:

ADR法(仮称)の検討状況について など

4.議事内容

ADR法(仮称)の検討状況について

  • 司法制度改革推進本部事務局より資料1-1、1-2を用いて説明があった。

    • 二点伺いたい。一点目は、利用申込者があるADR機関の裁定結果に不満があるとして別のADR機関に同じ紛争を申立てることは可能なのか。同じ事案なので、相手方の会社は同じ対応を強いられるが、それを防ぐ手立てはあるのか。実際に防ぐとすれば、その申立を受けた会社が、既に他のADR機関で結果が出ている旨を申立てることで防止できると思うが、その点についてどのようにお考えか。二点目は、認証の監督について、既にある業界団体のADR機関は主務大臣の監督を受けているが、仮に認証を受けた場合、法務大臣からも監督を受けることになるのか。

    • 一点目については、結果が不満であり和解に至らなければ別のADR機関に行くことは当然想定される。一方、当事者間で和解が成立したにもかかわらず別のADR機関に申し立てるようなことは、今回の法案では執行力の付与が見送られたとはいえ、ADRの結果に全く法的な効力がないとはいえない。認証の有無に関わらず広く一般的に言えることとして、当事者間で和解したということは、民法上の和解契約として一定の効力が認められる。そうした効力があることを前提に再度話合いをするのかは、当事者間の判断に任せられる。仮に一方が話し合う必要がないと判断するのであれば、和解契約に則って然るべき措置をとるということではないか。本法案において、そういう場合を想定して何らかの手当てをすることは考えていない。

      二点目については、まず法務大臣が認証する仕組みを考えている。一方、ADR機関が公益法人であるなど、別の大臣の監督を受けている場合、その大臣が認証手続過程において然るべき形で関与することが考えられる。いずれにしても、公益法人を監督する立場での監督権限の行使と、紛争解決事業者の適正な運営を確保するという観点からの監督権限の行使は、必ずしも一方があれば足りるというものではなく、最小限の監督は必要であると考えている。

    • 「裁判外における法による紛争の解決の促進について」とあるが、これがそのまま法律の名称になるのか。

    • 名称がどうなるかは検討中であり、確定はしていない。

    • 「法による」とはどのように解釈するのか。ADRの特徴は、調停・あっせんにあると考えるが、「法による」ということは、調停・あっせんを本法律に基づいて行うということなのか。

    • 「法による」という意味は、必ずしも「法」を判断基準とするというような狭い意味ではない。例えば、司法ネットを立ち上げるための総合法律支援法でも、不適格な者が行う紛争解決手続ではない、公序良俗に反する紛争解決ではないという意味で「法による」という言葉を使っている。本法案の「法による」という言葉も、それと同旨である。「法」というのは、実定法に限られるわけではなく、例えば「法の支配」と言った時に用いられるような、広い意味での「法」を指している。

    • そもそもADRというのは、調停・あっせんによる合意により解決するものである。それにもかかわらず「法による」という言葉を使うのは、調停・あっせんによる合意よりも、「法」を優先するということになるのではないか。

    • ADR検討会においても、同様の意見が出されたが、ここでいう「法による」という言葉の意味は、「不法でない」「正義に反するものでない」という程度の意味である。合意による調停・あっせんといっても、調停人等が、一方の当事者に不利な内容を押し付けて、立場の弱い当事者が合意してしまうという事態があってはならないが、そういうことを排除するという程度の意味と理解している。この法律の制定、施行にあたっては、「法による」という表現はそのような意味であることを理解してもらえるよう、努力してほしい。

    • 最終的にどのような文言になるかわからないが、司法制度改革推進本部においても、よく検討していただければと思う。

    • 一点強調しておきたいのは、この認証制度は、あくまでも紛争解決事業者の任意の選択に基づく制度であり、認証を受けなかったからといって、その紛争解決事業者が劣っているわけではなく、また認証を受けたから優れているというものでもないことである。認証の取得については、法的効果や利用者に対する選択の目安といった認証により付与される効果と、認証取得による様々なコストに鑑み、認証を受けるメリットがあると判断した機関だけが受ければ良い。半強制ではないし、他の機関が受けるので受けた方が良いといった問題でもなく、各機関で認証に伴う様々な要素を考慮し、自主的に判断して頂きたい。認証を受けなかったからと言って、何か不利益があるというものではないことは強調しておきたい。

