第17回金融機能強化審査会 議事要旨

1.日時:

平成26年8月6日(水)9時30分~11時45分

2.議題:

  • 経営強化計画(福邦銀行及び南日本銀行)の審議

3.議事内容

  • 事務局より、福邦銀行及び南日本銀行から提出された新たな経営強化計画の 概要等について説明が行われた。

  • 福邦銀行の東條頭取より新たな経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

    • 前計画で未達成であった数値目標について、取締役会や経営諮問委員会等では、その過程において、どのような議論があったのかを教えていただきたい。
      • 金融機能強化法の趣旨である「中小規模事業者に対する経営改善支援や円滑な資金供給」にしっかりと取り組むことが大事であり、各会議体で厳しい指摘を得ている。数値目標の達成に向けて、取引先への過剰供給や低金利競争を行うのではなく、法の趣旨を崩さないよう、従来の方策のパワーアップと、新規の方策が議論の過程で出てきており、今回の新計画にも反映させている。

    • 取引先総数について、26年3月期が前計画の始期に比べ減少しているが、その背景及び今後の所感を教えていただきたい。
      • 当行は、新規取引先数を増やすための取組みを行ってきたものの、県内事業先数の減少や他行競合もあり、結果として減少した。今後、人口減少、廃業者数の動向、当行の県内シェア等を踏まえると、既存取引先は更に減少することが見込まれ、危機感を持っている。新規取引先を掘り起こすため、そのリスクをしっかり見つつ、単純な低金利競争を行うのではなく、企業をサポートする体制を構築し、企業を育成することにより、取引先総数を増やしていく仕組みができるよう、当行自身の実力を高めていく。

    • リスクマネーを出す分野に対しても、選別的にコミットするため、公的資金が入っているわけであり、また、事業再生先に対して本業支援することは、与信コストを下げることとなり、収益アップにもつながる。そういった視点・認識で事業再生支援・創業支援等を取り組んでいただきたい。
    • 経費削減について、外部コンサルタントと実施しているとの説明があったが、その費用対効果を教えていただきたい。また、銀行や行員の購買は、地元事業者・商店街にとっては本業支援となるので、地元に貢献する経費でもある。そういった視点でも取り組んでいただきたい。
      • 外部コンサルタントは昨年秋以降に導入し、成功報酬という契約となっている。当行はこれまでも経費削減に取り組んできたため、効果としては大きな削減にはなっていないが、細々としたところで効果はでてきている。また、銀行等の購買についても、十分承知したので、取組みをさせていただく。

  • 福邦銀行の東條頭取が退室した後、南日本銀行の森頭取より新たな経営強化計画の概要について説明が行われ、その後、質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

    • 新計画のなかで、「地域金融機関の常識」を「信用力で選別することなく、面の活動において取引先事業者の事業運営に本格的に責任を持つことで、強力なリレーションを構築するとともに、地域経済を活性化することで不良債権発生を抑制し、預金者保護を全うする。」と定義しているが、「信用力で選別することない面の活動」とは、どういう意味か教えていただきたい。
      • 従来は企業単独の信用力だけで判断していたが、もっと広げて、地域の商流あるいは地域での企業の貢献度といった、地域としての面を見ながら「真のリレバンの実践」に取り組んでいくという意味である。

    • 本業支援業務(WIN-WINネット業務)は、取引先のトップラインの改善だけではなく、コスト管理をして利益が出るような、経営管理面での波及効果に繋がった事例があれば教えていただきたい。
      • 当行では「ぱなしセールス(売りっぱなし、貸しっぱなし)」とならないよう、例えば、不動産関連融資の後でも、家賃や管理費といったリスク管理を含め、様々な付加価値を提供できるよう取り組んでおり、そういう面での効果はでてきている。

    • これまで、低金利競争に巻き込まれないよう取組みを行ってきたと思うが、26年3月期のコア業務純益が計画を下回っている要因は貸出金利回りの低下である。今後も、金利はどうしても低金利となると思われるが、このあたりの対策はどう考えているのか教えていただきたい。
      • 低金利競争は、どうしても巻き込まれる部分があると思うが、今後も、本業支援業務(WIN-WINネット業務)を推進し、行員の目利き力の向上、更には取引先との結びつきを強化することにより、金利水準だけではない面で選ばれる間柄を構築していく。

  • 南日本銀行の森頭取が退室した後、福邦銀行及び南日本銀行の新たな経営強化計画について討議が行われた。主な意見は以下のとおり。

    • 福邦銀行については、客観情勢が厳しい中、時間をかけながら顧客との信頼関係を築く継続的な取組みを行い、徐々にその成果が出つつあるという段階である。新計画では、目先の数値目標の達成が優先されることなく、中長期的な視点での取組みを行うことにより、計画終期である3年後にその効果が上がることを期待する。
    • 南日本銀行が行う取引先への本業支援業務(WIN-WINネット業務)に「事業再生型」を導入することについては、公的資金を入れることの意義というのが見えてくる取組みであり、計画として高く評価できる。
    • 公的資金注入行においては、 公的資金を入れた目的を踏まえ、公的資金をどのように活用して、それが地元の雇用・商流・経済規模にどのような影響を与えたかという視点で各施策の効果を検証した上で、地域の下支えとなる取組みが実施されることを期待する。
  • 以上の討議の後、審査会として福邦銀行及び南日本銀行の新たな経営強化計画について了承することとされた。

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金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

監督局 総務課・銀行第二課
(内線3391・3222)本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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