    • 金融関係団体では、自前型あっせん機関だけでなく、弁護士会仲裁センターを利用したあっせん制度を実施しているところもある。仮に認証された場合、その団体と仲裁センターとの関係はどうなるのか。また、弁護士が手続実施者でない場合の弁護士の関与の措置を定めることになっているが、具体的にどうなるのか。

    • まず、認証対象業務について、両当事者間に第三者が入って仲介し、両者のために紛争の解決を図る手続を行う業務を認証の対象と考えている。したがって、そこまでに至らない業務、例えば、一方当事者から苦情を受けるとか、相談に応じるといった業務にとどまる限りにおいては認証対象とはならない。仮に、今まで相談だけにとどめており、相談で解決しない場合は他の機関に委託していたが、今後はもう少し紛争解決の幅を広げ、自ら紛争解決を図っていくこととした場合は、認証を受けるかどうかという問題が出てくる。認証基準としては、まず取扱分野が前提としてあり、その取扱分野の紛争を解決するのに適切な手続実施者を選任する方法が決められているか、弁護士でない人が手続実施者である場合は弁護士の関与に関する措置がなされているか、親会社や取引先企業など他の者から事業の支配を受けている等、ADR業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがある場合、それを防止する措置を定めているか、といった観点から、業務の方法が適切かどうかを見る。そして、その方法に応じて紛争解決手続についての知識・経験、紛争内容に応じた法令に関する知識、どのような人を手続実施者とするのか、その手続実施者をどのように確保するのか、ということを判断していくことになる。弁護士の関与については、認証を受けるためにADR機関の役員等として弁護士を関与させる必要があるというわけではない。手続実施者についても、いろいろな形態が想定され、例えば、パネルを組む場合に弁護士が参加するケース、弁護士はいないが必要な時に助言が得られる体制をとっているケース、全く弁護士がいないまま行われるケースがある。想定されるいろんなケースでどのような措置が必要かという形で認証基準を設定することを考えている。

    • 調停・あっせんの定義がどうなるかわからないが、ADR検討会での議論の経緯からすれば、本協議会で作成されたモデルに則して考えた場合、紛争解決支援については当然であるが、苦情解決支援手続についても多くの場合は、ADR法でいう調停・あっせんに含まれるのではないかと考えている。

    • 報酬に関して、報酬を受ける場合の要件や、請求する相手方、報酬額等について、法律的な規定がなされるのか。仮に規定されるのであれば、どのようなルールになるのか。

    • まず、報酬を請求する相手方は、いろいろ想定されるが、例えば、利用者に請求するのであれば、どういう基準で報酬を受けるのかについて利用者に説明することを認証事業者に義務付けすることを考えている。しかしながら、具体的にこういう基準で報酬を受けなければいけないというところまで、この認証制度で関与することは考えていない。一方、不当に報酬を受けるような場合は、弊害のおそれがあるので何らかの形で防止すべきだと考えている。そこで、例えば、定められた報酬の基準があまりにも不当であれば、そもそも業務の方法として不適切と捉えることが考えられる。

「金融サービス利用者相談室」(仮称)の設置について

  • 事務局より、資料2を用いて説明があった。

    • 金融庁に消費者窓口ができることは、金融審でも5年間様々な機会を捉えてお願いしてきたことでもあり、大変良いことだと思う。現状25,000件ということで一日平均100件位になると思うが、スタート時はどの程度のキャパシティを想定しているのか。

    • 現在、計16名の体制ということで要求しているが、そのうち相談にあたる人員は、非常勤職員を含め13名である。1件あたりどのくらいの時間を要するのかについては、5分程度で終わるものから1時間以上かかるものまで様々であるが、電話等で応対する時間と記録を作成する時間を合わせて1件1時間位と想定している。そうすると、1人一日8件処理ができるとすれば、13名で年間25,000件処理できることになる。今後、相談件数が増加した場合、この体制で十分なのかという問題もあるが、まずは初年度の体制ということで、このような要求を行っている。

    • 金融庁の相談室に対する期待が大きいが、今まで「やっていない」と言っていてもこれだけの件数が来ており、テレビ等ですでにPRもされており、開始した途端電話がパンクするのではないかと心配している。また、ワンストップの相談窓口であって、紛争については民々への介入を避けるということだが、苦情のようなものにどこまで対応するのか。紛争に関しては外部機関を紹介するということだが、どのようにつないでいくのか。現状であれば、どこに何があるといった程度の紹介だと思うが、相談室となれば、紹介状を付けたり、相談室で確認した質問表を回付するということも考えられるのではないか。

    • 苦情にどこまで関わるのかは苦情の内容による。相談室で必ずやるべきことは、申出が個別紛争なのか、より一般的な制度等金融行政のあり方についての意見なのか、交通整理をすることと考えている。個別の問題であっても、申出人にとって苦情の対象が明確であるとは限らない。例えば、証券の苦情と思っていたら、実は違うものであったということも多々ある。苦情であっても、相談室で話を聞き個別の紛争であれば外部の機関につなぐが、申出人の抱える問題に対して適切な外部機関を紹介するという意味で交通整理の機能を果たすことも重要と考えている。どのようにつなぐかは検討中であるが、つないだ後についてもどうするのかという問題もある。つないだ後、各機関での個別の苦情処理手続の中で行政に参考になる情報があれば、当然そういう情報は聞かなければならないと考えている。また、実際に相談室が立ち上がれば、つながれた各機関において困ったケースや当初想定していないケースも出てくると思われるので、相談室の準備段階においても、相談室が立ち上がった後においても、各機関と連携を密にしてまいりたい。

    • 私も大変結構なことだと評価している。今のは深さに関する質問であったが、私からは幅に関する質問をしたい。金融サービス利用者ということなので、全金融サービス利用者ということと理解してよいか。この協議会自体、金融関係18団体、金融当局6省庁関係部局、さらに消費者行政機関が入っている。必ずしも金融庁所管でない金融取引もあるが、日本の金融取引は非常に細かい縦割りになっており、利用者にとって分りにくい。せっかく電話したのに、金融庁所管でないと言われると非常に困ることになる。そういうことはないと考えてよいか。

    • 現実問題として、金融庁として他省庁所管の法制度等についてまで話をすることはできない。しかし、利用者からみれば、そもそもどこが所管なのかさえわからないということも多いと思われるので、仮に金融庁で答えられない問題であったとしても、回答できないと言うのではなく、例えばそれについてお答えできるのはどこであるというように、できる範囲で情報提供し、交通整理に努めたい。

    • 金融庁に、金融サービス利用者相談室ができることは画期的であり、喜ばしいと考えている。我々は消費者相談も行っているが、金融商品の相談は複雑で非常に分り辛いのが現状であり、今後は、相談者に対して、この相談室を紹介できるのではないかと思っている。

      機能として苦情等の受付とされているが、苦情の受付と処理とは一体のものと考えている。紛争のあっせんについては、外部機関に回付となっているが、紛争の手前である苦情については、何らかの解決ができる機能を持ち合わせて欲しい。そうでなければ、利用者は、せっかく電話しても何の解決にもならなかったということになりかねない。苦情の受付と処理は一体と考えて頂きたい 。

    • 最初からあまりにも大きな役割をお願いするのは、なかなか大変だと思うが、将来的にはより大きな機能を果たすように育てていってほしい。

今後の協議会の活動について

  • 事務局より、資料3-1、3-2を用いて説明があった

    • このアンケートが実施された時に、金融庁の相談室の話はまだ出ていなかったので意見に書かなかったが、相談室は来年4月からスタートし、相談室から各団体へ移送するといったネットワークが組まれる可能性があることを考えると、金融庁との関係について協議会で検討する必要があるかもしれない。

    • 相談室のような問題やADR法への対応といった問題については、協議会の全参加団体に関わる問題なので協議会で取り上げた方が良いと思う。ただ、法整備の仕方によっては全団体が関わる訳ではないが、重要な問題となりうるものもある。例えば、為替証拠金取引や無認可共済のように、法整備の内容によっては、非常に関連するところ、全く関係しないところが出てくるので、必ずしも全員が集まってやらなければならないという訳ではないと思う。全体は全体として、別途テーマ毎に関係する団体プラス利用者という準備会合のようなものををタイムリーにやるのも一案ではないか。

    • アンケートにも、必要に応じて小委員会、タスクフォースを行うとの回答もあり、そういうことも考えていきたい。また、アンケートの中では、開催間隔を空けるべきとの記述があったとなっているが、必ずしも多くの委員からの意見というわけではないということで良いか。

    • 複数の回答があったが、必ずしも大多数の意見というわけではない。

    • 協議会のあり方については、今日に限った問題ではなく、今後も適宜改善を図っていきたい。

  • 議事資料の公表について了承された。

問い合わせ先

総務企画局企画課
電話03-3506-6000(内線3517)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。

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